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黄金の犬に登場する犬(ゴルゴ13)

登録日:2015/03/29 (日) 23:55:07
更新日:2026/05/15 Fri 17:31:51
所要時間:約 6 分で読めます







世界中の人骨の化石と共に必ず犬の化石も存在している。
犬は人間の掛け替えのない仲間でもあった。




本項目では、『ゴルゴ13』の130巻に収録されたエピソード「黄金の犬」に登場する動物について解説する。

概要

「黄金の犬」というエピソードはが物語の中心に置かれたキャラクターとして活躍する。
物語の始まりは「オコーナー女史」という犬好きで犬に関する分野の研究者が、DNAの研究中に偶然にも恐ろしい伝染病を作り出してしまった「従来の10倍の凶暴性を誇る狂犬病」が発端となる。
オコーナーはテロリスト集団「アラブの星」に狙われて誘拐されてしまい、幸いにも伝染病は未完成だったがテロリストのアジトで無理矢理研究を続行させられている。

そんな中でオコーナーの飼い犬と「アラブの星」のリーダーであるアシドの殺害依頼を受注したゴルゴの購入した4匹の犬が登場。
そういった飼い主との絆を見せる犬の活躍は今なおファンの間で語り継がれている。

本作に登場する犬

ゴルゴが購入した4匹の内シーザー以外の3匹は一芸には秀でてるものの、他の部分はむしろ並以下の雑種である。
ここが「黄金の犬」というエピソードの肝と言えるかもしれない。

■レットン

本作の鍵を握り、「黄金の犬」とも表現されていたゴールデンレトリバー
オコーナー女史の飼い犬の一匹だったが、アラブの星によって共に誘拐される。
ところがアラブの星を支援していたムハマッドの息子のブハシがアシドを裏切って連れ出した際の交渉の場でブハシが殺される中で生き延び、狂犬病の手掛かりとしてフランス当局に保護された。
しかしその後、ゴルゴの手によって脱走させられ、オコーナー女史の元に向かって走り出す。

オコーナー女史の恋人であるジュリアンが彼女に寄り添うと多少威嚇したり、路上で自分を飼い犬にしようと近寄った子供を避けたりと、警戒心を見せている。
なお、作中ではジュリアンとオコーナー女史が目の前でセックスしている様子を見せられている訳だが、どういう心境だったのだろうか…。
一方でブハシに対しては餌を渡されて撫でられたことで信頼したのか、大人しく連れ出されてブハシに対する追手が来た際には吠えて危機を知らせる、ブハシの遺体を引きずって悲しそうに顔を眺めるなど、かなり心を開いていたのではないかと思われる描写が見られる。

■ハスキー犬

購入した回想シーンが描かれていないが、おそらくゴルゴが購入した一匹。ニックネームは付いていない。

寒い環境の中でも、走れることが利点。
ゴルゴが購入した犬たちの中でも、寒い中先頭になっていた。

■ポインター

雑種の犬。他の犬よりもはるかに高い嗅覚を持つが、性格は憶病らしい。

■ニューファンドランド犬

ゴルゴに買われた一匹。泳ぎが得意なようである。ニックネームは付いていない。
ニューファンドランド犬は泳ぎが得意だが、ゴルゴの購入した犬はその中でも泳ぎと持久力に優れていた。

■シーザー

シェパード。扱いにくく、凶暴な犬らしい。
ゴルゴにも襲い掛かるかと思いきや、ゴルゴに近づき服従のポーズをしたことがきっかけで購入された。

作中でもゴルゴを落石から救うなどの活躍を見せている。

劇中の活躍

レットン

ゴルゴは任務においてレットンを脱走させ、犬にはどんなに離れていても愛する飼い主の元へとたどり着ける「感応追跡」を利用する。
「感応追跡」はいわば野生のカンともいうべき能力があるとされ、ゴルゴはこれを頼りにアジトを探すのであった。
ゴルゴは犬を訓練させて自分に懐かせた上で追跡を開始し、道中で川や雪山という険しい道や、獣たちが行く手を阻むものの、ゴルゴは犬と協力し一匹も欠けずに目的地へと進む。

飼い主を探すレットンは、オコーナー女史が軟禁されているアラブの星のアジトに到着するが、アシドに銃撃されてしまう。
オコーナー女史の叫びも虚しく、レットンは力尽きてしまい逝ってしまった。
直後、アシドはゴルゴに射殺される。

