「核兵器全般2」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

核兵器全般2 - (2011/05/14 (土) 21:31:45) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

#contents ---- **核兵器は核実験をせずに実戦配備まで行えるものなのでしょうか? 現状では核実験を行い核爆発を起こした国が核保有国とされています。 どこのお馬鹿か知りませんが、くだらない詭弁です。 「お縄にならず痴漢になった男はいない」といっているようなモノ。 事実はどうあるか私の知るところではないですが、可能性を 否定することはできません。 それに核弾頭を自前で製造できなくとも核保有国にはなり得ます。 #right(){(43:45)} 核実験をせずに核配備した国家と言いますと、パキスタンが挙げられると思います。 数年前にパキスタンは核実験を行い、核保有を宣言しましたが、パキスタンが核を 保有していることは、インドの核保有とセットでずっと昔から言われていたことです。 核実験から3ヶ月で、中距離弾道ミサイルの発射実験を行ったことは、すでに核技術 を保有していたと見てよいと思います。 番外としてイスラエルがありますが、こちらはアメリカの核実験として行われたことや、 南アフリカの核実験に関与されたと言われており、核実験をしなかったとは言えないかと。 #right(){(43:49)} **核爆弾を焚き火に投げ込んだりして高温に晒した場合、爆縮レンズの火薬に引火してそれが原因で爆発することってありえますか? ありえません。爆縮レンズの火薬は点火のタイミングが非常に厳しく、偶然の着火では 核爆発をおこすのは不可能です。 #right(){(43:737)} **核爆発に伴う放射能汚染を防ぐ手はないの?わかめを食べろとかよく聞くけど。 わかめを食べろ、というのはヨウ素の摂取が目的でしょう。 放射性物質は甲状腺に蓄積されるので、 事前にヨウ素を適量摂取しておけば、甲状腺に放射性物質が蓄積されません。 ま、ちょっと洒落にならないぐらいのわかめを食べる必要があるとは思いますが。 #right(){(47:50)} 本質的には放射性物質を体から遠ざけることしか対処法はありません。 第一にやることは爆心地からすこしでも離れること。 空中に巻き上げられた放射性物質の降下を避けるため、逃げる方向は風上がベストです。 つぎにやることは身体の洗浄。 身体表面に付着している(であろう)放射性物質を洗い流す、これ。 体内に入ってしまった放射性物質を取り除くのはさらにその後の話。 わかめ云々はそこらへんの段階で有用な話ですね。 #right(){(47:54)} **核兵器はその維持管理に莫大な金が掛かると聞きましたが具体的にどんな事をするんでしょう? 高価な核物質は速やかに劣化しますので、大体5年から10年で交換しないと核爆発してくれません 交換作業そのものも危険で困難なため、当然多額の経費が要求されます #right(){(47:600)} 核の主要部分、プルトニウム・ピット(塊)の寿命は85年 http://www.47news.jp/CN/200611/CN2006113001000308.html **「ワン・ボム・カントリー」という単語ですが、どういう意味なんですか? おそらく「一発だけ核を持っている国」=(核を戦力としてでなく、政治的象徴として保有する国) と言う意味で、かつてのインドの様な国を指す言葉だったと思います。 #right(){(48:443)} **一般的には3F爆弾=水爆とゆうことなのでしょうか? 一般的に言って 核融合兵器が「水爆」 核分裂兵器が「原爆」 です。 たとえば3F爆弾の破壊力の大部分は分裂-融合-分裂の3段階目の核分裂に由来するんだけど でも核融合を起こしているので兵器としては水爆になります。 #right(){(50:433)} **はだしのゲンに、広島に死体整理にやってきた陸軍の兵隊が2-3日の間に大量死した描写があるけど、直接被爆してない兵隊が2-3日の間に突然死するなんてありえるの? 数日では死にません。基本がわかっていれば説明の必要もない常識ですが。 中枢死レベルの放射線を浴びたければ、起爆時に近くにいるか、まだ熱いうちに 爆心に突っ込むしかない。それ以下だと、熱傷など受けない限り、簡単には死ねない。 間接被曝では(まして7時間以降なら)、死は決定されてもすぐには訪れません。 