ウクラマト : みんなは、まだ来てねぇみたいだな。
レディロク : フゴォ……フゴォ……
世話人ラコロクの 手伝い感謝!
レディロク : ほかの候補者 集まり次第 お待ちかねの 試練を発表!
それまで少し 待っていて!
アルフィノ : こちらは上手くいって、
ひとりの壺匠を引き止めることができたよ。
君たちの方はどうだったんだい?
アルフィノ : そうか、そちらも順調だったようだね。
外征派のモブリン族 : フゴォ……フゴォ……
ゾラージャ様 モブたちの村 ようこそモブ!
外征進めて よその土地から 壺匠たち連れてきて!
感激するモブリン族 : ゾラージャ様は 力持ち!
とてとてたくさん 落石を 軽々ぜんぶ 運んでくれた!
さすがは本命 奇跡の子 次代の王は 決まりかも!?
サンクレッド : あのゾラージャが、
落石の片付けをしてきただなんて、意外だな。
己の目的にしか、興味がないものだと思ってたが。
戦のバクージャジャ : おやおやァ、皆さんお揃いで。
アリゼー : あいつ……私たちがモブリン族の頼みを聞いてる間、
どこかに隠れてたんじゃないでしょうね。
レディロク : フゴォ……フゴォ……
それでは さっそく 試練を発表!
レディロク : 知ってのとおり 大嵐のあと
契約していた壺匠たち とてとてたくさん 去っていった!
レディロク : 壺匠たちの金細工 外つ国 売れる輸出品!
供給減れば 大問題 トライヨラも大打撃!
レディロク : そこでみんなに 見つけてほしい!
それぞれひとり 見つけてほしい!
彫金職人 腕利き職人 どうかここに 連れてきて!
ウクラマト : つまり、アタシらで新しい壺匠を連れてくる。
それがモブリン族の試練ってわけだな。
サレージャ : 試練と言えば聞こえはよいが、
実態としては我々を体よく利用しようというだけではないか。
労働者の確保なぞ、王位継承とは何の関係もなかろうに。
レディロク : 嫌なら やめても いいモブよ?
連王様に伝えるだけ ゾラージャ王子は資格なし!
次代の王には なれないと!
ゾラージャ : 継承の儀など、余興に過ぎぬ。
そこに意味など問うまい。
レディロク : ではでは 試練 開始モブ~!
でもでも 無理やり ダメ絶対!
モブリン 壺匠 両方笑う それが条件 忘れずに~!
魔のバクージャジャ : 誰かの壺匠を奪っちゃいけないなんて説明はなかった。
だから、ね……。
魔のバクージャジャ : いただいちゃおうよ、ほかの連中からさ……。
戦のバクージャジャ : ゲッグッグッグ!
戦のバクージャジャ : そいつぁ良い!
さすがはオレサマの弟だ!
魔のバクージャジャ : でしょ?
さっそく、準備に移ろうよ!
アリゼー : ……また何か、悪巧みをしてるようね。
アルフィノ : 川上りのときのような妨害に注意しつつ、
今は、試練をどう進めていくかを話し合おう。
クルル : ウクラマトさんはどうかしら。
壺匠になってくれそうな人に心当たりはない?
ウクラマト : アタシを応援してくれてる奴らの中にも、職人はいるけど、
みんな爺ちゃん婆ちゃんだからなぁ……。
ウクラマト : トライヨラでの生活を捨てて、
この村で壺匠として暮らしてくれってのはキツイと思う。
ウクラマト : コーナ兄さんなら、若い職人の支持者が多いから、
すぐに見つかるんだろうけどよ。
ウクラマト : あ、これは別に兄さんとアタシを比べてるわけじゃなくて!
ただ事実を言っただけだからな!
ウクラマト : ……あとはそうだな、見つかるかはわからねぇけど、
職人が集まる万貨街にでも、相談しにいってみるか?
アルフィノ : ああ、それがよさそうだね。
さっそくトライヨラに戻るとしよう。
ウクラマト : ん、待てよ?
トライヨラに戻るってことは……
もしかして、また船に乗るってことか……?
ウクラマト : 無理無理無理、やだやだやだ!
