参考:「那須でガッツ!:拾郎版マグ」参加プレイヤー
・あーやん
「ライン際のジャックナイフ」。
マグノリアには初参加ながら、サイドから切れ込むドリブル、クロスは歴代屈指。
現「黄金世代」の一角。
・Tかやさん
「逃げのTかや」も今や古参兵。
今回は得意のサイドではなく、中盤の底での起用であったが、早めのチェック、球捌き、二列目からの飛び出しとベテランの味を見せる。
・グリン
「ファンタジスタ」。
言わずと知れたRPGの申し子。
マグノリアには、チーム結成時から関わってきたが、プレイヤーとしては初参加。
イタリアならトッティ、スペインならラウール、アイルランドならロビー・キーン的な存在。
これより、本編が始まります
零フェイズ
暗闇の中、岩盤の隙間から入り込んだ微かな光条が、巨大な地下空間の底で眠り続ける「磔付けとなった大罪人」を浮かび上がらせていた。
「ついに、見つけた・・・」
男は低くつぶやくと、岩盤に無数の爆射槍で縫いとめられた『巨神』の姿を見上げた。
「待たせたな、『アドセレス』。百年の長き眠りより、今私が目覚めさせよう・・・」
男が「かつて神の軍団に敗れた巨神」を哀れみとも、憂いとも取れる表情で見上げると、月明かりによって足元から長く伸びた影が巨神と重なった。
やがて月が雲に隠れ、洞窟には男の気品すら感じさせる端正な顔の、右眼に埋め込まれた青水晶の義眼が放つ斜光だけが残された。
マグノリアリプレイ(もどき) ~珀白の寝台・編~
登場人物
カナン=ヨハナン(女・22)異端審問官
・使用武器・小銃 → 鉄球投射機 → ?
・法王庁の異端審問官。
師であるイルドルフ司祭からの使命で「アルビアの街消滅事件」を追う。
基本的には真面目な性格で何事にも一生懸命だが、一部で世間ズレしており、駆け引きは苦手。
フィリス=ワーレイス(女・19)罪人
・使用武器・鋼線
・かつて暗殺者ギルドに属していた罪人。
幼い頃より殺しの技と供に在った為、感情の変化に乏しい。
美しい銀髪を持つ。
ベルン(男・54)異端審問官
・使用武器:ライフル(AFであるかどうかは不明)
・カナンとの同行をイルドルフ司祭に頼まれた老異端審問官。
惚けた人柄の合間に、厳しさと慈悲が存在する。
起フェイズ
1-1 法王庁 中庭に面した渡り廊下
・カナン、イルドルフ司祭より「アルビアの街消滅事件の解明」依頼を受ける。
カナン「・・・消滅、ですか?」
イルドルフ司祭「そうだ。倒壊ではなく、消滅だ。」
いぶかしげなカナンの問いに、中庭のほうを向いたまま答えるイルドルフ。
強力な『異端』が関わっている可能性を示唆。
・異端審問間・ベルンと合流
カナン「このような大きな事件、自身が無いわけではありませんが、他の審問官達は?」
イル「水面下で他の『異端』の動きもある。この件だけに審問官達を集中させるわけにはいかん。それに、カナン審問官一人で望むわけではない。」
ベルン「なるほど、そういう事情かい。」
イルドルフが背にする柱の、右隣の柱の影から登場するベルン。
イル「お待ちしておりました。ベルン審問官。」
ベルン「お前さんの頼みなら仕方あるまい。お嬢さん、よろしく頼むぞ。」
緊張した面持ちのカナンに笑いかけるベルン。
カナン「は、はい!よろしくお願いします」
・罪人の特務召喚状と第一種封印弾を手渡す
イル「この半島に法王庁が渡ってきて100年弱。国家としては、まだ若い。健全な成長を遂げるには、体内の腫瘍を排除するために外科手術は必要となり、時には劇薬も必要だ。・・・扱いには気をつけろよ。」
1-2 法王庁 特別地下牢
・カナン、「罪人」フィリスと邂逅
夢を見ていた。
