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戦闘機の構造 - (2009/10/02 (金) 18:34:57) の1つ前との変更点

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#CONTENTS ---- **ジェット戦闘機は、なぜエンジン音うるさいのですか? ジェット機の騒音は、主にファン音(キーンというファンの風切り音)と、 ジェット音(排気が周囲の空気との速度差から発生する渦の発するドロドロという音)に別れます。 ジェット音は排気速度が、速いほど大きく。ジェット戦闘機がウルサイのは主にこれの為です。 (更に超音速ジェット戦闘機は、アフターバーナーという再燃焼排気加速装置を付けているのでさらにウルサイです。) 旅客機は、高バイパス比ファンエンジンのおかげで排気速度が遅く、ファンが主な総音源となります。 旅客機は騒音規制の点から早くから騒音対策に取り組んでいましたが、 軍用機はこれまでなおざりというか優先順位が低かったのですが、ステルスが注目されて以降は、騒音にも気を配るようになっています。  B-2は亜音速機ですので、排気速度はそれほど高くなく、 ファンも空気取り入れ口からかなり奥まった位置に有るので騒音が低いのでしょう。 #right(){(11:G_Tomo)} **今の戦闘機には、昔の戦闘機の様な方向舵が、無いように見えますがどのように方向を変えてるのですか? >翼の下に付いてるフラップみたいのが、方向舵なのですか? F-14もF-15もF-16もF-18もF-22も、みんな方向舵(ラダー)付いてますよ。 ついでに、ラダーだけではまともな旋回はできません。横滑りするだけ。 エルロンで機体をロールさせて、揚力を旋回方向に向け、揚力の鉛直成分の損失分を(エレベータでピッチを増して) 迎え角を増して揚力を増加、これにラダー操作を加えて旋回します。 旋回時に最も大きな向心力となるのは、傾けた主翼の揚力水平成分です。 ちなみに主翼に付いている舵は、一般にはフラップとエルロン。 #right(){(12:らむ)} 一般的な配置。 主翼下面=フラップ(揚力装置) 主翼後端=エルロン(補助翼) 水平尾翼=エレベーター(昇降舵) 垂直尾翼後端=ラダー(方向舵) 昇降舵は昔と違って水平尾翼ごと角度が変わるのが多いですね。 #right(){(12:534)} **戦闘機にエアークリーナー付いていないんですか? 「フィルター」ですか? 抵抗になってエンジン出力が落ちるだけです。 そもそも異物を吸い込むような使用は考慮外です。 コンマ数ミリの鉄球を吸い込んでも、エンジンは不調になります。 民間機と違って安全マージンが殆どないんです。 コンマ数ミリの鉄球を吸い込んでも不調になり、それを取り除くようなフィルターをつけると 飛行性能の低下を招くので、フィルターはついてません。 旅客機のジェットエンジン(前川が開いているやつ)を見れば分かりますが、結構傷だらけです。 対して、性能のために安全マージンを削っている戦闘機のエンジンは非常にデリケートです。 #right(){(13:623-624)} >サウジとかイラクなどの砂漠でも大丈夫なんですか? 砂漠なんかだとエンジン交換間隔が短くなるんだと思う。 そういえばBf109とかはTrop仕様があったね。あれはフィルターだ。 音速超える戦闘機はフィルタなんかつけたらそれ自体が壊れてエンジンに吸い込まれちゃうでしょう・・・ #right(){(13:627)} ちょっと調べてみた。 Mig-29は金網ではなく、扉がある。 完全閉鎖するのかはちょっと分からないけど、完全に閉鎖したらヤヴァイと思う。 Su-27系は金網(ヒンジ状)があって、開閉式。 #right(){(13:645)} **今のジェット戦闘機とかって、金属の骨組みに外板を貼ってるんですか? 基本的にはモノコック構造じゃなかったかと思いますけど。 即ち、外板パネルも構造体になっていたと思います。 #right(){(15:眠い人 ◆ikaJHtf2)} 現代の航空機の多くは、フレームに外板を貼ったセミモノコック構造をしており共に強度材となっています。 外板は張力でもって形状が変形する事を防ぎ、屈曲・座屈を防ぎます。 #right(){(15:G_Tomo)} **現代の戦闘機には防弾装備って無いそうですが、理由は? 普通 防弾装備は有ります。防爆フォーム入り燃料タンク等ですが。 もっと直接的な装甲に関しては、リスクと重量増を秤にかけて、CAS任務を行なう攻撃機くらいしか装備していません。 あなたも書かれているとおり、超音速機ともなると機体構造の強化、 更に損傷許容設計や再構成可能な飛行システムの適用により、小口径弾が機体構造を損傷する可能性は低くなっています。 #right(){(16:G_Tomo)} **「空中給油装置」ってなんですか? 簡単に言うと 空中給油機 = 灯油の巡回販売のトラック 空中給油装置=ポリタンク トラックのタンクから伸びるノズルがうまいこと、ポリタンクの穴に入る様になってますよね。 空中給油機と戦闘機の関係も同じで、戦闘機側に「飛行中に給油できる穴」が必要なのです。 一般紙では戦闘機側の穴を「空中給油装置」と呼んでいます。 #right(){(18:バーナー保守員)} **最近の戦闘機の機首がへの字型に曲がっているのは何故ですか? レーダーおっきい>機首を伸ばす>前が見えない>下に曲げる 特に着陸時とか機首上げの大きい時に前が見えない。 #right(){(19:115)} **戦闘機の鍵と言うか、そういうのはどうなってるんですか? 戦闘機に鍵はついておりません。 エンジンの始動方法は機種毎に違いはありますが、 通常は外部電源や外部抽気を繋いだり、 搭載しているAPU(補助動力装置)を起動させ、 スタータースイッチをONにし、 ある程度回転を稼いでからスロットルをアイドル位置に進めます。 それによってエンジンに燃料が送られ、点火プラグ(イグニッション)をスパークさせて着火させます。 自動的に回転が上がり、アイドリング位置に達します。 #right(){(20:三菱鉛筆 ◆/xrxFM7.)} **水平尾翼のない戦闘機は、ついている戦闘機に比べて、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか? ここでは水平尾翼のない戦闘機=単純なデルタ翼としておきます。 デルタ翼の利点は ・大きな後退角を持った翼が作れる。(翼端失速が起きにくい) ・主翼が大きいので剛性のある翼が作れる。 ・翼弦長が長いので、空力的に薄翼にできる。 ・翼面積が大きいので翼面荷重を小さくしやすい。 これに対し欠点は ・後縁にフラップが装備できない。(動翼がロールとピッチを兼ねるから) ・低速飛行中の方向安定性が悪い。 ・低速時には仰角を大きくしないと揚力をとりにくい。 ・水平尾翼がそもそもなんの役に立っているかというと、機体を水平方向に安定させる目的があります。 したがってデルタ翼機は、操縦性・安定性はやや欠けるようです。 #right(){(23:827,833)} **推力偏向ノズルの一種らしいのですが軸対称偏向ノズルって、どんなものなんでしょうか? 読んで字の如く、軸対称(通常のノズルと同様)でありながら偏向可能なノズルの事です。 Su-37やF-15Activeに装着されたのが有名です。 #right(){(24:G_Tomo)} **戦闘機ってたいてい、単発か双発みたいですけど、どうしてそれ以上のエンジンを積まないんでしょうか? 大出力のエンジン一つか二つの方が、小出力のエンジン四つよりも重量あたりのパワーが大きい。 空気抵抗の原因となるエンジンが少ない方が効率がいい。 #right(){(初心者質問スレッド467より)} **戦闘機はどうしてコックピットをもっと引っ込めないんですか? >無人機なんてものが開発されてるんだから視界なんてカメラで取れるだろうし >あんな形じゃ素人目にも空力やステルス性能でマイナスなんじゃないかと思います ミサイル万能論が唱えられるようになった第三世代戦闘機(F-4、MiG-25等)では 従来機よりキャノピーが小さくコクピットは機体に埋まる傾向があった。 ベトナムの戦訓で有視界戦闘が再び重視されるようになった四世代(F14~18、 Su-27、MiG-29等)ではキャノピーは再び大型化、五世代であるF-22/35でも その傾向を引き継いではいるが、更に先の見通しは不明。 > 無人機なんてものが開発されてるんだから視界なんてカメラで取れるだろうし が大間違い。現代の無人機の視野はトンネル視野。広視野カメラは低解像度。 カメラやってたらわかることだけど、マーク・ワン・アイボール(Mk.1 Eyeball.”人間の目”の比喩表現)の性能は最新デジカメの遙か上。 #right(){(初心者スレ470)} **戦闘機についてるカナード翼って機動性向上のためについているの? >ロシア戦闘機の新しいのには廃止されたみたいだし、アメリカ製にはついていないし。 >ステルス性にもよくないって話だしあまりメリットがないの? >でもタイフーンやラファール、このあいだの中国製にはついているんだよね。 その通りで、機動性向上の為 しかし、ステルス性を重視したい場合には、弱点となる どっちを重視するかはその国次第だが、高度なステルス機を 作る技術を現時点で持ってないような国とかは、機動性向上の方を選択するって事もある (ラプターとか程のには、カナードは大幅にステルス性が下がるが、逆に言えば そこまでのステルス性を持ってない機体には、大きな違いは無いという見方が出来る) しかし、少しでもステルス性を向上したいって場合、廃止したりする #right{(514:52)} カナードによる機動性向上効果は、その後の技術進歩でデジタルによる 機体制御とエンジンの推力偏向能力で同じかそれ以上の効果が出せることが わかったので、最近では廃れた。 上でも出てるようにレーダー波を反射し易くなるのでステルス性が激しく 落ちる、というデメリットもあるし。 タイフーンやラファール、それに大陸中国の殲10型の基になったイスラエルの ラビなんかは一世代古い設計思想なので、上述の研究成果を取り入れていない ため、カナードが付いている #right{(514:54)} 機体制御技術の進歩(CCV/FBW)で必要性が薄くなったのはあくまで 尾翼付き機に更に追加するカナード(所謂スリー・サーフェス)。 無尾翼デルタの離着陸時の要高迎角特性を緩和するには現在でも カナード(クロース・カップルド・デルタ)を超える解決策は無い。 で、既出の通りRCSへの悪影響が無尾翼/カナード・デルタのメリット 以上に深刻なので将来は廃れるであろう事が予想されてるわけ。 #right{(514:59)} カナードの最大の特徴は主翼の干渉を受けない位置についている事。 この為、尾翼より劇的に揚力を得る事ができ、運動性が向上する。 また、尾翼をつけずデルタ翼を採用した場合、超音速時には有利だが 離着陸時には主翼のフラップを使えないため不自由するという欠点がある。 この場合、カナードがあるのなら無理のないエレボン操作の範囲内で姿勢を上げる事ができ、 同時にカナードを用いて主翼表面に流れる気流を制御することもできるので 高迎角をとっても気流を剥離させずに安定して飛行する事ができる。 カナードとベクタードスラストの組み合わせは変態飛行を実現するかなりの近道と思っていい。 その反面、カナードがあると余計にレーダを反射してしまうのでステルス性は悪化し、 ステルス機の設計はやりにくくなる。 さらに機体制御の大きな部分がカナードにかかってくるため、 高度かつ信頼性の高い制御技術がないと未亡人製造機になる。 #right{(514:60)} **戦闘機のエンジンは暖機不要なのでしょうか? >スクランブル発進の機や、迎撃機は急速にそのまま飛び上がっていますが、 >エンジンが暖まっていない状態で出力は上がるのでしょうか? 少し昔の機体は暖気がというか、エンジンが始動するのにやや時間が必要だったが 現在は特にそういうことは無いというか、出力が上がるまでの時間が短縮されている 極寒地の北欧とかロシアとかでは冬に航空機のエンジンが凍り付いてしまって 時間掛けて暖めないと動かないなんて事も起こりうるようだが #right{(520:274)} エンジンオイルなどは外部から暖まったものを循環させ、エンジンをかけなくても、暖まった状態をキープしている。 昔だと迎撃などで待機している機体は整備員が時々エンジンを動かして暖めてる。 #right{(520:275)} **戦闘機で、搭載兵装を内装するのと外付けにする場合でそれぞれのメリットとデメリットを教えてください。 ・内装式は  @空気抵抗を減らせるので速度面で有利  @レーダーの反射を減らせるのでステルス性を高める(というか真面目にステルスを   目指す場合は兵装は内装式が絶対条件)  *内装が可能なだけの機内スペースの余裕が必要になる(機体の小型化が難しい)  *機載する兵装を開発する際に兵装搭載スペースの制限が掛かる  *どう搭載方法を工夫したところで同じ大きさの外装式の機体と比べると搭載量では絶対的に劣る ・外装式はこれらが全て逆になり  *兵装を積めば積むほど空気抵抗が増大する  *レーダー波の反射率が高くなる  @搭載するスペースと重量、搭載箇所の構造強度が許容する限り兵装を搭載できる  @兵装を開発する際のサイズや形状の制限が緩く済む ということになる。 #right{(532:169)} なお、それらの中間に半埋め込み式パイロンというものがある。 #right{(532:170)} >空気抵抗を減らし、飛行性能を上げることができるのなら戦闘機にウェポンベイが積極的につけられてもおかしくありませんよね? 対戦闘機戦闘を重視した機種だと抵抗減によるメリットより兵装庫の体積分機体が大柄になり 機動性が劣化するデメリットの方が大きかったから。 デッドスペースになるし、搭載武装が限られてしまうから。 種々の任務よって様々な武装に変えるマルチロール機にとってウェポンベイはあまり宜しくない。 多少の飛行性能の低下はエンジンパワーで補えるし。 F-22やF-35はステルス機だからその辺は我慢するか、必要なときだけステルスを捨てる方針。 #right{(536:395-403)} **搭載している精密な電子部品などは、高Gに耐えられるのですか? >現代の戦闘機の耐G性能は人体の限界を考慮してせいぜい9Gに設定されていると聞きましたが。 現在の戦闘機で一番脆弱な部品と言われてるのが人体ですが。 基本的に耐えられるように作ってます。 が機上環境は電子機器にとって厳しく、初期のFCS等アビオニクスは、 戦闘中フリーズ・再起動などが当たり前でした。 しかしそれらの悪影響を及ぼす要因の中で、定常Gは穏やかな方で、 振動(ガストや機銃など)、温度変化、湿気・雨等の方がより故障の原因となりました。 あと機体をあっちこっち(Gかけて)振って姿勢儀がおかしな方を向いてたってのもよく有りました。 (夜間や雲中ではこれが命取りになる) #right{(546:466,467)} **パイロットの真正面に照準があるのに翼についてる機銃とかどうやって狙いつけてんの? 零戦みたいに両翼に機関銃が搭載されている場合、銃に角度がつけられていてそれぞれの弾道が 機体の軸線前方で交差するようになっている。 照準機で敵機との距離を測り、そこに敵機が入るようにすれば当たることになる。 そのために時々地上で試射を行って照準機の補正を行う必要がある。 昔の多連装機銃の場合は、交差距離で一点に集中する様に調整します。 近年の単装の場合、上下に僅かに角度を付けてる機体が多いですが、左右についてはそういう記述はお目にかかりません。 胴体装備の場合は、分散も考えるとパララックスはほぼ無視できると思います。 尚、昔の戦闘機のように翼に何丁も機関銃を積んでる場合は、必ずしも一点には 集中させず、ある一定の範囲に弾がバラけるように調整するものもあった。 戦闘機で戦闘機を打つ、というのはようするに「散弾銃で鳥打する」ようなものなので、 逆に一点に集中しない方が好都合だったりするから。 #right(){(549:601:603,620)} **戦闘機のコクピットは気圧の調整はされているのですか? >旅客機は高度1万mでも酸素マスクは必要ないのに、戦闘機のパイロットは常にマスクを着用していますよね。 >又低空を飛行するときにマスクを外す事はあるんですか?(よく映画とかではシールドやマスクを外してるのをよく見ますが) 与圧されてるけど、被弾時の被害を軽減するために0.3気圧ほどしか無い。 一気圧で与圧すると戦闘機の飛んでる高さは大体とても気圧が低いから、 被弾するとポップコーンが弾けるみたいになってしまう。 ので、パイロットは酸素マスク必須。 #right(){(349:451)} **トーネードやハリアーⅡのキャノピー(パイロットのヘルメットの真上)には、ギザギザの刻み?のようなものが見られますが、何でしょう? 脱出するときにキャノピーを飛散させる紐状爆薬 #right(){(349:796)} **IRSTってどうしてキャノピー前に付けるのが多いんでしょうか? >視界狭めそうな気がするんですけど・・・ >それとF-35のEOTSっていうのもIRSTの一種ですか?あれは機内格納式みたいですが何ででしょうか レーダーと・・・いや、アイボールセンサーと同じで視界を極力広く取れる ところに設置しなければ探査範囲が狭まる。 対潜哨戒機や対潜ヘリ、それと攻撃機の赤外線センサーは機種下面についてる ことが多いがこれは「下」しか見ないから。 EOTS(Electro Optical Targeting System)はIRSTの一種だがどちらかといえば戦闘ヘリの TADS(Target Acquisition Designation Sight)の同類。 赤外線映像以外にも低光量TVカメラやレーザー測距機と合わせて総合的な目標探知/照準ができる。 