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解読

最終更新:2019年12月11日 15:58

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解読
英decipherment, 仏déchiffrement, 独Entzifferung

[概説]
解読(decipherment)という用語は,一般には,何らかの事情で読み難くなった文字(手蹟,まれに印刷文字)を読み解くこと,また,人為的な暗号(code)を読み解くことの意味でも用いられるが,ここでは言語学的解読(主として未知の古代文字,あるいは古代言語を読み解くこと)に限定して用いる.

この場合の解読には,次の3つの場合が想定される.
1)文字と使用言語が,ともに不明な場合.
2)文字は不明だが,使用言語は推定できる場合.
3)文字は判明しているが,使用言語が多かれ少なかれ不明な場合.
これらのうち,1の場合は,その文字の属する地域・時代によって使用言語がある程度まで推定できることが多いが,一定量の資料および既知言語を含む対訳刻文(bilingual inscription)が見いだされるまでは未解読文字とみなされる(インダス文字,「ファイストスの円盤」の文字など).

これまで行なわれた解読の多くは2の場合にあたるが,使用言語が推定できるとしても種々の度合いがあり,対訳刻文あるいはそれに相当するもの(同定できると推定される固有名詞など)の助けを借りることが多い(エジプト文字,古代ペルシア文字など).
3は文字が当初から知られている場合であって,アルファベット文字で書かれたエトルリア語,楔形文字で書かれたヒッタイト語などがこれにあたる.これらの言語的解読は,難解語句・謎・暗号の解読と類似のものであり,文字的解読と区別され,単に解釈とみなされる場合もある.

ただし,個々の事例では,その条件は多様であって,解読の方法もそれに応じて種々のアプローチが生じ,一義的に決めることは難しい.以下に主要な解読の具体例を示す.

[エジプト文字の解読]
エジプト文字(古代エジプトのヒエログリフ(hieroglyph, hieroglyphic)文字体系.聖刻文字とか神聖文字とよばれることもある)は,西暦紀元の頃までほぼ3千年間使われたのち,西暦4世紀頃からその用法は漸次忘れられた.5世紀にアレキサンドリアのホラポロン(Horapollon)が書いた『ヒエログリフィカ』(Hieroglyphica, 1419年発見)には,多くのエジプト文字の解釈が記されているが,正しい知識はかすかに認められるにすぎない.17世紀のイエズス会士アタナジウス・キルヒャー(Athanasius Kircher)はローマに運ばれていたエジプトのオベリスク(石柱)に関心をもち,そのいくつかの文字を解釈したが,それはホラポロンの場合とあまり変わらなかった.しかし彼は,エジプトのキリスト教徒が伝えているコプト語を古代エジプトの口語であったと考え,コプト語を研究した.これはのちの解読への正しい道を示すものであった.こののち,イギリス人ウォーバートン(W. Warburton),ドイツ人ニーブール(C. Niebuhr),デンマーク人ゾエガ(J. Zoëga)らがエジプト文字について多少の寄与をしたが,決定的な解読はフランス人シャンポリオン(J.F. Champollion, 1790~1832)によって成し遂げられた.もっともスウェーデン人オーケルブラッド(J.D. Åkerblad),イギリス人ヤング(Th. Young)の研究はシャンポリオンに多少のヒントを与えたと思われる.

1799年8月にフランス遠征軍がエジプトのラシード(ロゼッタ)で3種文字併記の碑文(ロゼッタ石,Rosetta stone)を見つけた.最上段が記念碑体エジプト文字,2段目がその草書体である民衆文字エジプト文字,3段目はギリシア文字で,この部分は即刻読むことができた.コピーが作られ,東洋諸語の権威シルヴェストル・ド・サシ(A.I.Silvestre de Sacy)のもとに送られた.ド・サシはこれをオーケルブラッドに渡し,彼は民衆文字の十数個の音価を推定した.オーケルブラッドは,erphêui「神殿」,ueinin「ギリシア人」,「彼は,彼を」を表わす-fなどを正しく推定したが,ド・サシが疑念を示したので研究を中止した.イギリスではヤングが独自に研究を進め,1818年には205語の古代エジプト語の意味をギリシア語との比較によって推測した.そのうち50語ほどは正しかったが,エジプト文字の「子音表記」に気づかなかったので,本格的解読には至らなかった.

