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戦法等2 - (2010/10/07 (木) 22:02:43) のソース

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**アルファストライクってどんな戦術っすか?
全力出撃のこと
艦に積んでいる攻撃/戦闘能力のある機を、ほぼ全機出撃させる
離艦に時間がかかるし、これを3日続けると空母の爆弾や燃料が
無くなっちゃうし、敵も全力で反撃するので損失が多くなる傾向が
あるので、めったにやりません
つーか、めったなことじゃ出来ない
#right(){(42:559)}

**「機動防御」とはどんなものなのでしょうか?
敵の攻撃に応じて戦線を後退・縮小させ、敵を引き寄せてその側面・後背を攻撃したり、
遮断して包囲下に置いたりする戦法です。
具体的には、前線に少数の警戒部隊を配置し、これで防御陣を張ります。
そして後方に機動性に優れた予備機械化部隊を待機させておき、敵が防御陣を
突破しようとしたときに主攻先を判断し予備戦力を敵の弱点に投入することで
敵を殲滅します。

ドイツ軍にはこの戦法に長けた将軍が何人かいましたが、その中でも特に
フォン・マンシュタイン将軍がハリコフで行ったそれは芸術的とまで言われ、
機動防御戦の鑑として語り継がれています。
#right(){(43:名無し軍曹)}
>「遅滞防御」との違いは「遅滞防御」の前線はただの時間稼ぎ(=前線部隊はやられること前提)だけど、
>「機動防御」の前線は反撃のための時間を稼ぐための前線、という認識で正しいでしょうか?
機動防御には「戦線」という概念自体があまり意味を持たない。
そこにある土地、というか空間すべてを戦場としてとらえ、最大限活用するもの。
攻勢に出た敵を空間の中で殲滅できさえすれば無問題。どうやってするかと言えば運動で。
その例えとして、攻勢に出た敵に対し逆に攻勢に出て包囲殲滅ということもある(>464>465氏があげた例)

一方の遅滞防御は、おおざっぱに言えば空間の中に何重もの壁(戦線)をつくり、
突っ込んでくる敵をその壁で次々に受け止めていくことで次第次第に勢いを奪い、
最終的に敵の衝撃力を失わせてしまうというもの。
#right(){(43:488)}
機動防御は戦線の後退を前提にしない。
無論、戦線の全面崩壊を防ぐために前線の重要な拠点は来るべき反撃に備えて「点」
として強固に保持している必要がある。
ただし、穴を塞ぐ予備部隊が無く、結果的に戦線の縮小が行われる場合は別。

遅滞防御は最終防衛ラインを決めて、それに向かって戦線を計画的に後退させて
行くもの。これは戦線の後退が前提だし、後退するための2線、3線の陣地が
構築されているのが普通。装甲兵力の場合は待ち伏せ攻撃や、攪乱を図った側面
攻撃を行って歩兵部隊が計画よく後退可能な様に支援を行う事が多い。
遅滞防御のお手本はドイツ軍が「焦土作戦」を行った東部戦線1943年秋のドニエプル川への後退戦があるよ。
#right(){(43:490)}

**遅滞作戦とは、どのような作戦なのでしょうか。
地域を犠牲にして時間を稼ぐ防御作戦
ある部隊が陣地防御してる間にそのずずっと後方で他の部隊が防御準備をする
陣地防御してる部隊が耐えきれなくなると陣地を捨てて後退する
追撃する部隊を後方で防御準備していた部隊がくい止める
これを地形の縦深が続く限り繰り返す
#right(){(43:447)}

**詳しく人海戦術を知りたいので、具体的な例を挙げて説明していただけませんか。
もっとも有名な例が朝鮮戦争時における中国義勇軍(内実は人民解放軍ですが……)でしょう。
反攻開始以降進撃を続けてきた国連軍の戦線が延びきりつつあったこともかさなり、
一度は北朝鮮全領域を制圧する勢いだった国連軍を38度線以南まで押し戻すという成果をあげました。
そのあまりにも損害を省みない大規模突撃の連続は、米軍の補給速度を上回ったわけです。

その代償として中国は最終的に100万人にも上る戦死者を出しました(米軍は六万余)。
その中には当時の国家元首である毛沢東の2人の息子も含まれています。
#right(){(43:856)}

