乳頭温泉郷

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乳頭温泉郷 - (2022/12/13 (火) 22:16:07) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2021/11/26 (金曜日) 11:49:00
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約30分で読めます

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&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
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&bold(){乳頭温泉郷}とは[[秋田県]]仙北市にある温泉郷である。

#openclose(show=●目次){
#contents()
}

*&sizex(5){●乳頭温泉郷の特徴}

秋田県と[[岩手県]]の間にまたがる、その姿が[[乳房>おっぱい]]を伏せた形に見えることから名付けられた乳頭山の秋田県側に点在する[[温泉]]を指す。
勘違いされやすいが乳頭温泉という名称の温泉(源泉)は存在せず乳頭山の山麓に点在する複数の温泉を総称して乳頭温泉郷と呼んでいる。十和田八幡平国立公園内に属している。

乳頭温泉組合の公式ホームページでは、&color(deepskyblue){鶴の湯}、&color(coral){妙乃湯(たえのゆ)}、&color(yellowgreen){大釜温泉}、&color(brown){蟹場(がにば)温泉}、&color(green){孫六温泉}、&color(purple){黒湯温泉}、&color(orange){国民休暇村乳頭温泉郷}を&bold(){「七つの宿 七つの湯」}として紹介している。
また、乳頭山への登山道の途中には&color(hotpink){一本松温泉}という野湯((自然の中に存在する温泉が自噴しており、かつその源泉を利用した商業施設が存在しない場所のこと。 Wikipedia 野湯 より部分抜粋))が存在し、Wikipediaの乳頭温泉郷の記事ではそちらも乳頭温泉郷として紹介されている。
ここでは主に公式ホームページ上で紹介されている7つの温泉とその宿などについて紹介する。

乳頭山の麓、標高600~800メートル付近に温泉宿が点在している。
乳頭温泉というと&font(l){&bold(){乳頭}という単語のインパクトもあってか}鶴の湯の露天風呂のような&font(u,White,#000000,17px){白濁とした}お湯のイメージがあるが7つの宿それぞれが源泉を持っておりその泉質も様々。
また同じ宿でも複数の源泉が存在する宿もある。そのため複数の温泉をはしごする湯巡りが楽しめる。
各宿の温泉で日帰り入浴を各宿1回ずつ行える「湯めぐり帖」も発売されている他、湯めぐり帖の購入者向けに各温泉宿を順に回る巡回マイクロバス「湯めぐり号」も運行されている。


*&sizex(5){●乳頭温泉郷へのアクセス}

【&color(blue){公共交通機関}】
[[秋田新幹線]]/[[田沢湖線]]の田沢湖駅より、羽後交通バス乳頭線 &bold(){乳頭・蟹場温泉}行き乗車、各停留所下車。
東京駅からは約4時間20分。

秋田空港より予約制乗り合いタクシーの秋田エアポートライナー乳頭号で約2時間10分。

【&font(#ff0000){自動車}】
国道341号線、田沢湖入り口交差点を田沢湖と反対方向に曲がり県道127号線から県道194号線をへて
乳頭山の方へ上っていく。東北自動車道盛岡ICより約1時間。

※各温泉宿へのアクセスは後述


*&sizex(5){●乳頭温泉郷の魅力}

江戸時代から続く湯治場であり茅葺き屋根の長屋が残る鶴の湯を始め&bold(){山の中の秘湯という雰囲気がぴったりの温泉が多い。}
国立公園内ということもあり各温泉宿以外は建物も少なくブナの木々に囲まれながら豊かな自然も楽しめる。またどの温泉宿にも露天風呂がある。
多くのお店の建ち並ぶ華やいだ温泉街や、様々なレジャー施設がある温泉リゾート施設とはまた違う落ち着いた雰囲気、日本の原風景を堪能することが出来る。

昔ながらの湯治場の雰囲気が色濃く残る黒湯温泉や、木々に囲まれた沢の近くに露天風呂があり開放的な雰囲気の中で入浴が楽しめる蟹場温泉、廃校となった小学校を移築し使っている大釜温泉など各温泉宿の特徴も様々。

テレビ朝日系列の「世界が驚いたニッポン!スゴ~イデスネ!!視察団」の番組内で2019年に行われた、
『&bold(){日本の温泉地“満足度”ベスト12!「おもてなし」を支える職人に密着}』という企画で行われた日本の各温泉街で
訪日外国人観光客の満足度を調査したランキングでは3位の草津温泉、2位の箱根温泉を抑え&bold(){乳頭温泉郷が1位にランクインしている。}
雪を求めて訪れる外国人客が増えており乳頭温泉郷の雪景色が人気を集めているとのこと。
鶴の湯ではおもてなしにかまくらが作られていたり、囲炉裏スタイルで食べる山の芋鍋が人気だったりと、雪景色以外にもそれを引き立てる古き良き日本の原風景を堪能できるというところが外国人客にも人気の理由なのかもしれない。

東京から時間こそかかるものの新幹線とバスだけで訪れられるのもありアクセスも良好。
バスは新幹線の時間に合わせられており本数もそれなりに多い。
どの宿もそこに至るまでの車道は整備されているので自動車でもアクセスしやすい。((山の中ということもあり急な箇所も多い。また一部狭かったり未舗装の箇所もあり。豪雪地帯なので当然冬場は雪に対する備えも必要))
なので秘湯と呼ばれるような温泉に行ってみたいけどあまりにもアクセスが大変なところはな、という人にもおすすめ。
田沢湖観光や乳頭山への登山、トレッキング、近隣でのキャンプやスキーと合わせて訪れるという楽しみ方もあり。

*&sizex(5){●乳頭温泉郷に行ってみたい! ……でもその前に留意しておいたほうがいい点など}

**★混浴の温泉が多い

現在でも[[混浴]]の温泉の残る宿が多い。&bold(){7つの温泉宿のうち5つに混浴の温泉がある。}
鶴の湯の露天風呂のようにその宿の中でも有名なお風呂は混浴というパターンも多い。バスタオルを巻いたり水着の着用もNG(妙乃湯はバスタオル使用可)
性別問わず気になる人にはかなり気になってしまうところかも。