何ももっていなかった幼い頃、スラムで師に出会った。
暗殺ギルドで技を仕込まれた少女時代。
短い期間で基礎を習得すると、師は微かに笑っていた。
師がギルドの中でも有数の技術を持つと知ったのは、自分の背が彼の胸の辺りまで伸びてからだ。
言葉には出来ない、不確かな充実感に包まれた。
ある日、ギルド本部が聖騎士団に強襲され、自分のほか数人以外は討伐された。
裁判の場に場面は変わる。
裁判官が何か言っている。理解できない。
ただ師がもういない事だけが分かった。
そして、判決の槌が振り落とされた
判決の槌の音 → 金属音 → 目覚め → 鉄の門が開く音だと気付く。
カナン「こんな子が・・・。私とほとんど変わらない年齢なのに。」
自分を見つめるフィリスの前で、たどたどしく『特務召喚状』を読み上げるカナン。
カナン「・・なお、この召喚にたいする拒否権があなたには・・」
フィルス「行くわ。」
最後まで聞かずに立ち上がると、腰まで伸びた銀髪が暗い牢の中で微かに踊る。
ベルン「囚人服のまま連れて行くわけにもいくまい。とりあえずコイツを返しておくか」→手甲に仕組まれた鋼糸射出装置。
カナン「ベルン審問官、私、彼女にどう接すれば・・」困惑した表情で小声で問い掛けるカナンに、含みを残した返答をするベルン。ベルン「気にする必要はない。思うままでいいんじゃよ。」
承フェイズ
3日後・第6教区・シザンの街(消滅したアルビアの街から街道沿いに半日離れた隣街)
2-1 城門
・高い城壁に囲まれた中規模の地方都市。
「アルビアの街消滅事件」があった所為か、混乱している様子。
・収穫物を持って入ろうとする近くの村の農夫を、邪険に追い返す衛兵たち。
農夫「いつもこの街の市場で金に代えていたんだ!」
衛兵「知るか!この混乱に応じて、不法入居者がでないように厳しく取り締まれ、との領主からのお言葉だ!許可証のが無いものは入市税を払わなければ入ることはできん!今まで入れただけでもありがたいと思うんだな!」
衛兵に何か言おうとするカナン→ベルンがその肩を掴む。
ベルン「我々の役目は・・・わかっておるじゃろう?」
カナン「このまま関わるな、とおっしゃるのですか?」
ベルン「彼らとて、自分たちの役割を実行しているにすぎん。それに、あの農夫一人を助けたとて、この街は変わらん。」
カナン「・・・でも、いえ、分かりました。」
うつむくカナンと、二人のやり取りを不思議そうに見つめるフィリス。
・(感覚チェック → この街に入った時から誰かに見られているような感覚)
フィリス「・・・不愉快ね」
・拠点とする宿屋を決めた後、ベルンは領主の館、カナン&フィリスは下級地区で「アルビアの街消滅事件」に関する情報収集。
2-2 シザンの街・領主の館(情報その1)
・領主「アルビアの街→黄昏の時代から続く美しい街並みの古都」
「街の治安維持のため、取調べを強化した。自慢の美術品も安心」
言葉の端々から「伝統」を持ったアルビアの街に対する劣等感を分析するベルンだが、逆にそれ以上のものはないと判断。
立ち去り際に一言だけ言い放つ。
ベルン「城門をもう少し開放してはいただけませんかな?」
領主「それは無理ですな、不審者は処罰しませんとこの街もアルビアの二の舞になりますからな。」
ベルン「そうですか。では『異端審問官』として、領主殿に神のご加護があることを祈っておきましょう。」
笑みを浮かべながら、首から下げた異端審問印の前で十字を切るベルン。
目には剣呑な光。
喉を掴まれたかの様な声を漏らし、城門の開放を約束する領主。
ベルン「やれやれ、といったところか。じゃが、あのお壌ちゃんに、これから先も駄々こねられてはかなわんからのう。」