原発の「青い光が見えた」事故ですら、放置しても数週間、手当を受けたら数ヶ月経たないと 死ねません。幸か不幸か。だから、致死量(~数倍)の放射線直撃を受けた人間を「Living dead」と呼ぶんよ。 普通に歩き回って、しゃべってるんだけど、数週間~数ヶ月で死ぬことが運命づけられている。 >チェルノブイリでは作業させられた軍人がたくさん死んでるけど? 苦よもぎ(チェルノブイリ)では核分裂反応による放射線放出が長期間にわたって続いていたし、その中での強行封鎖作業だったからな。 残留放射線被曝や放射化した物質からの二次被曝とはわけが違う。 一般兵士は放射線についての知識に乏しいので、防護服など無意味なほど強力な放射線が発生してる中で作業をさせられ、 そして急性放射線症で死んでいった。 10シーベルト以上だと急性症状を示して数日で死亡する可能性が急激に高まる。 100シーベルト超えると一日保たない。 放射線を大量被曝すれば場合によって数日で死亡することはあり得る。 もっとも、爆心地で当日救援活動をした人でも、1時間当り0.2シーベルト程度の被曝量だそうだが。 ↑時間0.2シーベルトってことは、大雑把に言って50時間の滞在で急性症状を発症し得る。 実際には翌日には早くも時間0.1シーベルトまで下がっているし、もう少しかかるだろうけど、 終戦間際の体力低下状態だともっと低い水準で急性症状発症は考えられなくもない。 #right(){(646:437-441)} **冷戦中の英仏の核兵器は米ソの核兵器と比較して、意味のないものだったのでしょうか? 英仏の核武装はスエズ危機(第二次中東戦争)の時に 「アメリカもソビエトも核兵器持ってるのに、うちらは持ってない!  核兵器持ってないと持ってる国に逆らえず、何言われても言いなりだ!」 ということに直面したショックを機会に始められた。 確かに真っ向から米ソと核戦争したら国土をくまなく焼き払われて終わりだが、 それでも相手の首都や大都市をいくつか焼き払ってやることは出来る。 そうであれば相手もこちらを攻撃することや核兵器を盾に高圧的な態度には 出れなくなるので、一方的に言うことを聞かされる関係からは逃れられる。 #right(){(301:366)} **都市などを攻撃する場合の核兵器の最適爆発高度(?)とはどのように決まるのでしょうか? >熱線と爆風どちらの効果を優先して考えるのでしょうか? 熱線は見通し範囲には到達し、距離による減弱は僅かですから高度についての制限は比較的少なく、 逆に爆風は高度が高いと到達する衝撃波がはっきり減弱する替わりに到達範囲が広くなり、 低いとその逆となります。熱線と違って距離による変化が大きいため、爆風では起爆高度が重要です。 そこから至適高度が計算されます。すなわち、至適高度は爆風に対して計算されたものです。 厳密には衝撃波は地表から反射した衝撃波と合成され、強い一つの衝撃波となって拡がる(マッハ効果)ので これも加味したものになります。 #right(){(297:110)} **MIRVは何で現代のクラスター爆弾みたいに、超小型の核弾頭を無数にばら撒くような形じゃないんでしょうか? >小さいのを沢山ばら撒いた方が迎撃しにくいし、破壊効率もいいと思うのですが 技術より先に政治の問題でそれは× 条約によって「MIRVの数」で弾頭数を数えることになってるので、わざわざ1発当たりのMIRV搭載数を減らしてるくらい。 条約の問題もあるが、核弾頭は小型化の度が過ぎると効率が著しく低下するため 例えば米軍における最小の核弾頭であるW48核砲弾は、同世代の核弾頭と比較して威力が1/100でありながら、 使用するプルトニウム量は3倍と言う効率の悪さになってる #right(){(665:66-72)} **広島やチェルノブイリは、今後数百年は放射能汚染により人が住めないと言われてたそうですが、 >広島は日本有数の都市に変貌し、チェルノブイリなんかは自然豊かなサファリパークになっていると聞きました >一度空気中に飛散した死の灰は分解されるのに数億年かかるそうですが、何故このようなことになったんですか? 単純な理屈があります。 半減期の短い放射性物質は、多量の放射線を発するため危険だが、どんどん減ってしまい、 短期間で無害~人体に有意な害を及ぼさないレベルまで減少する。 半減期の長い放射性物質は、長期間残存するが、当然少しずつしか崩壊しないため、 発する放射線の量が少なく、無害~人体に有意な害を及ぼさない。 数億年かかるからこそ安全、というわけです。 #right(){(670:system ◆systemVXQ2)} **プルトニウム、ウラン以外で核兵器は作れますか? 代替核物質まとめ回答。  プルトニウム、ウラン以外の兵器に応用可能な核分裂物質として、トリウム、プロトアクチニウム、 ネプツニウム、アメリシウム、カリフォルニウムが挙げられます。このうち、現時点で兵器として 実用可能なのはトリウムです。ウラン以上(鉛並み)に豊富に存在し、レアメタル精製の副産物として 得られます。しかし、単独では連鎖反応を起こさないため、熱核兵器のタンパーとして3段目の 核分裂反応に寄与する程度の使用方法しかなく、それもU-238に劣ります。U-238を使うのが正解。  プロトアクチニウムは臨界量が大きすぎ(あるいは無限大しても不可能)、ネプツニウムは20~100kgの 臨界質量とはなりますが、Np-237は半減期も長く使用可能。しかし、人工元素であり、大変高価で割に合いません。 アメリシウム(Am-241)も臨界質量は25~85kgと大きく、高価で、自壊によって大きな熱量を常に放出するため、 兵器としての実用化は困難です。Am-243の放熱はマシですが、Am-241から人工的に作るため、大変高価です。 カリフォルニウムは臨界質量が2~6kgと小さく(反射材、爆縮によって1kg以下にできる)、小型核兵器には 魅力的、製造も可能ですが、一発あたりの原料費が(Cf-251の場合)1兆円を越えると言われています。無理っぽい。 #right(){(678:system ◆systemVXQ2)} **核兵器による被害半径は出力の平方根に比例するのですよね? 出力の平方根に比例する被害半径は熱線によるもの。これが一番範囲が広い。 圧力、爆風による被害半径は三乗根に比例するので、もっとせまいです。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **破壊力可変の核兵器はどのようにして出力を調整するのでしょうか。 簡単にいえば、 核分裂から核融合反応に発展しないようにカットする 核分裂反応にブースト(重水素注入)を使用しない 核分裂反応を不完全な状態に留める この順で出力が小さくなります。基本的には下に行くほど、未反応核分裂物質が たくさん放出されます。重水素の添加量を加減するとか、スパークリングプラグを ずらして、部分的に核融合が起きるようにするとかで、さらに調整できるでしょう。 一番下の「不完全核分裂」を極端なまでに(ほとんど失敗レベルに)下げると 数kt~1kt以下の爆発になります。北朝鮮の核装置ですね。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **核ミサイル積んだまま沈んでる原潜があったとして、サルベージすれば核弾頭使えるの? 核弾頭は電子的に起爆し、電子回路には起爆許可用の保安回路が組み込みになっています。 このため、正しいコードを入力しない限り、電子回路は正しく、あるいはまったく作動せず、 使い物になりません。 全部ばらして、あらたに起爆回路を取り付け直す必要がありますが、それには 核開発できるレベルの知識と技術が必要です。また、そのような事態に備えて、 核弾頭には一種の自爆回路(核爆発は起こさないが、部分的な爆薬の起爆を起こして 使い物にならないようにする仕掛け)が組み込まれているといわれています。 この話はかなり確度が高いと考えられています。 #right(){(690:system ◆systemVXQ2)} **熱核兵器のプライマリとセカンダリはTNT換算される威力においてそれぞれどれくらいの割合になりますか? うる憶えで書いてしまいますが、プライマリ(起爆用原爆)の出力は5~10kt程度。 以前のスレでも書きましたが、可変出力兵器の最低出力はプライマリの不完全起爆です。 次がプライマリ単独×ブースター(三重水素)なし、次がプライマリ単独×ブースター(三重水素)ありの出力。 そして完全起爆。さらに調整は可能ですが、例えばB-61の場合、可変出力は0.3, 5, 10, 80ktとなっており、 この場合は、それぞれプライマリの不完全起爆、ブースターなし、ブースター付き、熱核融合に相当すると考えられます。 核分裂単体兵器であれば、出力は必要に応じて様々ですが、熱核兵器のプライマリの場合、 重量、容積、なにより高価なプルトニウムの使用量から考えても、プライマリの出力は必要最小限と考えられます。 