さすがに混浴のみという宿は無いし、宿によっては女性専用の露天風呂や貸し切り風呂、女性専用の時間帯が設けられていることもある。
混浴は気になるという人は事前にその宿のホームページを調べておこう。男性も女性もマナーと譲り合いの心を持って気持ちよく温泉を楽しもう。


**★宿や温泉の設備が簡素なことも

昔ながらの風情のある宿も多いが反面&bold(){設備やアメニティが一般的な旅館やホテルよりも薄い宿も。}
もっともそれが昔ながらの湯治場、温泉宿という雰囲気に合っているし鄙びた雰囲気が好きだという人もいるので一概に欠点だとも言い切れないが。
以下、その中で気をつけたほうが良い点など

・洗い場にシャワーが無いこともある

&bold(){洗い場にシャワーや蛇口がなかったり、浴槽の脇に石鹸が備え付けられているだけというお風呂もある。}
浴槽からお湯を持ってきて身体を洗うことも出来るが不便さは否めないし、かけ湯はするとはいえお湯に入る前に身体を洗うことがしづらいので人によっては気になるかも。
そういった温泉はあくまで湯に浸かるための場所なのだと割り切ろう。

国民休暇村乳頭温泉郷のように一般的な大浴場にあるような洗い場のある温泉宿も多いため先にそちらで身体や頭を洗っておくのもあり。
宿泊者向けの内湯にある(鶴の湯)、露天風呂には無く内湯にある(蟹場温泉) というパターンも。

・浴室や風呂自体が小さめなことも多い

宿にもよるがいわゆる大浴場と違い浴室や風呂の大きさは小さめで休日は混雑していることも。
脱衣かごが埋まっているようなら無理に入らず、空くのを待つか同じ敷地内の他の風呂に入るなどソーシャルディスタンスへの配慮も忘れずに。
特に混浴は定員を男性と女性で半分に分けているのもあり、男女別の浴室よりも脱衣かごが少なく6つくらいしか無いことも。

・湯の温度にばらつきがあることも

季節やタイミングにもよるが温度調整しない天然の源泉かけ流しの温泉の場合、湯の温度が環境に左右されるため熱かったりぬるかったりすることも。
前日は熱かったけど翌日は丁度いい塩梅ということもある。
いつでも決まった温度のお風呂に慣れると不便だがこの温度変化も自然のものなんだと割り切ろう。
宿によっては加水したり湯守りの方が木の板を使い湯をかき混ぜ温度を調整しているところもある。

・脱衣所にトイレや鍵付きロッカーがないことも多い

ホテルのように建物内に大浴場があるのではなく温泉のある湯小屋が建物の外にあることも多い。
その為脱衣所にトイレが無いことも。着替えて戻る必要があるため小さな子供と一緒に行くときはなどは脱衣所に行く前にトイレを済ませておいたほうが無難かも。
同様に脱衣所に鍵付きロッカーが無いことも。敷地内にコインロッカーがある場合は先にそちらを利用し、無い場合は受付で貴重品を預かってもらえるか確認をしておこう。
&sizex(2){コインロッカーに荷物を預けお金を入れる→預けた荷物の中にタオルなどが入っていたことに気づき鍵を開け取り出した後に再びお金を入れる&br()という凡ミスをしたのはうp主だけではない……と思う(汗)}

・客室の設備などが簡素なことも多い

客室にトイレや洗面所、エアコン、テレビなどが無いことも。家族で泊まる人は事前にホームページなどで確認しておいたほうがいいかも。
夜ふかしはせず早めに就寝して身体を休め、翌日は少し早起きして朝食前に朝の清々しい空気の中露天風呂に入るのもまた格別。
wi-fiはどの宿でも利用ができるのでアニオタ民も安心。


**★日帰り入浴の終了時刻が早め

日帰り入浴の終了時間が15~17時と比較的早め。終了時間は各宿ごと異なるので可能なら先にホームページなどで調べておこう。
終了後も好意で入れることもあるが以降は宿泊者向けなのと、宿側も宿泊者受け入れや夕食の準備などもあるので無理なお願いはNG。
鶴の湯や黒湯温泉のように比較的離れている温泉を利用したい場合は時間に余裕を持って訪れよう。


**★その他

・趣のあるお風呂も多く写真に収めたくもなる気持ちもわかるが、(乳頭温泉郷に限らず)&br()浴室内に安易にカメラやスマートフォンなどを持ち込むと迷惑禁止条例に触れる可能性が高い。&br()&br()どうしても撮影したい場合は、&br()1.宿や施設側に事前に許可をもらう&br()2.許可をもらったら撮影時にはその場にいる人にもちゃんと了承を得てから行う&br()……と、きちんと手順を踏んで了承を得てから行うようにしよう。&bold(){どちらかでもNGが出た場合は絶対に行わないように。}&br()「人を写すつもりはない」、「宣伝になるだろ」などと主張しても言い訳にしかならないし、問題が起これば宿や他のお客、温泉郷そのものにも大きな迷惑がかかってしまう可能性もある。&br()&br()また、掃除中などに撮影を希望する人もいるが、宿側は限られた人員と時間の中で業務を行っているためこちらも控えよう。

・国立公園内ということもあり付近は温泉宿以外のお店はほぼ無い。昼食や買い物は宿によっては併設されている食事処や売店を利用しよう。&br()食事処は昼間の数時間のみ営業ということも。温泉郷内で昼食を考えている場合は予め場所と営業時間を調べておいたほうがいいかも。&br()あるいは田沢湖駅前や田沢湖周辺のお店を利用しよう。&br()また、国立公園内ということもあってかゴミの持ち帰りをお願いしている宿もある。

・ただしこれらはただ単に古臭い、設備を良くするのをサボっているのではなく、&br()昔ながらの風情ある温泉や湯治場としての雰囲気を残すためだったりとその温泉宿ごとの考え方や方針があってのもの。&br()設備が充実したホテルや旅館に慣れると不便さは少なからずあるが、宿に対し過度な要求などは絶対にしないように。&br()各温泉宿ごとに設備やサービスは異なるためホームページなどを参照に自分に合った温泉を利用しよう。


