インテリビレッジの座敷童

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&font(#6495ED){登録日}:2015/12/20 (日) 11:39:01 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- インテリビレッジの座敷童は[[鎌池和馬]]作の[[ライトノベル]]。 イラスト担当は[[真早>ななお]]。 全9巻でかまちーの長編作品では初の完結作となった。また鎌池和馬公式サイト内にサブキャラ主役の番外編「Bonus track」が4作掲載されている。 電撃イラスト大賞受賞者と電撃文庫作家のコラボレーション企画『illust×story』として発表された短編作品『テクノビレッジの座敷童』の長編文庫化作品((文を少し変更したものが一巻の冒頭に掲載されている))。 ジャンルはオカルトコメディとあるがミステリーやバトル等色々な展開を見せるのでジャンルとして一括りに説明し辛い。 あとがきで作者が語るように実験的な要素が作中多く見られる((主人公としての禁じ手を繰り返す舞・何度も死ぬ忍・ラノベというより刑事モノの2時間ドラマのノリな隼等))。 特に六巻の&font(red,b){刑事が老人遺棄問題を法律で解決する展開}とかなかなか普通のラノベでは見かけにくいのではないだろうか? 反則上等のどんでん返しや張った伏線をどんどん回収していく小気味良いテンポの速さが魅力。 オカルトコメディを名乗っているものの、実際のところはコメディパート以上に血生臭い展開も多い。というかもはやそっちが主体。 &font(red,b){特に主人公に至っては毎回死ぬ。}死ななくとも死亡寸前の致命傷を負う。 作者によると「冗談みたいに人が死ぬからオカルトコメディ」とのこと。 &s(){コイツ読者も分かっていて言わなかったことを……!} 基本的には『陣内忍パート』(ミステリー)、『内幕隼パート』(刑事ドラマ・推理モノ)、『菱神舞パート』(バトル・若干スパイ物っぽい何か)といった形式でストーリーが構成され、 全員集合して事態解決に当たる最終パートで一巻を終えるという構成になっている。 扉絵の際どさに定評があり、うっかりブックカバーを頼むと店員さんに白い目で見られるトラップが有るので要注意。 余談だがイラスト担当の真早氏もキッチリこれに引っかかったらしい。 ***【あらすじ】 ここは 『インテリビレッジ』。 『田舎』 という概念が高級ブランド化した地域。表面上は寂れた景色を演出、 しかしその裏では科学技術の粋を集め、最先端の田舎というちょっと妙なハイテク感満載の土地だった。 田園風景と最新鋭テクノロジーのコラボエリア。それが 『インテリビレッジ』 だ。 ここは、あまりに 『田舎』 演出が完璧すぎて、“妖怪”すら呼び寄せた。棲みやすい 『環境』 を求めてやってきた彼らは、当然俺ン家にも居る。 3D用ゴーグルとワイヤレスコントローラで優雅にゲームをやってる巨乳の座敷童が……。 ただ、妖怪と暮らす平穏なここにも、落とし穴があった。妖怪の持つ特性を利用したシステム 『パッケージ』。その片鱗に、俺は偶然触れちまったんだ。 ***【作中用語】 &bold(){◆インテリビレッジ} 高級ブランド化・ハイテク化された田舎のこと。 人々の思い描く「田舎」を最先端技術によって人工的に再現した集落。 ある年代の田舎の景色を精密に再現するというよりは、その土地の人々が思い浮かべる「田舎とはこういうもの」という原風景を演出するといったものに近い。 基本的に高ブランド化で高額化した観光業や農作物を産業基盤とする。格安かつ大量に流入する外国産作物と差別化を図るため、高価・安全・上質が売り文句となっている。 作中よく例に挙がるのは&font(red){ブドウ一房3万円}、陣内酒造の&font(red){お酒がコップ一杯5万円}等。 