シャンポリオンは早くから病弱だったが,ギリシア語,ラテン語につづき,アラビア語,シリア語,コプト語を学んだ.19歳のときにパリでロゼッタ石のコピーを入手したが,エジプト文字の基本的構造(子音表記の原則および表音文字と表意文字の混合など)に気づくには十数年を要した.1821年12月に,ロゼッタ石第2段(民衆文字)の文字記号数を数えた.1419個,166種あった.第3段には468語のギリシア語単語が含まれているので,エジプト文字と1対1の対応ではなく,エジプト文字の一部に表音文字(子音)が含まれているにちがいないと推定できた.特に固有名詞が手掛かりとなった.ロゼッタ石第3段にはPtolemaiosの名があり,それと対応する部分のカルトゥーシュ(王名を示す枠)のエジプト文字は,P-t-w-l-m-y-sと読まれると推定された.ロゼッタ石のギリシア語文にはPtah(プタハ神)の名もあり,この2つにはpとtが含まれているので,ここからもこの読みが正しいことが推定されたはずだが,一般にはKleopatraの名を含む他の資料との比較で,いくつかの文字が読まれたとされている(pとlは両者に含まれているが,古代エジプト語ではrとlを区別しないので,ギリシア語であるKleopatraに含まれているlには特別の文字を用いており,またtにあたる文字にはdを用いていた).次に,彼はギリシア・ローマの名を記したカルトゥーシュを集め,これらを比較しつつ24個のエジプト文字アルファベットの音価を確定し,1822年8月22日にアカデミーで発表した.9月に入って,友人がエジプトから送ってくれた王名を含むカルトゥーシュを眺めているうちに,「太陽(コプト語でrē)+x+s+s」,および「イビス烏(ギリシア語でThot神)+x+s」がそれぞれR'-ms(s+s) ,Thot-ms(+s) ,すなわち王名ラーメスとトトメスを表わすことに気がついた.こうしてms(m+s)というような複子音文字,さらには限定符(意味を限定する表意文字)の用法を見いだし,同年9月27日にアカデミーで再度報告,ド・サシによって認められ,この年がエジプト文字解読の年となった.シャンポリオンの伝記には,ハルトレーベン(H. Hartleben, 1906),ラクーチュール(J. Lacouture, 1988)のものがあるが,エジプト文字解読のプロセスの細部については必ずしも明らかではない.

[メソポタミア文字の解読]
メソポタミアで使われていた文字体系は楔形文字ともよばれるが,最古の時期には一種の象形文字であった.楔形文字(cuneiform)という呼称は,近代になってヨーロッパでつけられたものにすぎない.

その主流はシュメール文字で,シュメール人により前3千年頃につくられたが,前2900年頃にセム系アッカド語族(バビロニア・アッシリア人)によりアッカド語の表記に用いられるようになり,数十万に達する多数の文書を残したほか,印欧語族ヒッタイト語,語族不確定のウラルトゥ語およびフルリ語(アマルナ文書の一部など少数)などの表記に用いられた.他方,初期にシュメール文字の影響を受けて成立したと思われる古エラム文字,後期にアッカド文字の影響を受けて成立したと思われる,エラム文字,古代ペルシア文字およびウガリト文字があるが,シュメール=アッカド文字が数百個の文字をもつ複雑な文字体系であるのに対して,古代ペルシア文字は基本文字数36個の単純音節文字(一部は単音表記に使用),ウガリト文字は30個の文字からなるアルファベット(子音のみの単音表記)である(ウガリト文字は次節で扱う).

メソポタミア文字の解読には,ペルセポリス刻文(Persepolis inscription)およびバガスターナ(ビストゥン)刻文(Behistun〔ペルシアBistūn〕inscription)が大きな役割を果たした.特に後者は,解読されて知られたところによれば,1)古代ペルシア語2)バビロニア語,3)エラム語の3言語対訳刻文であったこと,これがヘロドトスらによって知られているアカイメネスの王朝の王たちの名を含む記念刻文であったことから,1を記す古代ペルシア文字(したがって,そののち,2と3を記すシュメール文字)の解読に大いに役立った.
古代ペルシア文字の解読には,ローリンソン(H.C. Rawlinson),ビュルヌフ(E. Burnouf),ラッセン(C. Lassen)らが貢献し,グローテフェント(G.F. Grotefend)がほぼ完全に解読して抄録を1802/3年に報告した.しかし,これは学界から無視され,90年後に再発見されて,この文字の解読者とみなされることになった.