*&sizex(5){●湯めぐり帖/湯めぐりマップについて}

湯めぐり帖は乳頭温泉郷内の6つの温泉宿と休暇村の温泉に各1回ずつ日帰り入浴出来るようになる他、後述の湯めぐり号を利用が可能。温泉郷内の7つの宿の受付で買うことが出来る。
1冊1800円で日帰りの入浴料は概ね600円前後のため3箇所入ればもとは取れる。使用期限も購入から1年以内と長め。
ただし購入ができるのは各宿の宿泊者に限られる。宿泊先ではない宿でも購入は可能だが宿泊が証明出来るもの(宿泊予約サイトのHPなど)を提示するか、宿名を受付に伝え電話確認してもらう必要がある。
昔の帳簿を思わせる外見で掛けられるように紐もついている。7枚の絵はがきが綴じられておりはがきの宛名面の下側に各宿の名前と写真、日帰り入浴時間など簡単な説明が載っている。
日帰り入浴をする際は裏面にその宿のスタンプを押して貰う。

湯めぐりマップは日帰り入浴客向けの乳頭温泉の案内図でこちらも購入すれば湯めぐり号を利用出来る。
一部600円。ただし日帰り入浴の際は入浴料が必要。


★湯めぐり号について

乳頭温泉郷内を巡る周遊バス。鶴の湯から孫六温泉に向かう便とその反対の便がある。どちらも1日5本運行されている。
冬季は黒湯温泉、孫六温泉には行かないので注意。
鶴の湯~孫六温泉の所要時間は約40分。蟹場温泉で折り返してくる関係で通して乗るとちょっと時間がかかるが
離れた場所にある鶴の湯や坂の上にある黒湯温泉へのアクセスには大変便利。
各温泉の写真が描かれた車体と屋根に取り付けられた湯おけがおしゃれ。

#openclose(show=◆経路図){
#center(){| 鶴の湯 |}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 鶴の湯別館 山の宿 |}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 国民休暇村乳頭温泉郷 |}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 妙乃湯 |}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 大釜温泉 |}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 蟹場温泉 |
※冬季は蟹場温泉まで}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 大釜温泉 |}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 妙乃湯 |}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 国民休暇村乳頭温泉郷 |}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 黒湯温泉 |}
#center(){↓ ↑}
#center(){| 孫六温泉 |}
}


*&sizex(5){●乳頭温泉郷の7つの温泉7つの宿の紹介}

各宿の送迎バスなどは予約が必要なことも。利用方法は事前に確認をしておこう。

**◆乳頭温泉郷 秘湯鶴の湯温泉
&color(deepskyblue){~佐竹藩主も湯治に訪れた乳頭最古の湯~}

★アクセス

【 &color(blue){路線バス}】
羽後交通バス 鶴の湯温泉入り口停留所下車、徒歩約45分
※羽後交通バス アルパこまくさ停留所下車、アルパこまくさの駐車場より送迎バスあり

【&color(red){自動車}】
国道341号線田沢湖入り口交差点から県道を上り約11Km、鶴の湯の看板のある角を左折し林道を約3Km。

★特徴

乳頭温泉郷の中でも最も古い歴史を持つ温泉。乳頭温泉郷といったら鶴の湯の白色のお湯と露天風呂が思い浮かぶ人は多いと思われる。
寛永15年(1638年)には二代目秋田藩主の佐竹義隆公が湯治に訪れたと言われている。その時に警護の武士が詰めたのが本陣なのだとか。名前は地元の漁師が猟の際に傷ついた鶴がお湯で傷を癒やすのを見つけた事に由来しているという。

ブナの木々の林道をひたすら進み、その終点にある山間に茅葺き屋根の長屋などの素朴な建物がひっそりと佇む姿は秘湯ムード抜群。
関所のような入り口、茅葺き屋根の本陣、木造の宿泊棟、水車など敷地内を歩くだけでも古き良き日本の風景に触れられ楽しめるかと。
7つの温泉宿の中でも特に人気が高く、宿泊予約がなかなか取れないことも多いとか。また日帰り入浴も休日は混雑することも。

本陣は宿泊も可能。囲炉裏があり夕食の際はそこで焼き上げたイワナも食べられる。
TVもなく照明器具は灯油ランプのみ、扉に鍵が無くつっかえ棒があるだけだったりと不便さはあるが昔ながらの茅葺き屋根の長屋という雰囲気に合っているしタイムスリップをしたような気分に浸れるかも。
ただウォシュレット付きトイレが備わっておりwi-fiも使えたりと昔ながらの部分を残しつつも快適に過ごせる配慮もなされている。

バス停から宿まではかなり距離があるため送迎バスや湯めぐり号の利用がおすすめ。
道路沿いには水芭蕉の群生地もあるためハイキングがてら歩くのもあり。周辺の森の中にも複数の自然歩道があり蟹場温泉方面へ歩くことも出来る。
道路はほとんど舗装されているが宿の少し手前から砂利道になっている。駐車場も未舗装。

日帰り客用のコインロッカー、トイレは宿泊棟の2号館にある。土間には長椅子が設置してあり冬場はストーブが焚かれているのでお風呂上がりの休憩や湯めぐり号のバス待ちにも便利。

★日帰り入浴の営業時間と入浴料

10:00~15:00 600円
※月曜日は露天風呂不可

★泉質と効能

【白湯】
泉質:含硫黄ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素泉(硫化水素型)

【黒湯】
泉質:ナトリウム塩化物・炭酸水素泉

【中の湯】
泉質:含重曹・食塩硫化水素泉

・効能:高血圧症、動脈硬化症、慢性皮膚病 など

★温泉の特徴

混浴の露天風呂と男女別の内湯の黒湯と白湯、女性専用の露天風呂の4つの湯小屋に分かれている。
同じ敷地内で泉質の異なる3つの温泉に入ることが出来る。
黒湯と白湯は男女別の内風呂。湯小屋は小さいが湯治場という雰囲気があるかも。

