月の監視者 : よく来てくれた、Tobari。
それに、初めての来訪者たちも。
クルル : 月の監視者さん。
ハイデリンをよく知るあなたに、お聞きしたいことがあります。
クルル : 私たちは、神域にある碑文を解読しました。
そこに記されていたのは、十二神それぞれの役割、
そして、「監視を司る、名を得ぬ者」という十三番目の存在……。
クルル : これはもしや、あなたのことではないでしょうか?
クルル : 十二神は、世界分割後の古くから存在している。
あなたが彼らについて知っていることがあれば、
どうか教えていただきたいのです。
クルル : 人と戦うことで叶えたいという、十二神の願い……。
その真相に近づくために。
デリック : …………俺からも、頼む。
月の監視者 : なるほど……。
人はそこまでたどり着いたのか。
月の監視者 : ならば、貴殿らの問いに目を背けず、
向き合うべきだろう……。
月の監視者 : ただし、私はあくまでハイデリンに創りだされた機構(システム)。
古き人の記憶も継承してはいるが、完全には程遠いものと、
承知しておいてもらいたい。
月の監視者 : まず、貴殿らの推察のとおり、
十二神が碑文に記した、十三番目の「監視を司る者」とは、
この私のことを指している。
月の監視者 : そう、貴殿らが十二神と呼んでいる存在もまた、私と同じ……
ハイデリンによって創りだされた機構なのだ。
月の監視者 : 彼らの使命は、分割されることで、
不安定化するであろう星の均衡を保つこと……。
そのために、それぞれ異なる十二の権能を有している。
月の監視者 : そして私が、かつて実在したある学者を素としているように、
彼らにもまた、機構を形作るうえでのオリジナルがいる。
月の監視者 : そのいずれもが、終末を退けた後、
星を新たな命に託すべきと考える者たち……
いわゆる「ヴェーネス派」に属していた。
月の監視者 : 仔細な経緯は記憶していないが、
おそらくヴェーネスが、人柄、能力、経験などを考慮し、
重責を担うに足る者を選んだのだろう。
グ・ラハ・ティア : だから神々は、まるで人のような個性を持っているのか……。
月の監視者 : その点については、オリジナルの個性だけではなく、
人の信仰による影響も大きいはずだ。
月の監視者 : 祈りを捧げる際、人は神に対して、
願いを叶えうる存在であってほしいと、想いを抱く。
月の監視者 : つまり、長い長い時間の中で、
神は人によって信仰という名の理想を託されることで、
今の形に「成っていった」と言える。
クルル : 祈りや願いの効力は、
ほんの微かだったとしても実際に機能している、と……。
ラハくんの仮説は当たっていたようね。
月の監視者 : 十二神はそうして変わりながらも、ヴェーネスの志をもとに、
人への過度な介入は控えていたはずだ。
月の監視者 : それは、思うに……
人の神として望まれる在り方と、背反することもあっただろう。
月の監視者 : ハイデリンが消え、貴殿らが終末を真の意味で退けた今、
十二神は、彼らなりの答えを出した。
月の監視者 : その真意は私が語るべきことではない。
しかし、人を害するものであろうはずがないことは、
同じくハイデリンに創りだされた者として、保証しよう。
スノーゲイム : ええ!
神々が私たちを気にかけてくださっているのは、
これまでの言動からしても、疑いようがありません。
グ・ラハ・ティア : 話が聞けてよかった。
十二神と、ハイデリンやあなたとの関係について、
確証が得られたよ。
グ・ラハ・ティア : こうなったら彼らを信じて、突き進んでみるしかないな!
クルル : ありがとうございました、月の監視者さん。
では、私たちは「オムファロス」に戻って、
改めて彼らの願いに耳を傾けようと思います。
月の監視者 : ああ、貴殿らと十二神の行く末に幸あるよう、
私もこちらから見守っている。
月の監視者 : よい旅を……。
クルル : なんだか様子がおかしいわ。
神々の依り代が、いなくなっている……?
壮健で勇ましい声 : 準備が整ったのさ!
壮健で勇ましい声 : ああ、もう待ちくたびれたよ!
知的で柔和な声 : これ、リムレーン。
人に対しての開口一番がそれかい……?
海神リムレーン : 仕方ないだろう!
