アモン : ……ですが、私はヘルメスだから終末を呼んだわけじゃない。
アモン : 私は、私として生き、この心で苦しんだ……
絶望した……見切ったんです。
アモン : かつて偉大な皇帝と、彼が導いた超大国が示しました。
最後に待つのは無であると。
生きるのはただ、そこに至る道程でしかないのだと。
アモン : ……だったら何故生きる?
アモン : 他者を踏みつけ、足蹴にし、傷つけながら、
どうして生き続ける必要があるんだ?
アモン : 人はあらゆる言葉で生を讃えるが、
見てみろ、人生の大半は暗澹たる闇の中だ。
アモン : しかもその闇を、自分たちで吐きだしているときた。
まったくもってたちが悪い。
アモン : だったらもういい、やめてしまえばいい……!
アモン : この星に生きる、いつまでも、どこまでも愚かな人類が、
誰ひとりそれを謳わなかったとしても……
終わることこそ、ただひとつの正しい答えだ!
アモン : それが正しいと……真理だとわかっているのに……。
アモン : どうしてこんな、口にするたび、
何かに負けたような気がするんだ……。
アモン : これじゃないなら、私は何を求めていた……?
アモン : どういう結果ならよかったんだ……。
アモン : 自分が……待っていたのは……
アモン : 望んでいたのは、どんな答えだ……?
『すべての子らよ』
ハイデリン : よくぞここまで辿り着きました……。
▼久しぶり、ヴェーネス
ハイデリン : あなたは……エルピスに行ったのですね。
ハイデリン : 私たちの時間が、やっと、ここで繋がった……。
ハイデリン : わかりました。
では、その上で、あえてあなたたちに問いましょう。
ここへ来た目的を……。
アリゼー : ハイデリン、あなたは終末が再来したときに備えて、
脱出船としての月を準備していたのよね。
アリゼー : でも、本当にそれですべてなの?
私たちは逃げたくない……
鏡像世界も含めて、この星を救いたいの!
ハイデリン : そうですね……
逃げるのは、人が取り得るふたつの選択、
その片方にすぎません。
ハイデリン : もうひとつの道は、
メーティオンが巣くう天の果てへ向かうこと。
終焉を謳うものたちと、直接決着をつける方法です。
ハイデリン : ……しかし、そこは彼女たちが支配する、
デュナミスで構築された宙域。
ハイデリン : 想いだけが力となるその場所では、
どれほどのエーテルを有し、強大な魔法を繰ろうとも、
決して彼女たちに勝つことはできません。
ハイデリン : かの空間に集められた、先ゆく星々の絶望、苦しみ、悲しみ……
それらに抗えなければ、行くだけ無駄。
あえなく全滅するでしょう。
アリゼー : そんなの平気よ、私は屈したりしないわ!
アリゼー : ……なんて、昔なら言えたかもしれないけど。
アリゼー : 旅の中には、確かにあったわ。
どうしようもなく悲しいこと……
恐れるなって言い聞かせても、足がすくんだこともね。
アリゼー : あの想いを、なかったことにはできない。
絶対に大丈夫だなんて言えない。
アリゼー : そんな私たちじゃ、逃げる道を選ぶことしかできないの……!?
ハイデリン : ……いいえ。
あなたたちは、だからこそ可能性を持つのです。
ハイデリン : かつて、アーテリスよりも栄えた多くの星々が、
負の感情のない楽園を作り出そうと試みました。
ハイデリン : 悲しみや怒り、争いや破滅、死や絶望……
そういったものを排除しようとして、失敗したのです。
メーティオンの報告によれば、ひとつの成功例もなく。
ハイデリン : だとすれば……それらの闇は、
決してなくならないものなのでしょう。
ハイデリン : どれほど理想を突き詰めていっても、
すべてを消し去ることはできないのです。
ハイデリン : だから生命は、必ず絶望する。
ハイデリン : するけれど……しない誰かがいたのなら、繋いでいけます。
ハイデリン : あなたたちだって、そうしてここに至ったのではありませんか?