もう船になんか乗りたくねぇよぉ!
ウクラマト : 弱みを見せていいって言うから、告白するけどよ。
ウクラマト : 実はな………………
ウクラマト : …………アタシ、船が苦手なんだ。
『壺の試練』
フォンジャンテーン : どうも、Tobariさん。
なんでもウクラマト王女ともども、僕に話があるとか。
ちょうど食事が終わったところなので、外で話しましょうか。
ウクラマト : 前にお前と話したのも、この砂浜だったよな。
生きるのが下手な自分に落ちこんでたんだっけか。
フォンジャンテーン : ははは、そうでしたね。
あのときは、自分がどう生きていけばいいのかわからなかった。
でもおふたりのおかげで、自信が持てるようになったんです。
フォンジャンテーン : 新しい職場である万貨街の皆さんも優しくしてくださいますし、
今は悩むようなことはありませんよ。
ウクラマト : そうか、そりゃよかった。
フォンジャンテーン : それで僕に話というのは?
ウクラマト : いや、そのな……
仕事が上手くいってるところで言いづれぇんだけどよ、
壺匠になってくれる奴を探してるんだ。
フォンジャンテーン : 壺匠……聞いたことがあります。
モブリン族と専属契約した職人のことでしたよね。
でもどうして?
ウクラマト : 新しい壺匠をモブリン族に紹介することが、
アタシが王になるための試練なんだ。
フォンジャンテーン : なるほど、そういうことですか。
ウクラマト : ああ、お前とは何の関係もないアタシ個人の都合だ。
万貨街で働くのを後押ししたくせに、今度は壺匠になれなんて、
自分でも虫が良いこと言ってるのはわかってる。
フォンジャンテーン : ウクラマト王女、顔を上げてください。
フォンジャンテーン : 先日、トライヨラでの居住手続きが正式に受理されて、
僕は晴れてこの国の民となれたんです。
フォンジャンテーン : 自分の国のことを知らねばと、継承の儀について調べました。
ウクラマト王女や、ほかの継承候補者のこともです。
フォンジャンテーン : 以前、話しましたよね。
僕が彫金師を目指したのは、父への憧れがきっかけだったと。
フォンジャンテーン : その父は、イーストエンド混交林という場所で起こった、
ガレマール帝国との戦いに巻き込まれて、命を落としました。
フォンジャンテーン : 僕が敬愛する父を、戦争が奪っていった。
もう二度と、あんな思いはしたくありません。
フォンジャンテーン : あなたたちは、僕の新たな人生を後押ししてくれた恩人です。
ですがそれ以上に、平和を愛するトライヨラの民として……
僕はウクラマト王女に、王位を勝ち取ってほしいんです。
フォンジャンテーン : そのために、僕にできることがあるのなら……
喜んで協力させてください。
ウクラマト : フォンジャンテーン……ありがとよ。
『壺の試練』
武王グルージャジャ : よう。
急に呼び出して悪いな。
武王グルージャジャ : 王都に戻ってると聞いたもんで、
この機会を逃すわけにはいかねぇと思ってよ。
武王グルージャジャ : わしはこれでも、王位に就いてから今日まで、
戦いと名のつくもんに負けたことがなくてな。
武の頭だけに「武王」なんて呼ばれてもいる。
武王グルージャジャ : 外つ国の槍使い……エスティニアンはなかなかだったが、
勝敗をつける前に都を離れちまった。
いい加減、強者との戦いに飢えてたところでな!
武王グルージャジャ : 船乗りたちの噂によれば、
お前、外つ国じゃ高名な冒険者らしいじゃねぇか。
武王グルージャジャ : だが、向こうでどれだけの戦功を挙げてきたとしても……
武王グルージャジャ : その武勇、わしのもとまで届くかねぇ?
▼お手柔らかに
武王グルージャジャ : このわしを前にしても物怖じしない、その胆力……。
やはり、お前は本物のようだな!
武王グルージャジャ : ハッ、滾ってきた!
なぁに安心しろ、殺しはせん!
だが、手心を加えるつもりもない!
武王グルージャジャ : 戦いをとおして、お前の力を測らせてもらうぞ!
