始まり
「科学相かと思ったか? 俺だよ!」
「…。よし、言いたいことがあるなら聞いておいてやる。15秒以内にな。
余の素晴らしき鴨撃ちの腕を見せてやってもいいぞ」
「まあまあ。今のは挨拶のような物ですので。
彼の人より手紙を預かっておりますので、まずはこちらをご覧ください」
「ったく…。『拝啓フリードリッヒ陛下、本日はお日柄もよく──こんなのはどうでもいい。
なになに……」
『今回は先行スタートということで、私も何分初めての事が多いですから、少し資料を集めてから
参ります。さほど時間はとらせませんが、しばらくの間、お手数ですが、カスタマイズ画面などを
眺めながら雰囲気のようなものを掴んでおいてくださいませ── 敬具』
「まだ刻限までには間があるというのに、律儀なヤツだな。まあいい。それでは先に
カスタマイズ画面とやらを見に行くとしようか」
「時代・先行スタート等は、『シングルプレイヤー』→『ゲームをカスタマイズ』で
選ぶことができます」
「おお、見慣れぬ設定がずらりと並んでおるな。一つの都市でチャレンジ、これは見たことが
あるぞ! OCC(首都だけでプレイ)をする時の設定だな」
「他にも色々ございます。蛮族なし、戦争なし、イベントなし、強制こんにちはしね、等等。
永久同盟などはこの設定でチェックを入れて、はじめて使える物ですね」
「意外と通常プレイではお目にかからないものばかりだな。とりあえず、通常パンゲア・標準
工業化時代から、そして一番上の先行スタートにチェック。指導者のプレイヤー欄を
フリードリッヒにしておいて……と」
「せっかくですから今回は不死にしてみたらいかがですか。同世代との熱い戦いをするには
やはり相手も強い方が燃えるという物ではありませんか? なに、フリードリッヒ大帝の
お力をもってすれば容易いことでしょうし」
「う、うむ。余も王の中の王、大帝の名を持つ男だ。その言や、よし!
その案を受け入れようではないか!」
「あと、攻撃的AIにもチェックを入れましょう。AIの研究は鈍化しますが、その分大量の
ユニットを敵が保持するようになります。いってみれば潰しがいがある相手になるわけで。
それと、途中でやられると興が醒めますので、外交的勝利はチェックを外しておきましょうか。
覇道を進む陛下には必要ありますまい」
「おお、それなら、時間と宇宙もチェックを外してしまおう。征服と制覇だけでいいぞ。
あ、文化は狙わないが一種のハンデとして残しておくか。スパイスもないと味が引き立たんからな!
宇宙勝利は甘え(キリッ)」
「流石はフリードリッヒ様にございますな」
「お待たせしましたー! って、もう始めちゃってるんですか!? しかも何この設定!?」
「いや、なんか忍者が、上手くおだてるもんで乗せられて、つい……」
「汚いなさすが忍者きたない! ……まあ、始めてしまった物はしかたありません。
気を取り直して、ゲーム画面に移りましょう」
「首都の位置から決めることができるのか。ん? 最初の設定では確か工業化での先行スタートは
デフォルトで4000ポイントだった筈だが?」
「最初の視界を手に入れた時点である程度引かれるようですね。なお、この先行ポイントは自由に
変更できますので最初からたくさんの物を手に入れることもできますが、まずはこの時代の
デフォルトで進めて行きましょう」
「まずは首都を決めて、更に衛星都市を置いて……と。更に建築物や地形改善、ユニットと……
おお、文化や人口、視界まで買えるのか。建築物はそれなりにポイントを使うようだが。
金額は膨大だがテクノロジーまで買えるんだな。なんかシムシティーのようだ」
(ここの画像は再現できないため、別のものを使用。プレイ時は一つ↑の画像の立地です)
「あながち間違いではありませんね。ポイントの許す限り初期拡張はできます。都市の建てられる
範囲は予め決まっていますが、その範囲内なら都市数に特に制限はありません。
なるべくなら、最初にできるだけ多くの土地を確保しておくのがいいでしょう。目安としては
6都市以上。これはOXやウォール街などの都市数が条件の国家遺産に必要になってきます」
「うむ? それもいいが、じゃあ全部の金でライフル兵を買ってライフルRしてやれば
一気に1国はすぐ滅ぼせるのではないか?」
「いえ、これは大事なことなのですが、AIも同様に先行スタートしてきます。
空いた土地にはAIの都市圏が入り込みますので、あまりいい手とは言えませんね。
更に開始後10ターンの強制和平がありますので。逆に、手を広げすぎて無防備にしても、