すると、ブースターなし出力とブースターあり出力のあいだに、そのセカンダリ起動の最小限出力があるでしょうから、 プライマリの出力は10kt、改良型ならもう少し低い可能性もあるが、5kt以下ではない、と言えるでしょう。 ですから、プライマリの出力はB-61の場合であれば、1/8に過ぎないと言えそうです。 セカンダリの出力自体、半分は3段目、つまり熱核融合で生じた中性子によるタンパーの 核分裂ですから、プライマリの出力分担が小さいのはうなずけます。 #right(){(691:system ◆systemVXQ2)} **原爆の臨界質量について質問。 >プルトニウム爆弾の場合は5kgだそうですが、これは臨界のための最小限の質量だと理解してます。 >では逆に最大限の質量とはどれぐらいのものなんでしょう? >ウランでもプルトニウムでも、仮に2kgのものを50個、合計100kgを一気に合体させれば全て反応するんでしょうか? 2kgのものを50個、一気に合体させることは事実上不可能です。 自発崩壊による中性子密度が一定以上に達した段階で連鎖反応が起きますから、 早発(部分的な連鎖反応)する部分が生じ、そこで発する熱によって膨張(拡散)が生じ、 それ以外の部分は連鎖反応に達することなく分解してしまいます。例え2個に絞っても、 ウランですら大半が連鎖反応に参加できずに終り、プルトニウムであれば ほとんどが未反応で吹き飛ばされてしまいます。だから爆縮が必要なのです。 逆に、そのような低レベルの連鎖反応であれば、5kgでなくとも実現は可能です。 一般的に言われる臨界質量は、裸の核分裂物質を球状に(つまり効率よい形態で) 丸めたときに、連鎖反応が生ずる質量を指します。衝撃波による圧縮が加わった場合、 圧縮による相変化が生じた場合、中性子反射材の使用の有無などによって 大きく変わってきます。 水爆の場合は多段階で爆縮をかけられますから、理論上 出力は無限大です。ツァーリボンバは分裂→融合→融合の3ステージだったと言われています。 うる覚えだけで書いてしまいますが、水爆登場前、三重水素ブーストすら試験前後の頃、 核分裂だけで出力を上げる実験が行われた時期があり、当時は高価なプルトニウムを 節約する意味もあって、プルトニウムとウランを組み合わせた爆縮とか、いろいろテストされたこともあります。 それでも核分裂オンリーでは数百ktぐらいが限界ではなかったかなあ・・・ 気になったので今ググったら500ktだったそうです。三重水素ブーストでほとんど1Mtまでいけたのかも。 ただ核分裂物質はどれも高価なので、実用的には点火用だけに節約使用して、あとは核融合するのが当然ですが。 多数の小さな核物質を同時に一点に集めるという困難な作業の替わりに、 臨界量を超える核物質を球面状に薄く拡げることによって臨界を防ぎ、 爆縮によって一気に超臨界にするのが、核分裂オンリーの大出力爆弾の デザインです。 上に書いたのは1952年に試験されたIvy Kingのことですが、 60kgの高濃縮ウランを薄い球殻状に整形し、これを爆縮によって 一点に圧縮して起爆させています。本来はウラン、プルトニウム混合の Mk-13用のデザインでしたが、プルトニウムが入っていると、多量の 核物質を使用した際、いくら爆縮させても早発してしまうからでしょう。 ttp://www.sonicbomb.com/modules.php?name=Content&pa=showpage&pid=58 U-235は1kgが完全に分裂すると約20ktを発生しますから、500ktであれば 25kgが分裂したことになり、効率は25/60。広島型原爆(ガンバレル)の効率が 10%程度であったことを考えると、悪くない数字と言えるでしょう。 #right(){(696:system ◆systemVXQ2)} ----
#contents ---- **核兵器は核実験をせずに実戦配備まで行えるものなのでしょうか? 現状では核実験を行い核爆発を起こした国が核保有国とされています。 どこのお馬鹿か知りませんが、くだらない詭弁です。 「お縄にならず痴漢になった男はいない」といっているようなモノ。 事実はどうあるか私の知るところではないですが、可能性を 否定することはできません。 それに核弾頭を自前で製造できなくとも核保有国にはなり得ます。 #right(){(43:45)} 核実験をせずに核配備した国家と言いますと、パキスタンが挙げられると思います。 数年前にパキスタンは核実験を行い、核保有を宣言しましたが、パキスタンが核を 保有していることは、インドの核保有とセットでずっと昔から言われていたことです。 