ルネサンスの巻「スパイ帝国フランス」
1370AD時点での世界地図
ROMANCE
「朕はブルボン朝のルイ14世、そしてフランス国家なり。ルネサンス時代の指導者に最もふさわしい。
さてまずは海外に進出するぞ。ガレオン船を建造し開拓者を作成、新大陸の植民地に入植させよ。
む?なにやら妙な気配がするのだがそこに誰かおるのか?」
「ご、ごめんなさい…。宮殿が広くてここまで迷い込んでしまいました。
わたくしは今夜の晩餐会で演じさせていただきます踊り子のマタ・ハリと申します。
すぐに楽屋の方に戻りますので、失礼致します。」
「待ってくれ、マタ・ハリとやら。近くで姿をよく見せてくれ。おお、なんと美しい。
一介の踊り子にしておくのはもったいない美しさ。そうだ今夜の晩餐会は中止にする。
しかし警護の者は一体何をしておるのだこのようにか弱い女性を簡単にここまで通すとは。」
「警護の方々は何かお忙しそうにしてらしたので気付かれなかったみたいです。
では晩餐会が中止となればわたくしなどはここにいてはいけませんね。街に戻ります。」
「待てと言っているのに、マタ・ハリよ。そなた朕の妻となる気はないか?
朕の力をもってすれば手に入らぬものはないぞ。踊り子なんぞやめて、
優雅な暮らしをしてみたいとは思わないか?」
「いえ、わたくしははるか遠くの国の巫女ではありますが、恐れ多い事でございます。
わたくしが陛下のお后になるなどとてもとても…。神がそうしろと仰せになれば
話は別ですが、そのようなことは教皇様でもない限りあり得ません。」
「ふむ。ならばローマ教皇に認めてもらえばよいという事じゃな?よし、決めたぞ!
ローマを手に入れてやろうではないか。そうすれば教皇も認めざるを得ないだろう。
すぐに軍を集めよ。ガレオン船で新大陸にいる軍も呼び戻しておけ。もちろん帰ってきた船に
開拓者を積んで新大陸に向かわせられるようにもしておくのだぞ。」
「……。」
フランスのローマ遠征。それは1つのロマンスから始まった。
軍事都市マルセイユに待機していたトレプシェット2をカノン砲に、剣士1と斧兵3を鎚矛兵にUGし、
弩兵2を加えた総勢8ユニットは国境を越えローマ教皇領へ進軍、ローマを包囲した。
ローマ駐留軍の長弓兵、長槍兵はフランス軍の前に敗れ去り、1450ADローマは陥落、占領された。
フランス軍はさらに1485AD独立都市ヴァネチアを破壊しイタリアを統一した。
「どうじゃな?マタ・ハリよ。教皇さえも朕の思うがままじゃ。さあ朕の妻となってくれ。」
「え、えっと…。そ、そういえば陛下はまだお城をお持ちではありませんね。
畏れながらヨーロッパの偉大な王は立派なお城をお持ちの事。
お城が完成したのならば考えないでもないのですが…。
まあ戯言ですのでお気になさらず…。」
「お、おお、ちょうど朕も城の1つや2つ持ってみたいと思っていたのだ。
よし、パリに城を築くぞ。急いで建設せよ。朕の力を諸国に見せ付けてくれようぞ。」
「……。」
1490ADパリに城が完成した。中世の段階で完成していたインターポールと合わせて
官僚制の恩恵を直接受ける首都パリの諜報力は125%の増である。
ローマにはバチカン宮殿があるので最大で40%スパイコスト減のボーナスも得られる。
フランスのスパイ王国への準備がここに完了した。
うれしはずかし朝帰り
「おい、マタ・ハリはどこに行ったのじゃ?せっかく城を与えてやったのに。
お前達あれほど彼女から目を離すなと言って置いたではないか。
すぐに探し出すのじゃ。今はまだ朝じゃ今日中に見つけよ。」
「それには及びません陛下。ちょっと眠れなくて散歩に出ていただけです。」
「マタ・ハリよ、夜中はあまり外には出かけないでくれ。賊に襲われるかもしれん。