シュメール文字(シュメール・バビロニア・アッシリア楔形文字)の解読は,これよりもはるかに複雑な過程を経て,19世紀半ばに徐々に解読された.最大の貢献者はローリンソン(1810~95)で,特に,彼が苦心して筆写した前記のバガスターナ刻文が大きな役割を果たした.ここで用いられている3種の楔形文字のうち,古代ペルシア文字の解読が進むと,第2のバビロニア文字(バビロニア語を記しているシュメール文字)の理解を助けることになったからであるが,セム語族に属するバビロニア語の理解には,同じセム語であるヘブライ語やアラビア語の既知の知識が照合において大きな役割を果たした.シュメール文字はバビロニア語の表記に約300個の文字記号を用いており,しかも1つの文字記号を多音的・多義的に使用しているので,その解読には高度の総合的判断が必要であった.なお,ローリンソン以外に,アイルランド人ヒンクス(E. Hincks, 1792~1866),フランス人オペールJ. Oppert, 1825~1905)らが解読に貢献した.

1850年にローリンソンは,約80個の固有名詞,約150個の楔形文字の音価,約500個の単語を解読したと発表したが,同時期に,ヒンクスは公表された資料(主としてバガスターナ対訳刻文.彼は現地に行ったことはなかった)のみから,ローリンソンの成果を上まわるほどの解読を進め,バビロニア楔形文字の音節文字性および多音価性を論じ,さらにこの文字が非セム語から借用された可能性まで推察した.

メソポタミア文字は上記のように漸進的に解読が進められたために,エジプト文字の場合のようにはっきりした解読年代を決めることは難しいが,一般には,「解読コンテスト」が行なわれた1857年が解読の年とされている.このコンテストでは,トールボット(H. F. Talbot)の提案により,ローリンソン,ヒンクス,オペールおよびトールボット自身が参加し,未発表のメソポタミア文字刻文(アッシリア王ティグラト・ピレセルー世の六角柱楔型文字)を各人が別個に翻訳するというもので,各人の解読の結果がほぼ一致したために判定者たち(王室アジア協会長ウィルソンH. H. Wilsonら)は,メソポタミア文字(ローリンソンの言う第3種楔形文字)の解読の成功を宣言した.しかし,メソポタミア文字の解読はこれで終了したわけではない.こののち,この文字の源流であるシュメール文字とその言語の解明が進んだが,古期の文字および言語については,まだ不明な点が多い.また,この文字は,直接・間接に15種もの亜種を生み出したが,それらの解読と解明には多大な努力が必要であり,それらの研究は今日なお続いている.

[地中海諸文字の解読]
古代の地中海には各種の文字体系がしばしば局地的に使用されたが,それらはいずれもエジプト文字あるいはメソポタミア文字の影響を受けてつくられたものと推定される.これらの中には,クレタ島のいわゆる「ファイストスの円盤」の文字およびクレタ=ミュケナイ文字のうちの3種の文字のように,今なお未解読のものもある.ここでは,すでに解読されている文字(言語),および解読が進行中の文字(言語)をまずとり上げる.

ここでは便宜上,小アジアを地中海圏に含めるとして,今世紀初頭にヒッタイト(旧約のヘテ)の首都ハットゥーサの発掘が行なわれ,大量の楔形文字文書が出土したことから,ヒッタイト語(印欧語族)が解読されることになる.文字自体はメソポタミア文字系統に属し,若干のシュメール系表意文字(イデオグラム)が用いられていたので,文書の性質(宗教文書,法律文書などの区別)は見当がついた.地の文は未知の言語が音節文字で記されていたが,フロズニー(B. Hrozný,ドイツ名F. Hrozny)はこれを巧妙な推理によって「解読」し,1915年に発表した.この解読は,すでに知られている同系統の言語との比較によるものであって,その比較研究は今日なお続けられ,種々の成果を生んでいる.この「解読」は,「同系統語の認定」と定義づけることができる.