名物の混浴の露天風呂は開放感たっぷり。後ろにそびえる山々の緑を眺めながら温泉を堪能できる。
お湯は白湯と同じもので美人の湯とも呼ばれている。また打たせ湯もある。
脱衣所は露天風呂のそばを歩いて少し入ったところにあるため一度は目の前に広がる露天風呂が見えるため初見はちょっと驚くかも……。
混浴露天風呂のお風呂と更衣室の間には中の湯という男女別の内湯があり泉質も露天風呂とは異なる。
浴槽は小さめだが露天風呂に向かう前のかけ湯だけに留めずぜひ浸かろう。
いずれも蛇口やシャワーはなくボディソープが置かれているだけだが宿泊者向けのシャワー付きの内湯もある。


***◆乳頭温泉郷 鶴の湯別館山の宿

★アクセス

【&font(#0000ff){バス}】
羽後交通バス 鶴の湯温泉入り口停留所下車、徒歩約20分
※羽後交通バス アルパこまくさ停留所下車、アルパこまくさの駐車場より送迎バスあり

【&color(red){自動車}】
国道341号線田沢湖入り口交差点から県道を上り約11Km。鶴の湯の看板のある角を左折し林道を約1.5Km。

★特徴

鶴の湯本館の1.5kmほど手前に位置する鶴の湯の別館。地元の雑木のみを使って建てられた曲がり屋根風の木造旅館で本館とはまた違った趣がある。古民家を移築した1日1組限定の離れもある。
客室は10室のみで少人数向けの隠れ宿的な雰囲気。その分宿泊費も本館よりお高め。
日帰り入浴は行っていないので注意。食事処の利用は可能。

温泉は本館から引湯したもので泉質は白湯と同じ。内湯が2つと露天風呂がありどちらも貸し切りができる。
混浴や他人との入浴に抵抗のある人、家族で利用したい人にもおすすめかも。
宿泊中は本館の温泉を無料で利用でき、本館とを結ぶ送迎バスも用意されている。


**◆休暇村 乳頭温泉郷
&color(orange){~温泉と快適な設備でくつろぐ休日~}

★アクセス

【&font(#0000ff){バス}】
羽後交通バス 休暇村前停留所そば

【&color(red){自動車}】
国道341号線田沢湖入り口交差点から県道を上り約12Km

★特徴

全国にある公共のリゾートホテル休暇村の1つ。
滞在しながら様々なレクリエーションやアクティビティを堪能できる休暇村ということもあり敷地内にはキャンプ場や球技にも使える広場がある他、秋田杉で作るコースター作りなどの体験型プログラムも行われている。
館内にはレストランの他、喫茶コーナーや売店など設備も充実している。大きな売店は休暇村にしか無いため温泉郷内にいるうちにいろいろお土産を選びたいという人にもおすすめ。

グループのリゾートホテルということもあり設備は温泉郷内の宿の中でも充実している。バリアフリーにも配慮されており家族で泊まりたい人にもおすすめ。

県道付近にある温泉宿の中では最も手前にある。1つ先の妙乃湯とそこから大釜温泉、蟹場温泉までは道沿いに存在しそれぞれ少し離れているが蟹場温泉で1キロメートル程度と十分徒歩圏内。
建物脇から黒湯温泉に続く道があり、そこからさらに孫六温泉に向かうことも出来る。
また休暇村の手前から鶴の湯に続く森の中の自然歩道があり歩いて1時間ほどで訪れる事ができる。乳頭温泉郷の他の6つの温泉を巡る際の始発点や中継地点にも最適かも。
日帰り入浴の開始時刻が11時と少し遅め。

★日帰り入浴の営業時間と入浴料

11:00~17:00 600円

★泉質と効能

【乳頭の湯】
泉質:ナトリウム炭酸水素塩泉

【田沢湖高原の湯】
泉質:単純硫黄泉

・効能:火傷、外傷、高血圧 など

★温泉の特徴

混浴はなく浴室は男女それぞれ1つで内湯と露天風呂がある。乳頭の湯と田沢湖高原の湯の2つの源泉が存在する。
乳頭の湯は内湯にのみ使われている。薄茶色く濁ったお湯で動脈硬化症や高血圧症などに効果があるとのこと。
田沢湖高原の湯は露天風呂にも使われている。薄めの白く濁ったお湯で切り傷や火傷、慢性疲労病などに効果があるとのこと。
壁や屋根などに木が多く使われた浴室は自然豊かな温泉郷に合っているかも。
どの浴槽も手すりが備わっている。洗い場も広め。


**◆妙乃湯

&color(coral){~おもてなしにこだわった秘湯の隠れ宿~}

★アクセス

【&font(#0000ff){バス}】
羽後交通バス 妙乃湯停留所そば

【&color(red){自動車}】
国道341号線田沢湖入り口交差点から県道を上り約12.5Km

★特徴

先達川にかかる橋の側に建つモダン雰囲気の木造の宿。乳頭温泉郷の宿の中でもサービスの質の高さで評判。
混浴露天風呂はバスタオルの着用も可能で日帰り客でも無料のバスタオルが利用できたり、女性専用の時間帯があったりと女性や混浴が初めてという人にも優しい宿。
川は宿の手前で滝になっており客室や露天風呂からも眺めることが出来る。
食事処ではランチの提供もしている。さわもたし、まいたけ、なめこなどが入ったきのこ汁が好評だとか。秋に採ったきのこを塩づけにしているため年間を通じて食べられる。

バス停のそばのため着いてすぐや帰る前のひとっ風呂にも便利。
日帰り入浴が14時受付終了と早め。

★日帰り入浴の営業時間と入浴料

10:30~14:00(受付終了) 800円

★泉質と効能

【銀の湯】
泉質:単純泉

【金の湯】
泉質:マグネシウム・カルシウム硫酸塩泉

・効能:神経痛、筋肉痛、関節痛 など

★温泉の特徴

有馬温泉のように&color(orange){金}と &color(gray){銀}の2つの温泉が存在する。
金の湯はうっすらとした濁り湯。切り傷や火傷など皮膚のトラブルに効果がるとか。鉄分や硫黄を若干含むため銀の湯に比べると皮膚に少し刺激が強め。
銀の湯は無色透明で中性のお湯。身体を暖める効果があり湯冷めしにくいのが特徴とのこと。