で、F-35はステルス機なわけで。 機外に突き出してるものがあると困るっていうのは解るよな? 光学式センサは格納式かレンズの前に開閉式の蓋がついているかのどっちか 飛行の窓はすごく汚れるんだよ 特に日本とか韓国とか中国は悲惨 露出してたらたちまちセンサは役に立たなくなる #right(){(355:404-408)} **ロシア機にIRSTが付いているのはわかるんですが西側機でIRST付いてる機体ってどんなモノがありますか? http://www.lockheedmartin.com/data/assets/1232.pdf 一応新しいところではF-35にEOTSというのが開発されているけど顎の下にくっつけられている。 上のメーカーの説明では空中目標をIRSTモードでさがせるってことになってるのでたぶん該当する とは思います。 空自のF-104JもIR Seekerのサイトだけは着いている。 http://www004.upp.so-net.ne.jp/hyoshi/air/YJ80F104-01.jpg (コクピット前の出っ張りね) Seeker自体も数セットは購入したらしい。 米海軍はF-8、F-4、F-14と三世代にわたってIRSTを愛用していた。 http://www.doppeladler.com/oebh/hp2004.htm http://www.eurofighter.com/Typhoon/Avionics/ タイフーンの機首風防の前にIRSTがあります。 #right(){(356:327-409)} **フェーズドアレイレイダーは意味あるのか? 戦闘機搭載のフェーズドアレイレーダーは、単に故障率低下だけでも大きな意味があります。 効率的に出力を利用できるため、同じ重量ならより有効範囲が広く、同じ有効範囲なら軽量化できます。 また、同時に多目標を追尾することもできます。ご理解いただきたいのは、捜索と追尾は違うということです。 地上レーダーでも敵機を捜索発見できますが、ミサイルを命中させるためにはその精度、 照射頻度では不十分で、持続的に正確に目標に電波を当て続ける「追尾」が必要になります。 地上発射の対空ミサイルであれば、地上の追尾レーダーがこれを行いますが、 空中戦で空対空ミサイルを発射する際には、当然戦闘機上に追尾レーダーが必要になります。 #right(){(16:system)} **戦闘機のフライ・バイ・ワイヤのシステムが機能しなくなる原因って、機体のどこがおかしいときなんでしょうか? >電気系だとしたら、機内のモニターも全部飛んでますか? 昨今のFBWは3重4重くらいのバックアップあって万一の故障に対処してるけれど、 それ全部壊れたとしたらモニターどころじゃなく飛んでること自体無理レベル。 可能性としてはゼロじゃないけど全部壊れない前提で設計してるもの。 壊れてどのバックアップに切り替わったのかがモニタに表示されるみたいな感じ。 そういうシステムのため他とは系統違うんで、仮にそれが全部ぶっ壊れても モニタだけ生き残ってる可能性はあるかといえばあるんじゃないかな。 (てかモニタの系統はコクピット内部がメインになってるはずで、それ死ぬときは  単純故障かパイロットが五体満足じゃない状態が多いと思うのだがw) #right(){(552:919)} **戦闘機なんかはどのようにガラスの曇りを防止しているのでしょうか? 民間機のキャビンの場合は三重構造の窓です。 外側に小さな穴が開いており、そこから空気を入れて曇りをとります。 一方コクピットの窓は、5層構造で内部に電熱が入っています。 #right(){(14:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **現代の戦闘機に使われてるエンジンは燃焼器での最大温度、通常の排気温度、アフターバーナー使用時の排気温度はそれぞれどのくらいですか? 最大温度は1200度以上。通常の排気温度は200~300度(ステルス性を考えて低くなるよう設計される)。 気の利かない設計だと500度ぐらいまで上がることもある。アフターバーナー使用時は700~800度程度。 しかしSu-27の排気温度計は1000度まで目盛ってあるらしい。 #right(){(486:287)} http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1192343293/ タイフーンのエンジンのEJ200で1470℃、F-22のエンジンF119で1540℃ ラファールのエンジンであるM88で1570℃になる。 XF5は、1550℃である。 F135がタービン直前温度2000℃と聞いた後 TFR師曰く 「普通2000℃だと、空気中の酸素と窒素が反応して吸熱反応になるんですけどね」 だとさ そしてもう1つの問題は、タービン直前温度が2000℃ならもっと温度の高い燃焼室の温度は何度なんだ?という事だ。 手元の 航空工学講座 ジェット・エンジン(構造) 日本航空技術協会 の107ページには 燃焼室温度が1600~2000℃であっても出口温度は800~1300℃くらい、などと書いてある これじゃ温度差が大き過ぎる。 1400℃台前半だったのは1970年代まで。 それ以降に開発されたエンジンでは、全てそれ以上の温度に耐えている #right(){(486:311)} **現代の戦闘機、F-15やF-22Aなどには自動式の空戦フラップはありますか?  近年のACT(ActiveControlTecnology)を利用したCCV機等では、動翼をその時重視するファクター(楊坑比等)に 従い最適の制御する機構が一般化します。 F-16の自動前縁フラップ、F-18の可変キャンバー翼などがそれに当ります。 これらは自動包絡線フラップの思想を電子化した物とも言えます。 さらにF-22やF-2のME(ManuverEnhancement)モードでは動翼のコーディネーションはより高度なものとなっています。 F-15は、コニカルカンバーを持つものの非常にシンプルな構成の主翼で、フラップはCAS(安定増強システム)に 繋がってませんし単純な物の様です。 #right(){(350:63)} **ジェット戦闘機の初期の名機とされるF86やMIG-15はノーズコーンの部分が吸気口になってますよね >ソビエトはその後しばらくノーズコーンに吸気口がある機体を使っていましたが >アメリカは機体の下側や両側に吸気口がある機体を使うようになったのは何でなんですか? 幾つかの理由があり一つと言う事ではない。(機体によって) ピトー式のノーズエアインテークは、亜音速域では姿勢・速度・スロットル開度と言った条件の変化に対し 適量な空気流量を得るのに適しており、空戦機動を行う戦闘機にはメリットが大きかった。 デメリットとしては下記のような点が挙げられる。 ・ノーズにインテークを置き機体後部にエンジンを置くと、機体内部の多くをダクトで占められスペース効率が悪く燃料やペイロード等の搭載に都合が悪い。 ・速度が超音速域になると、単純なピトーインテークでは適切な速度域を外れると空気流量のミスマッチによる剥離衝撃波による効率(総圧回復)低下や抵抗増大が甚だしく、 その為ノーズにインテークをおく場合でも、ライトニングやMiG-21の様にショックコーンを置くようになる。 ・ノーズにはFCSや火器を置きたいという強い需要が有る。 #right(){(571:443)} **デルタ翼は低速時の安定が不安定(格闘戦に弱い)のでしょうか? デルタ翼は低速での安定性が低いなんてことはない 大仰角の画像をみてそう判断したのかも知れないが、あれは安定しすぎるぐらい安定した飛行だ たとえば中東では純粋デルタ翼のミラージュⅢが最強の格闘戦闘機だった。戦況を左右する要素が多すぎて、 条件をよほど厳密化しない限り結論はでにくい問題だ F-4はクリップトデルタ(尾翼付き)であって、カナード付きデルタのユーロファイターとはざっくり 言って同じジャンルだ。極論だが尾翼が前にあるかないかの違い。航空機は一般に同じ形式であっても 各機種ごとに操縦特性はイヤってほど違う。逆にたとえばF-15とF-86は格好も性能もずいぶん違うが操縦 特性は驚くほど似ているらしい。一般的な回答が無い問題といわざるをえない #right(){(571:851)} **何で戦闘機は武器を翼の下につけるのが普通なんですか? >落とすだけの燃料タンクや爆弾なら下に付けて当たり前と思いますが ミサイルもハードポイントから切り離されてしばらく爆弾のように「落下」してからロケットモーターに点火して 飛んでいきますよ。じゃないと発射したミサイルが自機に命中する危険がありますからね。 飛行機は翼表面の気流の速度(気圧)差によって揚力を得ている。 上面が速い気流で、下面が遅い気流となっている。 翼上面にミサイル等を配置すると、このバランスが崩れて、失速しやすくなる。 下面なら、このデメリットが上面より小さいので、兵装の配置はこちらに集中する。 #right(){(340:54,55)} **ハリアーのキャノピーは、脱出する時に破砕して座席が飛び出すそうですが、通常の機体のキャノピーが射出されるのと比べて破砕するメリットは何ですか? キャノピーが丸ごと飛んでいくと、乗員がキャノピーに衝突する危険がある。 トップガンでマーベリックの相棒がそれで死ぬ。 >ハリアー以外の機体には破砕コードは普及してないのでしょうか? ハリアー以外にも、ヨーロッパの機体はキャノピー破砕方式のが多いし、日本でもT-4に採用。 キャノピー破砕方式だと、視界を爆薬コードが遮るという欠点もある。 キャノピー投棄方式だと、脱出時に乗員死傷の可能性があるというのは、実際に使ってみて初めてわかったこと。 既存の機体に改修を施すと、コストがかかる。 キャノピー投棄方式でも、必ず乗員にぶつかるわけではないから、古い機体はそのまま。 >新しい機体に分類されるステルス機のラプターに破砕コードがなくて、F-35にあるのは何故? F-35はVTOL時の脱出を考えているのでは?低速だとキャノピーを投棄しても風圧が手伝ってくれないからコクピットの真上に落ちてくる 爆砕コードの欠点 ・割れ方がまずいと、パイロットが怪我を負う可能性が高い ・自分の頭の真上で爆発が起こるってのはやっぱり精神衛生上非常によろしくない。  脱出前で焦ってたりテンパってたりする場合なんかは特に。 なお、キャノピー射出式のものは速度がゼロの場合に乗員がグースみたいにならないよう、キャノピーを 少し後方に向かって飛ばすようになっています。その後風圧によってキャノピーはさらに後ろに飛んでいきます。 そして少し時間差(キャノピーが後ろに飛んで行って、射出方向がクリアになるぐらいの間) があって乗員が射出されます。 ただし低速だとキャノピーがうまく吹っ飛ばないという罠。 また低高度だと時間差が致命的になる罠。だからVTOLのハリアーなんかはキャノピー破砕方式。 #right(){(340:195-236)} **双発戦闘機や双発攻撃機のスロットル操作がデュアルスロットルからシングルスロットルになったのはいつ頃ですか? >また何故、双発エンジンの操作をデュアルスロットルではなく、シングルスロットルで操作するようになったんですか? ジェット化になってから。 プロペラ機の場合はエンジンをプロペラの直径以上離して設置されてるので 出力を同じに調整しないとプロペラの回転モーメントもあり機体が真っすぐ飛びにくくなる。ジェットだと回転モーメントが発生しにくいから。 といっても双発以上のジェットだと単独でも出力コントロールできるぞ。 #right(){(582:138)} **F-4ファントムは10mの高さから落下させても、ランディングギアに何も問題がないと94'のエアワールドの84頁にあったんですが。本当に壊れる事はないんでしょうか? とりあえず適当にネットで出てきた内容を参考に考えると F/A-18だが着艦時の降下速度が大きく見積もって5m/s で空気抵抗がないと仮定して10mから落としたときの速度が14m/s 空気抵抗を考慮に入れてもこれくらいの速度だとそこまで大きな差は出ないと思うが それだと安全率がどれくらいに見積もられているのかと言うところかね  民間機だと着陸時の沈下率1m/sくらい、 陸上戦闘機はこの倍ちかく、 艦上戦闘機は更にその倍くらいといわれてる。 F-4の降着装置は沈下率7.2m/sまで耐えられるという事だが、 (ttp://www.f-4ej.com/encyc/sa-gyo.htm) 10mからの落下速度は14m/s、 安全率を考えても普通無事とは言えない高さだと思う。 #right(){(336:484,492)} **F-4ファントムIIのジェットエンジンのインテークと、本体(コクピット)の間にある「板」は何の役割を果たしているんですか? 機体表面を流れる境界層と呼ばれるごく薄い空気の層があるんですが、これは 気流が機体表面付近で減速される事で形成されます。 この流れの遅い空気をそのまま吸い込んでしまうと吸気圧が減少してしまうので、 インテークと機体の間にダイバーダと呼ばれる隙間を設けた上であの板(スプリッターベーン) で分離します。 ベーンで分離した空気はベーン表面に開いた極小の穴から吸い込み、ベーン後方の ブリードエア排出口から排出します。 また、このベーンは速度に応じて可変し、ベーン先端で発生する衝撃波を直接インテーク内に 取り入れないようにもなっています。 また、もう一つの目的として、超音速気流への対策があります。 超音速飛行時に音速を超えるエアをエンジン内に吸い込んでしまうと衝撃波の影響で かえって必要量のエアが取り込めないことがあります。 このため、超音速気流を減速してダクト内に導いて空気量を確保する必要があります。 その対策として、インテークより前に突き出した部分で衝撃波を発生させ、これによって 超音速気流を圧縮・減速してダクト内に導く方法がしばしば取られました。 (F-104やMiG-21のインテークコーンなど) F-4はこれより進化した方式で、スプリッターベーンを動かすことで、速度によって異なる 衝撃波を最適の角度にコントロールしています。 #right(){(336:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} >現代の戦闘機の空気インテークには、流入するエアをコントロールしたりする >速度変化に最適に対応する為のなにがしかの可変機構がついていると思ってよいですか?  アメリカ製戦闘機ではF-16以降は可変インテークは採用されていません。 (バイパスブリードを除く) #right(){(336:118)} 現在ではマッハ2以上の超高速があまり求められないことや、ステルス性の関係などで 米戦闘機では可変インテークは廃れています。 F-35 http://www.defenseindustrydaily.com/images/AIR_F-35_JSF_STOVL_Lift-Fan_lg.jpg JSFプログラムにおいてF-16でテストしたインテーク形状 http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/images/f35_technology_divertless.jpg #right(){(336:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **戦闘機の機首のタイプもいろいろあるのでしょうか? それの呼び名を教えてください。 ストレートノーズ とか ドッグノーズ とか シャークノーズ とか、「機首(ノーズ)」の 形状を形容する用語はあるよ。 機首を含めて胴体のデザインに格別な名称はついてない 双胴式とかはあるけどね 側面からみて機首が緩やかなカーブを描くようなデザインは80年代の流行だ 胴体から発生する揚力の有効活用(揚力をゼロにする場合も含む)を追及した結果だ >首が鶴みたいに曲がってるやつは おそらくNF-156(F-5/T-38)、F-5E/F、Su-27などに顕著に見られる、 コクピット前方で機首が下がった(下面が膨らんだ)形状の事を言ってるのかな。 特に定まった名称は無いと思うけど。 あれは、優れた視界(特に前下方)の為の大きなコクピットによって発生する揚力(その結果としてのトリム抵抗)を削減する為 モーメントを打ち消す様に(かつ断面積変化を緩やかにする為コクピットより前に)反りが付けられている。 その結果 緩やかに機首部で下に反りコクピット部で上に反った 見る人によっては優美と表現するような形状に成った。 Su-27 http://www.suchoj.com/ab1953/Su-27/riss/Su-27_07.jpg みたいに機首が推力線に対しやや前下がりになったデザインの事か? ならばそれを指す定まった呼称な無い。但しSu-27は非公式な愛称として “Журавлик”(ジュラーヴリク:小さい/幼い鶴)と呼ばれている。 #right(){(590:715-723)} **戦闘機の主翼の事なんですが、タイフーンなどがF-15などに反して低翼なのは、デルタ翼なので尾翼が無いから……という解釈でオーケーですか? 低翼の利点は脚の収納場所に困らず、かつ脚を短くできること 一般的な航空機の場合、脚関係は自重の約3分の1を占めるから 少しでも軽くしたい事情があれば低翼を選ぶことになる 欧州の戦闘機は米ロに比べて推力が小さいエンジンしか使えないので 必然的に低翼の選択率が多くなる 一方、低翼の最大の欠点は地面とのクリアランスが小さくなってしまうことで 翼下に兵器をたくさんぶら下げたい攻撃機には向かない タイフーンは今のところ制空戦闘専門だから地面とのクリアランスを気にする 必要がない まぁミラージュとかF-4、F-5とか、例外は多いけどね #right(){(590:746)} ----