武王グルージャジャ : ……わしの本気の攻めを受け切った奴は、お前が初めてよ。
武王グルージャジャ : 理の頭が眠っているとはいえ、
一介の冒険者ぐらい叩き潰してやるつもりだったんだが……。
武王グルージャジャ : エスティニアンが言ったとおり、
お前はとんでもない奴だな!
武王グルージャジャ : いやぁ、急にふっかけちまって悪かったな。
強者との戦いに飢えていたと言ったが……
別の理由もあってよ。
武王グルージャジャ : お前が大切な娘を託すに相応しい人物か、
どうしても直接、見極めたくなったってのが本音でな。
武王グルージャジャ : あいつは武の頭であるわしに似たところがあってよ。
熱くなりすぎて、危機に陥ることもあるはずだ。
武王グルージャジャ : だが、仲間を癒やすことに長けたお前の力があれば、
ラマチも安心して背中を預け戦えるだろう。
武王グルージャジャ : ここから先は、トライヨラの王としてじゃなくてよ、
ラマチのオヤジとして話がしたい。
悪いが、付き合ってくれるか?
武王グルージャジャ : フッ、礼を言うぜ。
武王グルージャジャ : さっそくだがな、
これまで一緒に旅をしてきて、ラマチをどう見る?
武王グルージャジャ : 王女として、依頼主として、
あるいはひとりの人間としてでも構わねぇ。
お前がラマチを見てどう思ったか、聞かせてくれ。
▼未熟だが将来性はある
武王グルージャジャ : やはり、わかるか。
そのとおり、あいつはまだ、王位に就くには未熟だ。
武王グルージャジャ : この国に生きる部族たちが持つ歴史も、文化も、信仰も知らん。
あいつが知っているのは、この王都から見える景色だけだ。
武王グルージャジャ : だが、それはラマチにかぎった話じゃない。
ここまで継承の儀を進んできたなら、もう気づいてるだろう……
武王グルージャジャ : 継承の儀を争う4人全員が、
継承候補者として、問題を抱えていることに。
武王グルージャジャ : そもそも継承の儀とは、
王に相応しい器を「選ぶ」ためのものじゃねぇ。
王として相応しい器へと「磨く」ための儀式なのだ。
武王グルージャジャ : 故に、継承の儀をとおして成長できなければそれまで。
誰にも王位は譲らねぇ。
武王グルージャジャ : 親としちゃ、我が子らがそれに相応しい人物となってくれるよう、
願っちゃいるがな……。
武王グルージャジャ : とんだ茶番に付き合わせて悪い。
お前たちのような新しい風が、
あいつらに変化を促してくれるんじゃねぇかと期待してるんだ。
武王グルージャジャ : 特に、お前は冒険者として多くの土地を歩き、
そこに生きる人々や文化を知り、愛し、愛されてきただろう。
武王グルージャジャ : お前が思うやり方でいい。
先達としてラマチと共に同じ路を歩き、
ときに導き、ときに背中を押してやってほしい。
???? : いたいた!
ウクラマト : 久しぶりにナミーカのメシでも食って戻ろうと思ったら、
お前がオヤジに呼び出されたって聞いてよ。
ウクラマト : さてはオヤジ、アタシの目を盗んでこいつと手合わせを……!
武王グルージャジャ : バレちまったらしょうがねぇ!
武王グルージャジャ : ま、心配せずとも、
継承の儀に支障が出るほどコテンパンにしちゃいねぇさ。
武王グルージャジャ : お前の仲間を借りちまって悪かったな!
この先も仲良くやれよ!
ウクラマト : ったく、この旅でオヤジのすごさを、
あらためて感じたところだったのに……。
ウクラマト : こんな手合わせ好きのジジイはほっといて、もう行こうぜ。
武王グルージャジャ : 頼んだぜ、冒険者。
武王グルージャジャ : コーナが連れてきた連中も、継承候補者たちの問題には、
ハナから気づいていたようだった。
さすが、ガラフと同じ場所から来ただけのことはある。
武王グルージャジャ : とすると、ここからしんどいのは、残りの2組か……。
未熟さを認めてくれる奴をそばにつけず、さて、どうなる……?