外部から若者を積極的に取り入れているものの、「田舎」であることを演出するため意図的に過疎状態になっている。 店や交番なども少なく、農家は優れたセキュリティ網を備えた設備や武装警備員の雇用といった対策をとっており、 買い物弱者問題には徹底した光通信網とネット通販で対処している。独自のシステムが存在する。集落は基本的に閉鎖的であるとされる。 田舎が再開発されたことで、文明の発達に伴い都会で暮らし辛くなった妖怪達がインテリビレッジに集まるようになった。 ちなみに納骨村とか座礁島とか墓前市とかかなり不気味な名前が多い。 なお、インテリビレッジの設定のためか鎌池作品の中で最も食のグレードが高い。 電撃文庫総合目録2015年の企画で各作品の主人公の朝食を見てみようというコーナーにがあるが、他の主人公達と比べて天と地の差(こちらが天)であり、涙を禁じ得ない((インデックスの食いっぷりにげっそりする上条、消しゴムみたいな味のレーション一辺倒なクウェンサー、シリアルについて力説するあにうえ))。 &bold(){◆妖怪} 「意思を持つ超常(オカルト)」。 雪女や座敷童、唐傘お化けなど人々の恐怖・伝承が交錯した結晶体。想いが固着して意思や肉体を得た超常的存在とも。 基本的に物理無効で不老不死の存在で何らかの超常を用いないと人間ではかなわない。 妖怪はそれぞれの伝承に由来した「超常現象」を起こすことができる。 一方で性質・習性・思考パターンも伝承に左右される。 例えば座敷童は毎晩誰かの布団に潜り込み、七人ミサキは出会った人間を自身の意思も関係なく殺す。 いずれも近代的な街並み(コンクリート等)を厭い、自然風景に囲まれた田舎を好むという特徴がある。また、特に人を殺す特性を持つものを致命誘発体と呼ぶ。 妖怪に日本国憲法・法律は適用されず、そのものを裁く事は出来ない。ゆえに例え妖怪が人を殺しても事件性はないものとして扱われる。 また作中世界では妖怪以外にも精霊や悪魔、「古い神様」など他にも超常の存在は示唆されている。 ちなみに最新情報を反映してか4巻では「ぬりかべ」が三つ目の巨大犬として描かれており、座敷童から「[[大きなコンニャクに小さな手足がついたの>ゲゲゲの鬼太郎(原作)]]じゃなかったのね」と言われていた。 &bold(){◆パッケージ} 妖怪の力や性質を抽出し利用する犯罪装置のこと。そうやって夢のような完全犯罪のシステムを作り出す。 扱う妖怪によってできる事は違ってくるが、規約書にサインした人間を問答無用で凍死させる、 全ての人が無意識に対象の人間に対して敵意を向ける様になる、時を越えて過去を改変する等ほとんど何でも有りで反則技のオンパレード。 パッケージのアセンブルにはある程度の人員や時間、計画性も必要となりそれを利用する犯罪者は単独犯である場合は少ない。 利用されている妖怪の伝承を読み取り、以下にそれを逆手に取るかがパッケージを打ち破る鍵となる。 &bold(){◆百鬼夜行} 日本の裏で暗躍する超常を使役する大組織。曰く「壇ノ浦で蟹になり損ねたものの末裔」らしい。 超常を使う裏家業の中でも最大手で妖怪などを使って日本の秩序を乱すような存在を様々な手を使って排除しており、 超常の跋扈を防いでいる。&font(l){一巻では内ゲバに一般人を巻き込んだりしたが。} 妖怪絡みでは国内最強、世界最大級の一角と呼ばれる巨大組織だが、この百年の間に大きく弱体化していると言われている。 が、それでもなお幹部級の「五本指」に至っては「一人で大陸を沈めるほど」と形容されるほどのぶっとんだ実力を備えている。 古都の公家や貴族の旧邸宅のように内装を変えたくの字の形をした巨大な全翼機を中心に、 護衛機や補給機を侍らせた大編隊を本拠地としているが、これは一所に留まると襲撃のリスクが増すためである。 ***【登場人物】 &bold(){・陣内忍} インテリビレッジ納骨村に住む高校生で陣内酒造の一人息子。 金髪のチャラ男だが学業の成績は悪くなく、クラスメイトからはインテリヤクザと渾名されている。 性格は基本的に見栄っ張り。巻を跨ぐごとに変態発言が多くなっているエロガキだが根は子供っぽく純情。 外見と言動からはなかなかイメージ出来ないが、座敷童が住みついている=大繁栄している家の御曹司ということで実は結構なお坊っちゃまだったりする。 どんな姿形をした妖怪にも好かれる妖怪好かれ体質の持ち主。 特に縁とは生まれた以来の付き合いで、いつも彼女に抱き着かれて眠っていた影響から誰かが一緒に布団の中にいないと眠れなくなっており、 現在も寝ている間に周りの人物や枕などに抱きつく癖が残っている。 一方で中学生時代付き合っていた幼馴染「渚」が、自分と関係破綻した後(他の要因も合わさり)超危険ヤンデレ化してしまうという苦い経験も持っている。 思春期に入ってからは縁に対し素っ気なく、あるいは下心を持って接するようになったものの、自分の人生の半分であるとまで考え非常に大切に思っている。 陣内酒造には両親と祖父母、座敷童と暮らしているが、他所からフラッとやってきたものが居ついたり妖怪好きの母が連れて来たりするので結構な大所帯となっている。 非童貞。ただし初体験の相手が誰かは不明。 &bold(){・座敷童・縁} 陣内家に住む妖怪。赤い浴衣に長い黒髪の美女。童には全く見えないグラマラスボディー(B98・W54・H85)で、トレードマークは首に掛けたヘッドホン。 縁という名は忍が生まれる際女の子だった場合にと忍の母が考えていたもの。忍にはもっぱら「インドア妖怪」「グータラ座敷童」等と呼ばれる。 面倒臭がりで家事は一切できない。人見知りな性格で、家人やその近しい人間や妖怪以外には顔を出さない。 趣味は盆栽いじりや散策あとゲーム全般。しばしばネット通販を利用し娯楽用品などを忍名義のクレジットカードで購入し、忍や忍の父に怒られる。また高校生時代の隼をいじり倒し、彼にトラウマを植え付けたとか。 前述のスタイルの件も含めてぜんぜん座敷童っぽくないが、臼挽き童や蔵ぼっこ等の座敷童の亜種が出てくるたびに自分が本家本元だと対抗意識を燃やす。 お姉さん然としているが実際はその名の通り子供っぽいところが多くすぐ泣く((説教の後ゲームのコレクションを売ると言われ往来で号泣。ネットに繋がらず涙目))。 陣内家には300年前から住んでいて忍とは生まれる前からの付き合い。昔は忍のことを甲斐甲斐しく世話していたいいお姉ちゃんだったが、 思春期になった忍がだんだん距離をとるようになってきたことについて思い悩んでいる。 グラマラスボディでも座敷「童」なので処女。 &bold(){・雪女} 求婚を受け入れた男性を凍死させるとされる美女の妖怪。夏が苦手。致命誘発体。 座敷童と見た目を取っ替えたほうがいいと言われるような見た目は13歳前後の少女の姿をしている。白い着物を着て薄い蒼の髪をマフラーの様に首に巻き付けている。 ある事件でパッケージに組み込まれていた所を忍に解放されて以来、彼に好意を抱き陣内家に住み着いたヤンデレ気味の致命誘発体。 力を増せば増す程に幼くなる、暑くなると大きくなるという特性をもっていて作中では見た目の年齢が何度も変動した。&font(l){そこ、真早がつるぺたに描けなかったからとか言わない。} 総扉絵の主で書店でブックカバーをつけようと本を開いた店員をその際ど過ぎる姿で凍らせるという特殊スキルを持つ。 ちなみに最終巻にて「ひょう」という個人名が明かされている。 &bold(){・小手蜜惑歌} 忍の同級生。資産家デイトレードや株取引で稼いでいて日本円だけでも300億もってるスーパーJK。学校では友人が少なく「遊離」している問題児だが、本人は特に気にしていない。 武装警備員を雇うなど全部一人解決できる財力を有しているため、基本的には誰にも頼らない。