#CONTENTS ---- **ジェット戦闘機は、なぜエンジン音うるさいのですか? ジェット機の騒音は、主にファン音(キーンというファンの風切り音)と、 ジェット音(排気が周囲の空気との速度差から発生する渦の発するドロドロという音)に別れます。 ジェット音は排気速度が、速いほど大きく。ジェット戦闘機がウルサイのは主にこれの為です。 (更に超音速ジェット戦闘機は、アフターバーナーという再燃焼排気加速装置を付けているのでさらにウルサイです。) 旅客機は、高バイパス比ファンエンジンのおかげで排気速度が遅く、ファンが主な総音源となります。 旅客機は騒音規制の点から早くから騒音対策に取り組んでいましたが、 軍用機はこれまでなおざりというか優先順位が低かったのですが、ステルスが注目されて以降は、騒音にも気を配るようになっています。  B-2は亜音速機ですので、排気速度はそれほど高くなく、 ファンも空気取り入れ口からかなり奥まった位置に有るので騒音が低いのでしょう。 #right(){(11:G_Tomo)} **今の戦闘機には、昔の戦闘機の様な方向舵が、無いように見えますがどのように方向を変えてるのですか? >翼の下に付いてるフラップみたいのが、方向舵なのですか? F-14もF-15もF-16もF-18もF-22も、みんな方向舵(ラダー)付いてますよ。 ついでに、ラダーだけではまともな旋回はできません。横滑りするだけ。 エルロンで機体をロールさせて、揚力を旋回方向に向け、揚力の鉛直成分の損失分を(エレベータでピッチを増して) 迎え角を増して揚力を増加、これにラダー操作を加えて旋回します。 旋回時に最も大きな向心力となるのは、傾けた主翼の揚力水平成分です。 ちなみに主翼に付いている舵は、一般にはフラップとエルロン。 #right(){(12:らむ)} 一般的な配置。 主翼下面=フラップ(揚力装置) 主翼後端=エルロン(補助翼) 水平尾翼=エレベーター(昇降舵) 垂直尾翼後端=ラダー(方向舵) 昇降舵は昔と違って水平尾翼ごと角度が変わるのが多いですね。 #right(){(12:534)} **戦闘機にエアークリーナー付いていないんですか? 「フィルター」ですか? 抵抗になってエンジン出力が落ちるだけです。 そもそも異物を吸い込むような使用は考慮外です。 コンマ数ミリの鉄球を吸い込んでも、エンジンは不調になります。 民間機と違って安全マージンが殆どないんです。 コンマ数ミリの鉄球を吸い込んでも不調になり、それを取り除くようなフィルターをつけると 飛行性能の低下を招くので、フィルターはついてません。 旅客機のジェットエンジン(前川が開いているやつ)を見れば分かりますが、結構傷だらけです。 対して、性能のために安全マージンを削っている戦闘機のエンジンは非常にデリケートです。 #right(){(13:623-624)} >サウジとかイラクなどの砂漠でも大丈夫なんですか? 砂漠なんかだとエンジン交換間隔が短くなるんだと思う。 そういえばBf109とかはTrop仕様があったね。あれはフィルターだ。 音速超える戦闘機はフィルタなんかつけたらそれ自体が壊れてエンジンに吸い込まれちゃうでしょう・・・ #right(){(13:627)} ちょっと調べてみた。 Mig-29は金網ではなく、扉がある。 完全閉鎖するのかはちょっと分からないけど、完全に閉鎖したらヤヴァイと思う。 Su-27系は金網(ヒンジ状)があって、開閉式。 #right(){(13:645)} **今のジェット戦闘機とかって、金属の骨組みに外板を貼ってるんですか? 基本的にはモノコック構造じゃなかったかと思いますけど。 即ち、外板パネルも構造体になっていたと思います。 #right(){(15:眠い人 ◆ikaJHtf2)} 現代の航空機の多くは、フレームに外板を貼ったセミモノコック構造をしており共に強度材となっています。 外板は張力でもって形状が変形する事を防ぎ、屈曲・座屈を防ぎます。 #right(){(15:G_Tomo)} **現代の戦闘機には防弾装備って無いそうですが、理由は? 普通 防弾装備は有ります。防爆フォーム入り燃料タンク等ですが。 もっと直接的な装甲に関しては、リスクと重量増を秤にかけて、CAS任務を行なう攻撃機くらいしか装備していません。 あなたも書かれているとおり、超音速機ともなると機体構造の強化、 更に損傷許容設計や再構成可能な飛行システムの適用により、小口径弾が機体構造を損傷する可能性は低くなっています。 #right(){(16:G_Tomo)} **「空中給油装置」ってなんですか? 簡単に言うと 空中給油機 = 灯油の巡回販売のトラック 空中給油装置=ポリタンク トラックのタンクから伸びるノズルがうまいこと、ポリタンクの穴に入る様になってますよね。 空中給油機と戦闘機の関係も同じで、戦闘機側に「飛行中に給油できる穴」が必要なのです。 一般紙では戦闘機側の穴を「空中給油装置」と呼んでいます。 #right(){(18:バーナー保守員)} **最近の戦闘機の機首がへの字型に曲がっているのは何故ですか? レーダーおっきい>機首を伸ばす>前が見えない>下に曲げる 特に着陸時とか機首上げの大きい時に前が見えない。 #right(){(19:115)} **戦闘機の鍵と言うか、そういうのはどうなってるんですか? 戦闘機に鍵はついておりません。 エンジンの始動方法は機種毎に違いはありますが、 通常は外部電源や外部抽気を繋いだり、 搭載しているAPU(補助動力装置)を起動させ、 スタータースイッチをONにし、 ある程度回転を稼いでからスロットルをアイドル位置に進めます。 それによってエンジンに燃料が送られ、点火プラグ(イグニッション)をスパークさせて着火させます。 自動的に回転が上がり、アイドリング位置に達します。 #right(){(20:三菱鉛筆 ◆/xrxFM7.)} **水平尾翼のない戦闘機は、ついている戦闘機に比べて、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか? ここでは水平尾翼のない戦闘機=単純なデルタ翼としておきます。 デルタ翼の利点は ・大きな後退角を持った翼が作れる。(翼端失速が起きにくい) ・主翼が大きいので剛性のある翼が作れる。 ・翼弦長が長いので、空力的に薄翼にできる。 ・翼面積が大きいので翼面荷重を小さくしやすい。 これに対し欠点は ・後縁にフラップが装備できない。(動翼がロールとピッチを兼ねるから) ・低速飛行中の方向安定性が悪い。 ・低速時には仰角を大きくしないと揚力をとりにくい。 ・水平尾翼がそもそもなんの役に立っているかというと、機体を水平方向に安定させる目的があります。 したがってデルタ翼機は、操縦性・安定性はやや欠けるようです。 #right(){(23:827,833)} **推力偏向ノズルの一種らしいのですが軸対称偏向ノズルって、どんなものなんでしょうか? 読んで字の如く、軸対称(通常のノズルと同様)でありながら偏向可能なノズルの事です。 Su-37やF-15Activeに装着されたのが有名です。 #right(){(24:G_Tomo)} **戦闘機ってたいてい、単発か双発みたいですけど、どうしてそれ以上のエンジンを積まないんでしょうか? 大出力のエンジン一つか二つの方が、小出力のエンジン四つよりも重量あたりのパワーが大きい。 空気抵抗の原因となるエンジンが少ない方が効率がいい。 #right(){(初心者質問スレッド467より)} **戦闘機はどうしてコックピットをもっと引っ込めないんですか? >無人機なんてものが開発されてるんだから視界なんてカメラで取れるだろうし >あんな形じゃ素人目にも空力やステルス性能でマイナスなんじゃないかと思います ミサイル万能論が唱えられるようになった第三世代戦闘機(F-4、MiG-25等)では 従来機よりキャノピーが小さくコクピットは機体に埋まる傾向があった。 ベトナムの戦訓で有視界戦闘が再び重視されるようになった四世代(F14~18、 Su-27、MiG-29等)ではキャノピーは再び大型化、五世代であるF-22/35でも その傾向を引き継いではいるが、更に先の見通しは不明。 > 無人機なんてものが開発されてるんだから視界なんてカメラで取れるだろうし が大間違い。現代の無人機の視野はトンネル視野。広視野カメラは低解像度。 カメラやってたらわかることだけど、マーク・ワン・アイボール(Mk.1 Eyeball.”人間の目”の比喩表現)の性能は最新デジカメの遙か上。 #right(){(初心者スレ470)} **戦闘機についてるカナード翼って機動性向上のためについているの? >ロシア戦闘機の新しいのには廃止されたみたいだし、アメリカ製にはついていないし。 >ステルス性にもよくないって話だしあまりメリットがないの? >でもタイフーンやラファール、このあいだの中国製にはついているんだよね。 その通りで、機動性向上の為 しかし、ステルス性を重視したい場合には、弱点となる どっちを重視するかはその国次第だが、高度なステルス機を 作る技術を現時点で持ってないような国とかは、機動性向上の方を選択するって事もある (ラプターとか程のには、カナードは大幅にステルス性が下がるが、逆に言えば そこまでのステルス性を持ってない機体には、大きな違いは無いという見方が出来る) しかし、少しでもステルス性を向上したいって場合、廃止したりする #right{(514:52)} カナードによる機動性向上効果は、その後の技術進歩でデジタルによる 機体制御とエンジンの推力偏向能力で同じかそれ以上の効果が出せることが わかったので、最近では廃れた。 