サリャクだってこの日を待ち望んでいたんじゃないか?
知神サリャク : それはそうとも。
だが、やっと人の子らと直接対話する機会が巡ってきたのだから、
丁重に言葉を尽くそう。
知神サリャク : やあ、人の子らよ。
月の監視者に会い、我らの正体に辿りついたのだね?
知神サリャク : そう、我らはハイデリンに創られし、星の補助機構。
知神サリャク : エーテル豊かなエオルゼアの各地に神域を置き、
地脈の集まる、この星の中心にオムファロスを据えて……
惑星アーテリスの均衡を保ってきたのだ。
グ・ラハ・ティア : ああ、その話は月の監視者から聞いてきた。
だが、オレたちには、まだわからないことがあるんだ。
グ・ラハ・ティア : 前回、記録した神域の環境エーテルを分析してみたんだが、
神々は少なからず、人との戦いで消耗しているはず。
グ・ラハ・ティア : 星の均衡を保つための存在として、
人と戦うことは、本当に問題ないのか?
デリック : 心配してくれてありがとうな。
でも、大丈夫だ。
▼どういうこと?
デリック : 隠していて、すまない……。
デリック : ほかの神々が、依り代に神使の動物や魔法生物の形を用いる中、
人の孤独に沿う使命を持った放浪神だけは……
彼らの内に紛れるために、人の似姿を選んだ。
デリック : そして、俺たちの願いを叶える者を、
オムファロスへと誘う役目を担い……
今ここで、その役割を終える。
旅神オシュオン : 俺が、旅神オシュオンだ。
スノーゲイム : どうしてそんな大事なことを黙って……!?
旅神オシュオン : 俺の正体も、戦う理由も……
本当のことを知ったら、
人は俺たちと戦ってくれないんじゃないかと思っていたんだ。
旅神オシュオン : だけど杞憂だったな。
君たちは俺たちの言葉に耳を傾け、想いを感じ、
どうするべきかを考えながら、ここまで来てくれた。
旅神オシュオン : Tobari……
すまないが、そいつのことを頼む。
旅神オシュオン : そして、神域の最奥で真実を伝えよう。
旅神オシュオン : ……だから、待っているよ。
海神リムレーン : アタシたちのハレの舞台さ!
心してかかってきな!
知神サリャク : 愛しい子ら……。
奔流となり、向かっておいで。
グ・ラハ・ティア : デリックは人の似姿をとった、
放浪によって人の孤独に沿うための神、か……。
グ・ラハ・ティア : そしてオレたちを神域に招き入れるために探検家を名乗り、
聖コイナク財団に情報を持ち込んだ……。
グ・ラハ・ティア : いや、嘘をつかれたとは思わないし、
悲しさとか憤りとかがあるわけじゃないんだ。
でも、なんというか、少し寂しく思ってさ。
クルル : ラハくんの気持ち、わかる気がするわ。
私たちに対して親身に関わってくれたからこそ、
急に遠くへ行ってしまったみたい……。
クルル : いま思えば、彼がほかの人と距離を保とうとしていたのも、
戦う未来を見越してのことだったのかもしれないわね……。
ベイビーオポオポ : ウキィー……。
クルル : そうよね、あなたも寂しいわよね……。
スノーゲイム : でも、やっぱり、
一緒にいてくれたからこそデリックさんの……
いえ、十二神の想いに応えたいですね。
クルル : そうね、十二神はずっと……
この星に生きる人々を見守ってくれていた。
クルル : 機構として星を補助する役割を遵守しながらも、
意思ある存在として、人の想いに寄り添って……。
クルル : 月の監視者も保証してくれたことだし、
私たちは最後まで、十二神の願いに沿いましょう。
グ・ラハ・ティア : ……なら、やることは決まってるな。
グ・ラハ・ティア : 「向かってこい」といざなったのは、知神サリャクだったな。
Tobariはほかの冒険者たちと一緒に、
ここから神々のもとへ向かってくれるか?
グ・ラハ・ティア : 十二神全員と戦った後になにが起こるか、まだわからない。
オレはもしものときのため、この場所の安全確保に努めるよ。
グ・ラハ・ティア : あんたなら大丈夫だって信じてる。
神々との戦いは、頼んだ!
『華めく神域 タレイア』
最終更新:2024年03月20日 16:36