ハイデリン : 完璧な正しさは存在しなかった。
その理想が打ち砕かれたとき、
傍らに立つ者に、手を差し伸べられた。
ハイデリン : 己の力は、望みに足りはしなかった。
無力に苛まれたときも、目指す背中は揺るぎなかった。
ハイデリン : 大切な者は、その手をすり抜けていった。
けれども愛は継がれ、新たな希望に巡り合えた。
ハイデリン : 言葉は本質から遠く、あなたを悩ませた。
その心を理解してくれる者たちがいた。
ハイデリン : 真実は容易にねじ曲がり、失われる。
そう知ってなお探求が止まなかったのは、
わずかでも触れたいと願えるものに出会えたから。
ハイデリン : 憎しみは、自他を燃やし尽くした。
真っ白な灰の中に、小さくもあたたかなものが遺った。
ハイデリン : 大きな災いに対し、人はあまりに非力だった。
それでも数多の手に引かれ、押されて、
今、新たな地平を臨んだ。
ハイデリン : あなただって……どこで折れていても不思議ではなかった。
苦難は十分にありました。
ハイデリン : けれど、ときに旅の続きを想い、この世界で会う誰かを想い、
託されたものを糧にして、あなたは立ち上がってきた……。
ハイデリン : そうして絶望を知り、
いずれ終わりがくることを知りながらも、
皆で歩み続けていけることこそが……
ハイデリン : 今の人が勝ち得てきた力。
終焉を謳うものに対抗しうる、強さなのです。
アルフィノ : では……!
私たちは、終末を止めに行くことができるのですか……!?
ハイデリン : その資格を得るに、かぎりなく近いでしょう。
ハイデリン : ですが……
ハイデリン : 人を天の果てに送るのは、至難の業。
やり直しは利かず、仕損じれば二度目はありません。
ハイデリン : ゆえに私は、星の意志として問わなければならない……
ハイデリン : あなたたちの決意を。
強大な相手を前に、幾度倒れ、毀たれようとも、
皆でなら戦い抜けるという確信を。
ハイデリン : 旧き神にすら屈するようならば、
天の果てで待つ者たちに挑むべくもない。
ハイデリン : 月に乗り、星(わたし)を棄てて、どこへなり逃げるといいでしょう。
ハイデリン : さあ……構えなさい!
エスティニアン : どれほど大層な試練を言い渡されるのかと思えば……
なるほど、わかりやすくていい。
サンクレッド : その分、ごまかしも利かないがな。
サンクレッド : ……まあ、耐えてみせるさ。
なにせこっちには、諦める理由がない。
ウリエンジェ : くずおれそうなら、支えましょう……。
微力でも、そのために力を培ってきたのですから。
ヤ・シュトラ : まったく、あなたたちときたら……
相手は最強の蛮神のひと柱、星の意志だとわかっていて?
ヤ・シュトラ : でも、ええ、私も負ける気はしないわね。
グ・ラハ・ティア : 全力でいただいてくぞ……!
すべての世界を救う、最後の可能性……星と命の未来を!
ハイデリン : エルピスでは聞けずじまいだったことを、
今一度、あなたに問いましょう。
ハイデリン : あなたの旅が、良いものであったなら……
勝利を以て、示しなさい!
『すべての子らよ』
アリゼー : ハイデリン、あなた……やっぱりもう、力が……!
ハイデリン : 星の意志として、未来の番人として、
この一戦をきちんとやり遂げるだけの力は、
残してありました。
ハイデリン : だから、大丈夫……。
あなたたちは正しく試され、正しく打ち勝ったわ。
ヤ・シュトラ : ……本題に入る前に、ひとつ教えてもらえるかしら。
ヤ・シュトラ : あなたが世界を14に分割した理由……
それはもしや、エーテルが薄弱な生物の方が、
デュナミスに干渉しやすいからではなくて?