上でも出てるようにレーダー波を反射し易くなるのでステルス性が激しく 落ちる、というデメリットもあるし。 タイフーンやラファール、それに大陸中国の殲10型の基になったイスラエルの ラビなんかは一世代古い設計思想なので、上述の研究成果を取り入れていない ため、カナードが付いている #right{(514:54)} 機体制御技術の進歩(CCV/FBW)で必要性が薄くなったのはあくまで 尾翼付き機に更に追加するカナード(所謂スリー・サーフェス)。 無尾翼デルタの離着陸時の要高迎角特性を緩和するには現在でも カナード(クロース・カップルド・デルタ)を超える解決策は無い。 で、既出の通りRCSへの悪影響が無尾翼/カナード・デルタのメリット 以上に深刻なので将来は廃れるであろう事が予想されてるわけ。 #right{(514:59)} カナードの最大の特徴は主翼の干渉を受けない位置についている事。 この為、尾翼より劇的に揚力を得る事ができ、運動性が向上する。 また、尾翼をつけずデルタ翼を採用した場合、超音速時には有利だが 離着陸時には主翼のフラップを使えないため不自由するという欠点がある。 この場合、カナードがあるのなら無理のないエレボン操作の範囲内で姿勢を上げる事ができ、 同時にカナードを用いて主翼表面に流れる気流を制御することもできるので 高迎角をとっても気流を剥離させずに安定して飛行する事ができる。 カナードとベクタードスラストの組み合わせは変態飛行を実現するかなりの近道と思っていい。 その反面、カナードがあると余計にレーダを反射してしまうのでステルス性は悪化し、 ステルス機の設計はやりにくくなる。 さらに機体制御の大きな部分がカナードにかかってくるため、 高度かつ信頼性の高い制御技術がないと未亡人製造機になる。 #right{(514:60)} **戦闘機のエンジンは暖機不要なのでしょうか? >スクランブル発進の機や、迎撃機は急速にそのまま飛び上がっていますが、 >エンジンが暖まっていない状態で出力は上がるのでしょうか? 少し昔の機体は暖気がというか、エンジンが始動するのにやや時間が必要だったが 現在は特にそういうことは無いというか、出力が上がるまでの時間が短縮されている 極寒地の北欧とかロシアとかでは冬に航空機のエンジンが凍り付いてしまって 時間掛けて暖めないと動かないなんて事も起こりうるようだが #right{(520:274)} エンジンオイルなどは外部から暖まったものを循環させ、エンジンをかけなくても、暖まった状態をキープしている。 昔だと迎撃などで待機している機体は整備員が時々エンジンを動かして暖めてる。 #right{(520:275)} **戦闘機で、搭載兵装を内装するのと外付けにする場合でそれぞれのメリットとデメリットを教えてください。 ・内装式は  @空気抵抗を減らせるので速度面で有利  @レーダーの反射を減らせるのでステルス性を高める(というか真面目にステルスを   目指す場合は兵装は内装式が絶対条件)  *内装が可能なだけの機内スペースの余裕が必要になる(機体の小型化が難しい)  *機載する兵装を開発する際に兵装搭載スペースの制限が掛かる  *どう搭載方法を工夫したところで同じ大きさの外装式の機体と比べると搭載量では絶対的に劣る ・外装式はこれらが全て逆になり  *兵装を積めば積むほど空気抵抗が増大する  *レーダー波の反射率が高くなる  @搭載するスペースと重量、搭載箇所の構造強度が許容する限り兵装を搭載できる  @兵装を開発する際のサイズや形状の制限が緩く済む ということになる。 #right{(532:169)} なお、それらの中間に半埋め込み式パイロンというものがある。 #right{(532:170)} >空気抵抗を減らし、飛行性能を上げることができるのなら戦闘機にウェポンベイが積極的につけられてもおかしくありませんよね? 対戦闘機戦闘を重視した機種だと抵抗減によるメリットより兵装庫の体積分機体が大柄になり 機動性が劣化するデメリットの方が大きかったから。 デッドスペースになるし、搭載武装が限られてしまうから。 種々の任務よって様々な武装に変えるマルチロール機にとってウェポンベイはあまり宜しくない。 多少の飛行性能の低下はエンジンパワーで補えるし。 F-22やF-35はステルス機だからその辺は我慢するか、必要なときだけステルスを捨てる方針。 #right{(536:395-403)} **搭載している精密な電子部品などは、高Gに耐えられるのですか? >現代の戦闘機の耐G性能は人体の限界を考慮してせいぜい9Gに設定されていると聞きましたが。 現在の戦闘機で一番脆弱な部品と言われてるのが人体ですが。 基本的に耐えられるように作ってます。 が機上環境は電子機器にとって厳しく、初期のFCS等アビオニクスは、 戦闘中フリーズ・再起動などが当たり前でした。 しかしそれらの悪影響を及ぼす要因の中で、定常Gは穏やかな方で、 振動(ガストや機銃など)、温度変化、湿気・雨等の方がより故障の原因となりました。 あと機体をあっちこっち(Gかけて)振って姿勢儀がおかしな方を向いてたってのもよく有りました。 (夜間や雲中ではこれが命取りになる) #right{(546:466,467)} **パイロットの真正面に照準があるのに翼についてる機銃とかどうやって狙いつけてんの? 零戦みたいに両翼に機関銃が搭載されている場合、銃に角度がつけられていてそれぞれの弾道が 機体の軸線前方で交差するようになっている。 照準機で敵機との距離を測り、そこに敵機が入るようにすれば当たることになる。 そのために時々地上で試射を行って照準機の補正を行う必要がある。 昔の多連装機銃の場合は、交差距離で一点に集中する様に調整します。 近年の単装の場合、上下に僅かに角度を付けてる機体が多いですが、左右についてはそういう記述はお目にかかりません。 胴体装備の場合は、分散も考えるとパララックスはほぼ無視できると思います。 尚、昔の戦闘機のように翼に何丁も機関銃を積んでる場合は、必ずしも一点には 集中させず、ある一定の範囲に弾がバラけるように調整するものもあった。 戦闘機で戦闘機を打つ、というのはようするに「散弾銃で鳥打する」ようなものなので、 逆に一点に集中しない方が好都合だったりするから。 #right(){(549:601:603,620)} **戦闘機のコクピットは気圧の調整はされているのですか? >旅客機は高度1万mでも酸素マスクは必要ないのに、戦闘機のパイロットは常にマスクを着用していますよね。 >又低空を飛行するときにマスクを外す事はあるんですか?(よく映画とかではシールドやマスクを外してるのをよく見ますが) 与圧されてるけど、被弾時の被害を軽減するために0.3気圧ほどしか無い。 一気圧で与圧すると戦闘機の飛んでる高さは大体とても気圧が低いから、 被弾するとポップコーンが弾けるみたいになってしまう。 ので、パイロットは酸素マスク必須。 #right(){(349:451)} **トーネードやハリアーⅡのキャノピー(パイロットのヘルメットの真上)には、ギザギザの刻み?のようなものが見られますが、何でしょう? 脱出するときにキャノピーを飛散させる紐状爆薬 #right(){(349:796)} **IRSTってどうしてキャノピー前に付けるのが多いんでしょうか? >視界狭めそうな気がするんですけど・・・ >それとF-35のEOTSっていうのもIRSTの一種ですか?あれは機内格納式みたいですが何ででしょうか レーダーと・・・いや、アイボールセンサーと同じで視界を極力広く取れる ところに設置しなければ探査範囲が狭まる。 対潜哨戒機や対潜ヘリ、それと攻撃機の赤外線センサーは機種下面についてる ことが多いがこれは「下」しか見ないから。 EOTS(Electro Optical Targeting System)はIRSTの一種だがどちらかといえば戦闘ヘリの TADS(Target Acquisition Designation Sight)の同類。 赤外線映像以外にも低光量TVカメラやレーザー測距機と合わせて総合的な目標探知/照準ができる。 で、F-35はステルス機なわけで。 機外に突き出してるものがあると困るっていうのは解るよな? 光学式センサは格納式かレンズの前に開閉式の蓋がついているかのどっちか 飛行の窓はすごく汚れるんだよ 特に日本とか韓国とか中国は悲惨 露出してたらたちまちセンサは役に立たなくなる #right(){(355:404-408)} **ロシア機にIRSTが付いているのはわかるんですが西側機でIRST付いてる機体ってどんなモノがありますか? http://www.lockheedmartin.com/data/assets/1232.pdf 一応新しいところではF-35にEOTSというのが開発されているけど顎の下にくっつけられている。 