これに対し,長らく象形文字ヒッタイト語とよばれてきた独特の文字体系をもつ言語が小アジアで使われていたが,今日ではこれは象形文字ルウィー語とよばれるようになった.この象形文字の文字記号数は約500個で,そのうち77個の音節文字の音価は判明しているが,表意文字の大半は音価のみならず意味さえも推定の段階を出ていない.しかし,音節文字で表記された象形文字ルウィー語(ヒッタイト語と同系のアナトリア語)は,メリッジ(P. Meriggi),ケルプ(I. J. Gelb),フォラー(E. Forrer),ボッセルト(H. T. Bossert),ギューターボック(H.Güterbock)らの研究者によって漸次解明され,1947年にはカラテペ対訳刻文(Karatepe bilingual inscription, フェニキア語と象形文字ルウィー語)の発見によって,部分的解読は一段と進められた.

1928年に,トルコに近い東地中海岸の北シリアの港町ラージキーヤ近くのラース・アッシャムラーア(ラス・シャムラ)で,古代の都市国家ウガリトの遺跡が発見され,独特の楔形文字で記された多くの粘土書板が出土した.文字記号の数は30個で,アルファベット文字(単音表記)と考えられた.フランス人ヴィロロー(C. Virolleaud)が48点の資料を公刊すると,ドイツ人バウアー(H. Bauer)が解読を発表し,フランス人ドルム(E. Dhorme)とヴィロローがこれを補正する形で,少なくとも30個の楔形文字(メソポタミア系統のものとは別種のもの)は短時日のうちに解読された.この場合,ウガリト語は西セム語族に属するとの仮定が立てられ,その場合,原文に必ずm-l-k「王」, b-n「息子」, b-‘-1「バアル神」などの語が記されているにちがいないとの推定が役立った.しかし,単子音のみによる表記であるために,ウガリト語テキストの言語的解読には種々の問題があり,主として比較セム語学の方法によって,今なお漸進的に解明が続けられている.

同じ1928年およびその翌年に,同じ東地中海岸の南寄りにあたるジュバイル(古代のビブロス)で,エジプト文字風の文字記号をもつ文字遺物が発見された.このビブロス文字(正式にはビブロス疑似象形文字)は,エジプト文字とは異なり,72個のみの文字記号からなっているので,音節文字(ba, bu, biなど)であり,エジプト文字(複雑な音節・表意文字体系)とアルファベット文字(初期には子音のみの表音文字)の中間をなすものと考えられた.デュナン(M. Dunant)らの解読の試みがあり,各文字記号の音価はほぼ正しく解読されていると思われるが,知られている文字資料がきわめて少ないので,言語的解読は十分には達成されていない.

今日,クレタ=ミュケナイ文字とよばれている文字体系は,エヴァンズ(A. J. Evans)のクレタ島クノッソス発掘で最初に知られ,ミノア文字とよばれていた.のちにギリシア本土ピュロスなどでもこの文字の一種が記された粘土書板が大量に発見され,上記のような名称でよばれるようになった.

エヴァンズは,クレタ島で発見された文字群を4種に分類した.1)象形文字A,2)象形文字B, 3)線文字A, 4)線文字Bがそれで,はじめの2種は象形文字様式,あとの2種は簡略化した線文字様式であり,1~3は資料が比較的少ないのに対し,4はのちには数千枚に達した.

1950年頃,イギリス人建築技師ヴェントリス(M. Ventris)は,古典語学者チャドウィック(J. Chadwick)の協力を得て,上記の線文字Bを分析し,古期ギリシア語方言が記されていることに確信をもち,1952年にこれを専門誌に発表した.この雑誌は翌年春に出たので,解読は公式には1953年とされている.この場合の解読は,この文字が非ギリシア語を記しているとのエヴァンズの見解を無視したこと(前提条件の更新),多数の資料を文字記号の出現順などを考慮しつつ分析したこと(数理言語学的アプローチ)に特徴があるクレタ=ミュケナイ文字の他の3種については,線文字Aがセム語を記しているとの憶説が出ている程度で,まだ解明されていない.