核実験から3ヶ月で、中距離弾道ミサイルの発射実験を行ったことは、すでに核技術 を保有していたと見てよいと思います。 番外としてイスラエルがありますが、こちらはアメリカの核実験として行われたことや、 南アフリカの核実験に関与されたと言われており、核実験をしなかったとは言えないかと。 #right(){(43:49)} **核爆弾を焚き火に投げ込んだりして高温に晒した場合、爆縮レンズの火薬に引火してそれが原因で爆発することってありえますか? ありえません。爆縮レンズの火薬は点火のタイミングが非常に厳しく、偶然の着火では 核爆発をおこすのは不可能です。 #right(){(43:737)} **核爆発に伴う放射能汚染を防ぐ手はないの?わかめを食べろとかよく聞くけど。 わかめを食べろ、というのはヨウ素の摂取が目的でしょう。 放射性物質は甲状腺に蓄積されるので、 事前にヨウ素を適量摂取しておけば、甲状腺に放射性物質が蓄積されません。 ま、ちょっと洒落にならないぐらいのわかめを食べる必要があるとは思いますが。 #right(){(47:50)} 本質的には放射性物質を体から遠ざけることしか対処法はありません。 第一にやることは爆心地からすこしでも離れること。 空中に巻き上げられた放射性物質の降下を避けるため、逃げる方向は風上がベストです。 つぎにやることは身体の洗浄。 身体表面に付着している(であろう)放射性物質を洗い流す、これ。 体内に入ってしまった放射性物質を取り除くのはさらにその後の話。 わかめ云々はそこらへんの段階で有用な話ですね。 #right(){(47:54)} **核兵器はその維持管理に莫大な金が掛かると聞きましたが具体的にどんな事をするんでしょう? 高価な核物質は速やかに劣化しますので、大体5年から10年で交換しないと核爆発してくれません 交換作業そのものも危険で困難なため、当然多額の経費が要求されます #right(){(47:600)} 核の主要部分、プルトニウム・ピット(塊)の寿命は85年 http://www.47news.jp/CN/200611/CN2006113001000308.html **「ワン・ボム・カントリー」という単語ですが、どういう意味なんですか? おそらく「一発だけ核を持っている国」=(核を戦力としてでなく、政治的象徴として保有する国) と言う意味で、かつてのインドの様な国を指す言葉だったと思います。 #right(){(48:443)} **一般的には3F爆弾=水爆とゆうことなのでしょうか? 一般的に言って 核融合兵器が「水爆」 核分裂兵器が「原爆」 です。 たとえば3F爆弾の破壊力の大部分は分裂-融合-分裂の3段階目の核分裂に由来するんだけど でも核融合を起こしているので兵器としては水爆になります。 #right(){(50:433)} **はだしのゲンに、広島に死体整理にやってきた陸軍の兵隊が2-3日の間に大量死した描写があるけど、直接被爆してない兵隊が2-3日の間に突然死するなんてありえるの? 数日では死にません。基本がわかっていれば説明の必要もない常識ですが。 中枢死レベルの放射線を浴びたければ、起爆時に近くにいるか、まだ熱いうちに 爆心に突っ込むしかない。それ以下だと、熱傷など受けない限り、簡単には死ねない。 間接被曝では(まして7時間以降なら)、死は決定されてもすぐには訪れません。 原発の「青い光が見えた」事故ですら、放置しても数週間、手当を受けたら数ヶ月経たないと 死ねません。幸か不幸か。だから、致死量(~数倍)の放射線直撃を受けた人間を「Living dead」と呼ぶんよ。 普通に歩き回って、しゃべってるんだけど、数週間~数ヶ月で死ぬことが運命づけられている。 >チェルノブイリでは作業させられた軍人がたくさん死んでるけど? 苦よもぎ(チェルノブイリ)では核分裂反応による放射線放出が長期間にわたって続いていたし、その中での強行封鎖作業だったからな。 残留放射線被曝や放射化した物質からの二次被曝とはわけが違う。 一般兵士は放射線についての知識に乏しいので、防護服など無意味なほど強力な放射線が発生してる中で作業をさせられ、 そして急性放射線症で死んでいった。 10シーベルト以上だと急性症状を示して数日で死亡する可能性が急激に高まる。 100シーベルト超えると一日保たない。 放射線を大量被曝すれば場合によって数日で死亡することはあり得る。 もっとも、爆心地で当日救援活動をした人でも、1時間当り0.2シーベルト程度の被曝量だそうだが。 ↑時間0.2シーベルトってことは、大雑把に言って50時間の滞在で急性症状を発症し得る。 