AD1987──ドイツ主力機甲師団、全滅。
シャカも深手を負ったとはいえ、最早ドイツ陸軍には軍と呼べるだけの組織はなくなった。
そんな中、守る者も助ける者もなくなった属領、アメリカ首都を狙い、
横から密かにポルトガル・ジョアンの魔の手が伸びる。
この先どうなってしまうのか──
アイデアは真田印
「フフフ、脳筋どもは勝手に殴り合ってればいいさ。この俺はもっとスマートにやってやるよ!
俺は天下のジョアン様だぞ、本気出しゃ強いんだ! 開幕シャカに殴られて負けたのは、
神様が痔になってたからなの! さあて、今のうちに、アメリカの新首都をいただきま──?」
「アメリカ軍かと思ったか? 俺だよ!」
「げえっ、忍者! ていうかなんだよ、その後ろの現代機甲部隊たちは!?
さっきシャカにやられて全滅してただろ、ドイツ領からアメリカの前線までだってかなりの距離が
あるのに──お前らどっから沸いてきた!?」
「こんなこともあろうかと。というやつだ。何もユニットを運ぶのは海や道路や鉄道だけじゃないぞ。
近代以降は、それまでとは別の道がある──空っていう大きな道がな!」
飛行機の技術で解禁される空港。
交易路+1。新しい航空ユニットに経験値+3。航空ユニット収容数+4。衛生-1。
そして、もう一つ空港には空輸という機能がある。
1ターンに1体のユニットを他の都市に送る機能で、どんなに離れていても瞬時に到着する。
空港のある都市からならどこにでも送れるが、送り先に空港がない、占領したばかりの都市などでは
1ユニット受け取ったらもう他からは送れない。
が、今回はアメリカ領で空港が既に備わっている都市への空輸。
受け取り先にも空港があるため、各地で生産したユニットを制限をかけずに瞬時に集結させることができた。
(追記)なお、空輸できるのは自領、もしくは属国領のみ。相互通行条約のみの友好国の都市に空輸は不可。
今回は、アメリカ領は属国領になるため可能だった。
「というわけで、合流が遅れた残りと各地で生産した現代機甲を空輸。ハンマーが足りないところは
クレムリン+購入で強引にそろえたけどな。んじゃ、いつものいこうか。一回やってみたかったんだ。
おトイレはすませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタ震えながら命乞いをする
準備はOK?」
「あ、ありえねー!?」
「Fire──!」
ジョアン軍壊滅。その後も続々と空輸で前線へ生産した現代機甲部隊が運ばれてくる。
「ああ、楽しかった。ということで、軍をお返ししますぞ。それがしの御節介もこの辺までと思いますので」
「…夢ではなかろうな? さっきまでは泥沼の大敗戦を覚悟していたのに……」
「陛下が各地で地道に積み上げてきた内政の成果が実を結んだのですよ。ご覧の通り、総生産力では
我が軍は遙かにズールーを超えています。イギリス・エチオピアなどと戦った後も
寿司やマイニング、各地に基本の施設を。そして石炭が手に入ってからは、UBの総合組立工場を
組織志向とあわせ+150%のボーナスをつけて復興地でも建設することができました」
「これまでの戦争、特に厳しかった独英戦争も決して無駄ではなかったということですな。
しかし、今回は多少無理をしました。購入にも限度がありますので、この数はあくまで瞬間的な
兵力増強というのをお忘れなく」
「ああ、だが十分だ! シャカの兵力も激減しており、この生産力ならワシントンを落とすことができる!
同じ轍も踏まんぞ。ジェット戦闘機、数機を迎撃用にして待機。攻撃も数度に分けて行う!
ターンがあけたら戦闘準備! 爆撃機に支援要請、そして新生機甲師団、突撃だ!」
AD1992 ワシントン(シャカ)陥落! 占領!
ワシントンをルーズヴェルトに返そうかとも思ったが、三峡ダムがあったのでそのまま
維持することに。シャカと戦いっ放しだったのもあり、軍事教官が4人も定住していた。
AD1994 ドイツが戦略防衛構想を完成。
「さ、最初から作るつもりだったんだからねっ!? べ、別に前回の忍者の脅しが怖くて作ったとか
そういうんじゃないからね!?」
「はいはい」
AD1997 ボストン(シャカ)陥落! 占領!