[東アジア諸文字の解読]
西アジアでの文字の出現と展開(メソポタミア文字・エジプト文字)よりやや遅れて,東アジアでは中国で文字文化が出現した.この漢字体系の原初の姿は今なお明らかではないが,西方におけるアルファベット文字の出現(前20~15世紀)の頃のことではないかと推定される.漢字文化は中国およびその近隣諸国で今日に至るまで継続的に使用されているので,特別な場合を除き,解読の対象とはなっていない.しかし,前世紀末から今世紀初頭にかけて出土した甲骨文字の文字記号は,後代の文字記号との関係が明白でないものも多く,今なお解読作業が継続している.この場合の解読は体系的なものとは言い難く,個々の文字記号の比較が中心となっているようである.

中国の周辺地区に,疑似漢字ともよぶべき文字文化がいくつか出現した.オルドス東方の西夏(タングート)文字および契丹文字,女真文字,ヴェトナムで作られた字喃(チュー・ノム)などがそれで,日本の国字(和製漢字)もそれに入るかもしれない.これらのうち,西夏文字,契丹文字と女真文字は比較的短期間にのみ用いられ,のちに廃用になったので用法が忘れ去られた.

西夏文字資料はコズロフ探検隊が見つけたカラホト出土品などで豊富となり,この中にあった漢字との対訳辞典が助けになって,ある程度解明できた.西夏文字は表音性を欠いていたので,音価については多くをこのような対訳資料に頼らざるをえず,各文字記号の個別的な解読を中心に行なわれてきた.中心人物は,ロシア人イワーノフ(A.И, A.I.Ivanov), ドイツ系アメリカ人ラウファー(B. Laufer),中国人羅振玉と二人の息子たち,ロシア人ネフスキー(H. A. Heвcкий, Nevskij),それに今日まで精力的にこの分野の研究を続けている西田龍雄である.契丹文字と女真文字は,今なおほとんど未解読文字といってよい.

東アジアの古代文字の中で,見事に解読されたのが古代トルコ文字とよばれるもので,その文字遺物は主としてシベリアのエニセイ地方で見いだされた.フィンランド人カストレーン(M. A. Castren)およびハイケル(A. Haikel),ロシアのラドロフ(B. B. Paдлов, V. V. Radlov)らの研究と発見が,デンマーク人トムセン(V. Thomsen)の本格的解読の基礎となった.文字記号の数は38個で,アルファベット式と音節文字式の混合方式であると推定された.対訳刻文としては,中国文字およびウイグル文字と同文を記したものが見つかっており,それぞれの固有名詞の表記が文字記号の音価を定めるのに役立った.トムセンの古代トルコ文字解読は1893年末に公表され,その後変更を加えられた部分はごくわずかで,その解読はほぼ完全に近かった.その理由としては,この文字体系がトルコ系言語を記していると正しく推定されたこと,上記のような対訳刻文が存在したこと,これらから生じる論点を相互に確実に結びつける推理力がトムセンにあったことを挙げなければならない.

[その他の古代文字・言語の研究]
これまで扱った古代文字はすべて旧大陸で使われていたものであるが,新大陸においても独自の文字体系がいくつか用いられ,次いで白人の到来とともに使用されなくなり,忘れ去られた.中米のユカタン半島一帯に住んでいたマヤ人,メキシコ中央・西部に住んでいたアステカ人,ミシュテカ人らは,一種の象形文字で彼らのことばを石柱や壁面に浅浮彫りで,あるいはマゲイ(竜舌蘭の一種)で作った重ね折り本に書き記した.中でもマヤ人が残したマヤ文字は他より発達した段階を示しているが,手写本はごくわずかな点数を除き,すべて失われたために,今のところあまり多くのことは知られていない.しかし,二十進法による数字,およびこれが示す暦法上の計算は,かなり解明されている.文字の用法としては,若干の表音性をもつと思われるが,あまり厳密な対応をもつものではないらしい.16世紀にこの地へ来て,異教駆逐の立場からマヤ文字文書の焚書を行なったディエゴ・デ・ランダ自身が書き残した『ユカタン事物記』に,マヤ人が用いていた「アルファベット表」が含まれているので,解読への手掛かりとして利用されている.ロシア人クノロゾフ(Ю.B. Кнорозов, Ju. V. Knorozov)の研究も基本的にはこれを使ったものであるが,アメリカ人でこの分野の大家トムソン(J. E. S. Thomson)はこれには批判的であった.近年,若干の新資料(墓室内壁に描かれた文字)が発見されており,コンピュータを利用した整理および近代マヤ諸方言との比較などにより,かなりの程度までの解読が期待されている.