**太平洋戦記では、急降下爆撃が出来ない爆撃機は爆弾の命中率が悪くて全然使い物にならないんですけど、実際はどうだったんですか?
まあ、ぶっちゃけその通りです。
ただの上空からの水平爆撃で艦艇への命中を期待するのはほとんど無理です。
ですが、飛行場の滑走路を爆撃で壊そうとか都市への戦略爆撃だとかいうときなら、
そんな細かい命中率よりもとにかく爆弾ばらまけば用は足ります。

ちなみに「急降下爆撃」ってのも実際は乗員の錬度に成果は著しく左右されました。
編隊を組んで、先頭を飛ぶ機体の投下タイミングに合わせて爆弾を投下するわけですが
ここで先頭がびびってタイミング外してしまうと全弾スカということも珍しくなかったようです。
#right(){(44:143)}
「ふつうの」爆撃は水平爆撃。おっしゃるとおり命中率は悪い。
ただ、これは目標が「点」の場合に言えることで、
工場やら市街地やら「面」の目標なら十分有効。

水平爆撃は艦船や車両への爆撃には向かない。
基本理論は「ヘタな鉄砲数撃ちゃ・・」ということ。
#right(){(44:145)}

**スキップボミング、雷撃、急降下爆撃。それぞれの攻撃方法の利点、欠点について教えて下さい。
スキップボミング(跳飛爆撃)→石の水切りのような形で爆弾を跳飛させ、側面に
        命中させる方法。側面に命中させるため撃沈できる確率が高くなるが、
        高レベルの技量が必要になる。
雷撃→魚雷を使った攻撃。破壊力は大きく艦船攻撃に多用されたが、
      魚雷自体の速度が遅いため、近接して攻撃しないと回避される率が高い。
急降下爆撃→高高度から急降下して爆弾を投下する攻撃。命中率は高いが、
         降下中は回避行動を取れないため被弾率が非常に高い。
#right(){(44:206)}

**スキッピボミングで必要となる高度な技量とは何ですか?
反跳攻撃は原理的に超低高度(一説では10m以下)を
一定速度である時間突進できる技量が必要です
よほどの腕がないと水面に突っ込んじゃいますし
特に海上では波にどう対処するか(落としどころが悪いと
狙いと全然違った方向に行く)など、相当の経験も必要です
#right(){(44:212)}

**スキップボミングと雷撃ってどちらが遠距離から出来るの?
雷撃は高度50m以下で行う(これは日米共通)
アメリカの資料を読むと速度は250km以下で落とすことになっているが
大戦中の日本はもっと高速でリリースしたらしい
魚雷をリリースする距離も日米では大差があった模様(ココで論争に
なっていたが決着がつかぬまま自然沈火したので真相は不明)
スキップボミングについては150m-200mで行うという資料を見たことがあって(但し独軍の)
これは魚雷よりも遠くからやれるので有利だ、とか書いてあったが…
#right(){(44:225)}

**ヘリボーンと空挺降下との優劣は?
空挺降下は少数部隊の隠密行動くらいしか出番がなくなってます。 
後はセレモニーでど派手な演出には格好なのでこのときは大規模にやります。 

実戦レベルでの空挺作戦はもはや圧倒的にヘリボーンが主流です。 
部隊を集結させたまま地上に降ろすことができ、また着地点の選択もパラシュート降下より自由度がはるかに高い上 
着地の際の安全度も比較にならないからです(パラシュート降下は、着地の際に数階分の高さから飛び降りる程度の衝撃がある) 
一定レベルの重装備を持たせることも可能です。 

旧ソ連には大規模なパラシュート降下のドクトリンが存在しましたが、彼らが降下する場所は平原です。 
起伏はあっても山岳とか森林ではありません。 
そんな大規模正規戦の空挺ドクトリンは冷戦時代の過去の遺物と心得てください。 
#right(){(634:626)}