それで結婚の返事はまだしてくれないのか?」
「もう少しだけ考えさせてください。それよりもよいものを差し上げますわ。」
「こ、これは!?紙の技術ではないか!いったいどこでこんなものを?」
「その警護の方が持ってらっしゃったのです。それをご報告しようかと。」
「え、私ですか?いったい何の事でs…」
「(しーっ!黙っていてください。あなたのお手柄にしてあげますから、ね&heart)
この方は恥ずかしがり屋さんみたいですのでわたくしから申し上げました。
でも素晴らしい事ですわ、ぜひこの方にご褒美をお与えくださいませ。
それとこれを機に諜報部門への予算を増やしていただけますでしょうか?」
「うむ、よかろう。それと護衛よ、おぬしには功績を称え爵位をくれてやろうか。
お手柄であった。これからもよろしく頼むぞ。」
1435ADからフランスは諜報スライダーに予算を最大70%まで注ぎ込み、
イギリス、オランダ、トルコを中心に各国にスパイポイントを割り振り、
技術を次々と奪取していくのであった。マタ・ハリの朝帰りの成果の賜物である。
さらにこれは天文学を秘匿しつつ欧州各国の技術開発を遅らせる作戦でもあり、
これにより各国の大航海時代は遅れフランスの植民地は拡大しやすい状況になった。
「ところで陛下、新大陸開拓計画をお考えでいらっしゃるようですが、
そのお話をお伺いしてもいいでしょうか?新大陸と聞いてワクワクしています。」
「うむ。まずフランスの勝利条件から話そうか。この地図を見てくれ。
2つ目の勝利条件は紀元1760年までにケベック、ハドソン湾地域に3つ、
ルイジアナ地域に1つ都市を建設し植民することだが、あくまでも1760年までの事。
それ以降は近隣国に譲渡もしくは独立させて放棄する。
都市数増加による安定度の低下が怖いからなぁ…。」
「わたくしの入手した…い、いえ、先ほどの警護の方のお話では、
北アメリカ大陸には安定度が高い地域が多いとの事。勝利条件より1つ都市を増やして
そのまま領土にしておくのがいいと、そうおっしゃっていました。
そうそうこちらの地図も持っていらっしゃいましたよ。」
「あの者はそんな事までしていたのか。すごい奴だな…。
まあイギリスは天文学の開発が遅れているからこちらが先に進出するのは可能だがな。」
「それと南アメリカも開拓する価値はあります。この地図のブラジルの部分に2箇所、
小さいですが黄緑色のタイルがあります。そこに都市を建てます。」
「ブラジルだと?そんなところに建てたらポルトガルが黙っていないだろう。
建てても離れすぎてて間に割り込まれるのがオチだ。」
「そこで北の方の都市に文化爆弾を落とします。そうすればもう一つの都市と合わせて
ブラジルのほぼ全域をカバーし、ポルトガルの入植する余地はありません。
ただしポルトガルは光学でキャラベル船が解禁されますからお早く殖民なさるのが
よろしいかと思います。…って、こ、これもわたくしの言った事じゃないですけど。」
「……。驚いたな…。あの者は後で大臣にでもしておくか…。
よし、その線でいくとしよう。では朕は宮殿に戻り入植隊の準備をしてくる。
ああ、それともう一度言っておくがもう朝帰りはやめてくれよ。」
「……。」
フランスは1420ADを皮切りに1610ADまでに南北アメリカに7つの都市を建設した。
ブラジルのフランス・エキノクスジャルに大芸術家を投下し、その大部分を領有させた。
また時代がさかのぼるが1380ADにアステカ、1455ADにマリ、1485ADにクメールを属国化し、
フランス領は一気に拡大していった。ちなみに1470ADには世界一周ボーナスも得ている。
ア・イ・シ・テ・ルのサイン~わたしたちの未来予想図~
「マタ・ハリよ。いい加減、朕の妻になってはくれまいか?