上のメーカーの説明では空中目標をIRSTモードでさがせるってことになってるのでたぶん該当する とは思います。 空自のF-104JもIR Seekerのサイトだけは着いている。 http://www004.upp.so-net.ne.jp/hyoshi/air/YJ80F104-01.jpg (コクピット前の出っ張りね) Seeker自体も数セットは購入したらしい。 米海軍はF-8、F-4、F-14と三世代にわたってIRSTを愛用していた。 http://www.doppeladler.com/oebh/hp2004.htm http://www.eurofighter.com/Typhoon/Avionics/ タイフーンの機首風防の前にIRSTがあります。 #right(){(356:327-409)} **フェーズドアレイレイダーは意味あるのか? 戦闘機搭載のフェーズドアレイレーダーは、単に故障率低下だけでも大きな意味があります。 効率的に出力を利用できるため、同じ重量ならより有効範囲が広く、同じ有効範囲なら軽量化できます。 また、同時に多目標を追尾することもできます。ご理解いただきたいのは、捜索と追尾は違うということです。 地上レーダーでも敵機を捜索発見できますが、ミサイルを命中させるためにはその精度、 照射頻度では不十分で、持続的に正確に目標に電波を当て続ける「追尾」が必要になります。 地上発射の対空ミサイルであれば、地上の追尾レーダーがこれを行いますが、 空中戦で空対空ミサイルを発射する際には、当然戦闘機上に追尾レーダーが必要になります。 #right(){(16:system)} **戦闘機のフライ・バイ・ワイヤのシステムが機能しなくなる原因って、機体のどこがおかしいときなんでしょうか? >電気系だとしたら、機内のモニターも全部飛んでますか? 昨今のFBWは3重4重くらいのバックアップあって万一の故障に対処してるけれど、 それ全部壊れたとしたらモニターどころじゃなく飛んでること自体無理レベル。 可能性としてはゼロじゃないけど全部壊れない前提で設計してるもの。 壊れてどのバックアップに切り替わったのかがモニタに表示されるみたいな感じ。 そういうシステムのため他とは系統違うんで、仮にそれが全部ぶっ壊れても モニタだけ生き残ってる可能性はあるかといえばあるんじゃないかな。 (てかモニタの系統はコクピット内部がメインになってるはずで、それ死ぬときは  単純故障かパイロットが五体満足じゃない状態が多いと思うのだがw) #right(){(552:919)} **戦闘機なんかはどのようにガラスの曇りを防止しているのでしょうか? 民間機のキャビンの場合は三重構造の窓です。 外側に小さな穴が開いており、そこから空気を入れて曇りをとります。 一方コクピットの窓は、5層構造で内部に電熱が入っています。 #right(){(14:眠い人 ◆ikaJHtf2)} **現代の戦闘機に使われてるエンジンは燃焼器での最大温度、通常の排気温度、アフターバーナー使用時の排気温度はそれぞれどのくらいですか? 最大温度は1200度以上。通常の排気温度は200~300度(ステルス性を考えて低くなるよう設計される)。 気の利かない設計だと500度ぐらいまで上がることもある。アフターバーナー使用時は700~800度程度。 しかしSu-27の排気温度計は1000度まで目盛ってあるらしい。 #right(){(486:287)} http://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1192343293/ タイフーンのエンジンのEJ200で1470℃、F-22のエンジンF119で1540℃ ラファールのエンジンであるM88で1570℃になる。 XF5は、1550℃である。 F135がタービン直前温度2000℃と聞いた後 TFR師曰く 「普通2000℃だと、空気中の酸素と窒素が反応して吸熱反応になるんですけどね」 だとさ そしてもう1つの問題は、タービン直前温度が2000℃ならもっと温度の高い燃焼室の温度は何度なんだ?という事だ。 手元の 航空工学講座 ジェット・エンジン(構造) 日本航空技術協会 の107ページには 燃焼室温度が1600~2000℃であっても出口温度は800~1300℃くらい、などと書いてある これじゃ温度差が大き過ぎる。 1400℃台前半だったのは1970年代まで。 それ以降に開発されたエンジンでは、全てそれ以上の温度に耐えている #right(){(486:311)} **現代の戦闘機、F-15やF-22Aなどには自動式の空戦フラップはありますか?  近年のACT(ActiveControlTecnology)を利用したCCV機等では、動翼をその時重視するファクター(楊坑比等)に 従い最適の制御する機構が一般化します。 F-16の自動前縁フラップ、F-18の可変キャンバー翼などがそれに当ります。 これらは自動包絡線フラップの思想を電子化した物とも言えます。 さらにF-22やF-2のME(ManuverEnhancement)モードでは動翼のコーディネーションはより高度なものとなっています。 F-15は、コニカルカンバーを持つものの非常にシンプルな構成の主翼で、フラップはCAS(安定増強システム)に 繋がってませんし単純な物の様です。 #right(){(350:63)} **ジェット戦闘機の初期の名機とされるF86やMIG-15はノーズコーンの部分が吸気口になってますよね >ソビエトはその後しばらくノーズコーンに吸気口がある機体を使っていましたが >アメリカは機体の下側や両側に吸気口がある機体を使うようになったのは何でなんですか? 幾つかの理由があり一つと言う事ではない。(機体によって) ピトー式のノーズエアインテークは、亜音速域では姿勢・速度・スロットル開度と言った条件の変化に対し 適量な空気流量を得るのに適しており、空戦機動を行う戦闘機にはメリットが大きかった。 デメリットとしては下記のような点が挙げられる。 ・ノーズにインテークを置き機体後部にエンジンを置くと、機体内部の多くをダクトで占められスペース効率が悪く燃料やペイロード等の搭載に都合が悪い。 ・速度が超音速域になると、単純なピトーインテークでは適切な速度域を外れると空気流量のミスマッチによる剥離衝撃波による効率(総圧回復)低下や抵抗増大が甚だしく、 その為ノーズにインテークをおく場合でも、ライトニングやMiG-21の様にショックコーンを置くようになる。 ・ノーズにはFCSや火器を置きたいという強い需要が有る。 #right(){(571:443)} **デルタ翼は低速時の安定が不安定(格闘戦に弱い)のでしょうか? デルタ翼は低速での安定性が低いなんてことはない 大仰角の画像をみてそう判断したのかも知れないが、あれは安定しすぎるぐらい安定した飛行だ たとえば中東では純粋デルタ翼のミラージュⅢが最強の格闘戦闘機だった。戦況を左右する要素が多すぎて、 条件をよほど厳密化しない限り結論はでにくい問題だ F-4はクリップトデルタ(尾翼付き)であって、カナード付きデルタのユーロファイターとはざっくり 言って同じジャンルだ。極論だが尾翼が前にあるかないかの違い。航空機は一般に同じ形式であっても 各機種ごとに操縦特性はイヤってほど違う。逆にたとえばF-15とF-86は格好も性能もずいぶん違うが操縦 特性は驚くほど似ているらしい。一般的な回答が無い問題といわざるをえない #right(){(571:851)} **何で戦闘機は武器を翼の下につけるのが普通なんですか? >落とすだけの燃料タンクや爆弾なら下に付けて当たり前と思いますが ミサイルもハードポイントから切り離されてしばらく爆弾のように「落下」してからロケットモーターに点火して 飛んでいきますよ。じゃないと発射したミサイルが自機に命中する危険がありますからね。 飛行機は翼表面の気流の速度(気圧)差によって揚力を得ている。 上面が速い気流で、下面が遅い気流となっている。 翼上面にミサイル等を配置すると、このバランスが崩れて、失速しやすくなる。 下面なら、このデメリットが上面より小さいので、兵装の配置はこちらに集中する。 #right(){(340:54,55)} **ハリアーのキャノピーは、脱出する時に破砕して座席が飛び出すそうですが、通常の機体のキャノピーが射出されるのと比べて破砕するメリットは何ですか? キャノピーが丸ごと飛んでいくと、乗員がキャノピーに衝突する危険がある。 トップガンでマーベリックの相棒がそれで死ぬ。 >ハリアー以外の機体には破砕コードは普及してないのでしょうか? ハリアー以外にも、ヨーロッパの機体はキャノピー破砕方式のが多いし、日本でもT-4に採用。 キャノピー破砕方式だと、視界を爆薬コードが遮るという欠点もある。 キャノピー投棄方式だと、脱出時に乗員死傷の可能性があるというのは、実際に使ってみて初めてわかったこと。 