浴室は男女それぞれ1つ。いくつかの内湯や露天風呂が更衣室から廊下や階段で結ばれている。奥は混浴の露天風呂と貸切風呂にもつながっている。
金の湯、銀の湯それぞれのお湯の内風呂、露天風呂があり浴室から出ずにいろいろなお風呂を楽しむことが出来る。
浴槽1つ1つはそれほど大きくないが丸い小石が敷き詰められ踏むことで足つぼマッサージのできる内湯や、裏の斜面に面しているので森の中にいるような雰囲気を味わえる露天風呂など各浴槽もそれぞれ趣向が凝らされている。
お風呂の形態は男女の浴室で異なる。時間で入れ替えも行われている。

混浴露天風呂は妙見の湯という名前がつけられている。名前は北極星を神格化した妙見菩薩に由来している。
&font(l){露天風呂から北極星や満天の星空を眺めながら「天空にふたつの極星あり。すなわち北斗と南斗!森羅万象二極一対 男と女 陰と陽 仁王像の阿(あ)と吽(うん)」&br()とかつぶやけば[[世紀末救世主>北斗の拳]]の気分に浸れる……かも。}
少し高い場所に露天風呂があるため眺めもよく先達川を流れ落ちる滝も見られ景観も抜群。

★その他

[[ニンテンドー3DS]]ソフト [[閃乱カグラBurst -紅蓮の少女達-]]の発売記念に水道橋博士を始めとする爆乳パネリストと作品の爆乳プロデューサー高木健一郎が爆乳のアイドルたちとともに乳の魅力を徹底追及する生(乳)討論番組
「閃乱カグラ 真夜中パイランドの生(乳)討論!In乳頭温泉」というニコニコ生放送の収録がこの妙乃湯で行われた。
&bold(){乳頭}という単語のインパクトで選ばれた感満々だがこれでこそマーベラスこれでこそカグラとも言えるのかも?
&sizex(2){というか[[1作目>閃乱カグラ -少女達の真影-]]から某&color(red){あかいおひげ}な栄養ドリンクとコラボしていたくらいだし。}


**◆大釜温泉

&color(yellowgreen){~木造の佇まいがどこかしら懐かしい~}

★アクセス

【&font(#0000ff){バス}】
羽後交通バス 乳頭温泉停留所そば

【&color(red){自動車}】
国道341号線田沢湖入り口交差点から県道を上り約12.7Km

★特徴

元小学校校舎が宿舎という変わり種の温泉宿。
昭和52年に現在の場所にあった温泉旅館が焼失した際、ちょうど校舎建て替えのため取り壊されることになった秋田県由利本荘市の子吉小学校の校舎を譲り受け、移築し再建したとのこと。
木造の元校舎ということもあり山の中の分校のような佇まい。今はほとんど見なくなった二宮金次郎像も置かれている。
内部にも「職員室」などの札が残っておりそんな学校の廊下ような内部を歩いて温泉に向かうのは新鮮かもしれない。

建物の脇に温泉郷内では唯一の足湯がある。温泉巡りの際の休憩やバス待ちの間にも丁度いいかも。冬場は利用不可。
蟹場温泉と妙乃湯の間にあり、孫六温泉、黒湯温泉方面への道の側のため温泉巡りの始発点にも便利。

★日帰り入浴の営業時間と入浴料

9:00~16:30 600円

★泉質と効能

泉質:酸性含ヒ素ナトリウム塩化物硫酸塩泉
効能:真菌症(水虫)、慢性膿皮症、リウマチ性疾患 など

★温泉の特徴

休暇村以外では唯一混浴が無い。男女ともに浴室は1つで内湯と露天風呂がある。シャワー付きの洗い場もあり。
源泉かけ流しだが98℃とかなり高温のため加水しているとのこと。少し緑がかった灰色のにごり湯は傷の湯、皮膚の湯とも呼ばれているとか。
露天風呂は建物裏手の山に面しており開放感もある。


**◆蟹場温泉

&color(brown){~一幅の自然画を眺めながら湯につかる極楽~}

★アクセス

【&font(#0000ff){バス}】
羽後交通バス 乳頭・蟹場温泉停留所そば

【&color(red){自動車}】
国道341号線田沢湖入り口交差点から県道を上り約13Km

★特徴

田沢湖駅からのバスの終点で田沢湖の手前から上って来た県道の終点に佇む温泉宿。駐車場に田沢湖駅行きのバスの乗り場がある。
道の終点ということもあり3方を山に囲まれている。名前は周辺の沢にサワガニがたくさんいた事に由来しているとのこと。
開湯は1846年(弘化3年)と古く歴史のある温泉。

★日帰り入浴の営業時間と入浴料

9:00~17:00 600円

★泉質と効能

【蟹場硫黄】
泉質:単純硫黄泉
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛 など

【唐子】
泉質:重曹炭酸水素泉
効能:神経痛、筋肉痛、関節痛 など

★温泉の特徴

源泉は混浴露天風呂の唐子とそれ以外の蟹場硫黄の2つが存在する。お風呂は男女別の内湯が2つと混浴露天風呂、女性専用露天風呂がある。
露天風呂 唐子の湯は宿舎から50メートルほど歩いたところにあるブナの森の中の沢の側にある。周辺は緑に囲まれ温泉郷内の露天風呂の中でも特に開放感抜群。
ただ風呂の周りの柵が少ないので坂を下ってくる際にオープンな露天風呂が目の前に映ることになるので混浴が気になる人にはちょっと抵抗があるかも。夜に女性専用の時間帯も設けられている。

内湯は岩風呂と木風呂の2種類。木風呂は湯小屋や浴槽に秋田杉が使われており木の香りを感じながら温泉を堪能できる。
岩風呂の方にはヒバでできた寝湯も設けられている。洗い場は内湯にありシャワーも備わっている。
女性専用露天風呂 ひなざくらも木製の浴槽が特徴。女性専用のお風呂にしては珍しく男性専用の時間帯が
設けられている(唐子の湯の女性専用の時間帯はひなざくらが男性専用になる)
男性でも女性でも一通り同じお風呂に入れるよう配慮されている。

