SCP-5619

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SCP-5619 - (2021/03/07 (日) 05:30:19) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2021/03/07 (曜日) 00:59:12
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&font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます

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#center(){
&font(#787346){大切な人とお茶を楽しむことについての短い物語。}
}

SCP-5619は、シェアード・ワールド「[[SCP Foundation]]」に登場するアノマリーの一種。オブジェクトクラスはSafe。

*特別収容プロトコル

SCP-5619は二つのオブジェクトで構成されており、そのどちらも安全な異常物品ロッカーに収納される。

&bold(){それだけ。}別に大規模な収容装置が必要なわけじゃないし、収容不可能なアノマリーってわけでもない。実にシンプル。

このオブジェクトに関わった二人の人物(PoI-5619-A、Bと指定されている)は、別に財団や世界にとって脅威になるわけでは無いので、普通に一般の社会で生活している。

&bold(){それだけ。}別に財団施設で恒久的に生活を送らなければいけないわけでは無いし、なんなら[[記憶処理>記憶処理(SCP Foundation)]]がされたかどうかさえも怪しい。実にシンプル。

多分察した諸兄が殆どだと思うが、このオブジェクトは最近の財団に見られる、原点回帰ともとれるシンプルなオブジェクト群の一つである。

*概要

本体のSCP-5619は、二つの陶器製マグカップのセットである。片方は白い塗装で、猫の顔をあしらった金の模様が描かれている(こちらをSCP-5619-Aと呼ぶ)。もう片方は黒い塗装で、星のような銀の模様と、「Witch's Brew((直訳すると「魔女の醸造薬」。転じて、やべー化合物や恐ろしい混乱のことを例えてこう言う。))」というフレーズが書かれている。

これだけ聞くと、そこそこ良い家庭にありそうな洒落たマグカップセットだが、異常性はここから。

片方のマグカップに、お湯やお茶など、温かい飲み物を注ぐと、何故かもう片方のマグカップがその液体で満たされる。そして、縁からはみ出るくらいまで満タンに注がれると、本来注がれるはずだったカップに液体が溜まり始める。途中で飲み物を追加しても、また普通飲み物に入れるもの(砂糖など)も転送される。

注がれるものは少なくとも摂取できるものでなければならず、例えば石鹸等は転送されない。

更に、飲み物が注がれた状態で、このマグカップをそれぞれ違う人が持つと、第二の異常性が発現する。

その二名は、どれだけ離れている場所にいても、お互いが5フィート(1.5メートル強)の距離にいるという幻覚を見る。詳細は後述するが、この幻覚はお互いの行動とリンクしていると思われる。また、音声等は相手に伝わらない、幻覚に触っても相手は知覚しない等の制限がある。
どちらかがカップから手を離すか、入っているものを飲み干すと幻覚は終了する。

&s(){まさかSCPにもリモート化の波が来ていたとは…}

*経緯
こんな異常性を持っているという事は、別々の場所で使われていたと考えて然るべきだが、如何せん使われている場所がかなり離れていた。

SCP-5619-Aはアメリカのとあるアパートで発見されたが、SCP-5619-Bの方はイギリスの平屋で発見されている。&bold(){大西洋を挟んでいる。}

この二つの場所で、財団はほぼ同じ「奇跡論周波」なるものを観測した。恐らく起きる現象に伴って発生する何かだろう。調査の結果、この周波は4年間も定期的に発生していたらしい。

それで、この現象を起こした張本人は誰かというと、最初に言ったPoI-5619-AとBの二名である。最も、この二人は発見時にはすでに移住していた。
二人は、アメリカの二人暮らし用アパートで同棲していたのだった。

*考察
まとめると、このマグカップは、相手の行動が幻覚として見えるという代物なのだが、つまりこの二人が出会うきっかけとなったのだろう。

最初は片方が飲料を注いでも消え、もう片方は急に飲み物が現れて戸惑った筈だ。しかし、何回かの”お茶会”を通じて、この二人は互いの事を知ったと推測される。

そして二人は四年間交流を続け、紆余曲折を経て実際に出会った。その頃には、二人は互いにとって大切な存在となっていたのだ。元記事のディスカッションページには、作者のコメントとしてこのように記されている。
#center(){
「Just a simple story about enjoying tea with someone you care for.」
}

これを訳したのが一番上の文章である。

この二人が出会うまでのストーリーは、諸兄の想像にお任せする。というかして欲しい。心が温かくなること請け合いだ。

それが怪異を通じたものだったとしても、

それが海を挟んだものだったとしても、

大切な出会いは、きっと二人を幸せにしてくれたはずだ。

#center(){
&font(#d7a98c,150%){SCP-5619}
&font(#d7a98c){ティーカップル}
&font(#d7a98c,150%){「A Couple of Cuppas」}
}

追記・修正は、温かい物を飲みながらお願いします。

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#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 財団のいつものやり方からすると、AさんとBさんは自分達の出会いを覚えてないんだろうなぁ…  -- 名無しさん  (2021-03-07 02:11:44)
- 項目名これ天才すぎやろ  -- 名無しさん  (2021-03-07 02:27:32)
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}