『王として、父として』
サレージャ : こうも簡単に壺匠に志願する者が現れるとは。
サレージャ : 領土拡大の夢を見せてくださるあなたに恩を売って、
おこぼれに与ろうというのでしょう。
ゾラージャ : 利用価値がある者には、土地などいくらでもくれてやる。
サレージャ : 言葉だけは気前よく聞こえるが、
あの口ぶり、公正さから出たものではあるまい。
サレージャ : 本質的に領土にも、富にも執着がないのだ。
ならば……世界をひとつに平らげた先に何を求める?
ゾラージャ : 邪魔だ。
戦のバクージャジャ : あー……確認しとくが、壺匠を奪っちゃいけない、
なんて決まりはなかったよなァ?
サレージャ : バクージャジャ……どういうつもりだ!
魔のバクージャジャ : 黄金郷にたどり着くには、7つの秘石を揃えればいいだけ。
つまり、試練なんて真面目にやる必要はないってことさ!
戦のバクージャジャ : そ・れ・にィ……
ヒトツアタマくんにも、そろそろ教えてやろうと思ってよ。
戦のバクージャジャ : 連王の血を引く奇跡の子だかなんだか知らねェが、
所詮は双頭として生まれてこられなかった出来損ない!
戦のバクージャジャ : 連王の後継者として相応しいのは、
同じ双頭である、このオレサマだってことをなァ!
戦のバクージャジャ : さあ、武器を抜きな!
ヒトツアタマの劣等種との差を、その身に刻みこんでやるぜェ!
サレージャ : お待ちくだされ、ゾラージャ様。
サレージャ : そやつにはまだ利用価値が……
殺さず痛めつける程度で、どうか。
戦のバクージャジャ : どうした、びびって動けなくなったか?
戦のバクージャジャ : それなら!
戦のバクージャジャ : バカなァ……双頭のオレサマが、
ヒトツアタマごときに膝をつかされるなんて……。
サレージャ : 感謝します。
ゾラージャ : 殺すのはいつでもできる。
サレージャ : ホッホッホ。
この継承の儀、まだまだ面白くなるぞ。
『望んだ平和の形』
サレージャ : ホッホッホ。
さすがはゾラージャ様のご弟妹。
よく食らいついておられる。
サレージャ : とくに弟君の賢さときたら!
海向こうにて学んできた知識を活かし、
魔導兵器の導入にご尽力いただきたいものですなぁ。
サレージャ : ゾラージャ王の、重臣として……。
コーナ : 僕は戦争には興味がありません。
シャーレアンで学んだ技術で、この国を発展させたいだけです。
コーナ : トライヨラが技術的に優れた国だと知れ渡れば、
外つ国から一目置かれるようになるでしょう。
コーナ : そうすれば、わざわざ戦うこともなくなる……
シャーレアンがガレマール帝国に侵略されなかったようにね。
サレージャ : そうおっしゃいますがねぇ……
我々がシャーレアンのような技術大国になるまで、
いったい何年かかるというのです?
コーナ : 地道に学び続ければ、いずれ……
ゾラージャ : 学ぶなどと、回りくどい。
ゾラージャ : 呑みこんでしまえばいい。
シャーレアンごとな。
サンクレッド : 武力で他国を征服したとしても、
やがては反乱が起こり、負の連鎖が続くだけだ。
そんな争いを、俺たちはこの目でいくつも見てきた。
ゾラージャ : ならば、戦い続けよう。
すべての人々が争いの愚かさを知り、武器を置くその日まで。
ウクラマト : それで誰が笑顔になるっていうんだ!
みんなが望む平和が、そんな形をしてるはずないだろ!
レディロク : フゴォ……フゴォ……
その言葉 あの日の出来事 思い出す……。
レディロク : トライヨラができる前 壺匠には契約なかった
職人無理やりさらって 無理やり働く
それが当時の あたりまえ……。
レディロク : そんなあるとき やってきた
職人家族に頼まれて グルージャジャがやってきた!
レディロク : モブたち 戦い 得意じゃない
退治されるの 覚悟した
でもでも 彼は こう言った!