もうフランスは世界一の大帝国だ。その王の妻となれるのであるぞ。
うれしいとは思わないのか?」
「……。し、しかし、アジアには中国という強大な国があると聞きます。
畏れながらそこを取っていらっしゃらないのに世界一とおっしゃられるのはいかがなものかと…。
それに陛下の軍での勇姿はまだお聞き事がございませんし…。」
「うむぅ。そなたはまだ物足りないと申すのか。あいわかった。
中国に朕の力見せてくれるぞ。そのかわりこれが最後じゃ。
中国を滅ぼした暁には妻になってもらう、それでよいな?」
「……。わかりました…。そのときは陛下の后となりましょう。ご武運お祈りしておりまする。」
「よろしい。ではアフリカ回りでクメール領海を通り、中国沿岸に上陸する。
此度は朕自ら出陣するぞ!相手は大国、全軍油断するなよ。」
胸甲騎兵3カノン砲3長槍兵2の中国遠征軍は、1490AD、ボルドーを出港。
1540ADに中国広州沿岸に到着すると、フランスは中国に宣戦布告した。
この時点で中国は火薬を持っており、軍事技術においてはほぼ互角。
領土も8都市を有す大国であるが、1545ADには駐留兵の少ない広州を占領した。
「まずはめでたい。しかしもう一都市杭州を陥落させ中国の安定度を下げたいな。
しかしこう囲まれてては厳しいな…。華北からの増援が来るのも時間の問題か…。
都市包囲はしているがユニットの回復が間に合えばよいのだが、どうしたものか…。
「申し上げます!杭州で突如都市反乱が発生!敵都市の駐留兵は、
その鎮圧にてこずり都市防御度が0%に落ち込みました!」
「これは好機ですわ、陛下。軍を雪崩れ込ませるなら今のうちです、すぐに突入のお下知を。」
「何だと!?マタ・ハリか?なぜここにおるのだ、パリにおったのではないのか?
い、いや…それは後で聞くとして今は戦争に集中せねば、全軍杭州に突入せよ!」
マタ・ハリの都市反乱への支援により杭州は大混乱をきたした。
フランス軍はまだ広州攻めの傷は完全には癒えていなかったが、
それに乗じて突入占領し、1560AD杭州を破壊した。
フランスの勢いに脅威を感じた日本は1570ADフランスと属国となった。
2都市を落とされた中国はフランスと屈辱的な講和条約を結び難を逃れたが、
国力は大いに衰え、1675AD都市独立により滅亡した。
「さあマタ・ハリよ。約束通り結婚してもらうぞ。式の準備もそろそろ整う。
ああそうだこれを…。后としての戴冠式用の冠である受け取ってくれ。」
「まあ綺麗。今かぶってもよろしいでしょうか?
それと式の前に二人きりでボルドーのオペラハウスに一緒に参りませんか?
お后となれば自由にパリから出られなくなりますから。」
「結婚前の最後のデートが演劇鑑賞か。まあそれも悪くなかろう。
誰か門前に馬を1頭ひいてくれ。マタ・ハリと出かけてくるがすぐに戻る。」
ボルドーには1680ADオペラハウスが、また史実勝利条件2つの達成による
黄金時代の最中の1715ADには国立公園が完成した。
不幸、不衛生の心配がなくなったこの都市は後に多くの芸術家が雇われ、
数々の大芸術家が輩出されることになる。二人は同じ馬にまたがりそのボルドーに向かった。
その時のエピソードによればその途上2人は馬上でかぶっていた王冠をぶつけ合い
お互いの愛を表現したといわれ、「ア・イ・シ・テ・ルのサイン」と呼ばれたのであるが…。
「さて、ボルドーについたぞ。あの奥に見えるのがオペラハウスだ。
無論あれは朕が建てたものだ。どうだ、素晴らしいだろ?
…って、マタ・ハリ!?どこへ行ったのじゃ?
