AD2012──。ついに、シャカの手により核が放たれた。
進撃していた機甲師団たちはどうなったのか。
ついに戦いはクライマックスへ!
戦いの終わり
「状況を……報告しろ!」
「ズールー領南部海域より、潜水艦が侵入、アトランタ近郊において戦術核が炸裂──。都市には
甚大な被害が出ています。また、空輸した予備現代機甲部隊、支援ジェット戦闘機群、消滅──
係留していた航空母艦2隻も甚大な被害を蒙りました。…最早動かせません」
シャカも核分裂を研究していたが、和平後の開戦に間に合わなかったので安堵し、
その後はユニット操作に気を取られていた。
本土への警戒、陸軍侵攻先への偵察は欠かさずにやっていたが、その分、南の僅かな領海への
注意が散漫になったところを狙われた格好。
「くそっ、また不注意で……。ジェット戦闘機に通達! 即座にウランの改善を破壊!
全都市に核シェルターを配備! それと──」
「いえ、シャカ・ジョアン領内の残るウランはあれ一つのみ…。2ターン後到着の今向かっている
南部の都市を占領すれば接続は切れます。他に戦術核、ICBMは確認できず。シェルターは
1ターンで作成できる主要都市以外は、このまま艦船ユニットの増員や、ミサイル巡洋艦に積む
誘導ロケットの生産に切り替えましょう」
「むむ、今更となっては確かに海の安全を確保した方がいいのはそうだが…」
「主要工業都市のドイツ本土付近には飛行船・攻撃型潜水艦を配備し、敵影を探し続けています。万一、
それをくぐり抜けて核を落としてきたら…その時は、シェルターの扉を外から閉めに行きますよ。
前線は、残念ながら戦略防衛構想に頼るしかありません。後は一刻も早い進軍を!」
「よし──前線には余自らが立つ! 核が落ちるときは余も一緒だ! 続け!」
AD2012 クワデュクザ(シャカ)陥落! 占領!
AD2013 ウムグングンドロヴ(シャカ)陥落! 占領!
AD2014 ブラガ(シャカ)陥落! 占領!
改善は破壊してあるが、この都市を落としたことによりシャカ陣営最後のウランを奪取。
82体の現代機甲部隊と16体づつの機械化歩兵、自走砲、そして移動式SAMなどを
各方面に展開。ジェット戦闘機、ステルス爆撃機の支援の下、同時侵攻をかける。
また、誘導ミサイルを積んだミサイル巡洋艦3隻、攻撃型潜水艦を、東回り航路で
ジョアン・ズールー西部海岸方面へ展開。潜水艦の早期発見を兼ねて、ジョアン領などの改善破壊に回る。
AD2014 ブラガイオ(シャカ)陥落! 占領!
AD2015 ノバンバ(シャカ)陥落! 占領!
AD2016 大阪(シャカ)陥落! 占領!
AD2016 エヴォラ(シャカ)陥落! 占領!
同年、ジョアン(ポルトガル)がシャカのくびきから解放されて、独立!
AD2017 ラゴス(シャカ)陥落! 占領!
「遂にシャカの都市は次で最後となりました……。思い返せば、まさに宿敵でありましたな」
「…勧告を送ろう。核を落とされもしたが、彼は始まりから今まで、敬意を払うに値する強者だったよ」
「拒否……!? これだけ落とされても、まだなお、ですか……!」
「ここで貴様に屈するぐらいなら、最初から世界の制覇なぞ目指してはおらんわ!
戦場の勝敗を決めるのはただ鉄火のみだ! さあ、お前の覇道とやらを見せてみろ、フリードリッヒ!」
「あ、俺は降伏してもいいッスか。もう戦力ないんで──ひぎいっ!?」
「…経絡破孔の一つ、頭維を突いた……。お前の命はあと3ターン。
貴様に明日を生きる資格はない──。それまで黙って、次のシド星へ逝けい!」
「や、やだよ! あんなのとまた一緒に次のシド星への旅とか──うわらば!?」
「…よろしいのですね?」
「目標…ズールー最後の都市、ギマラネス! 全ドイツ機甲師団──ファイエル!(撃て!)」
AD2018 ギマラネス(シャカ)陥落! 占領!
「フハハハハ!!! そうだ、それでいい!!
俺は! 俺が想うまま! 俺が望むまま!! 野蛮であったぞ!!!」
AD2018 ズールー文明(シャカ)滅亡!
AD2019 リスボン(ポルトガル)陥落! 占領!