★その他

秋田放送テレビで放映された[[「ローソンプレゼンツ 超神ネイガーVSホジナシ怪人 ~あきた観光地大決戦!~」>超神ネイガー]]の23話で蟹場温泉の混浴露天風呂が登場している。
オラヤルドの正体が温泉のお湯ではないかと考え露天風呂の周りを穴だらけにしてしまった[[エラシグネ>だじゃく組合]]を超神ネイガービガビガGと超神ネイガーマイが成敗するという展開。
エラシグネとビガビガGは蟹場温泉の浴衣を羽織っているシーンも。スーツの上に浴衣を着ているヒーロ&怪人の姿はどこかシュールw


**◆黒湯温泉

&color(purple){~深い山に包まれた隠れ里のようないで湯~}

★アクセス

【&font(#0000ff){バス}】
羽後交通バス 休暇村停留所下車、林道を歩き約20分
※乳頭・蟹場温泉停留所から送迎あり

【&color(red){自動車}】
国道341号線田沢湖入り口交差点から県道を上り約12Km、休暇村脇の林道を上り約1.3Km

★特徴

乳頭温泉郷の中でも奥まったところに存在する。標高も温泉宿中最も高く山の中の隠れ里という雰囲気があるかも。その歴史は古く温泉が発見されたのは1674年(延宝2年)とのこと。
山間に茅葺きや杉皮葺きの黒い宿舎や木造の湯小屋が寄り添うように軒を連ねており昔ながらの湯治場、温泉宿という雰囲気を堪能できる。
敷地内の看板や案内図、ベンチなどはスタッフのお手製なのだとか。落ち着いた昔ながらの雰囲気だが古臭さを感じさせないおしゃれさとぬくもりが感じられるかも。

温泉は乳頭温泉郷随一の湯量を誇る。河原の側に温泉がポコポコと湧き出て溜まっている湯畑がある。温泉を利用して作られた黒たまごが販売されている。
敷地内には湧き水が湧き出ている。坂を上がってきた後や風呂上がりの1杯は格別かも。湧き水で冷やしたラムネなども販売されている。

食事付きの宿泊施設である旅館部の他に湯治客向けの自炊棟も設けられている。自炊棟の中には茅葺の建物もあり囲炉裏が備わっている。
宿舎から山道を100mほど上ったところに茅葺屋根の離れも存在。昭和39年に高松宮様が春スキーで訪れられた際に建てられたものだとか。宿泊も可能で温泉の内風呂も備わっている。

駐車場から宿舎まで下り坂になっている。わりと急なので足元に注意。坂の途中から孫六温泉方面への近道もあるがこちらは未舗装。
休暇村から距離がありずっと上り坂なので送迎や湯めぐり号の利用がおすすめ。
降雪の関係か11月中旬から4月中旬くらいまで休業となる。
温泉郷内でも人気も高く、休業の前後などは宿泊予約がなかなか取れないことも。

★日帰り入浴の営業時間と入浴料

9:00~16:00 600円

★泉質と効能

【上の湯】
泉質:単純硫黄泉

【下の湯】
泉質:単純温泉

効能:高血圧症、動脈硬化症、末梢循環障害 など

★温泉の特徴

敷地内の坂の上と下に位置する上の湯と下の湯の2つの源泉が存在。黒湯という名前とは裏腹に薄く白く濁ったお湯が特徴。
上の湯は混浴で内湯と露天風呂、打たせ湯がある。自然の木材を使って作られた湯小屋も周囲の景観と合っており秘湯ムード抜群。
下の湯は男女別で内湯と露天風呂がある。川が近く露天風呂からも見え眺めがいい。
他に旅館部の建物内に男女別の内湯もある。

浴室がこじんまりとしているのもあり洗い場は少なめ。蛇口とシャワーがなく洗い場にお湯を張った木桶(お湯は常時少しずつ溜められている)があり洗面器でお湯を汲んで使う形になっている。
アニオタ的にはシャワーがなく浴槽からお湯を汲んで使っていた[[ちびまる子ちゃん]]のさくら家のお風呂に近いものがあるかも。こちらは浴槽とは別のお湯だけど。
シャワーがないのはやや不便だが木製の湯小屋の雰囲気に合っているかも。シャワーは打たせ湯の側に1つと旅館部内の内湯に設置されている。

★その他

・昭和51年には漫画家のつげ義春氏が取材に訪れており温泉風景をスケッチに残している。&br()館内には"新版 つげ義春とぼく”に収録されている黒湯温泉のスケッチを始めとしたページの拡大コピーも貼られている。&br()つげ義春氏の描いた黒湯温泉は現在と比べると時代の差こそ感じるものの、混浴露天風呂の佇まいを始め今の黒湯温泉にも当時の面影がだいぶ残っているのを実感できるかと。

・ヤマザキ・マリ氏のマンガ&bold(){テルマエ・ロマエ}では日本の温泉が何度か登場するが、マンガを描くにあたって作者は秋田県の八幡平や乳頭温泉郷も訪れたことがマンガ単行本の一巻に収録されている第五話の後書きに書かれている。&br()後書きには黒湯温泉の写真(茅葺きの自炊棟が写っている)も掲載されている。&br()作者がつげ義春作品の愛読者ということもあり氏の訪れた鄙びた温泉地に羨望を抱いていたとのこと。&br()マンガ内で[[ルシウス>ルシウス・クイントゥス・モデストゥス(テルマエ・ロマエ)]]が訪れたような&font(l){平たい顔族の}昔ながらの湯治場の雰囲気を体験したい人にもおすすめかもしれない。&br()&br()第五話に登場した温泉は東北地方というだけで明確に温泉の名前は明かされていないが、オンドル(源泉の蒸気を使って温める床下暖房)小屋がある湯治場ということもあり、同じ仙北市内の大深(おおぶか)温泉がイメージに近いと思われる。こちらもつげ義春氏が訪れている。