忍とは交友が深く本人は忍のことを(自分にとって)五指に入る重要人物といっている。&font(l){があんまりデレない。} &bold(){・内幕隼} 警視庁刑事部捜査一課に所属する刑事。階級は巡査部長でノンキャリア組。忍の父方の叔父で忍より10歳ほど年長。 田舎や妖怪が苦手であるため、大学進学以降はずっと東京で暮らしている。苗字が陣内ではないのは分家制度を使って戸籍を変えているため。 妖怪嫌われ体質の持ち主であらゆる妖怪に襲われるが、縁によるとこれは今時一つ目小僧等にも驚くような隼がある意味((経験値ガッポリ落とすレアモンスター的な意味で))好かれているからとのこと。&font(l){そしてJC好かれ体質という超羨ましい体質の持ち主。} 型にハマり気味な常識人だが少々熱血漢。高校生時代は金髪頭で、甥の忍が現在同じ色に染めているのもそれが由来らしい。 死人に興味が持てず、生きている人間のためでないと働く意欲が湧かない。 &bold(){・菱神艶美} 東京都内のお嬢様学校に通うツインテールの中学生。舞の妹で惑歌の都会時代の友人。姉に似ず貧乳。 隼とは逆に死んだ人間、それもまだ謎の残った事件の匂いのするものにしか興味が持てない。 隼を誘惑するために普段からセパレートの水着を愛用している。が全く相手にされていない。 隼が捜査に赴く先々に出没するため彼からは「推理マニア」のあだ名で呼ばれている。 都内に幾つも拠点を有している。隼の行く先に常に先回りしたり朝の署内での課長とのやり取りを把握していたりといった謎の情報網を持つ。 &bold(){・菱神舞} 艶美の姉。タンクトップとホットパンツを愛用する20代の美女。 妖怪絡みの巨大犯罪を専門に扱うフリーランスのエージェント。最近では百鬼夜行の依頼を中心に受けている。 この小説の血みどろ加減を大きく跳ね上げてる人。仮にも主役の一人とは思えないほどダーティーな手を使うことに定評のある人((事件を起こした首謀者が誰だか分からないので取りあえず適当に一人殺して出方を伺う等))。 「死出の竜姫」と呼ばれる強力な式神を持ちそのままそれが通称となっているが、 実際のところは「死出の竜姫」を仮想敵として生身のままそれをフルボッコできるように改造した自身の肉体が主な武器。むしろ自分よりそれに頼れば10割負け、とも言っている。 ……が、基本的に毎巻毎巻使うことになっている。また舞さんが負けておられるぞー。 &bold(){・すねこすり} 百鬼夜行の所属妖怪。「暗い所ですり寄る」だけという地味な力の持ち主だが、見た目が小犬風なので&bold(){可愛い}。ちなみにオス。 1巻で舞が百鬼夜行の依頼を受けた際同行者となり、それ以来彼女が組織絡みの仕事をする際の相方となったが、裏組織の構成員ながら常識人(?)なので舞がエグイ手段を使う度ドン引きしている。舞からは癒し系マスコットとして愛されているが。 またこう見えても&bold(){妻子持ち}で、4巻では行方不明の妻を探して裏社会に入ったという経緯が判明している。 ***【余談】 2019~2020年に本作と同じ鎌池・真早コンビが手掛けた『マギステルス・バッドトリップ』では、本作6・7巻に登場した悪魔「ツェリカ」と同名で似た口調・容姿のキャラが登場。 世界観やテーマの違いを考えるとスターシステムと思われるが、最終巻口絵では『マギステルス』世界のツェリカが「~内酒造」と書かれたビキニを着用していたり。 追記・修正お願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,4) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 作成が遅くなってすみません。(特に7巻以降の)ネタバレは避けたかったのでとりあえず1巻あたりのことを中心に項目を書きました。 -- 立て主 (2015-12-20 11:40:58) - ぶちゃっけ、自分的に禁書よりこっちのが好きなんだよな -- 名無しさん (2015-12-20 15:53:43) - もう本編は終わったけど後日談で番外編とかでないかね -- 名無しさん (2015-12-20 20:35:27) - どうせ半年ぐらいしたら我慢できなくなったかまちーが番外編とか書くに違いない、と思ったらすでに真早のブログに掌編があがってたでござる。 -- 名無しさん (2015-12-20 21:04:55) - 何故か自分の家周辺の本屋に7巻以降が見当たらない・・・ -- 名無しさん (2015-12-21 01:06:43) - かまちーの趣味色がかなりの強い気がする、全力で楽しんでるな -- 名無しさん (2015-12-21 06:58:48) - ↑×3壮大なフラグ立てたせいで特設サイトで好き放題書いてるぞw -- 名無しさん (2016-07-22 19:43:35) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2015/12/20 (日) 11:39:01 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- インテリビレッジの座敷童は[[鎌池和馬]]作の[[ライトノベル]]。 イラスト担当は[[真早>ななお]]。 全9巻でかまちーの長編作品では初の完結作となった。また鎌池和馬公式サイト内にサブキャラ主役の番外編「Bonus track」が4作掲載されている。 電撃イラスト大賞受賞者と電撃文庫作家のコラボレーション企画『illust×story』として発表された短編作品『テクノビレッジの座敷童』の長編文庫化作品((文を少し変更したものが一巻の冒頭に掲載されている))。 ジャンルはオカルトコメディとあるがミステリーやバトル等色々な展開を見せるのでジャンルとして一括りに説明し辛い。 あとがきで作者が語るように実験的な要素が作中多く見られる((主人公としての禁じ手を繰り返す舞・何度も死ぬ忍・ラノベというより刑事モノの2時間ドラマのノリな隼等))。 特に六巻の&font(red,b){刑事が老人遺棄問題を法律で解決する展開}とかなかなか普通のラノベでは見かけにくいのではないだろうか? 反則上等のどんでん返しや張った伏線をどんどん回収していく小気味良いテンポの速さが魅力。 オカルトコメディを名乗っているものの、実際のところはコメディパート以上に血生臭い展開も多い。というかもはやそっちが主体。 &font(red,b){特に主人公に至っては毎回死ぬ。}死ななくとも死亡寸前の致命傷を負う。 作者によると「冗談みたいに人が死ぬからオカルトコメディ」とのこと。 &s(){コイツ読者も分かっていて言わなかったことを……!} 基本的には『陣内忍パート』(ミステリー)、『内幕隼パート』(刑事ドラマ・推理モノ)、『菱神舞パート』(バトル・若干スパイ物っぽい何か)といった形式でストーリーが構成され、 全員集合して事態解決に当たる最終パートで一巻を終えるという構成になっている。 扉絵の際どさに定評があり、うっかりブックカバーを頼むと店員さんに白い目で見られるトラップが有るので要注意。 余談だがイラスト担当の真早氏もキッチリこれに引っかかったらしい。 ***【あらすじ】 ここは 『インテリビレッジ』。 『田舎』 という概念が高級ブランド化した地域。表面上は寂れた景色を演出、 しかしその裏では科学技術の粋を集め、最先端の田舎というちょっと妙なハイテク感満載の土地だった。 田園風景と最新鋭テクノロジーのコラボエリア。それが 『インテリビレッジ』 だ。 ここは、あまりに 『田舎』 演出が完璧すぎて、“妖怪”すら呼び寄せた。棲みやすい 『環境』 を求めてやってきた彼らは、当然俺ン家にも居る。 