喧嘩早いAIが隣だとすぐに攻め込まれます。ここらのバランスが重要ですね」
(無防備に拡張してTOKUさんに攻められ失敗した図 こんな少数の兵に悔しいッ…)
「それで完成したのがこちらのドイツ領です。現段階では、ほぼ無防備ですが、食料系の改善や
序盤の幸福系、それと首都に小屋、少しの労働者を配備しています。奴隷解放が最初から選択可能な
ため、小屋は最初に作っておくといくらか有利ですね。また、工業化時代からのスタートということで、
穀物庫や溶鉱炉、市場、水道橋などの一部の施設もボーナスとして全都市に建設済みです」
この初期建設済み施設は、新規で開拓者で街を立てた場合にも適用される。 工業化時代の場合、海沿いに立てれば、灯台や港もついてくる。ただし、戦争時は別で 占領した都市でその時に破壊された施設に関しては建て直さなければならない。 また、これらは始める時代によって変わる。現代スタートなどになると もっと多くの施設が最初から都市に備わっている。
「まあ、基本は出来る限りの多くの都市を、ということか。テクノロジーは、工業化以前の
全てを取得済み。遺産は……ほとんど建てられないか。現時点で作れるのは、ヴェルサイユ、
自由の女神、タージマハルのみ。国家遺産も民族が作れないということは英雄叙事詩もダメか。
モアイも無理とはな」
「その分、最初から強力な社会制度や進んだ国家遺産も建てられますので、そこは目をつぶりましょう。
まずは社会制度を変更するとしましょうか。官僚制・奴隷解放・自由経済、この辺は是非ですね。
あとは1種類なら1ターン内で変更可能なので、信教の自由か世襲統治のどちらかにしたいところ
ですが──ここは信教の自由にしておきましょう。ここらは好みです」
「そういやその肝心の宗教は? 必要テクノロジーは全部もう開発済みなんだが──」
「うおっ、ターンエンドしたらなんか出てきた! うちはイスラム教か」
「宗教は時代先行スタートの場合、ランダムで創始されるようですね。標準だと7文明で
7宗教なので各文明1つづつ聖都をもてます。全員宗主の聖都持ちなので、まさに
異宗教同士の群雄割拠ですね」
キャラクター紹介
「前回までは、誰がいるのかわかりづらいという声がありましたので
今回は選手入場風にしてみました。実際はこの時点では相手と所在不明なのですが、
そこらへんは妥協ということで。それではどうぞ。前書きにもありました通り2人は固定枠です」
・徳川家康
今回の特別参加枠その1! 火力発電所代替のUBを持つこの人が参戦だ!
シェール油? そんなものはCiv4をやって初めて知った!
お得意の鎖国を引っさげ、ご存知我らのTOKUさんの登場だ──ッ!
・ルーズヴェルト
UBにしろUUにしろ、出る頃には試合が終わっていると言われ続けた無念の国の人!
Seals生産したことがない? じゃあAIに作ってもらえばいいじゃない!
今回はその実力をフルに発揮できる時代に生まれてきた! 特別枠その2! ルーズヴェルトだ!
・ザラ・ヤコブ
全指導者中最も強い宗教ボーナスを持ちながら、余り宗キチのイメージはない不思議な人!
ケニアからの留学生、ザラ・ヤコブの参戦だ!!
・ジョアン2世
世界の海は俺の海! 文句があるならかかってこい! でもラグナルだけは簡便な!
いつもなら帝国志向に幅をきかせて拡張する手堅い相手だが、今回の先行スタートではどうなるか?
ポルトガルから頼もしい開拓者の登場だー!
・エリザベス
お前の地図は私のもの!私の地図は私のもの!
赤服・哲学・金融・証券取引所、どれを取っても隙はないッ!まさに今回の有力候補!
大英帝国の女帝の登場だ──ッ!
・シャカ
真打は遅れて登場! 東に敵あればそれを討ち、西に味方がいればそれを討つ!
今回は攻撃的AIということでその暴力の猛威は止まらない!
今は知略の時代ではない、力の時代なんだ! いつでも畏怖の対象、シャカさんの登場だ──ッ!
「さて、AIも先行スタートが終わり、都市圏が見えてきたが……。お隣はエリザベスか。
地図をくれないから中々他と接触しづらいな。宗教がこじれると大抵は相互も結べなくなるし。
一応信教の自由にしたのには、これも理由だが」
「世界一周ボーナスは通常通りありますので、沿岸都市では一応ガレオンを作っておきましょう。
あとは早めに探検家を一人。それで地図をくれる指導者にあえば、すぐ状況は把握できるでしょう」
「なんかあんまり進んでないな」
「まあ、今回はイントロダクションということで。もっともこの部分が先行スタートの主な
ところですから、ご辛抱ください。それでは次回から戦略を進めていきますよ」