今でも米陸軍は大規模な落下傘降下演習をしているはずです。 

第82空挺師団の即応態勢にある旅団1個と、少なくともかつては 
イタリアにいる第173空挺旅団は旅団をあげての一斉の落下傘降下を 
演習で行っています。 

また、実戦での大規模な落下傘降下は1989年のパナマ侵攻、 
2003年のイラク侵攻でいずれも例があります。 

そして、両者とも地上の滑走路を含む地域(飛行場近辺や空港など)で 
行われたことに注意が必要です。 

ただし、2003年の場合はクルド人自治区内で地上で確保済みの地域 
だったとされていますが。 

一般にはヘリボーンが盛んに用いられているとはいえ、大規模な落下傘降下は 
今でも行う国があるという証拠としてあげました。 

なお、固定翼輸送機でも空中から大重量物を投下する能力はあります。 
http://www.youtube.com/watch?v=xlV_A1uuvis 
#right(){(634:686)}
**現在の塹壕って、規模はWW1のように、何十キロもつながっていたり、地下壕までついていたりするものは少ないんですよね?
>敵砲弾とか航空攻撃の爆弾とかを一時的に防げればいいという事でしょうか?
長大な防衛線は遊兵が出やすいです 
単純化して話すと防御側が塹壕線に完全に均等に兵を貼り付けて、攻撃側が一箇所だけに集中攻撃してきた時、 
攻撃された地域以外の兵全てが遊兵になってしまいます 
もちろん攻撃された地域に増援を出したり、反撃に出たりはできますが、塹壕を利用してはいない事になってしまいますね 
それなら始めから・・・と言う話が↓ 

重要な拠点を”点”で守り、機動力のある部隊でそれらを援護したり、反撃したりするのが現代の防御戦では一般的です 
少なくとも兵力的には無駄の無い戦い方でしょう 
この重要な拠点は大都市だけでなく、交通の要所だったり、川だったり、丘だったりするので 
これらの防御に塹壕を使う事はあると言う事です 

現代戦はほぼ不正規戦ばかり、あってもイラクなど砂漠での一方的な米軍の機動攻勢が多いので、 
塹壕は大規模には利用すらされていないですが、それは塹壕が有力な場所で戦闘が起きていないからです 
またそもそも大規模な防衛戦が行われず、速攻の攻撃で戦いが終わってしまうから活躍が聞こえてこないわけです 
#right(){(635:236)}
**ベトナム後の戦争での戦略爆撃は、必ずAWACSで警戒しながら爆撃機の編隊のみで目標地点に向かうんですか?
事前の制空戦で経空脅威を封じ、さらに電子的・物理的手段で対空火器を制圧した上で攻撃を行う。

戦略爆撃機に対する脅威は敵戦闘機のみではない。
また、長射程兵装が発達した現代戦で爆撃機に「直衛」がつくのは無意味。
爆撃機や攻撃機が作戦行動を行っている空域そのものをカバーする形でCAPを上げるのが一般的。
#right(){(306:16)}
**ウラー突撃と万歳突撃って本質的に同じですよね?
違う。英語の「バンザイアタック」「バンザイチャージ」(日本軍による自殺的突撃)の和訳が「万歳突撃」。
銃剣突撃による白兵攻撃のことではない。 
#right(){(654:281)}
**銃撃戦では何故、上にいると優位に立てるのでしょうか?
>映画「ザ・ロック」で海兵隊にSEALSが全滅させられるシーンなんですが、
>上から下の敵を撃つば場合と下から上の敵を撃つ場合、高低差が数メートルしかないのに下にいたSEALSがやられました。
位置エネルギーが大きいからです

角度の関係上遮蔽物が有効に使えるからです。
上側は身体を隠しながら撃てるけど下側は頭丸だし

上からは下が見渡せる。
上からは下からの射撃から身を隠しやすい。

映画の状況だと、逆に上から完全に取り囲まれてしまってる状況なのが不味い。
双方が向き合って、海兵隊が上・・・程度なら、確かに下側が不利でも、戦えはする。

あの状況だと、下側でどう防御陣組んでも、上から必ず狙える角度が出来ちゃうので、ああいう
大虐殺になっちゃうんですな。
#right(){(297:73-79)}
**映画でマシンガンをフルオートで撃ちながら後退してるシーンがありましたが、それは何と呼ばれる行為なのでしょうか?
多分に映画的演出だが
あえて戦術用語を無理矢理あてはめるなら「遅滞戦闘」あるいは「遅滞防御」
地域を犠牲にして(味方主力の離脱や反撃準備のための)時間を稼ぐための行動
#right(){(297:818)}
**タラーンと特攻は同じですか? 
>タラーンは敵航空機のみに対する攻撃ですか? 
日本軍の特攻(神風)はイコール自爆。成功すればパイロットは必ず死ぬ。 
タラーンは突入前にパイロットが脱出するのが立て前。できないことも、しないことも少なくないが。 
だからタラーンでは、神風ではあり得ない「複数回成功したパイロット」が存在する。目標はドイツ軍航空機。 
#right(){(656:69)}
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