2-3 下級地区 宿屋
・情報収集の前に、宿屋の部屋で鏡の前にフィリスを座らせ、伸ばしっ放しの銀髪の手入れをするカナン。
カナン「人なんて、結構見た目で判断するのよ。特に男はかわいい子に対してはね。」
フィリス「・・・、カナン審問官。」
カナン「カナンでいいわよ。とはいえ、私も生まれは第3教区の田舎町だし、基本的には修道院暮らしだから、余り流行には詳しくないんだけどね。師匠のイルドルフ司祭は、間違っても髪切った事に気付いても、そのことで何か言う人じゃないし。」
フィリス「カナン・・・さんも、修行を積んだ子供時代だったんですね。」
カナン「まあ、劣等生だったんだけどね。自分でも異端審問官になれたのが不思議なくらい。・・・ほら、できた。」
銀髪をきれいに梳いて、ポニーテールにまとめた自分の後ろから、カナンがうれしそうに覗き込む。
カナン「どう?」
僅かな間の後、少しだけ笑ってフィリスが答える。
フィリス「・・・ありがとう、カナンさん」
2-4 下級地区 酒場兼雑貨屋(情報その2)
・不愛想な店主、情報収集を試みる二人に対して「何も買う気がないな帰って遅れよ。商売の邪魔だよ。」
カナン「お願いします」
頭を深く下げた際、首から下げていた異端審問印が懐から飛び出す→店の空気が一転する。
客1「・・・異端審問官」
客2「おい、『異端裁判』に架けられる前にあの事をしゃべっちまえよ。」
フィリス「・・・なんですか?あの事って?」
客1&2「うわあ!」
・噂「消滅事件は『黄昏の時代の巨神の怒り』→この辺りは「黄昏の時代」はヨルツヘルムの領地であり『巨神』を持つヨルツヘルムの貴族が治めていた。「統一戦争」の際に「神聖騎士団」によって滅ぼされてが、まだ生き残りが北の山脈におり、新たな統治者を受け入れた「アルビアの街」を消滅させた。
・買い物→立ち去る前、気まずさに耐えかねたのか、店の雑貨であるペンダントを買うカナン。
カナン「あなたもどう?きっと似合うわよ。」
フィリス「・・・いらないわ。どうせ牢には持ち込めないもの。」
表情をかえずに答えるフィリスに、言葉を詰まらせるカナン。
2-5 下級地区・宿屋(襲撃)
・ベルン、フィリス&カナン、情報収集を終え、戻る際に(判定:感覚)→城門で感じた「見られている感覚」
・宿屋:情報の整理、今後の行動指針の検討。
・襲撃:窓をぶち抜いて、こぶし大の黒い弾が部屋に転がる→直後に弾から煙が噴出す。
カナン「みんな、吸わないで」
ベルン「ほっ!、手厚い歓迎じゃな。」
部屋の入り口に近寄ろうとすると、屋根を貫いての銃火器での射撃。
フィリス「・・・天井にも一人いるようね」
窓からは二発目の煙弾。
フィリス「扉と窓、逃げ道をふさがれたようね。」
ベルン「・・・異端審問官相手に、煙攻めでもやる気かの?」
カナン、抵抗失敗。煙を吸い込み、激しく咳き込みながらも、自分の荷物の木箱に近寄り、懐から取り出した小銃に鉄球射出機(ハンマーバレット)を装着。
カナン「道が無いときは・・・、自分でつくる!」
天井に向かいハンマー射出。
間髪を入れず、フィリスが天井に開いた穴から飛び出す。
ベルン「いい動きだ」
窓際に走り、神父服の外套の裾からライフルを取り出し、窓の外へ狙撃→天井、屋根の襲撃者、同時に撤退。
二人が襲撃者を追いかけるのを確認すると、カナンはゆっくりと膝をついた。
2-6 貧民区・裏路地
・襲撃者路地裏を逃亡→ベルンの追跡→ダブルクロスボウで奇襲を試みるが、ベルンのライフルがそれより早く男の利き腕を射抜く
ベルン「その傷ではもう戦えまい。今から止血をする。おとなしくしているんだな。」