3D用ゴーグルとワイヤレスコントローラで優雅にゲームをやってる巨乳の座敷童が……。 ただ、妖怪と暮らす平穏なここにも、落とし穴があった。妖怪の持つ特性を利用したシステム 『パッケージ』。その片鱗に、俺は偶然触れちまったんだ。 ***【作中用語】 &bold(){◆インテリビレッジ} 高級ブランド化・ハイテク化された田舎のこと。 人々の思い描く「田舎」を最先端技術によって人工的に再現した集落。 ある年代の田舎の景色を精密に再現するというよりは、その土地の人々が思い浮かべる「田舎とはこういうもの」という原風景を演出するといったものに近い。 基本的に高ブランド化で高額化した観光業や農作物を産業基盤とする。格安かつ大量に流入する外国産作物と差別化を図るため、高価・安全・上質が売り文句となっている。 作中よく例に挙がるのは&font(red){ブドウ一房3万円}、陣内酒造の&font(red){お酒がコップ一杯5万円}等。 外部から若者を積極的に取り入れているものの、「田舎」であることを演出するため意図的に過疎状態になっている。 店や交番なども少なく、農家は優れたセキュリティ網を備えた設備や武装警備員の雇用といった対策をとっており、 買い物弱者問題には徹底した光通信網とネット通販で対処している。独自のシステムが存在する。集落は基本的に閉鎖的であるとされる。 田舎が再開発されたことで、文明の発達に伴い都会で暮らし辛くなった妖怪達がインテリビレッジに集まるようになった。 ちなみに納骨村とか座礁島とか墓前市とかかなり不気味な名前が多い。 なお、インテリビレッジの設定のためか鎌池作品の中で最も食のグレードが高い。 電撃文庫総合目録2015年の企画で各作品の主人公の朝食を見てみようというコーナーにがあるが、他の主人公達と比べて天と地の差(こちらが天)であり、涙を禁じ得ない((インデックスの食いっぷりにげっそりする上条、消しゴムみたいな味のレーション一辺倒なクウェンサー、シリアルについて力説するあにうえ))。 &bold(){◆妖怪} 「意思を持つ超常(オカルト)」。 雪女や座敷童、唐傘お化けなど人々の恐怖・伝承が交錯した結晶体。想いが固着して意思や肉体を得た超常的存在とも。 基本的に物理無効で不老不死の存在で何らかの超常を用いないと人間ではかなわない。 妖怪はそれぞれの伝承に由来した「超常現象」を起こすことができる。 一方で性質・習性・思考パターンも伝承に左右される。 例えば座敷童は毎晩誰かの布団に潜り込み、七人ミサキは出会った人間を自身の意思も関係なく殺す。 いずれも近代的な街並み(コンクリート等)を厭い、自然風景に囲まれた田舎を好むという特徴がある。また、特に人を殺す特性を持つものを致命誘発体と呼ぶ。 妖怪に日本国憲法・法律は適用されず、そのものを裁く事は出来ない。ゆえに例え妖怪が人を殺しても事件性はないものとして扱われる。 また作中世界では妖怪以外にも精霊や悪魔、「古い神様」など他にも超常の存在は示唆されている。 ちなみに最新情報を反映してか4巻では「ぬりかべ」が三つ目の巨大犬として描かれており、座敷童から「[[大きなコンニャクに小さな手足がついたの>ゲゲゲの鬼太郎(原作)]]じゃなかったのね」と言われていた。 &bold(){◆パッケージ} 妖怪の力や性質を抽出し利用する犯罪装置のこと。そうやって夢のような完全犯罪のシステムを作り出す。 扱う妖怪によってできる事は違ってくるが、規約書にサインした人間を問答無用で凍死させる、 全ての人が無意識に対象の人間に対して敵意を向ける様になる、時を越えて過去を改変する等ほとんど何でも有りで反則技のオンパレード。 パッケージのアセンブルにはある程度の人員や時間、計画性も必要となりそれを利用する犯罪者は単独犯である場合は少ない。 利用されている妖怪の伝承を読み取り、以下にそれを逆手に取るかがパッケージを打ち破る鍵となる。 &bold(){◆百鬼夜行} 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陣内家に住む妖怪。赤い浴衣に長い黒髪の美女。童には全く見えないグラマラスボディー(B98・W54・H85)で、トレードマークは首に掛けたヘッドホン。 縁という名は忍が生まれる際女の子だった場合にと忍の母が考えていたもの。忍にはもっぱら「インドア妖怪」「グータラ座敷童」等と呼ばれる。 面倒臭がりで家事は一切できない。人見知りな性格で、家人やその近しい人間や妖怪以外には顔を出さない。 趣味は盆栽いじりや散策あとゲーム全般。しばしばネット通販を利用し娯楽用品などを忍名義のクレジットカードで購入し、忍や忍の父に怒られる。また高校生時代の隼をいじり倒し、彼にトラウマを植え付けたとか。 前述のスタイルの件も含めてぜんぜん座敷童っぽくないが、臼挽き童や蔵ぼっこ等の座敷童の亜種が出てくるたびに自分が本家本元だと対抗意識を燃やす。 お姉さん然としているが実際はその名の通り子供っぽいところが多くすぐ泣く((説教の後ゲームのコレクションを売ると言われ往来で号泣。ネットに繋がらず涙目))。 陣内家には300年前から住んでいて忍とは生まれる前からの付き合い。昔は忍のことを甲斐甲斐しく世話していたいいお姉ちゃんだったが、 思春期になった忍がだんだん距離をとるようになってきたことについて思い悩んでいる。 グラマラスボディでも座敷「童」なので処女。 &bold(){・雪女} 求婚を受け入れた男性を凍死させるとされる美女の妖怪。夏が苦手。致命誘発体。 座敷童と見た目を取っ替えたほうがいいと言われるような見た目は13歳前後の少女の姿をしている。白い着物を着て薄い蒼の髪をマフラーの様に首に巻き付けている。 ある事件でパッケージに組み込まれていた所を忍に解放されて以来、彼に好意を抱き陣内家に住み着いたヤンデレ気味の致命誘発体。 力を増せば増す程に幼くなる、暑くなると大きくなるという特性をもっていて作中では見た目の年齢が何度も変動した。&font(l){そこ、真早がつるぺたに描けなかったからとか言わない。} 総扉絵の主で書店でブックカバーをつけようと本を開いた店員をその際ど過ぎる姿で凍らせるという特殊スキルを持つ。 ちなみに最終巻にて「ひょう」という個人名が明かされている。 &bold(){・小手蜜惑歌} 忍の同級生。資産家デイトレードや株取引で稼いでいて日本円だけでも300億もってるスーパーJK。学校では友人が少なく「遊離」している問題児だが、本人は特に気にしていない。 武装警備員を雇うなど全部一人解決できる財力を有しているため、基本的には誰にも頼らない。忍とは交友が深く本人は忍のことを(自分にとって)五指に入る重要人物といっている。&font(l){があんまりデレない。} &bold(){・内幕隼} 警視庁刑事部捜査一課に所属する刑事。階級は巡査部長でノンキャリア組。忍の父方の叔父で忍より10歳ほど年長。 田舎や妖怪が苦手であるため、大学進学以降はずっと東京で暮らしている。苗字が陣内ではないのは分家制度を使って戸籍を変えているため。 妖怪嫌われ体質の持ち主であらゆる妖怪に襲われるが、縁によるとこれは今時一つ目小僧等にも驚くような隼がある意味((経験値ガッポリ落とすレアモンスター的な意味で))好かれているからとのこと。&font(l){そしてJC好かれ体質という超羨ましい体質の持ち主。} 型にハマり気味な常識人だが少々熱血漢。高校生時代は金髪頭で、甥の忍が現在同じ色に染めているのもそれが由来らしい。 死人に興味が持てず、生きている人間のためでないと働く意欲が湧かない。 &bold(){・菱神艶美} 東京都内のお嬢様学校に通うツインテールの中学生。舞の妹で惑歌の都会時代の友人。姉に似ず貧乳。 隼とは逆に死んだ人間、それもまだ謎の残った事件の匂いのするものにしか興味が持てない。 