実際には翌日には早くも時間0.1シーベルトまで下がっているし、もう少しかかるだろうけど、 終戦間際の体力低下状態だともっと低い水準で急性症状発症は考えられなくもない。 #right(){(646:437-441)} **冷戦中の英仏の核兵器は米ソの核兵器と比較して、意味のないものだったのでしょうか? 英仏の核武装はスエズ危機(第二次中東戦争)の時に 「アメリカもソビエトも核兵器持ってるのに、うちらは持ってない!  核兵器持ってないと持ってる国に逆らえず、何言われても言いなりだ!」 ということに直面したショックを機会に始められた。 確かに真っ向から米ソと核戦争したら国土をくまなく焼き払われて終わりだが、 それでも相手の首都や大都市をいくつか焼き払ってやることは出来る。 そうであれば相手もこちらを攻撃することや核兵器を盾に高圧的な態度には 出れなくなるので、一方的に言うことを聞かされる関係からは逃れられる。 #right(){(301:366)} **都市などを攻撃する場合の核兵器の最適爆発高度(?)とはどのように決まるのでしょうか? >熱線と爆風どちらの効果を優先して考えるのでしょうか? 熱線は見通し範囲には到達し、距離による減弱は僅かですから高度についての制限は比較的少なく、 逆に爆風は高度が高いと到達する衝撃波がはっきり減弱する替わりに到達範囲が広くなり、 低いとその逆となります。熱線と違って距離による変化が大きいため、爆風では起爆高度が重要です。 そこから至適高度が計算されます。すなわち、至適高度は爆風に対して計算されたものです。 厳密には衝撃波は地表から反射した衝撃波と合成され、強い一つの衝撃波となって拡がる(マッハ効果)ので これも加味したものになります。 #right(){(297:110)} **MIRVは何で現代のクラスター爆弾みたいに、超小型の核弾頭を無数にばら撒くような形じゃないんでしょうか? >小さいのを沢山ばら撒いた方が迎撃しにくいし、破壊効率もいいと思うのですが 技術より先に政治の問題でそれは× 条約によって「MIRVの数」で弾頭数を数えることになってるので、わざわざ1発当たりのMIRV搭載数を減らしてるくらい。 条約の問題もあるが、核弾頭は小型化の度が過ぎると効率が著しく低下するため 例えば米軍における最小の核弾頭であるW48核砲弾は、同世代の核弾頭と比較して威力が1/100でありながら、 使用するプルトニウム量は3倍と言う効率の悪さになってる #right(){(665:66-72)} **広島やチェルノブイリは、今後数百年は放射能汚染により人が住めないと言われてたそうですが、 >広島は日本有数の都市に変貌し、チェルノブイリなんかは自然豊かなサファリパークになっていると聞きました >一度空気中に飛散した死の灰は分解されるのに数億年かかるそうですが、何故このようなことになったんですか? 単純な理屈があります。 半減期の短い放射性物質は、多量の放射線を発するため危険だが、どんどん減ってしまい、 短期間で無害~人体に有意な害を及ぼさないレベルまで減少する。 半減期の長い放射性物質は、長期間残存するが、当然少しずつしか崩壊しないため、 発する放射線の量が少なく、無害~人体に有意な害を及ぼさない。 数億年かかるからこそ安全、というわけです。 #right(){(670:system ◆systemVXQ2)} **核兵器って使われたら人の住めない荒野になるの?たとえば広島は復興したよね? >核兵器は熱にエネルギーが変わるからあんまり放射能が出なくて >現代の核兵器でも放射能被害は広島程度って聞いたけどホント? 高度と出力によるとしか。地表爆発だとクレーターも出来るし、放射性降下物も多量に発生するので、 比較的長期間人が住めない〜作物等に汚染が生ずることになるでしょう。でも土壌入替とかすれば、 10年とかの時間スケールでなんとかなると思うけど。問題は手間と費用ですね。 空中爆発(普通はこれ。広島、長崎も)であれば、降下物の量は少なく、広島的に見て良いでしょう。 ただし、遙かに広範囲が破壊されますが。 後半も出力と構造しだいなんだけど(中性子爆弾は比較的マシ)、熱核爆弾も点火に 核分裂爆弾を使う上、出力の半分ぐらいは熱核燃料の周りにあるウランが分裂して発生するので、 放射性降下物はしっかり発生します。でも効率よく反応するので、べらぼうに多いわけではなく、 「範囲のすごく広い広島程度」という表現は悪くないかも。 放射能汚染のポイントは、 半減期の短い放射性物質は強力に放射線を放つがすぐ減衰し、 半減期の長い放射性物質はしつこいが、放つ放射線は弱い。 