マヤ文字の場合は,上述の西夏文字と同じく,「解読が進行中の文字」と定義づけることができるが,では今のところ「未解読」の文字にはどのようなものがあるか.

冒頭に記したように,その第1は「文字と使用言語が,ともに不明な場合」にあてはまるもので,その代表がインダス文字といえる.前世紀末以来,インダス文字を記した印章類は,今では2千ないし3千個発見されていると考えられるが,多くは5~6文字の短い語句を記すにとどまり(最大17文字),対訳刻文も出土していないので,解読の決定的な手掛かりが見いだされていない.使用言語をドラヴィダ語族と想定した統計的解読の試みが北欧・旧ソ連圏で行なわれており,一応の成果を得たと伝えられるが,それは本格的な解読の前提にすぎない.
この他に,地中海域ですでにふれた4種の古代文字のうち,象形文字AとB,線文字Aは事実上未解読といえる(線文字Aの使用言語をセム語族とするゴードン(C. Gordon)の説などがあるが,試論の域を出ない).1908年にクレタ島中央部の宮殿適跡で見つかった「ファイストスの円盤」の象形文字(計241個,45種)については,毎年のように解読が報じられるが,それを証する対訳刻文か第2,第3の資料が現われない限り,これを確認することは困難と考えられる.

冒頭の部分で第3に分類した「文字は判明しているが,使用言語が多かれ少なかれ不明の場合」に入るものに,すでに解読された例として楔形文字ヒッタイト語を挙げたが,これは使用言語の語族を適切に想定して成功したもので,その方法論は他の多くの言語学的解読についても妥当なものといえる(古代ペルシア文字,ウガリト文字,線文字Bなど).使用文字(の基本的用法)は判明しているが,完全な解読に至っていない代表的な例が,中部イタリアで数多くの言語的遺物が見いだされるエトルリア語で,ラテン語やフェニキア語との対訳刻文から,少数の単語(50個ほど)と若干の文法的特徴が判明しているにすぎない.しかし, その特徴は印欧語アナトリア語族との類似性を指示しており,比較による解明は進展する可能性が出てきている.同じフェニキア文字系統のアルファベットによる文字遺物としては,古代イベリア語を記したと推定される刻文があるが,これも資料がより多く見つかれ ば,バスク語との関連性が明らかになると思われる.  

その他の「未解読文字・言語」としては,初期の楔形文字(この段階では象形文字)で書かれたウルク=ジェムデト・ナスル期の文書や,同系統の文字で書かれた古エラム語文書のそれがある. またアジア・太平洋地域では,中国南部のロロ文字やモソ文字,あるいは南太平洋のイースター文字があるが,これらは表音性よりも表意的要素の強い「絵文字」であって,言語的解読には限界があるように思われる.

以上,「解読」の各種の例を概観したが,解読に至る方法論はさまざまであり,一般論を設定することはきわめて難しい.現実には,未解読文字は上記のように残りわずかになっているが,考古学的発見により未知の資料が出現する可能性はないとはいえない.その場合,言語学は,考古学・歴史学・近代技術と協力することによって解読を達成することになろう.

[参考文献]
Doblhofer, E. (1957), Zeichen und Wunder. Die Entzifferung verschollener Schriften und Sprachen (Paul Neff, Wien; 矢島文夫・佐藤牧夫訳 『失われた文字の解読』全3巻, 山本書店,東京,1963, 1977) 
西田龍雄(1982),『アジアの未解読文字』(大修館書店,東京)
Pope, M. (1975), The Story of Decipherment from Egyptian Hieroglyphic to Linear B (Thames and Hudson, Ltd., London; 唐須教光訳『古代文字解読の物語』新潮社,東京,1982)
高津春繁・関根正雄(1964),『古代文字の解読』(岩波書店,東京)
矢島文夫(1980, 1982) 『解読――古代文字への挑戦』(朝日新聞社,東京)
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