**◆孫六温泉

&color(green){~先達川の瀬音に包まれたおおらかな「山の薬湯」~}

★アクセス

【&font(#0000ff){バス}】
羽後交通バス 乳頭温泉停留所下車、大釜温泉の建物の脇から山道を歩き約15分
※乳頭温泉停留所まで送迎あり

【&color(red){自動車}】
国道341号線田沢湖入り口交差点から県道を上り約13km、大釜温泉側駐車場から山道を歩き約15分
または黒湯温泉から約5分

★特徴

山道を歩いた先の川沿いに佇む小さな温泉宿。川を挟む形の渓谷に建っておりどこか秘境ムードもあるかも。
駐車場は大釜温泉の側か川の反対の黒湯温泉側にある。
大釜温泉脇からは未舗装で道も狭く車の通行は不可。歩きやすい格好で訪れたい。
黒湯温泉から駐車場までは舗装されている(黒湯温泉が休業すると通行不可)。
湯めぐり号は黒湯温泉側の駐車場に発着する。

温泉郷の中でも特に鄙びた雰囲気がある宿。宿泊の際も宿から「普通の旅館のような豪華なサービスなどはできず食事も質素だ」と念を押されたりする。宿舎や客室の設備などは7つの宿の中でも簡素。客室にエアコンやTVはなく、トイレ、洗面所は一箇所のみ。
コンセントも1部屋1箇所のみで冬場はストーブで塞がってしまうが、照明にもコンセントがついていたりする。((アニオタ的にはサザエさんや三丁目の夕日などのマンガで見られるようなタイプというと分かりやすいかも。))
質素だと言われるが夕食ではきりたんぽの鍋や稲庭うどんなど秋田の名物も堪能できる。自家製の清酒との相性も抜群。
昔のままな反面古臭さは否めず万人向けではないが、鄙びた温泉宿が好きな人にはどこか懐かしさも感じられる宿かもしれない。

宿の近くには乳頭山への登山口が2つある。登山客向けに少し早く朝食を提供したりもしている。
1月から4月中旬くらいまで休業となる。冬場も12月末くらいまでは営業しているが黒湯温泉が先に休業する関係もあり大釜温泉から歩く必要がある。


★日帰り入浴の営業時間と入浴料

9:00~16:00 520円

★泉質と効能

【唐子の湯】
泉質:ラジウム鉱泉

【石の湯 (内湯)】
泉質:単純硫黄泉

【石の湯 (混浴露天)】
泉質:単純温泉

【石の湯 (女性専用露天)】
泉質:単純硫黄泉

・効能:神経痛、筋肉痛、関節痛 など

★温泉の特徴

温泉郷内でも多い4つの源泉が存在する。宿舎から川の方に坂を降りたところに唐子の湯と石の湯の2つの湯小屋が存在。
どちらも建物は木製。作りはシンプルだがこちらも鄙びた雰囲気に合っているところも。
唐子の湯は男女別の内風呂。1つの浴室1つの浴槽を壁で2つに分けているという感じ。

石の湯は混浴と女性専用露天風呂があり混浴の方は1つの内風呂と2つの露天風呂がある。
内湯と混浴露天風呂2つ、女性専用露天風呂でそれぞれ源泉が異なる。
川が近くせせらぎを聞きながら入る露天風呂は格別。夜には女性専用の時間帯も設けられている。
内湯は天気などに応じて色が変わる事があり、普段は薄く青みがかかった濁りの少ないお湯だが翌日が雨だと白く濁ることがあるとか。

いずれもシャワーや洗い場はない。内湯にボディソープが用意されているが身体を洗うのにはあまり向いていないかも。


*&sizex(5){●一本松温泉}
乳頭山の登山道の途中にある野湯。たつこの湯とも呼ばれている。
かつて温泉宿が存在していたが、現在は建物はまったく残っておらず完全な野湯になっている
沢のそばの開けた場所に温泉が湧き出て溜まっている湯溜まりがいくつかあり、そのうちの1つが岩風呂のようになっている。大きさは大人2、3人が入れるほど。
そのままだと熱すぎるため沢から水を引いて調節している。
脱衣所なんて無いので入浴に抵抗がある人は足湯をしよう。乳頭山登山時の休憩地点としてもおすすめ。

登山口は温泉郷内に3つあるがこのうち黒湯温泉口からのルートの途中にある。最寄りの宿は黒湯温泉または孫六温泉。
黒湯温泉の敷地下方、先達川のそばの道を川上に向かって歩いて行く。少し先の黒湯沢にかかる橋を渡ると本格的に登山道が始まる。橋を渡ると右手の斜面の上に黒湯温泉の離れも見える。
黒湯温泉からの所要時間はだいたい30~40分ほど。途中は登山道が整備されているものの急な箇所や狭い箇所も多い。また春になっても溶け切らず残っている雪の塊が道を塞いでいることも。
距離はそれほどでもないが、おしゃれ着で散歩がてら行けるような場所では無いので、訪れる時はハイキングができるくらいの格好と装備は用意しておこう。


*&sizex(5){●事故}
ここまでは各温泉の良い点を上げてきたが、過去には痛ましい事故もいくつか起きてしまった事を忘れてはならない。

**◆2015年3月18日
乳頭温泉郷に供給される源泉の一つ「カラ吹き源泉」にて硫化水素ガスによる死傷事故。
温泉郷を管轄する仙北市の職員四名が温泉の温度が低下していると連絡を受け、調査に向かうも折からの積雪で源泉を流していたパイプやバルブの周りがすっぽり囲まれる、簡単に言えばかまくらみたいな状態になり&bold(){硫化水素ガスが極めて濃く滞留してしまっていた事、加えて市および職員らのガス対策が不十分であったというミスも重なり}、最終的には四名の内三名が硫化水素中毒で死亡した。

