現地の古語で「虹の地」を意味するコザマル・カ
この地を訪れた者が まず目にするのは虹を生む大瀑布だ
断崖から流れ落ちた水が広大な湿地帯を形成し
そこで生きるすべての命に 否応なく適応を求めている
ウクラマトと俺たちは 湿った道に足を踏みだす
かつて連王が旅した道筋をなぞるために――
『コザマル・カ』
ウクラマト : なんのための魔具……って、そうか!
イヒーハナ祭は豊穣祈願の祭りなんだよな!?
ウクラマト : そこで使われる神輿ってことなら、
豊かな実りを促すような力が備わっているはず。
修理して祭りを開ければ、葦の不作を解決することだって……!
アルフィノ : やってみないとわからないが、その可能性はある。
祭事や祈祷の儀式は、魔法とも縁が深いものだからね。
ぶっきらぼうなハヌハヌ族 : だけども、だけども、
神輿が魔具だなんて、聞いたことないぞ。
アルフィノ : ならきっと、始まりは純粋な豊穣祈願だったんだろうね。
豊作の翌年には験を担いで、前年と同じ神輿が作られ、
凶作の翌年には飾りつけを改良して、さらに祈りを込めた。
アルフィノ : そうして試行錯誤しているうちに、
神輿が魔具として洗練されていったのだろう。
ウクラマト : はぇぇぇ……なるほどなぁ。
ウクラマト : そうとわかれば、なんとしてもイヒーハナ祭を復活させようぜ!
腹ぺこでつらいだろうけど、葦もみんなも元気にするため、
アタシらも全力で協力するからよ!
『葦の試練』
ウクラマト : やっと見えてきたな!
ハヌハヌ族たちを元気にして、葦の不作も解決する方法がさ!
リヌハヌ : まさか、王女と神輿を直すことになるなんて……。
クルル : ウクラマトさんの思いつきがきっかけで、
答えに向かって伸びる路(みち)が開けた……。
クルル : 知識や経験が豊富ってわけじゃなくても、ウクラマトさんには、
不思議な直感が備わってるのかもしれないわね。
『葦の試練』
ウクラマト : 集まったのはこれだけか……。
ウケブ : なに、イヒーハナ祭が始まれば、
ハヌハヌ族はじっとしていられまいよ。
リヌハヌ : そうだ、そうだ! ウケブの言うとおり!
リヌハヌ : さあ、さあ、神輿に乗ってくれ、ウクラマト!
イヒーハナ祭を始めるぞ!
ウクラマト : よっしゃ、わかった!
ウケブ : イヒーハナ祭は豊穣を願う祭りだが、
こめられた意味は、それだけではない。
ウケブ : 担ぎ手と乗り手……
両者の友情が、末永く続いていくことを願う、
盃事(さかずきごと)でもあるのだ。
リヌハヌ : いいか、いいか、みんな!
俺たちが担ぎ上げるウクラマト王女は、
イヒーハナ祭を復活させてくれた恩人だ!
リヌハヌ : 羽根が抜けようが、肩がいかれようが……
絶対、絶対、落とすんじゃないぞ!
リヌハヌ : せーの!
ウクラマト : ははっ!
こりゃ気持ちいいぜ!
リヌハヌ : 腹が減ってるからって、見てるだけでいいのか?
担ぎたい奴はついてこい!
ザヌハリ : おやおや、おやおや。
王族が神輿の乗り手を務めるとは。
ザヌハリ : あなた以来じゃないですか。
ねえ、グルージャジャ。
リヌハヌ : よーし、担ぎ手は集まった!
向かうはコザヌア・キーだ!
ウケブ : さあ見るがよい。
ここからが、イヒーハナ祭の真骨頂だ!
ウケブ : 神輿は、周囲に集う者たちの魔力を、集め、束ね、増幅し……
ウケブ : ケーツハリー像を通じて大地に注ぎ込み、
地脈を刺激して、流れを加速させる!
アルフィノ : おお、葦が!
クルル : これが、イヒーハナ祭の豊穣魔法なのね……!
リヌハヌ : 神輿が魔具だって話、本当だったのか……。
ウクラマト : すげえ、すげえよ……。
こんなの、今まで知らなかったぜ!
『ハヌハヌ族を知る』
ウクラマト : はぁ~……やっぱ、兄さんはすげぇなぁ。
クルル : ウクラマトさんのやり方が間違ってたわけじゃないわ。
たどり着いた結果は同じだもの。
リヌハヌ : そうだ、そうだ。
何より、イヒーハナ祭、楽しかっただろ。
ウクラマト : おう、めちゃくちゃ楽しかったぜ!
ウクラマト : この村には、前にも来てるから、
お前らのこと、全部わかった気になってたけどよ……。
ウクラマト : 葦のことといい、イヒーハナ祭のことといい、
アタシが知らないことばかりだった。
ウクラマト : だけど今度こそ、ちゃんとわかった気がする。
そしたらよ……
ウクラマト : もっと好きになったぜ、
この村と、お前らハヌハヌ族のことが!
リヌハヌ : こちらこそだよ。
自分たちの神輿が持つ本当の意味……
教えてくれて、ありがとな!
ザヌハリ : では、では、見事試練を超えたおふたりに、
秘石を授けましょう。
どうぞこちらへ。
ウクラマト : よし、残るはあと5つだ!
コーナ : では、僕はこれで。
ウクラマト : ったく、兄さんは余韻も何もあったもんじゃねぇな。
リヌハヌ : ウクラマト。
次のイヒーハナ祭の季節にも来てくれよな。
リヌハヌ : 今度は、トライヨラの王様としてさ!
『ハヌハヌ族を知る』
最終更新:2024年08月12日 17:15