ヤ・シュトラ : あなたは、一度終末に打ちのめされた人類が、
今度こそ絶望を受け止められるようになることを、
願った……信じた。
ヤ・シュトラ : それが遂げられたとき、
デュナミス渦巻く天の果てへと終末を止めに行けるように、
世界ごと命を創り変えたのでは……?
ハイデリン : さて……私の行いは、どうあれ人に課した試練。
多くを破壊し、多くを苦しめた……
優しさや正当性で語られてはならないものです。
ハイデリン : それに、事実、ゾディアークはとても強かった。
星を巻き込むくらいの全力でいかないと、
どうにもなりませんでした。
ハイデリン : 大切なのは、私が何をしたかではなく、
あなたたちが今、私を乗り越えたということです。
ハイデリン : だから、逃げずに立ち向かう方法を……
すべての命運を、その手に託します。
ハイデリン : そこには、私が割り出した、
メーティオンの軌跡が記録されています。
ハイデリン : 天を航行する術を学んだレポリットたちならば、
向かうべき座標を割り出し、案内してくれることでしょう。
アルフィノ : しかし、私たちは実際にそこへ到達できるのだろうか……。
天の果てというくらいだ、月に行くよりずっと困難だろう。
アルフィノ : メーティオンのように、
デュナミスを使って翔ぶわけにもいかないだろうし……。
ハイデリン : ええ、エーテルを動力とする場合、
目的地に到達するために必要な量は、
並大抵のものではありません。
ハイデリン : ……ですが、あなたたちはすでに、
解決法を目の当たりにしているはずですよ。
アルフィノ : まさか……!?
ハイデリン : ええ、そのまさかです。
ハイデリン : 私は星の意志となって以来、
この場に満ちるエーテルを少しずつ結晶にしてきた……
ハイデリン : ここへ精神を繋げた超える力の持ち主たちは、
必ず「それ」を見たでしょう。
ハイデリン : そして姿を顕さない私に代わり、
「それ」を星の意志の象徴として捉えたのです。
ハイデリン : マザークリスタル……
この星が蓄えてきた、反撃の切り札。
あなたたちを、天の果てへと運ぶ力です。
ハイデリン : けれど、私が手を貸せるのはそこまで……。
行った先で待ち受ける、絶望の闇の中は、
あなたたち自身の力で、進んでもらわねばなりません。
ハイデリン : だから、必ず覚えていてください。
ハイデリン : 誰かの歓びが、誰かの悲しみであるのなら……
あらゆる人が絶望する中で、
あなたひとりが希望を抱くことも、あるのだと。
ハイデリン : 最後にもうひとつだけ、あなたへ……
どうか、近くまで来てもらえませんか……?
ハイデリン : ……今日までの永い時間、
星の未来を繋ぐ方法を探してきました。
ハイデリン : 幾度となく窮地に陥ったとき、
あなたから聞いた冒険の話や、あなたとの約束が、
どれだけ私に勇気をくれたことか。
ハイデリン : 世界が変わっても、そこに何かを求めて旅をする者がいる。
別の歴史だったとしても、未来のために戦う者がいる……。
ハイデリン : ただそれだけで、私は何度だって、
人を信じ直すことができたのです。
ハイデリン : ありがとう……。
ささやかですが、心をこめて、お礼をさせてください。
ハイデリン : アゼムの術が込められたクリスタルを、持っていますね……?