AD2020 1月 コロンビア(ポルトガル)陥落! 占領!
AD2020 7月 オポルト(ポルトガル)陥落! 占領!
AD2020 7月 ポルトガル文明(ジョアン)滅亡!
ここに、ドイツ帝国VSシャカ・ジョアン戦──完全決着。
終戦の報を受け、兵は散開。各前線都市にて維持に入る。
社会制度はキリスト像を使い、主従制・神権政治から表現の自由と信教の自由を採択。
各地では生産物を文化力に変更。旧ズールー領の都市も反乱のターンが終わり、
影響力を広げていく。そしてAD2021、1月──。
「お疲れ様でした……。このターンが終われば人口の規定と陸地の64%を突破。
制覇勝利となります。長い戦いでした」
「本当はもっと気楽に現代のユニットを紹介しながら遊ぶつもりだったんだがな。どこかの忍者のせいで
思わぬ薄氷渡りを続ける羽目になってしまった。まあ、緊張感のあるプレイができたということで
許しておいてやるか」
「やった! ついに誰にも屈することなく、鎖国を貫き通したぞ!
つまり、俺がヒーローだ!」
「うるさいよ。お前。最後まで空気だったくせに。おい、忍者。いるんだろ。
このエアーマン、とっとと、どこかにしまってきてくれ」
「ははっ。はーい、どんどんしまっちゃおうねー」
「まだちょっと時間もあるし、反省会みたいな物もやってみようか。
やっぱり最大の失敗はアレだな。その5でやった全滅。あれは酷かった」
「やはり、そのターンで致命傷を与えられなければ敵前でのターンエンドはいけませんね。
色々理由もつけましたが、数が多すぎたというのがシンプルにして最大のネックです。
潰した数も相当なので、丸きりの無駄ではありませんでしたが、まさかに反撃で全滅するとは
思いませんでした。油断の一言につきますね」
「後はあれだ。航空ユニットと近代艦船ユニットの使い方が実にヘッタクソだ。力技すぎる。
迎撃体勢のを残さずにジェットまで全機突撃してみたり、回復せずに無理に突っこみすぎたり。
スパ帝の群島戦記のように108式艦隊とまではいかなくても、航空母艦を含む大船団を
用意しただけでも随分違った筈だ。特に核を撃たれた潜水艦なんかは撃沈できてただろう」
「一応用意はしたんですけどね。航空母艦と合流する前に先発してた船団が敵戦艦・駆逐艦に
隘路を塞がれ孤立。敵航空ユニットの攻撃を受けて戦力低下し、反撃もままならず、全滅しました。
ここらも甘さが見えます」
「逆に重要性がわかったのは空港だな。航空ユニット枠を増やす効果もさることながら
空輸で、占領した都市にすぐ機械化歩兵を送り込んだり、集合指定とかしなくても戦力を即座に
集中できた。最後は独壇場だった自走砲、ステルス爆撃機も強力で、使ってて楽しかったぞ」
「反省点は言い出すとキリがありませんね。しかし、こうやって時代を変えたスタートをしてみると
今までには、なかなか味わえなかった時代の面白さが見えてきたのではありませんか?
では、名残はつきませんが、そろそろ締めと参りましょうか」
「ふふふふ、世界も制覇したし、研究も未来技術に進んだからな! もう文句はあるまい!
さあ、皆で行くぞ!
────『ドイツの科学力は、世界一ィィィ!!』 」
フリードリッヒ大帝(AD1700~)
300年以上の長きにわたって、ドイツ及びこの惑星の発展に貢献した人物。
工業化の流れに、他の列強に後れることがないようにと、非常に卓越した先見の明を持っており
資源が揃わぬうちからも、ドイツならではの工場や発電所等を建設。資金繰りが厳しい中でも
寿司屋や鉱物屋などを開業。初期は大した効果もなく、そのせいで人々に揶揄されることもあったが
全てが軌道に乗ってからは、そのおかげでドイツは誰にも負けぬ生産力を手に入れることになった。
機甲師団をこよなく愛し、また最新鋭の航空部隊らを編成して各地を転戦。
しかしいかに強大な相手であっても、決して核は作らず、撃とうとはしなかった。
勢いに任せて無謀なことをすることも多々あったが、その気さくな性格は兵士達にも愛され
彼に名づけてもらった機体を嬉々として乗り回す歴戦の兵もいたという…。
「──AD2021,July、とある科学相記す……」
ドイツ機甲師団、突撃! ~とある科学相の黄昏~ 完
「お疲れ様でした。感想などありましたらお待ちしております」