黄金の犬(ゴルゴ13)

登録日:2015/03/29 (日) 23:55:07
更新日:2020/10/21 Wed 14:43:24
所要時間:約 9 分で読めます







世界中の人骨の化石と共に必ず犬の化石も存在している。
犬は人間の掛け替えのない仲間でもあった。




概要


『黄金の犬』とは、ゴルゴ13の130巻に収録されたエピソード。

『絆』をテーマにした作品となっている。
ゴルゴ作品でも、トップレベルに切ないという評判を得ている作品。


あらすじ


動物学者であるオコーナー女史は、遺伝子操作により凶暴な狂犬病の病原体を作り出してしまった。

そこに目を付けたテロリスト集団『アラブの星』は、オコーナー女史と彼女の愛犬・レットンを強奪。
病原体を用いたテロを画策し、病原体研究のための資金をムハマッドに要求する。

しかし、ムハマッドはアラブの星の急進的な行動に異を唱え、資金提供を拒否。
アラブの星のリーダーのアシドは、ムハマッドの息子”ブハシ”を使者として資金交渉に送り込む。
ブハシはレットンを無断で連れ出したため、アラブの星メンバーに殺害されてしまう。

レットンは、フランス当局に保護されることになったが……


登場人物


■オコーナー女史

本作の重要人物。

犬に愛情を注いでおり、犬に関する分野で新しい発見を次々と見つけていた研究者。
そんな彼女だが、DNAの研究中に偶然にも恐ろしい伝染病を作り出してしまう。

それは、従来の10倍の凶暴性を誇る狂犬病だった。

そこをテロリスト集団に狙われ、誘拐されてしまう。
幸いにも伝染病は未完成だったが、狂犬病の研究をテロリストのアジトで無理矢理に行わされている。


■ジュリアン(ピオリーン)

パスツール研究所の責任者。

オコーナー女史の奪還の為に、ブハシとの交渉を行う。
しかしブハシは殺され、レトリバーのみを保護する形となった。

その後も、オコーナー女史奪還をめざし行動する。

オコーナー女史とは親友の関係にあると述べている。
しかし、劇中の形を見る限り肉体関係を結んでおり、恋人だった模様。


■ジュプレ大佐

フランス軍の大佐。

ジュリアンと共に、オコーナー女史の奪還を目指して動く。
最新の技術と軍事力を生かし、レトリバーの行先を追った。


■アシド

テロリストグループ『アラブの星』のリーダー。

オコーナー女史の作り出した伝染病に目を付ける。
そしてオコーナー女史を誘拐し、自身のアジトで伝染病を作らせている。

今回のゴルゴのターゲット。


■ブハシ

アラブの星を支援していたムハマッドの息子。

支援を打ち切ったムハマドを説得するように、アシドに言い渡された。
しかしアシドを裏切り、レトリバーを連れてジュリアンと接触する。

それがきっかけで殺された。


■ムハマッド

アラブの星を支援していた男。

劇中の台詞から見るに、石油関連で稼いでいた模様。
アラブの星に見切りをつけ、支援を打ち切った。

しかし、勘当していた息子のブハシを殺害されたことで、ゴルゴにアシド殺害の依頼をする。



主人公。

アシド殺害の依頼を受託。
犬を調達し、レトリバーの追跡を開始する。

今作での調達した犬たちの関係は必見。


本作に登場する犬


■レットン

本作の鍵を握るゴールデンレトリバー。

オコーナー女史の飼い犬だった。
オコーナー女史の誘拐後に、ブハシによって連れ出され、狂犬病の手掛かりとしてフランス当局に保護される。
しかしその後、ゴルゴの手によって脱走。

そして、オコーナー女史の元に向かって走り出す。


■ハスキー犬

購入した回想シーンが描かれていないが、おそらくゴルゴが購入した一匹。

寒い環境の中でも、走れることが利点。
ゴルゴが購入した犬たちの中でも、寒い中先頭になっていた。

ニックネームは付いていない。


■ポインター

雑種の犬。

他の犬よりも、はるかに高い嗅覚を持つ。
ただし、性格は憶病らしい。


■ニューファンドランド犬

ゴルゴに買われた一匹。

泳ぎが得意なようである。
ニューファンドランド犬は泳ぎが得意だが、ゴルゴの購入した犬はその中でも泳ぎと持久力に優れていた。

ニックネームは付いていない。


■シーザー

シェパード。

扱いにくく、凶暴な犬らしい。
ゴルゴにも襲い掛かるかと思いきや、ゴルゴに近づき服従のポーズをとる。
それがきっかけで購入された。

作中でもゴルゴを救うなどの活躍を見せている。

ちなみにゴルゴが購入した4匹の内シーザー以外の3匹は一芸には秀でてるものの、他の部分はむしろ並以下の雑種である。
ここがこのエピソードの肝と言えるかもしれない。


結末(ネタバレ注意!)