ハイデリン : 私、ハイデリンの司る力は、停滞、鎮静、平穏……
つまりは、存在を固定するものです。
ハイデリン : その力をアゼムの術式に組み込むことによって、
数度かぎりではありますが、
姿なき者を喚び、形を与えることができるでしょう。
ハイデリン : 星海の道すがら、あなたに応えた魂のように……
肉体なき者でさえ、喚び寄せられるかもしれません。
ハイデリン : ……けれど、アゼムの術は、
あくまで使う人の願いに応じるもの。
望みを持っていてこそ、力を発揮します。
ハイデリン : 「自分でさえ結末を思い描けなくなったとき、
先を拓いてくれるのは、その術で喚ばないものだ」
ハイデリン : 術のもとの持ち主は、そう言っていたわ。
ハイデリン : ……託せるものは、今度こそこれですべて。
ハイデリン : お願い、どうか……約束を……
あらゆる時代を超え、積み重ねてきた、人の答えを……
ハイデリン : 私たちは終わるものかと……
終焉を謳うものに、叩きつけて……!
▼人はもう大丈夫だ、ヴェーネス
ハイデリン : ええ……ええ……!
よく知っているわ、たくさん見せてもらったもの……!
ハイデリン : 私は、きっともう、魂も残らないけれど……
ハイデリン : 私の想いが、いつまでも、愛しき子らを護りますように……。
『すべての子らよ』
アルフィノ : ……ふたりとも!
アルフィノ : 私は、この家を出てから、多くの失敗をした。
取り返しのつかない、償えないような過ちも犯した。
アルフィノ : それでも再びこの場所に立った今、
君たちが、仲間として隣にいてくれる……。
アルフィノ : ……ありがとう。
これも、後回しにせずに、伝えておきたかったんだ。
アルフィノ : すまない、これはまだ言うべきじゃなかったかな……。
エスティニアン : 礼を言うのはこっちの方だ。
エスティニアン : お前たちが馬鹿正直に諦めなかったから、
俺は生きて、ニーズヘッグの想いまで連れてこられた。
エスティニアン : ……感謝してる。
▼友を救えたね、アルフィノ
アルフィノ : ああ……私の誇りだよ……!
『最後の休息』
クルル : ……欲張りかもしれないけどね、星が救われるだけじゃなく、
あなたたちにも幸せでいてほしいの。
クルル : たくさん笑って、ときどき泣いて……
好きなものを食べたり、こうして穏やかに眠ったり。
クルル : 新しいことに胸をときめかせて、
見慣れた街並みには、ほっと胸をなでおろす……。
クルル : そういうことを、たくさん積み重ねていってほしい。
ときには仲間や、大切な人と一緒にね。
クルル : だから……約束。
この先どんな困難があっても、
幸せになることを、決して諦めないでね。
クルル : その気持ちは、大きな戦いに臨んだとき、
きっと最初に忘れられてしまう……。
クルル : でも、最後には、いちばん力をくれるものだと思うから。
絶対の絶対に、心に刻んでおいて。
『最後の休息』
アルフィノ : 行こう、月より遠い、天の彼方へ……!
アルフィノ : ラグナロク、発進ッ!!
『天の彼方へ』
メーティオン : ねえ、どうして?
待っていれば終わりにしてあげたのに、
なぜ飛び出してきてしまったの……?
アリゼー : その「終わり」を、望んでないからよ……!
メーティオン : わからないわ。
生命は移ろって、最後には必ず終わるものでしょう……?
メーティオン : 長く苦しんでから死ぬよりも、
潔く終わりにした方がいいじゃない。
メーティオン : 悩んで、もがいて、がんばったって、何になるわけでもないし。
必死に掴んだ幸福も、積み重ねてきた進歩だって、
たとえば星が寿命を迎えるようなときには、跡形も残らない。
メーティオン : 生きることに意味はないのよ。
偶然に寄り集まった熱が蠢いていることを、
あなたたちが勝手に、素晴らしいと謳っているだけ……。
メーティオン : 拒まないで……?
あなたたちだって、夜、星の海を見上げれば理解できたはず。
メーティオン : 宇宙の本質は、すべらかな冷たい闇、静かな無……
星や生命は、そこに点々と生じた膿にすぎない。
メーティオン : 生きるということは不自然で、だから、
到底うまくできるようになっていないの。
おとなしく、在るべき形にかえりましょう……?