理のグルージャジャ : わたくしたちに戦いの意思はありません。
ただ、話をするために来たのです。
理のグルージャジャ : この集落で作られた金細工は、実に素晴らしい。
美しい素材に巧みな技が注がれていると、ひと目でわかる。
理のグルージャジャ : しかし、決して心は震えません。
脅された職人たちが、顔を強張らせて作った品で、
誰が笑顔になるというのでしょう?
理のグルージャジャ : 自ら望み、笑顔になった職人たちが魂を込めれば、
金細工は太陽のように輝くはず……そう思いませんか?
レディロク : こうして もてなし はじまった!
環境よくって壺匠笑顔 作品よくってモブたち笑顔!
レディロク : グルージャジャの言葉 大正解!
最高環境 整えて 最高作品 生み出せた!
コーナ : 理の父上の言葉がきっかけで、
壺匠の文化が今の形になったのか……。
レディロク : ぴったり ばっちり 正しい言葉!
グルージャジャが すべてを変えた!
ゾラージャ : ふん……。
サレージャ : 我が主は、ホコリを被った昔話には興味がない様子。
ではまた、次の試練でお目にかかりましょう。
コーナ : 僕たちも出発の準備をしましょう。
アリゼー : 結局、バクージャジャは戻ってこなかったわね。
ラコロク : フゴォ……フゴォ……
ウクラマト王女 ちょっといい?
ラコロク : カーヘによくして くれたこと……
お礼代わりに 教えてあげる!
黄金郷の噂話~!
ウクラマト : おー、黄金郷について何か知ってんのか!
ぜひ聞かせてくれよ!
ラコロク : 家も 路も 全部黄金!
この世のあらゆる 快楽だらけ!
ラコロク : 子どもも 大人も 老人も みんな幸せ 黄金郷~!
雲の上に ずっとある 幸せの街 黄金郷~!
ウクラマト : たしかウケブも、似た説があると言ってたな……。
それにしても、みんなが幸せになれる街だなんて、
行ってみたいもんだぜ!
クルル : ところでラコロクさん、
その噂は誰から聞いたの?
ラコロク : 付き合い長い ヨカフイ族!
オルコ・パチャの山の上 ひっそり暮らす古き部族!
クルル : やっぱり、ヨカフイ族なのね……。
ウクラマト : よっしゃ!
次こそ目指すは、ヨカフイ族の村だ!
ウクラマト : この試練をとおして、モブリン族の生き方がよくわかった。
壺匠と協力して、多くの人たちを笑顔にしてきたお前らのこと、
大好きになったぜ!
『望んだ平和の形』
サンクレッド : お前たち、まだここにいたのか。
コーナ : 妹は一緒ではないのですか?
コーナ : ラマチの行方がわからなくなった……ですって?
あなたがたがついていながら、なぜそんなことに……!
ウリエンジェ : 妹君が心配な気持ちはわかりますが、
ならばなおさら、今は彼女の足跡を追うことが先決かと。
コーナ : ……僕も、ラマチを探すのに協力します。
こんなところで王位を争う相手が脱落するのは、
僕の本意ではありませんから。
サンクレッド : なら、手分けした方が確実だろう。
コーナ : そちらの代表者はSetoさんですね。
互いの情報交換を円滑に行うために、
僕たちふたりは行動をともにするべきだ。
アルフィノ : では、私たちは個別にウクラマトを探すよ。
何かわかったら、連絡してくれ。
サンクレッド : 俺たちも行ってくる。
コーナ : ええ……頼みます。
コーナ : 僕たちも彼女の捜索を始めましょう。
『兄として』
コーナ : くそ……遅かったッ!
サンクレッド : 俺ひとりなら川沿いからでも追跡できるが、どうする?
コーナ : 行ってください!
サンクレッド : 継承の儀で後れを取ることになっても、構わないな。
コーナ : ここで先を急いで王になったところで、
妹がいなければ意味がないんです!!