泣きながら、射殺されたアシドの遺体に向かって天罰だと言い放つオコーナー女史。
そしてゴルゴの方向に向かって、弾薬庫の位置を言い伝える。
ゴルゴは得意分野の読唇術を生かし、スコープの中からオコーナー女史の台詞を読み取る。
…彼女は、愛犬を殺す事となった恐ろしい兵器と、そしてそれを生み出せる自分の頭脳をその場で消させ、犬たちの未来を守ろうとしたのだ。

それを察したゴルゴは弾薬庫に向かって射撃を行い、オコーナー女史ごとアジトを爆発させた。

ゴルゴの犬

オコーナー女史の保護という任務に失敗したフランス特殊部隊。
現代的では無いゴルゴの手法に敗れたことに疑問を抱くジュプレ大佐。
しかし、ジュリアンは『過去の教訓』を思い出した。
それは1925年に、アラスカ犬で血清を届け多くの人々を救った『血清レース』の出来事だった。
(ちなみにこの血清レースで最も長く過酷な距離を走破したチームのリーダー犬の名前はトーゴーであり、映画化もされている)
ジュリアンは機械文明に頼り過ぎていた自分たちの行動を悔やむ。

だが、フランス特殊部隊は諦めずに作戦を変更。

守護目標が死んでしまったため、標的をゴルゴに切り替えることにした。
ゴルゴが犬を連れていることで逃亡が不可能になると予想し、ゴルゴは犬を置き去りにしていくのでそれを生け捕りにすることを考える。
長らく一緒に主人と過ごした犬は本能的に主人の匂いを体に染み込ませているため、要はそのまま潜む位置を教える道具として使えるという判断だった。

対するゴルゴだったが、彼の周辺になついている犬たちが集まる。
4匹の犬を見つめているゴルゴの冷徹な眼差し。
だがその眼差しは、どこか涙をこらえているようにも見えた……

残された犬を捕獲しようと動いている中でゴルゴの連れていた犬を発見する部隊だったが、断崖絶壁に”待て”の姿勢で4匹の犬が待機している光景を不思議に思う隊員たち。
隊員は、催涙ガスを使用して犬を捕獲しようと動いた。

その時、犬たちが動き始めた。

絶壁から既にパラセイリングで飛び立ったゴルゴは、空中で犬笛を吹く。
その時に4匹の犬は、崖から飛び降り自殺したのだった……。

犬が自殺をするというまさかの行動に困惑を覚える隊員たち。
ジュリアンは、犬笛をゴルゴが使ったことに気が付く。
その行為にジュプレとジュリアンは呟く。


まるで……魔法だ!!や、奴は東洋の悪魔かっ!?……
短時間でこうまで犬との信頼関係を作り上げるとは……ゴルゴ13……





犬は、かげがえの無い、人間のパートナーであり、その関係は神秘的ですらある。
そんな犬好きの、誰かが言った。

子供が産まれたら子犬を飼うがいい、子犬は子供より早く成長して、子供を守ってくれるだろう。
そして子供が成長すると良き友となる。
青年となり多感な年頃に犬は年老いて、死ぬだろう。
犬は青年に教えるのである、死の悲しみを


余談

  • ゴルゴと犬の交流を描いたエピソードは「黄金の犬」以降も執筆されており、「寡黙なパートナー」でも犬との絆を描いたり、或いは標的の最期の願いで犬を見逃したこともある。
    「黄金の犬」がゴルゴのエピソードの中でも名作として知名度が高い影響もあり、ゴルゴは犬に優しいと解釈するファンは多い。
    一方で「キャサワリー」ではただ道路を歩いていただけの害のない野良犬を轢き殺そうとした(しかも逃げられた)ことある*1ので単純に犬好きという訳でもないだろう。








追記・修正は、犬との信頼関係を築き上げてからお願いします。

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最終更新:2026年05月15日 17:31

*1 ただし、この理不尽な行動は同乗していた標的の正体を晒すために演技をしていた可能性も高い。ただし、「老いて牙が使えなくなった者は死ぬべき」という理論自体は己の価値観として定期的に語っており、前述の「寡黙なパートナー」でも似たような結論でパートナーの犬に寄り添っていたので、野良犬への理不尽な殺意は完全な嘘という訳でもないと思われる。