という事。爆発直後から短い期間(7日~7週間)で、放射性降下物の 放射能は大きく低下します。 残留放射性物質の作物や動物による生体濃縮に注意すれば、 そのあたりから復興活動が(被曝累積を避けるために交代制にするなどの 工夫は必要ですが)可能になるでしょう。 放射能減衰についての「7の法則」ってのがあるんですが、探してたら面白い資料があった。 ttp://standeyo.com/News_Files/NBC/survivenbc.pdf 2週間で残留放射能は1/1000になる、という話。 #right(){(697:system ◆systemVXQ2)} **プルトニウム、ウラン以外で核兵器は作れますか? 代替核物質まとめ回答。  プルトニウム、ウラン以外の兵器に応用可能な核分裂物質として、トリウム、プロトアクチニウム、 ネプツニウム、アメリシウム、カリフォルニウムが挙げられます。このうち、現時点で兵器として 実用可能なのはトリウムです。ウラン以上(鉛並み)に豊富に存在し、レアメタル精製の副産物として 得られます。しかし、単独では連鎖反応を起こさないため、熱核兵器のタンパーとして3段目の 核分裂反応に寄与する程度の使用方法しかなく、それもU-238に劣ります。U-238を使うのが正解。  プロトアクチニウムは臨界量が大きすぎ(あるいは無限大しても不可能)、ネプツニウムは20~100kgの 臨界質量とはなりますが、Np-237は半減期も長く使用可能。しかし、人工元素であり、大変高価で割に合いません。 アメリシウム(Am-241)も臨界質量は25~85kgと大きく、高価で、自壊によって大きな熱量を常に放出するため、 兵器としての実用化は困難です。Am-243の放熱はマシですが、Am-241から人工的に作るため、大変高価です。 カリフォルニウムは臨界質量が2~6kgと小さく(反射材、爆縮によって1kg以下にできる)、小型核兵器には 魅力的、製造も可能ですが、一発あたりの原料費が(Cf-251の場合)1兆円を越えると言われています。無理っぽい。 #right(){(678:system ◆systemVXQ2)} **核兵器による被害半径は出力の平方根に比例するのですよね? 出力の平方根に比例する被害半径は熱線によるもの。これが一番範囲が広い。 圧力、爆風による被害半径は三乗根に比例するので、もっとせまいです。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **破壊力可変の核兵器はどのようにして出力を調整するのでしょうか。 簡単にいえば、 核分裂から核融合反応に発展しないようにカットする 核分裂反応にブースト(重水素注入)を使用しない 核分裂反応を不完全な状態に留める この順で出力が小さくなります。基本的には下に行くほど、未反応核分裂物質が たくさん放出されます。重水素の添加量を加減するとか、スパークリングプラグを ずらして、部分的に核融合が起きるようにするとかで、さらに調整できるでしょう。 一番下の「不完全核分裂」を極端なまでに(ほとんど失敗レベルに)下げると 数kt~1kt以下の爆発になります。北朝鮮の核装置ですね。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **核ミサイル積んだまま沈んでる原潜があったとして、サルベージすれば核弾頭使えるの? 核弾頭は電子的に起爆し、電子回路には起爆許可用の保安回路が組み込みになっています。 このため、正しいコードを入力しない限り、電子回路は正しく、あるいはまったく作動せず、 使い物になりません。 全部ばらして、あらたに起爆回路を取り付け直す必要がありますが、それには 核開発できるレベルの知識と技術が必要です。また、そのような事態に備えて、 核弾頭には一種の自爆回路(核爆発は起こさないが、部分的な爆薬の起爆を起こして 使い物にならないようにする仕掛け)が組み込まれているといわれています。 この話はかなり確度が高いと考えられています。 #right(){(690:system ◆systemVXQ2)} **熱核兵器のプライマリとセカンダリはTNT換算される威力においてそれぞれどれくらいの割合になりますか? うる憶えで書いてしまいますが、プライマリ(起爆用原爆)の出力は5~10kt程度。 以前のスレでも書きましたが、可変出力兵器の最低出力はプライマリの不完全起爆です。 