ライフルを外套の裾に納め、近寄りながらベルンは右手を押さえてうずくまった男に声をかけた。
男「へっ、慈悲ってやつかい?」
ベルン「正当な裁判を受ける権利は誰にでもあるという事だ。」
男「で、正当に火あぶりにでもするんだろう。」
ベルン「取り返せない過ちなどない。」
表情をかえないまま、ベルンは男まで後数歩の位置まで近づいた。
男「優しいんだな・・審問官殿は!」
起き上がりざまに、隠し持っていた投げナイフを振りかぶる→月が照らす路地裏に一発の銃声が響いた。
ベルン「・・・すまん。」
そのとき、上流地区で火の手があがる。
男「へへ、俺たちは囮だ。本隊が目的を達成したようだ・・・。慌てる事はないぜ。'隻眼の獣(アインティーゲル)'は律儀な男だ。用意が出来たらすぐ、あんたらに案内状を出すだろうぜ・・・。あり・・がとよ・・・。」
微笑にも似た表情のまま目をとじた男の手を、胸の前に組ませると、ベルンは静かに十字をきった。
2-4 貧民区・屋根の上
・住宅街の屋根伝いに逃げる黒服の足元を狙い、ナイフを投げるフィリス。
男「一撃で仕留めろ。かつて私は貴様にそう教えたはずだが?」
あらかじめ分かっていたかの様な動きで避け、振り返った男は錆びを含んだ低い声で言った。身構えながらも、動揺が手にしたナイフに伝わるフィリス。
フィリス「・・・まさか?」
男(→師)「法王庁に飼われて三年か・・・。美しい輝きを放っていた銀の刃も錆び付いた様だな。」
フィリス「・・・生きて、・・・いたのですね?」
師「私と来い、フィリス。'隻眼の獣'なら法王庁を傷つける刃を持っている。法王庁のしがない飼犬となり、錆び付いたお前の刃、私がもう一度、研ぎ直そう・・・。始めて出会ったあの日のように。」
フィリス「・・・!」
カナンによって施された手甲の『封印』を強制的に解除し、無言のまま仕掛けるフィリス。手元から伸びた鋼糸が、暗闇の中、彼女の髪と同じ銀光を放つ
師「そうか、どうやら錆び付いているのは腕だけではなく、心までのようだな。」
先ほどと同様に、音も無く回避すると、手にした銃を捨て、静かに両手を引き上げるが、上流地区から上がった火の手が、フィリスの背後へ移った。
師「時間だ。今夜はいい月だ。もう少し話したいところだが、'隻眼の獣'は律儀な男でな。作戦が成功した以上、長居する訳にもいくまい。近いうちにまた、会うだろう。」
師が立ち去った後、膝から崩れるフィリス。
フィリス「なぜ・・・、今更・・・。」
2-5上流区・領主の館。
・傷ついた身体を押さえながら、煙から逃げる人々の流れに逆流するように、闇夜を紅く照らす領主の館へ駆けるカナン。
・城壁の上に人影。(視覚判定)。襲撃の男たちと同じ衣装だが、別人。炎に包まれた別館の方から飛び出してくる黒服。手にはクリスタル製の筒の様なもの。(知識:AFあるいは異端→「竜または巨神」の動力機関の一部。美術品としても価値が高いが、所有は禁じられている)。
・黒服、城門を乗り越え闇の中へ撤収。
カナン「待ちなさい!待って、お願い・・・」
毒煙にまかれた身体をひきずりながらの、カナンの叫びが東の空が白み始めたシザンの街に響いた。
転フェイズ
3-1 アルビアの街へと続く街道
・領主の館襲撃犯の逃走経路を、アルビアの街→北の山脈と推測。
・道中、ベルン(視覚判定→成功)、フィリスの手甲の鋼糸射出孔にかすかに血が付いている事を指摘。
カナン「封印を解いた事は責めないから、何があったかだけでも教えて?」
フィリス「・・・何も、なかったわよ。何も・・・。」
カナンの問いに言葉を濁すフィリス。されに問い詰めようとするものの、言葉を続けられないカナン。
わだかまる空気を携えながらも、足早に移動する一同。