ん?朕の服に紙が…。何だこれは、手紙のようだな。」
『陛下。ここでお別れですわ。お元気で。それと陛下に差し上げるものがあります。
パリにお戻りになられればわかる事でしょう。陛下との思い出、とても楽しいものでした。
陛下は最後までお気づきになりませんでしたね、わたくしがフランスのスパイである事を。…』
「しまった!ここまできて逃げられるとは…。しかもマタハリがスパイだったとは…。
ううむ…こうしてはおれぬ。とりあえずパリに戻り探索隊を出すとするか。」
「おお、陛下。パリにお戻りになられましたか。一大事にございます。」
「何だこの街の騒ぎは?これは暴動か?」
「いえ陛下、これは暴動ではございません。革命でございます。
それとマタ・ハリ様からこれを陛下にと…。」
「なんと革命だと!?しかもこれは民主主義の技術…。
マタ・ハリ…そなたはなんという女性だ…。
…そういえば手紙を最後まで読んでいなかったな。」
『…わたくしは新大陸に行って参ります。わたくしが最後まで陛下との結婚を拒んだのは、
民衆により政治が行われる事がわたくしの、いいえフランスの未来予想図であるべきだからです。
もちろん革命の都市反乱を支援したのもわたくしです。
わたくしの今までのスパイ活動に免じてお許し下さい。サ・ヨ・ウ・ナ・ラ。 -マタ・ハリ
追伸:今回の副題はドリカムの曲のタイトルばかりを集めてみました。お気に召されました?』
1727AD、革命の炎がパリを襲った。ここにフランス絶対王政は終わりを告げる事となる。
ルネサンスの大スパイ、マタ・ハリはこの後アメリカニューヨークの街に姿を消した。
そのスパイポイントでフランスはアメリカからナショナリズムを獲得し、
ナショナリズムの申し子、ナポレオンが登場する事となる。
今回のフランスの花
マタ・ハリ(マルガレータ・ヘールトロイダ・ツェレ)(1876-1917)
「ありがとう、皆さん。さあ撃って!」処刑時の最期の言葉
ジャワ島の踊り巫女という触れ込みでオリエンタルスタイルの舞踊を演じ、パリで活躍したダンサー。
彼女はまた、多くのフランスやドイツの高級士官あるいは政治家を相手とする高級娼婦でもあった。
第一次大戦中にフランスで多くのドイツ人及びフランス人兵士を死に至らしめたとの容疑で逮捕され、
有罪判決を受け処刑されたが、彼女が独仏どちらにも有益な情報をもたらした証拠は何もなかった。
世界で最も有名な女スパイとなったマタ・ハリの名は、女スパイの代名詞となった。
今回のRFCまとめ(作者未プレイの文明も多数含んでいますので参考程度にご覧下さい。)
都市建設重視型(ローマ・日本・エチオピア・アラビア・クメール・オランダ・ポルトガル・アステカ)
ローマ:紀元450年の時点で、ブリテン島に1、フランスに3、スペインに2、北アフリカに2、
イタリアに3の都市を支配している。
日本:紀元1500 年の時点でスコアがトップになっている。
紀元1700年の時点で本州のスクエアに外国文化が存在しない。
エチオピア:紀元1500年、紀元1910 年の時点でアフリカの東部および亜赤道帯に
ヨーロッパの植民地が存在していない。
アラビア:イスラム教を40% まで広める。
クメール:仏教を30% まで広める。
オランダ:オーストラリアに最初に都市を築く。
紀元1775年までに、香辛料資源7つを確保、または交易により手に入れる。
ポルトガル:ヨーロッパの植民地をさらに10 か所建設する。
アステカ:紀元1700年の時点で、中米、南米、カリブ海にヨーロッパの植民地が存在していない。
達成年代期限が早いローマや陸続きの都市建設で達成できるエチオピア、
そしてガレー船のみで領土拡大できる日本とアステカは開拓者の生産を最優先にし、
「奴隷制」や森林伐採よる緊急生産を重視していきましょう。
国教伝播が条件のアラビアも同様ですが、占領時のボーナスを活用する手もあります。
同じ国教伝播が条件のクメールは海外進出が必須となります。海外の都市に僧院を建て
宣教の拠点としておきましょう。またオランダ、ポルトガルと同様、天文学の獲得は、
技術研究の最優先課題となります。ルートの技術は秘匿し海軍力で負けないようにしましょう。
重要な要素はまずは裁判所や紫禁城、夏宮など都市維持費の削減できる施設の建設です。
社会制度に関しては遠方に都市建設するのであれば「移住政策」、
近隣の場合は建設直後の経済力の低さをカバーするために「連邦体制」を採用ししょう。
また多くの都市を建設した後は「代議制」や「官僚制」の採用は極力避け、
「国民国家」を採用し、都市数増加による安定度の低下を防ぐ事が重要です。
また文明によっては勝利条件を達成した後に余分な都市を独立させてしまう手もあります。
工業化時代の巻に続く。
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