サンクレッド : 了解だ。
王女の居場所がわかったら報せる。
サンクレッド : そのときに備え、お前らは身体を休めておけ。
救出時に戦いになる可能性もあるからな。
コーナ : 先ほどのマムージャ族ですが、
見たところバクージャジャの一味のようでした。
コーナ : おそらく、盗賊たちを雇ってラマチをさらわせ、
秘石を奪おうという魂胆……。
コーナ : そうは言っても、ラマチの腕なら、
ひとりでも盗賊ごときに後れを取るはずがない。
不意打ちなどの卑怯な罠にかけられたということでしょう。
コーナ : くそっ、僕がついていれば……
どうか無事でいてくれ、ラマチ……!!
▼取り乱すなんて珍しい……
コーナ : 今はそんなこと言ってる場合じゃ……ッ!
コーナ : ……すみません。
あなたに当たっても意味がないというのに。
コーナ : 僕は……ラマチのこととなると、いつもこうなんです。
彼女に何かあったらと思うと、冷静になれない……
いてもたってもいられなくなってしまう。
コーナ : ラマチは、かけがえのない家族ですから……。
コーナ : ……今となっては様々な暮らし方をしている同族がいますが、
僕の生みの親は、昔ながらの営みを続ける一団にいました。
コーナ : ロナークと呼ばれる牛を連れ、季節ごとに草原から草原へ……。
コーナ : そんな中で、彼らは僕を置き去りにしたのですよ。
たった独り……何も告げることなく……!
コーナ : 僕が生き延びられたのは、
偶然に出会ったペルペル族が面倒を見てくれたおかげ。
独りで身を立てられるよう、商売を教えてくれたんです。
コーナ : そうしてトライヨラの露天商として暮らしていたら、
あるとき、今の父上の目に留まり養子になったというわけです。
コーナ : ……それからしばらくして、
ラマチが連王宮にやってきました。
コーナ : 彼女もまた、理由あって両親のもとを離れてきたのです。
孤独のつらさを知る僕は、同じ想いを味わわせたくなかった。
コーナ : だから誓ったんです。
ラマチの兄として、彼女が幸せでいられるようにすると。
コーナ : と、ともかくそういった事情があるので、
ラマチのことは、何があっても必ず助け出します……!
コーナ : サンクレッドの追跡に期待するとして、
僕たちも川下りの手段を用意しなければ。
あなた方の船は……。
コーナ : わざわざプヌティーを逃したとなると、
それが追跡の妨害になると、考えていたことになりますね。
やはり、何らかの手を打っておく必要がありそうです。
コーナ : まずは、あなたのお仲間と合流しましょう。
連絡していただいても?
アルフィノ : 状況はわかった。
こちらも「朋友の灯火」へ向かうよ。
そこで合流しよう。
コーナ : 継承の儀よりもラマチの救出を優先したことは事実ですが、
王位につくことを諦めたわけではありませんよ。
コーナ : 妹が大切な存在であることは先にもお話ししたとおり。
しかし、それを差し引いても、僕は彼女を救ったでしょう。
コーナ : 家族を救って、王位も得る……。
どちらも成し遂げてみせるぐらいの力量がなければ、
偉大な父上の跡を継ぐに相応しいとは言えないでしょうから。
『兄として』
コーナ : サンクレッド……!
サンクレッド : 王女様はこの先だ。
今はまだ無事だが、急いだ方がいい。
戦のバクージャジャ : 試練なんてくだらねェもんを無視して、
秘石を手に入れてやったぜ!
ウクラマト : クッ……そいつを返せ!
その秘石には、フォンジャンテーンの想いがこもってんだ!
お前らが手にしていいもんじゃねぇ!!
魔のバクージャジャ : それはキミのために壺匠になってくれた奴の名かい?
なら、あっさり奪われちゃダメじゃないかァ!
ウクラマト : 卑怯な真似しやがって……それでも継承候補者か!
魔のバクージャジャ : そんな奴にコロッと騙されて、さらわれちゃったのは誰かな?
威勢がいいだけで王サマになれるなら、苦労しないよねェ!
戦のバクージャジャ : こらこら弟よ、あまりメスネコちゃんをいじめるんじゃない。
ほら見ろ、今にも泣き出しそうじゃねェか。
戦のバクージャジャ : 助けてニャ~ン……ってなァ!
戦のバクージャジャ : イデッ!
戦のバクージャジャ : なんだなんだ!?