3-2 第六教区「消滅都市アルビア」
・街の3分の2がクレーター状に抉られている。
・(知識:AFまたは異端→成功):巨神(法王庁の定義では邪神)の『グングニル』による被害。
・グングニルについて →(達成値7以上):黄昏の時代中期に作成された巨神のうち、6体が装備していた巨神用巨大AF。「『古代神』に極めて近い体組織を持つ巨神」のみが使用可能であったとされている。新聖歴49年の「第一次大征伐」の発端となった'神界の霧'による「法王庁襲撃事件」の中核「巨神・ヘルモーズ」も、6体うちの一体で在った、という説がある
・街の被害状況から、『グングニル』の射線を推測→北の山脈の山頂付近。
3-3 山岳地帯
・半日の移動で北の山脈に差し掛かる頃には日没 → 山の中腹から松明が一定間隔で灯り、「道」を形成。
ベルン「これはまた、ご丁寧な。」
カナン「分かりやすくていいわね。調子に乗りすぎだけど。」
フィリス「相当な自信があるのでしょう、'隻眼の獣'には。街ひとつ吹き飛ばしてもたりない位の・・。」
・天然洞窟に偽装した「古代遺跡」入り口
カナン「・・・フィリス。手を出して」
重い空気を振り払うかのように、カナンが突如声を出し、フィリスの手甲の封印を解除する。
フィリス「罪人の封印を・・。何故?」
カナン「辛気臭いのはもうごめんよ!フィリス、ここから先は、『異端審問官』と『罪人』縛る鎖は必要ないわ。」
不思議そうに首を傾げるフィリスの目を見て、カナンは言葉を続ける。
カナン「私たちは『友達』よ。いい?『友達』を悲しませるようなことはしちゃだめよ。必ず、三人で生きて帰るんだからね!」
自分の手首をさすりながら、俯き加減に頷くフィリス。
フィリス「・・・カナンも、人に言った事は自分も守らなきゃね」
カナン「当たり前じゃない。」
大きく頷くカナン。
カナン「『思うままでいい』。そうでしたよね、ベルン神父?」
ベルン「ああ、その通りじゃ。お譲ちゃんらしいの。」
ベルンの嬉しそうな笑みを確認すると、カナンは短い祈りの後に、声を出した。
カナン「さあ!行くわよ!」
結フェイズ
4-1 月光の差し込む地下古代遺跡
・巨大な空間(「巨神」用の闘技場?)。重厚に佇む「巨神」と、右眼に青水晶の義眼を埋めた男。
カナン「あなたが・・・'隻眼の獣(アイン・ティーゲル)'」
獣「その通りですよ。異端審問官のお嬢さん。はるばる法王庁から、このような場所までようこそ。さあ、歓迎の用意はできています。短い間になると思いますが、じっくりと楽しんで下さい。」
カナン「街一つ消しておいて、ふざけないで!。何が目的なのよ!」
'獣'は静かに笑う。
'隻眼の獣'「1つは復讐。ヨルツヘルム王家の血筋に連なるものとして、まっとうな理由だと思っていますが?」
「100年の眠りから目覚めた巨神『アドセレス』のグングニル発射実験→異端審問官が派遣される→前哨戦兼法王庁への宣戦布告」
ベルン「まあ、分からなくは無い話じゃのう。納得は出来んが。」
獣「2つ目は、『グングニル』を使用することで、異端審問官、つまりあなた方にお越し願いたかったのですよ。音に聞こえた法王庁が要する異端審問官、それがどれほどのものか確認したかったのでね。」
カナン「冗談じゃないわよ!それだけのためにアルビアの街を消滅させたって言うの!」
獣「前夜祭にはあのくらいでちょうどいいでしょう。そしてこれからが、本当の意味での『アドセレス』の復活祭です。」
・『アドセレス』の胸部装甲が縦横三重に開き、青く光る宝玉(天羅でいうところの心珠)「神の心臓」が点滅する体内に入る(視覚判定&知識:AF)→彼の右目に埋め込まれた水晶球が同色の光を放っている。「黄昏の時代」巨神との適合能力が低い「巨神の使徒」が、適応率を上げるために己の肉体に神具を埋め込んだ→補正率アップ。