「とうとうシャカが回線を開きました。属国のジョアンを持っているため降伏はしませんが……。
和平を提案しています。ニューヨークを譲渡すると」
「悪い話ではないな……流石に、強引に機甲師団を注ぎ込むのは限界だ。一旦どこかで
戦力を整えなければならなかったしな。ニューヨークは最前線。ここの範囲8マスを完全に
シャカの影響を排除した上で保持できるのならば……よかろう。ヤツと会おうではないか」
「…………」
「…………」
「もういい……ここまでです。これ以上闘えないのはお互いがよく知っている筈。
シャカ…貴方も今は去りなさい……。相討ちはあなたも望まぬでしょう」
AD1997 シャカ&ジョアン・フリードリッヒ、和平。
「フリードリッヒよ……今日が最後なのではない。今日が俺とおまえの戦いの始まりなのだ。
……さらばだ!」
「ジョアンは逃げ、残されたのは元の領土のみ……。シャカ、やつもまた孤独……」
シャカはきっとまたあらわれる……たぶん10ターン後あたりに。
男たちに休息はない……。
禁断の兵器、そして……
「本当は5,6ターンもあれば十分なんだけどな。ニューヨークに釣られて講和してしまった。
まあ、条件としては悪くない。シャカにあった2つのウランの片方を譲渡の都市圏によって奪取もできた。
建造物もそのままなので、建造済みの空港を活かし、各地から生産ユニットを空輸で集結。
また、占領したアトランタ・ボストンにも空港を建てるように。金で買って構わんぞ」
「ジェット戦闘機・爆撃機も再編。行動を取りやすいように配備しなおします。そして──
和平の年ですが、ステルスが完成しました。これにより、ついにステルス爆撃機が使用可能に。
アップグレードはドイツの都市でないとできませんので、ここの調整にも和平の時間は有難いです」
ステルス爆撃機。
攻撃力20。範囲は12とジェット戦闘機よりも広くなり、更に50%の迎撃回避能力を身に付ける。
ジェット戦闘機はお互いで潰せる物の、SAMや機械化歩兵の対空は戦闘機では潰せなかったため
これは地味でも非常にありがたい。
「それはそうと、エリザベスの研究技術がいつの間にか未来技術になってますね……。
こちらには何も渡してはくれないようですが」
「発達した科学は魔法と見分けがつかない──アーサー・C・クラーク。
放っておくとあのババア、剣で次元とか斬り出しかねんぞ。本当、早めに味方にしておいて
良かったな……」
また、この和平期間中にロボット工学を研究。機械化歩兵を出し、赤十字のあるウォール街都市
ケルンで主に生産。占領都市の防衛・維持用に数を揃えていく。
「主力の機甲師団には、現代機甲部隊のほかに、レーザーで解禁になった移動式SAM、
自走砲を加えます。これらは移動力が2と共に行動できるため、対空能力、攻城能力ともに
航空ユニットの負担を軽減してくれます」
そうしているうちに、あっという間に10ターンが経過。
時はAD2008──
「機甲師団、準備完了! ステルス爆撃機も発進準備! いつでも行けます!」
「よし、決着を付けに行くぞ! 宣戦を布告しろ!」
AD2008 フリードリッヒが再びシャカ・ジョアンに宣戦布告!
AD2008 オンディニ(シャカ)が陥落! ドイツに占領!
AD2011 ノンゴマ(シャカ)が陥落! ドイツに占領!
AD2011 ウルンディ(シャカ ズールー首都)が陥落! ドイツに占領!
「順調だ。一旦休戦を挟んだ分──生産力と技術で圧倒しているこちらは
より多くのユニットも手に入れ、完全にズールーの上を行っているな。特に自走砲と
ステルス爆撃機の強さは鬼に金棒だ」
「航続距離が長いというのもさることながら、爆撃機を越える空爆能力、迎撃回避能力は
素晴らしいです。どうしてもこの時代になるとSAM系をAIは多数配備してきますので
それをものともしないのは、最終ユニットに相応しいですね」
「自走砲も対空迎撃なんかハナから無視して攻撃可能。現代機甲と常に行動が一緒というのも
扱いやすい。これに移動SAMと機械化歩兵を少々混ぜればまさに向かうところ敵なしだ。
もう少し早く配備できていれば、先の戦いもかなり楽だったかもしれんな。
よし、ターンエン────な、なんだ、この揺れは!? 地震か!?」
「い、いえ、違います! これは──────!?」