隼を誘惑するために普段からセパレートの水着を愛用している。が全く相手にされていない。 隼が捜査に赴く先々に出没するため彼からは「推理マニア」のあだ名で呼ばれている。 都内に幾つも拠点を有している。隼の行く先に常に先回りしたり朝の署内での課長とのやり取りを把握していたりといった謎の情報網を持つ。 &bold(){・菱神舞} 艶美の姉。タンクトップとホットパンツを愛用する20代の美女。 妖怪絡みの巨大犯罪を専門に扱うフリーランスのエージェント。最近では百鬼夜行の依頼を中心に受けている。 この小説の血みどろ加減を大きく跳ね上げてる人。仮にも主役の一人とは思えないほどダーティーな手を使うことに定評のある人((事件を起こした首謀者が誰だか分からないので取りあえず適当に一人殺して出方を伺う等))。 「死出の竜姫」と呼ばれる強力な式神を持ちそのままそれが通称となっているが、 実際のところは「死出の竜姫」を仮想敵として生身のままそれをフルボッコできるように改造した自身の肉体が主な武器。むしろ自分よりそれに頼れば10割負け、とも言っている。 ……が、基本的に毎巻毎巻使うことになっている。また舞さんが負けておられるぞー。 &bold(){・すねこすり} 百鬼夜行の所属妖怪。「暗い所ですり寄る」だけという地味な力の持ち主だが、見た目が小犬風なので&bold(){可愛い}。ちなみにオス。 1巻で舞が百鬼夜行の依頼を受けた際同行者となり、それ以来彼女が組織絡みの仕事をする際の相方となったが、裏組織の構成員ながら常識人(?)なので舞がエグイ手段を使う度ドン引きしている。舞からは癒し系マスコットとして愛されているが。 またこう見えても&bold(){妻子持ち}で、4巻では行方不明の妻を探して裏社会に入ったという経緯が判明している。 ***【余談】 2019~2020年に本作と同じ鎌池・真早コンビが手掛けた『マギステルス・バッドトリップ』では、本作6・7巻に登場した悪魔「ツェリカ」と同名で似た口調・容姿のキャラが登場。 2作間の世界観のズレ等を考えると同一の存在かは不明だが、最終巻口絵では『マギステルス』世界のツェリカが「~内酒造」と書かれたビキニを着用していたり。 追記・修正お願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,4) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 作成が遅くなってすみません。(特に7巻以降の)ネタバレは避けたかったのでとりあえず1巻あたりのことを中心に項目を書きました。 -- 立て主 (2015-12-20 11:40:58) - ぶちゃっけ、自分的に禁書よりこっちのが好きなんだよな -- 名無しさん (2015-12-20 15:53:43) - もう本編は終わったけど後日談で番外編とかでないかね -- 名無しさん (2015-12-20 20:35:27) - どうせ半年ぐらいしたら我慢できなくなったかまちーが番外編とか書くに違いない、と思ったらすでに真早のブログに掌編があがってたでござる。 -- 名無しさん (2015-12-20 21:04:55) - 何故か自分の家周辺の本屋に7巻以降が見当たらない・・・ -- 名無しさん (2015-12-21 01:06:43) - かまちーの趣味色がかなりの強い気がする、全力で楽しんでるな -- 名無しさん (2015-12-21 06:58:48) - ↑×3壮大なフラグ立てたせいで特設サイトで好き放題書いてるぞw -- 名無しさん (2016-07-22 19:43:35) #comment #areaedit(end) }

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