ララー・ジンジャル : ……うわ!?
な、なにこれ……? 熱いっ……!!
ララー・ジンジャル : す……すみません、思わず落としてしまいました。
ソウルクリスタルが熱を持つなんてことは初めてで……!
熱反応が落ち着くまで、少し待ちましょう……。
ララー・ジンジャル : ふう……ようやく反応が収まったようですね。
それにしても興味深い現象ですわ……。
ララー・ジンジャル : あれほどの強い熱反応、魔法大学でも見たことがない……。
Tobariさんに反応したというの……?
ララー・ジンジャル : 盗まれた技術情報というのは、
こちらと同じ、「賢者」のソウルクリスタルです。
これは本国の医療機関から譲り受けてきたものなのですが……。
ララー・ジンジャル : あの……Tobariさん、
あなたは、これまでの冒険のなかで、
誰かを救いたいと、強く、強く……願ったことがありますか?
ララー・ジンジャル : ……それが叶わず、
自分の至らなさに失望したことが……
あるのではないでしょうか?
▼救いたかった人を目の前で失ったことがある
ララー・ジンジャル : 不躾な質問をしてしまったことを、どうかお許しください。
……ですがやはり、「賢者」のソウルクリスタルが、
あなたの秘めた想いに呼応したとみて、間違いないようですわ。
ララー・ジンジャル : 賢学とは、シャーレアン魔法大学において創出された、
医学、エーテル学、魔法学を統合した複合学問のことを示します。
そして、その知識を極めた者を「賢者」と呼ぶのです。
ララー・ジンジャル : 「医学」により肉体の仕組みを、
「エーテル学」を通じて魂の仕組みを解き明かし、
「魔法学」の知恵により、肉体と魂に影響を与えるわけです。
ララー・ジンジャル : それゆえに賢学の知識は、
肉体を強化する術や、癒しの術にもなり得るのです。
あるいはその反対をもたらす恐ろしい術にも……。
ララー・ジンジャル : ……Tobariさん。
他者の生殺与奪の権を握る覚悟がありますか?
ララー・ジンジャル : 「賢者」の知識を正しく使うと、誓いを立ててくださるのでしたら、
このソウルクリスタルを、あなたに託したいと思います。
そのお心が決まりましたら、どうか私にお声がけください。
『賢者の誓い』
ララー・ジンジャル : ソウルクリスタルから、古の知識が流れ込んだようですね。
それではまず、賢者が操る武具……
「賢具」について、少しご説明いたしましょう。
ララー・ジンジャル : 古の時代、まじない師たちは、
アダーストーンと呼ばれる霊的な力を秘めた天然石を、
術を行使するために利用していたといいます。
ララー・ジンジャル : 病に倒れた者の周囲に、数個のアダーストーンを並べ、
魔力の結節点として利用したのだとか……。
簡易的な魔法陣というわけですね。
ララー・ジンジャル : その発展型に位置するのが、現在の賢具……
アダーストーンと同じ性質を秘めた材質が使われ、
数本の短杖で構成される魔具です。
ララー・ジンジャル : これらを空中に展開して、立体魔法陣を構築、
高度な術を行使するのです。
『賢者の誓い』
ララー・ジンジャル : ……ときどき、考えてしまうのです。
賢学は、人類の進歩を促す学問であり、人を癒やす術です。
だというのに、なぜ戦いに適した術も含まれているのか……。
ララー・ジンジャル : ……彼らにも、ルイゾワ様やドクター・ファルドリネのように、
本国の方針に背いてまで、救いたい何かがあったのでしょうか?
ララー・ジンジャル : ソウルクリスタルに込められた願いに、耳を傾けてみてください。
あなたが守りたい人を、その手で救えるように……
きっと歴代の賢者たちが、智慧を授けてくれますわ。
『賢者の短杖』
ロイファ : どうだ、賢者の使命とやらを感じるか?
……儚き生命の導(しるべ)となり、人の進歩を目指す賢き者。
己が手の届くかぎりの命を救い、守り、そして生かす……。
ロイファ : 生かすこと……この罪の重さが、お前にわかるか?
ファルドリネ : これは参りましたね……随分と知った風な口を利くものです。
ファルドリネ : 「罪」とは、価値ある命の綻びを前にして、何もできぬこと。
肉体と魂の滅びの前に、人は為すすべもなく命を落とします……。
そんな不合理に抗うすべを手にすることが、賢学の目指すところ。
ファルドリネ : 理解しましたか?
したのなら、供された尊い命も……報われることでしょう。
ロイファ : 黙れ……!!!
『それは毒か否か』
最終更新:2022年01月29日 02:41