ゴルゴがレットンを脱走させたのには理由があった。
犬にはどんなに離れていても愛する飼い主の元へとたどり着ける「感応追跡」という能力、
いわば野生のカンともいうべき能力があるとされ、ゴルゴはこれを頼りにアジトを探すのであった。

ゴルゴは4匹を訓練させ、自分に懐かせた上で追跡を開始する。
道中、川や雪山という険しい道や、獣たちが行く手を阻むものの、ゴルゴは犬と協力し一匹も欠けずに目的地へと進む。


ついにレットンは、オコーナー女史が軟禁されているアラブの星のアジトに到着するが、アシドに銃撃されてしまう。
オコーナー女史の叫びも虚しく、レトリバーは力尽きてしまい逝ってしまった。
直後、アシドはゴルゴに射殺される。

泣きながら、射殺されたアシドの遺体に向かって天罰だと言い放つオコーナー女史。
そしてゴルゴの方向に向かって、弾薬庫の位置を言い伝える。
ゴルゴは得意分野の読唇術を生かし、スコープの中からオコーナー女史の台詞を読み取る。

ゴルゴは弾薬庫に向かって射撃を行い、オコーナー女史ごとアジトを爆発させた。

オコーナー女史の保護という任務に失敗したフランス特殊部隊。

現代的では無いゴルゴの手法に敗れたことに疑問を抱くジュプレ大佐。
しかし、ジュリアンは『過去の教訓』を思い出した。
それは1952年に、アラスカ犬で血清を届け多くの人々を救った『血清レース』の出来事だった。
ジュリアンは機械文明に頼り過ぎていた自分たちの行動を悔やむ。

だが、フランス特殊部隊は諦めずに作戦を変更。

守護目標が死んでしまったため、標的をゴルゴに切り替えることにした。
ゴルゴが犬を連れていることで、逃亡が不可能になっていると予測。
ゴルゴは犬を置き去りにしていくだろうと言うことを推測した。



その頃のゴルゴ。

ゴルゴの周辺になついている犬たちが集まる。
4匹の犬を見つめているゴルゴの冷徹な眼差し。
だがその眼差しは、どこか涙をこらえているようにも見えた……


残された犬を捕獲しようと動いているうちに、ゴルゴの連れていた犬を発見。
犬にゴルゴの体臭が染みついているため、特殊部隊の隊員は犬を捕獲しようとする。

だが、断崖絶壁に”待て”の姿勢で4匹の犬が待機している光景を不思議に思う隊員たち。
隊員は、催涙ガスを使用して犬を捕獲しようと動いた。

その時、犬たちが動き始めた。

絶壁から既にパラセイリングで飛び立ったゴルゴは、空中で犬笛を吹く。
その時に4匹の犬は、崖から飛び降り自殺したのだった……。

犬が自殺をするというまさかの行動に困惑を覚える隊員たち。
ジュリアンは、犬笛をゴルゴが使ったことに気が付く。
その行為にジュプレとジュリアンは呟く。


まるで……魔法だ!!や、奴は東洋の悪魔かっ!?……
短時間でこうまで犬との信頼関係を作り上げるとは……ゴルゴ13……





犬は、かげがえの無い、人間のパートナーであり、その関係は神秘的ですらある。
そんな犬好きの、誰かが言った。

子供が産まれたら子犬を飼うがいい、子犬は子供より早く成長して、子供を守ってくれるだろう。
そして子供が成長すると良き友となる。
青年となり多感な年頃に犬は年老いて、死ぬだろう。
犬は青年に教えるのである、死の悲しみを











追記・修正は、犬との信頼関係を築き上げてからお願いします。

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最終更新:2020年10月21日 14:43