『天の彼方へ』
そして 探求せし人々は 終わりの幻想に辿り着く
ひとつずつ重ねられてきた旅路 その歴史が
厭というほど私に知らしめてきた
幾度幕を閉じれども 進むことを志す者がいるかぎり
新たな世界は始まるのだと
だからこそ 彼らに終えてもらうとしよう
さぁ 私たちの舞台――
星と命の物語の フィナーレだ
『天の彼方へ』
ウリエンジェ : サンクレッドの行方を、ご存じなのではありませんか?
メーティオン : おかしなことを聞くのね。
彼なら、すぐそばにいるでしょう?
メーティオン : そこにも……ここにも……この宙域の、どこにでも。
形はなくなってしまって、言葉も交わせないけれど……ね?
メーティオン : ああ、嫌悪と不安の味がする……。
あなたたち、自分がどうしてそこに立っていられるのか、
ちっともわかっていなかったのね。
メーティオン : 私、アーテリスに贈っている終末と同じに、
デュナミスであなたたちのエーテルを喰らいつくそうとしたの。
メーティオン : まず最初に、息もできないのに飛びかかってきた、
あのサンクレッドって人からね。
メーティオン : 人ひとりなんて、消すのはあっという間だわ。
彼は瞬きする間も、異形になる余地すらなく消し飛んで……
メーティオン : だけど、ほんの一片だけ、残ってみせたのよ。
メーティオン : 心……魂……そういう、核となる部分……
彼はそこで、この期に及んで、曇りなく想っていたの。
メーティオン : 護る、と……。
メーティオン : その想いはデュナミスを動かしていた絶望より強かった……
だから、逆に侵食されて……
この宙域が創りかえられてしまったわ。
メーティオン : あなたたちが認識できる形に……
生命の存在が許された空間に……。
メーティオン : 今、呼吸ができているのなら、
それは彼の魂が、まだ消されずに抗っている証よ。
いつまで続けられるかは、知らないけれど。
エスティニアン : だったら、とっとと用事を済ませるまでだ!
メーティオン : 無駄よ、本当の私には届かない。
メーティオン : 言ったでしょう?
ここは想いだけが真実となる世界……
多少創りかえられたところで、その本質は変わらない。
メーティオン : 見えているだけじゃ触れられないし、
歩いているだけじゃ進まないわ……。
『■と敗北■侵さ■■星』
ウリエンジェ : …………肉体を失い、魂だけとなることを、何と呼ぶか。
私とて、知らぬわけではございません。
ウリエンジェ : ですが私たちは、第一世界において、
それと近しい状態にあったのです……。
ウリエンジェ : あのときとは事情が違うとわかっていても……
嘆いて立ち止まるよりは、信じたい。
彼は「生きて」私たちを護っているのだと……。
『■と敗北■侵さ■■星』
アル・エンド : やはり、どれほど遠くへ飛ぼうが、そんなものだ。
アル・エンド : 血の海は満ち続け、痛みは止め処もない。
壊し、壊され、戦いの輪廻は巡り続ける……。
アル・エンド : ならば、高潔な竜として……
そうあった者の最後の矜持として、その輪廻から抜けよう。
アル・エンド : 我らは己が断絶を以て、繰り返される戦いを否定するのだ……!
エスティニアン : ……確かに、うちの星にもそんな道を選べる奴がいたら、
俺は家族を喪わずに済んだだろうよ。
エスティニアン : だがな、本当に平和を願ってる奴は、
そんな風に何もかも諦めて、メソメソと燻っていたりしない。
エスティニアン : 理想を持って、ぶつかって、傷ついて、
それでも武器より先に手を差し伸べようとする……
エスティニアン : そうしてこそ悲しみの連鎖を断ち切れると、
俺を救った男が、命を張って示していた……!