**◆2006年2月10日
鶴の湯の女性用露天風呂の側の斜面で雪崩が発生。
内湯の分厚いガラスをぶち破る程の勢いで襲って来た雪崩に、当時入浴していた女性客14人と配管周りの除雪作業をしていた作業員二人の計16名が巻き込まれ、&bold(){作業員一人が死亡。}
その他の人達も打撲や骨折等の重軽傷者を多数出してしまうという鶴の湯どころか乳頭温泉郷始まって以来の&bold(){大惨事}となってしまい、その年の鶴の湯だけで無く温泉郷一帯の客足に大きく響いてしまった。

乳頭温泉郷のある乳頭山を含む秋田駒ヶ岳一帯は&bold(){極めて緩やかではあるものの現在も活動を続ける火山地帯}であり、場所によっては&bold(){&color(deepskyblue,black){硫化水素ガス}}を始めとした火山由来の猛毒ガスが噴出•滞留している侵入禁止区域もある。
また山奥という場所柄ゆえ、あまりに大雪が降って積もると地熱や温泉からの熱で溶けて&bold(){雪崩}に繋がってしまう可能性、または単純に行き来が極めて困難になる事もあって通行規制が敷かれる事もある為、冬場に訪れたい場合はそちらの方のチェックも怠らないようにしよう。

*&sizex(5){●乳頭温泉郷周辺の施設など}

★たざわ湖スキー場
秋田県内、どころか日本でも有数のスキー場の一つとしても知られ、国際大会の開催地や韓流ドラマのロケ地になった事も。
スキー場周辺には他にも水沢温泉郷や田沢湖高原温泉郷などと言った乳頭温泉郷に負けず劣らずの温泉、更には民宿やペンションもあり、シーズン中はスキー客や家族客で賑わう。
澄み切った冬空の下をスキーやボードで心ゆくまで滑り、そして疲れた身体を秘湯の温もりで癒やす…至福のひと時だろう。

★アルパこまくさ

田沢湖高原温泉郷の温泉街のそばの丘の上にある田沢湖高原の中核施設として建てられた山小屋風の建物。
乳頭温泉郷の手前にあり駐車場に鶴の湯の送迎バスが発着する。
建物内に日帰り入浴施設の自然ふれあい温泉館がある。露天風呂もあり天気のいい日は田沢湖を一望することが出来る。

★駅前物産館田沢湖市

田沢湖駅のすぐ近くにある物産館。地元の名産品などが並び帰る前のお土産購入にも便利。
地酒も多数揃っており有料で試しのみも出来る。
中にあるそば五郎というお蕎麦屋は鶴の湯の系列のようでホームページにもリンクが有る。
田沢湖の地蕎麦を使った自家製麺のお蕎麦を食べられる。

★田沢湖駅

秋田新幹線/田沢湖線の駅で田沢湖など周辺観光の玄関口。駅前のバスロータリーから乳頭温泉郷の他、武家屋敷でおなじみの角館や八幡平、玉川温泉などへ向かうバスも出ている。
近くにコンビニがないためバスに乗る前に駅のニューデイズで買い物を済ませておくと便利。

ロータリーの周りには食事処やお土産を扱うお店なども何件かある。
乳頭温泉郷から来たバスに接続する新幹線の待ち時間はだいたい25~30分。物産館などで買い物をするときは遅れないよう注意。


追記修正はおっp……もとい乳頭温泉郷の温泉を愛する紳士、淑女の方がお願いします

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- すげぇちゃんとした記事でビックリした  -- 名無しさん  (2021-11-26 13:06:06)
- ネタ記事だと思って開いたら全力でダイマしててビビった  -- 名無しさん  (2021-11-26 13:27:15)
- 昔は鶴の湯とかで源泉で温泉たまごも作ってたなぁ  -- 名無しさん  (2021-11-26 14:42:06)
- ガチの記事とは思ってなかった  -- 名無しさん  (2021-11-26 17:51:23)
- 一応乳頭温泉郷の温泉として数えられてるけど、宿泊施設どころか着替え場すらない野湯ってやつな「一本松温泉たつこの湯」ってのもあるよ  -- 名無しさん  (2021-11-26 19:57:17)
- 事故や田沢湖スキー場に関する記述ありがとうございます。孫六温泉近くの砂防堰堤も景観が変わってしまったという意見も見かけたけど防災のために必要だし景観との両立はなかなか難しいところもあるのかな。堰堤はなかなか迫力があるけど  -- 名無しさん  (2021-11-26 20:09:21)
- ↑2うp主です。一本松温泉を含むこともあるみたいですね。一度訪れてみたいので行ったらそちらももう少し記述したいです  -- 名無しさん  (2021-11-26 20:12:37)
- 設備が簡素、流石にコンクリート打ちっぱなし風呂はないよね……?  -- 名無しさん  (2021-11-26 21:13:00)
- てっきりエロゲか何かの架空の温泉かと思ってしまった、申し訳ない。しかし古風な温泉郷となると一人旅は難しいのかな?  -- 名無しさん  (2021-11-26 22:05:02)
- ↑公共交通機関を使うなら取り敢えず田沢湖駅まで来ればあとはどうにかなる。自家用車とかあくまで個人で行きたいなら初回はナビなり地図なり道を知る手段は用意した方がいい。たざわ湖スキー場を過ぎると某頭文字に出てくるような(というか昔は地元連中のスポットだった)ハードな峠道が続く上に民家とか道聞けそうな所も殆ど無くなる。勿論冬場なら積雪や路面の凍結、それ以外の季節なら熊や猪への警戒もいる  -- 名無しさん  (2021-11-27 08:45:51)
- ↑3コンクリート打ちっぱなしなのかはよくわからないけど温泉地の共同浴場のような簡素な作りの温泉は多いかも。ただ浴槽よりも浴室にシャワーがなかったり湯小屋が外にある関係で冬場は寒いことのほうが人によっては気になるかも  -- 名無しさん  (2021-11-27 21:25:40)
- ↑3アクセス面は2つ上の方がしてくれてるので泊まるだけなら別に一人でも問題ないですよ。混浴が多かったり設備が簡素だったりという点はあるけどその辺りが気にならなければ。混浴でないお風呂も多いし何が何でも我慢しないといけないなんてこともないし  -- 名無しさん  (2021-11-27 21:38:24)
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