・隠れていたトループ並びに師、登場。
師「楽しい夜になりそうだな。」
フィリス「・・・待っていました。」
閉じかけた『アドセレス』の胸部装甲から'隻眼の獣'の声が伝わる。
獣「先ほどは'目的は「黄昏の時代の復讐」'と答えましたが、本当は私はただ、自慢したかっただけなのかもしれない。『私はこれだけやった。そしてこれから始める』とね。」
4-2 戦闘
敵構成
・隻眼の獣&巨神『アドセレス』(巨神の使徒&巨神)
・アナガン・ハキム(暗殺者・打突針)
・組織戦闘部隊10人セット ×2
1ターン目
・ベルン:巨神に通常攻撃。『アドセレス』移動のみ。
ベルン「痛がる素振りでも見せれば、少しはかわいげがあるものを」
・カナン:トループA並びにBに特殊攻撃〈ハンマーバレット〉
カナン「しばらくおとなしくしてて!」
天井に向かいハンマーバレット射出→落石で行動不能に。
・フィリス:師と向かい合う
師「・・・'昨夜の続き'といきたかったが、ここまできた以上、言葉は要らぬか」
フィリス「なぜ、あの男についていくの?」
師「'隻眼の獣'は法王庁相手に本気で刃を向けるつもりだ。法王庁は例えるなら不動の巨石だ。振りかざした刃が折れるかもしれない。しかし『アドセレス』を持ってすれば、少なくても巨石に傷くらいは与えられるだろう。私の名前も、そこに刻まれる。私が死のうとも、闇ではなく、日の光の中に残るのだ!」
天井から差し込む微かな月光を見上げて眼を細める。
・2ターン目
・ベルン特殊攻撃:巨神移動攻撃
無造作に踏みつける巨神の足をかわす。
ベルン「『黄昏の時代』の神は、老人をいたわらんのか?」
獣「お望みとあれば、お相手しましょう」
『アドセレス』、鞘から長剣を抜き、胸の前で構え、一礼。
・カナン:移動
一瞬、フィリスの方に目を向ける。
フィリス「大丈夫。約束したから。」
カナン「信じるからね。」
カナン → 巨神に向かい移動。
・フィリス:決着
フィリス「今のあなたは'隻眼の獣'と供に戦い、日の光があたる場所へ出ることを望んでいるのですね。たとえ途中で朽ちようとも・・・」
師「その通りだ。最後にもう一度聞こう。私と来る気はないか?」
一瞬の沈黙の後、フィリス、無言で首を横に振る。
師「そうか・・・」
フィリス「あなたの、望みがそれならば!」
何かを振り払うように手甲で前面をガードしながら、ナイフを構えて突撃。
師「捨て身!?。誰がそのような無様な戦い方を教えた!」
怒声と供に師が投げつけた無数の打突針を受けながらも、師の後方に向かって跳躍し、鋼糸で全身束縛。
師「・・どうやら、錆びついていたのは私の方だったようだな。」
微かに身を捩るだけでも、食い込んだ鋼糸がよりきつく閉まる。
フィリス「いいえ。今の私を『友達』と結んでいる鎖のほうが、あなたのくれた鋼糸より強かったのよ。」
師「・・・お前はすでに新しい生き方を見つけていたようだな。この私とは異なる道を。」
微かな微笑を浮かべる師の言葉に、小さく頷いて、別れの言葉を紡ぐ。
フィリス「・・・サヨナラ」
暗闇の中、フィリスが引き絞った鋼糸が、銀光を放ちながら手甲へと吸い込まれ、うつむいたフィリスの頬にも銀光が反射した。
・3ターン目
・カナン「私の二つ名を教えてあげるわ。あのロベール・エリクセンと同じ『白き腕』て言うのよ。そして私も持っているのよ。『神殺しの槍』をね。」第一種封印弾を小銃に装填。発射機部分に増設機を装着(ガトリンクガン)。鉄球部分が液体金属状に変化し、無数の投射槍として発射。