エスティニアン : お前たちのやっていることは、高潔でもなんでもない。
不貞腐れたガキの負け惜しみだ。
エスティニアン : それっぽっちで……
譲れないものを背負って戦い抜いた、
俺とコイツを止められるものかよ!
アルフィノ : エスティニアン……ッ!
エスティニアン : 近寄るな!
エスティニアン : なるほどな……
こいつが、この場所を行き止まりにしていた想いか。
エスティニアン : 行け、相棒……!
アリゼー : そんな……エスティニアンは……!?
グ・ラハ・ティア : 風が、吹いてる……?
アルフィノ : 動き出したんだ……。
ここはもう、行き止まりじゃない……!
アルフィノ : 創りかえたんだ……サンクレッドがしてくれたように……
彼が……エスティニアンが……!
アリゼー : アルフィノ……。
アルフィノ : 行こう……風の吹く方へ……!
私たちを、必ず、先へ導いてくれるはずだ……!
『尊厳と平和』
ウリエンジェ : ですが「行き止まり」を生成するにあたっては、
ここが終点であることを強く願う存在が欠かせません。
ウリエンジェ : 今後、また進む道が見つからないようなことがあれば、
「この場所で終わりを願っているのは誰か」
という点に着目してみてください。
グ・ラハ・ティア : ……なんで、それを今、オレたちに言うんだ。
ウリエンジェ : Tobariさんを選んだのは、
隠しごとをしないと、誓ったからです。
一度くらいは、ちゃんと果たしませんと……。
ウリエンジェ : あなたを選んだのは……そうですね……
水晶公と結んだ密約の、対価でしょうか。
ウリエンジェ : 私はかつて、水晶公の信じた道を……
あなたの犠牲によって世界を救うという策を、
共犯者として受け入れました。
ウリエンジェ : だから今度はあなたが、
己の良しとする結末に向けて進む私を、
どうか受け入れ、見守ってほしい……。
グ・ラハ・ティア : そんな風に言われたら、断れるわけないだろ……!
ウリエンジェ : ……はい。
姑息な手を使った私を、どうかお許しください。
ウリエンジェ : そうまでしても、気づかぬふりはできないのです。
私の中に見つけたもの……ここまで生きてきて得た真実……
ウリエンジェ : どんなときならば、私は強く立てるのかという、答えに……。
『文明の発展』
ヤ・シュトラ : ……あなたたち、落ち着いて聞いて頂戴。
ヤ・シュトラ : じき私の身体も消える……
それをもとに戻す方法について、心当たりがあるの。
ヤ・シュトラ : ハイデリンの力を受けた、アゼムの召喚術。
魂さえ残っていれば、それで私たちを喚び戻せるかもしれない。
ヤ・シュトラ : でも駄目、それでは道がまた途絶えてしまう。
あえてこの話をしているのは、可能性に気づいても、
使わないと約束してほしかったからよ。
ヤ・シュトラ : 私たちは、全員の力で勝ちにきた。
だからこそ、託されたときは進みなさい……ただ前へ!
ウリエンジェ : ご一緒させてください。
諜報活動でもなし、人が多くて困ることはないでしょう?
ヤ・シュトラ : ウリエンジェ……。
ウリエンジェ : ……私は、あなたほど堅固な意志を持ちません。
迷い、後悔することも少なくない。
ウリエンジェ : されど、こんな私でも誰かとともに在り、
背中を押すことができる……
ウリエンジェ : それを……この旅で学んだことを、信じたいのです。
ウリエンジェ : 幸いにして、数多の預言詩を学んだ身……
事実を婉曲にし、解釈の幅を持たせることにかけても、
少々自信がございます。
ウリエンジェ : 私は願う……
あなたやサンクレッド、エスティニアンに抗う力を。
そして残る者たちに、進む力を与えんと!
ヤ・シュトラ : ……確かに、悪くないわ。
ちっとも負ける気がしないもの。
『文明の発展』
最終更新:2023年11月13日 02:36