コーナ : ふん、さすがに頑丈ですね。
戦のバクージャジャ : 不意打ちとは卑怯な奴め!
コーナ : あなたに言われたくはありませんね。
戦のバクージャジャ : チッ、あのブネワの腰巾着め。
ツレの足止めは受け持つって話だっただろうが……!
コーナ : その話、詳しく聞かせてもらいましょう。
戦のバクージャジャ : おいおい、こっちには人質がいるんだぜェ?
魔のバクージャジャ : あいつ、劣等種にしてはやる方だよ!
戦のバクージャジャ : ふん、狙いがメスネコちゃんな以上、何もでき……
サンクレッド : いいぞ、コーナ!
コーナ : ラマチ、怪我はないかい!?
ウクラマト : ああ、助かった!
戦のバクージャジャ : 劣等種どもがイキがりやがって!
まとめてブッ殺してやるッ!!
魔のバクージャジャ : 待って兄者!
目的の秘石は奪ったんだ、ここは退こう!
ゾラージャにやられたところも万全じゃないし……!
戦のバクージャジャ : うるせェ!
こいつらを八つ裂きにしなきゃ、オレサマの気が済まねェ!!
魔のバクージャジャ : こんなところでやられちゃったら、
兄弟たちに合わせる顔がないよ。
それでもいいの?
戦のバクージャジャ : すまねェ、そのとおりだ……。
戦のバクージャジャ : 野郎ども、退却だ!
ウクラマト : クソッ……待て、バクージャジャ!
サンクレッド : 追うか?
コーナ : 目標は達成しました。
ラマチの安全確保を優先しつつ戻りましょう。
コーナ : 無事でよかったよ、ラマチ。
ウクラマト : ありがとな、兄さん。
ウクラマト : それに、みんなも……!
アルフィノ : まさか、ここまで強引な手段に訴えるとはね……。
ウクラマト : アタシが油断してたばかりに、
大切な秘石を奪われちまった……!
ウクラマト : あれは、フォンジャンテーンが人生を懸けてまで、
もたらしてくれたもの……
なのに、その想いに応えられなかった!
▼まだ終わってない!
ウクラマト : ……そうだよな。
お前の言うとおり、まだ終わっちゃいねぇ!
ウクラマト : バクージャジャめ……
次に会ったらぶっ飛ばして、秘石を奪い返してやる!!
サンクレッド : そういえば、バクージャジャの奴、
俺たちを見て、ブネワの腰巾着がどうとか言っていたな。
コーナ : ……おそらくサレージャのことでしょう。
継承の儀に参加している者の中でブネワ族なのは、
兄さんに追従している彼だけですから……。
コーナ : 今回の件……もしも兄さんまで関わっていたとしたら、
許すわけにはいかない。
コーナ : 妹を危険に晒すなど、兄として言語道断!
兄失格、兄落第……いかなる罵倒でも足りないぐらいだ!!
コーナ : と、とにかくですね……。
バクージャジャのこともそうですが、
ラマチをさらった盗賊たちの処分も考えなくては。
コーナ : 父上にトラル勇連隊の派遣を要請して、
このあたりの警備を強化するよう進言しておきます。
ウクラマト : またほかの誰かが襲われる前に、対処するのは賛成だ。
ウクラマト : ただ、あいつらがなんで盗賊になったのか……
その理由を知れば、悪事に手を染めなくても済む方法だって、
見つけられるかもしれねぇ……。
コーナ : ……では、僕たちは継承の儀に戻ります。
皆さん、ご協力いただきありがとうございました。
アルフィノ : さて、私たちも先を目指すべきだろうが、
身体の方は大丈夫かい?
ウクラマト : アタシなら何ともねぇぜ!
ゾラージャ兄さんは、かなり先行してるはずだし、
遅れを取り戻さねぇとな!
ウクラマト : あらためて、みんなすまねぇ。
依頼主のアタシが、あっさりさらわれちまうなんて……
こんなヘマはもう二度と踏まねぇからよ。
ウクラマト : それとさ、助けに来てくれて……ありがとな!
『ウクラマトを救え』
最終更新:2024年08月24日 21:47