見よ 獣は解き放たれた
それらは人々を殺し 街を焼いた
明日は燃え殻となり塵となった
滅びは影のように速い
すべてが失われようとしていた――
『燃える空』
マトシャ : み、みんな!
ここは、その、プルシャ寺院だす!
マトシャ : だから、あの、本物の神獣様と繋がってて……
つらいことに負けたくなければ、訓えを思い浮かべるんだす!
マトシャ : そう、「神々の最初の訓え」だす!
この島のみんななら、悲しいときや苦しいとき、
いつも唱えてきたはずだす……!
気丈に振る舞う少女 : ……産まれし者よ聞け。
生とはただ美しきものにあらず。
気丈に振る舞う少女 : 生ける者は苦痛を知り、災難を知り、絶望を知る。
あらゆる辛苦は降りかかり続ける。
パーラカの里の老人 : 焼けた道を行けど褒賞はなく、
道の傍らにはいつも、死が口を開いている。
パーラカの里の老人 : それらはお前を恐れさせ、嘆かせ、苛み、悩ませるだろう……。
パーラカの里の少年 : だが、目を閉じてはならぬ。
かくのごとき生を見据えよ。
パーラカの里の少年 : お前を打ちのめしている辛苦は、
しかし、お前を弱くはしていない。
動揺した様子の少女 : ひとつひとつが、焼けた鉄に振り下ろされる、鎚に似て……
動揺した様子の少女 : お前を、強き……強き剣と、成すだろう……。
『焼けた道と傍らの死』
マトシャ : 怖くない……怖くない……怖くない……ッ!
マトシャ : 生ける者は苦痛を知り、災難を知り……。
マトシャ : 道の傍らにはいつも、死が口を開いている……!
マトシャ : い、嫌だ……怖くない! 怖くない! 怖くないってば!
マトシャ : お前を打ちのめしている辛苦は……
しかし、お前を弱くはしていない……!
マトシャ : 焼けた鉄に振り下ろされる鎚に似て、
お前を、強き剣と……
マトシャ : 強き……剣と…………
マトシャ : え……?
マトシャ : かみさま……?
ヴリトラ : ……いいや。
だが、君たちを護る者だ。
『君を護る者』
ニッダーナ : 人が獣に転じるとき、エーテルが消失する……
なら、あの獣はなんで活動できているのかって、考えてたんだ。
ニッダーナ : 単純に考えれば、エーテルに代わる活力があるはず。
そのときふとね、最近キミたちと、
エーテルとは異なる力の話をしたなって思い出したんだ。
ヤ・シュトラ : 確か……アーカーシャ、だったかしら。
目には見えない、天より下りし力……
ヤ・シュトラ : 想いが動かす力……!
ニッダーナ : そう、負の感情によってアーカーシャが動かされ、
人を獣に変えたり、エーテルもなしに活動させてる……
そんな可能性もあるんじゃないかって。
ニッダーナ : ねえ、まだあの花を持ってる?
ニッダーナ : ……その花が、
周囲の人の想いによって動いたアーカーシャを捉え、
それによって輝きを変えていたのだとしたら。
ニッダーナ : 存在が耐えきれないほどの強烈な力が、
ここに渦巻いていたんじゃないかな。
不安や恐怖、絶望を呼び水としてね。
『暗闇を彩りながら』
ひとときの休息は過ぎ去り
ついにそのときが来る
さあ すべてを明かしに行くがいい――
終わりを巡る 始まりの地へ
『この世界の終末』
最終更新:2023年10月09日 15:10