既存の機体に改修を施すと、コストがかかる。 キャノピー投棄方式でも、必ず乗員にぶつかるわけではないから、古い機体はそのまま。 >新しい機体に分類されるステルス機のラプターに破砕コードがなくて、F-35にあるのは何故? F-35はVTOL時の脱出を考えているのでは?低速だとキャノピーを投棄しても風圧が手伝ってくれないからコクピットの真上に落ちてくる 爆砕コードの欠点 ・割れ方がまずいと、パイロットが怪我を負う可能性が高い ・自分の頭の真上で爆発が起こるってのはやっぱり精神衛生上非常によろしくない。  脱出前で焦ってたりテンパってたりする場合なんかは特に。 なお、キャノピー射出式のものは速度がゼロの場合に乗員がグースみたいにならないよう、キャノピーを 少し後方に向かって飛ばすようになっています。その後風圧によってキャノピーはさらに後ろに飛んでいきます。 そして少し時間差(キャノピーが後ろに飛んで行って、射出方向がクリアになるぐらいの間) があって乗員が射出されます。 ただし低速だとキャノピーがうまく吹っ飛ばないという罠。 また低高度だと時間差が致命的になる罠。だからVTOLのハリアーなんかはキャノピー破砕方式。 #right(){(340:195-236)} **双発戦闘機や双発攻撃機のスロットル操作がデュアルスロットルからシングルスロットルになったのはいつ頃ですか? >また何故、双発エンジンの操作をデュアルスロットルではなく、シングルスロットルで操作するようになったんですか? ジェット化になってから。 プロペラ機の場合はエンジンをプロペラの直径以上離して設置されてるので 出力を同じに調整しないとプロペラの回転モーメントもあり機体が真っすぐ飛びにくくなる。ジェットだと回転モーメントが発生しにくいから。 といっても双発以上のジェットだと単独でも出力コントロールできるぞ。 #right(){(582:138)} **F-4ファントムは10mの高さから落下させても、ランディングギアに何も問題がないと94'のエアワールドの84頁にあったんですが。本当に壊れる事はないんでしょうか? とりあえず適当にネットで出てきた内容を参考に考えると F/A-18だが着艦時の降下速度が大きく見積もって5m/s で空気抵抗がないと仮定して10mから落としたときの速度が14m/s 空気抵抗を考慮に入れてもこれくらいの速度だとそこまで大きな差は出ないと思うが それだと安全率がどれくらいに見積もられているのかと言うところかね  民間機だと着陸時の沈下率1m/sくらい、 陸上戦闘機はこの倍ちかく、 艦上戦闘機は更にその倍くらいといわれてる。 F-4の降着装置は沈下率7.2m/sまで耐えられるという事だが、 (ttp://www.f-4ej.com/encyc/sa-gyo.htm) 10mからの落下速度は14m/s、 安全率を考えても普通無事とは言えない高さだと思う。 #right(){(336:484,492)} **F-4ファントムIIのジェットエンジンのインテークと、本体(コクピット)の間にある「板」は何の役割を果たしているんですか? 機体表面を流れる境界層と呼ばれるごく薄い空気の層があるんですが、これは 気流が機体表面付近で減速される事で形成されます。 この流れの遅い空気をそのまま吸い込んでしまうと吸気圧が減少してしまうので、 インテークと機体の間にダイバーダと呼ばれる隙間を設けた上であの板(スプリッターベーン) で分離します。 ベーンで分離した空気はベーン表面に開いた極小の穴から吸い込み、ベーン後方の ブリードエア排出口から排出します。 また、このベーンは速度に応じて可変し、ベーン先端で発生する衝撃波を直接インテーク内に 取り入れないようにもなっています。 また、もう一つの目的として、超音速気流への対策があります。 超音速飛行時に音速を超えるエアをエンジン内に吸い込んでしまうと衝撃波の影響で かえって必要量のエアが取り込めないことがあります。 このため、超音速気流を減速してダクト内に導いて空気量を確保する必要があります。 その対策として、インテークより前に突き出した部分で衝撃波を発生させ、これによって 超音速気流を圧縮・減速してダクト内に導く方法がしばしば取られました。 (F-104やMiG-21のインテークコーンなど) F-4はこれより進化した方式で、スプリッターベーンを動かすことで、速度によって異なる 衝撃波を最適の角度にコントロールしています。 #right(){(336:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} >現代の戦闘機の空気インテークには、流入するエアをコントロールしたりする >速度変化に最適に対応する為のなにがしかの可変機構がついていると思ってよいですか?  アメリカ製戦闘機ではF-16以降は可変インテークは採用されていません。 (バイパスブリードを除く) #right(){(336:118)} 現在ではマッハ2以上の超高速があまり求められないことや、ステルス性の関係などで 米戦闘機では可変インテークは廃れています。 F-35 http://www.defenseindustrydaily.com/images/AIR_F-35_JSF_STOVL_Lift-Fan_lg.jpg JSFプログラムにおいてF-16でテストしたインテーク形状 http://www.globalsecurity.org/military/systems/aircraft/images/f35_technology_divertless.jpg #right(){(336:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} **戦闘機の機首のタイプもいろいろあるのでしょうか? それの呼び名を教えてください。 ストレートノーズ とか ドッグノーズ とか シャークノーズ とか、「機首(ノーズ)」の 形状を形容する用語はあるよ。 機首を含めて胴体のデザインに格別な名称はついてない 双胴式とかはあるけどね 側面からみて機首が緩やかなカーブを描くようなデザインは80年代の流行だ 胴体から発生する揚力の有効活用(揚力をゼロにする場合も含む)を追及した結果だ >首が鶴みたいに曲がってるやつは おそらくNF-156(F-5/T-38)、F-5E/F、Su-27などに顕著に見られる、 コクピット前方で機首が下がった(下面が膨らんだ)形状の事を言ってるのかな。 特に定まった名称は無いと思うけど。 あれは、優れた視界(特に前下方)の為の大きなコクピットによって発生する揚力(その結果としてのトリム抵抗)を削減する為 モーメントを打ち消す様に(かつ断面積変化を緩やかにする為コクピットより前に)反りが付けられている。 その結果 緩やかに機首部で下に反りコクピット部で上に反った 見る人によっては優美と表現するような形状に成った。 Su-27 http://www.suchoj.com/ab1953/Su-27/riss/Su-27_07.jpg みたいに機首が推力線に対しやや前下がりになったデザインの事か? ならばそれを指す定まった呼称な無い。但しSu-27は非公式な愛称として “Журавлик”(ジュラーヴリク:小さい/幼い鶴)と呼ばれている。 #right(){(590:715-723)} **戦闘機の主翼の事なんですが、タイフーンなどがF-15などに反して低翼なのは、デルタ翼なので尾翼が無いから……という解釈でオーケーですか? 低翼の利点は脚の収納場所に困らず、かつ脚を短くできること 一般的な航空機の場合、脚関係は自重の約3分の1を占めるから 少しでも軽くしたい事情があれば低翼を選ぶことになる 欧州の戦闘機は米ロに比べて推力が小さいエンジンしか使えないので 必然的に低翼の選択率が多くなる 一方、低翼の最大の欠点は地面とのクリアランスが小さくなってしまうことで 翼下に兵器をたくさんぶら下げたい攻撃機には向かない タイフーンは今のところ制空戦闘専門だから地面とのクリアランスを気にする 必要がない まぁミラージュとかF-4、F-5とか、例外は多いけどね #right(){(590:746)} **ミグ15やF-86などの先端は何故輪切りにされたようになっているのですか?戦闘機といえばF15ように尖っていないのですか? そこが空気取り入れ口になっているから。 ジェット黎明期では、単発エンジン機では無理なく大量に空気を吸入するために前面に 大きく口を開けた形状が一般的でした。 しかし、欠点として正面に大型レーダーが取り付けられないことやエアダクトを胴体中央に 通してしまうとコックピットや燃料などの配置が窮屈になることから、次第に胴体左右に 空気取り入れ口を取り付ける方法が一般的になりました。 #right(){(332:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)} ----

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