次がプライマリ単独×ブースター(三重水素)なし、次がプライマリ単独×ブースター(三重水素)ありの出力。 そして完全起爆。さらに調整は可能ですが、例えばB-61の場合、可変出力は0.3, 5, 10, 80ktとなっており、 この場合は、それぞれプライマリの不完全起爆、ブースターなし、ブースター付き、熱核融合に相当すると考えられます。 核分裂単体兵器であれば、出力は必要に応じて様々ですが、熱核兵器のプライマリの場合、 重量、容積、なにより高価なプルトニウムの使用量から考えても、プライマリの出力は必要最小限と考えられます。 すると、ブースターなし出力とブースターあり出力のあいだに、そのセカンダリ起動の最小限出力があるでしょうから、 プライマリの出力は10kt、改良型ならもう少し低い可能性もあるが、5kt以下ではない、と言えるでしょう。 ですから、プライマリの出力はB-61の場合であれば、1/8に過ぎないと言えそうです。 セカンダリの出力自体、半分は3段目、つまり熱核融合で生じた中性子によるタンパーの 核分裂ですから、プライマリの出力分担が小さいのはうなずけます。 #right(){(691:system ◆systemVXQ2)} **原爆の臨界質量について質問。 >プルトニウム爆弾の場合は5kgだそうですが、これは臨界のための最小限の質量だと理解してます。 >では逆に最大限の質量とはどれぐらいのものなんでしょう? >ウランでもプルトニウムでも、仮に2kgのものを50個、合計100kgを一気に合体させれば全て反応するんでしょうか? 2kgのものを50個、一気に合体させることは事実上不可能です。 自発崩壊による中性子密度が一定以上に達した段階で連鎖反応が起きますから、 早発(部分的な連鎖反応)する部分が生じ、そこで発する熱によって膨張(拡散)が生じ、 それ以外の部分は連鎖反応に達することなく分解してしまいます。例え2個に絞っても、 ウランですら大半が連鎖反応に参加できずに終り、プルトニウムであれば ほとんどが未反応で吹き飛ばされてしまいます。だから爆縮が必要なのです。 逆に、そのような低レベルの連鎖反応であれば、5kgでなくとも実現は可能です。 一般的に言われる臨界質量は、裸の核分裂物質を球状に(つまり効率よい形態で) 丸めたときに、連鎖反応が生ずる質量を指します。衝撃波による圧縮が加わった場合、 圧縮による相変化が生じた場合、中性子反射材の使用の有無などによって 大きく変わってきます。 水爆の場合は多段階で爆縮をかけられますから、理論上 出力は無限大です。ツァーリボンバは分裂→融合→融合の3ステージだったと言われています。 うる覚えだけで書いてしまいますが、水爆登場前、三重水素ブーストすら試験前後の頃、 核分裂だけで出力を上げる実験が行われた時期があり、当時は高価なプルトニウムを 節約する意味もあって、プルトニウムとウランを組み合わせた爆縮とか、いろいろテストされたこともあります。 それでも核分裂オンリーでは数百ktぐらいが限界ではなかったかなあ・・・ 気になったので今ググったら500ktだったそうです。三重水素ブーストでほとんど1Mtまでいけたのかも。 ただ核分裂物質はどれも高価なので、実用的には点火用だけに節約使用して、あとは核融合するのが当然ですが。 多数の小さな核物質を同時に一点に集めるという困難な作業の替わりに、 臨界量を超える核物質を球面状に薄く拡げることによって臨界を防ぎ、 爆縮によって一気に超臨界にするのが、核分裂オンリーの大出力爆弾の デザインです。 上に書いたのは1952年に試験されたIvy Kingのことですが、 60kgの高濃縮ウランを薄い球殻状に整形し、これを爆縮によって 一点に圧縮して起爆させています。本来はウラン、プルトニウム混合の Mk-13用のデザインでしたが、プルトニウムが入っていると、多量の 核物質を使用した際、いくら爆縮させても早発してしまうからでしょう。 ttp://www.sonicbomb.com/modules.php?name=Content&pa=showpage&pid=58 U-235は1kgが完全に分裂すると約20ktを発生しますから、500ktであれば 25kgが分裂したことになり、効率は25/60。広島型原爆(ガンバレル)の効率が 10%程度であったことを考えると、悪くない数字と言えるでしょう。 #right(){(696:system ◆systemVXQ2)} ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
記事メニュー
目安箱バナー