獣「まさか!?」
カナン「裁きを!」
カナンの構えた銃より12条の光状が放たれ、その反動で、カナンも後方に吹き飛ぶ。巨体に無数の槍を受け、仰向けに倒れる巨神『アドセレス』。'隻眼の獣'の咆哮が重なる。
ベルン「・・・見事じゃ、お譲ちゃん・・・」
感嘆にもにたため息を漏らすベルン。
・倒れたアドセレスの右腕が青白色の発光。胸部装甲板の一部が吹き飛んでおり、隙間から見える'隻眼の獣'は、額から血を流しながら呼吸を整える。
獣「見事です、異端審問官。法王庁との本戦に向けて、いい経験がつめました。あなた方を排除した後、もっと時間をかけて準備する。その際はもう不覚はとらない!」
ベルン「『グングニル』か!貴様もただでは済まんぞ!」
獣「さて、性格でしてね。見せていただいたものに対してはきっちりお礼をしないと。たいした出力では撃てませんが、この山の片側斜面くらいなら吹き飛ぶでしょう」
カナン「くっ!そんなこと・・させ・・な・・。」
徐々に強まる青白色光の中、立ち上がろうとするが、封印弾を使用したため全身が鉛のように重く、倒れるカナン。そのとき、地下遺跡全体を照らすが如く強まる青城色からかばうように、一人の人影がカナンの前に立つ。
カナン「フィリス!何してるの、早く逃げて!」
フィリス「私は自分の手で師を殺した。でも、いえ、だから、友達は守りたいの。」
カナン「フィリス・・・」
互いを庇い合う様な二人の頭上越しに、ライフルを右腕一本で構えるベルン。
ベルン「お嬢さん方の約束を守る手伝い、このワシにもさせてくれんかね?」
左手で短く十字を切った後、打ち出された弾丸は、'隻眼の獣'の青水晶の義眼を貫いた。
・なおも前に進むかのごとく、「アドセレス」は前のめりに倒れた。自重で「槍」が背面に突き出る。同時に揺れ始める洞窟。落石も始まる。
フィリス「先にいってて」
カナン「・・・まだお礼は言ってないんだからね。すぐきてくれなきゃいやよ。」
顔を見られるまいとして立ち去ったカナンと、小さく頷いてそれに続いたベルンを見送って、微かに微笑むフィリス。崩れ始める中、一つの血溜りの前で足を止めた。
「ありがとう、ごめんなさい、さようなら。」
3言だけ、口から紡ぐと、「友達」のとっていた十字を切ると、後ろに結んでいた銀髪を切り取り「師」へ捧げた。
終フェイズ
5-1 法王庁・地下牢
黒い鉄の錠が開き、囚人服姿のフィリスが入り際に振り向く。
フィリス「・・・お別れね。」
カナン「待って。」
アルビアの街で買ったペンダントを強引に握らせる。さりげなく立ち位置を変え、門番からの目隠しをするベルン。
ベルン「そんな顔をするな、二人とも。異端審問官っていうのは「仕事」には事欠かないんだ。そう遠くないうちに次の任務が入るぞ。そのほうが、フィリス壌ちゃんの刑期が減る機会も増える。・・・皮肉な事じゃがな。とりあえず今は、しばしの別れ、ってヤツじゃよ。」
ベルンの言葉に小さく頷くと口を開く「白き腕」。
カナン「私は、友達だからね。」
フィリス「・・・ありがとう、カナン」
重い音を立て鉄格子が閉まる中、二人の放った言葉は確かに相手へと届いた。
5-2 法王庁・静寂の回廊
カナンが提出した「第6教区・アルビアの街消滅に関する報告書」に目を通すイルドルフ司祭。
イルドルフ「まだ不安定だが一応の成果はあげた、といったところか・・・。とりあえず'劇薬'も使いこなせたようだな。」
報告書を閉じると、光さす中庭の方に目を向ける。
イルドルフ「神よ。架の物が試練を乗り越えられたことを感謝します。・・・やがて始まる。この半島の巨大な病巣の摘出のためにも。」
静かな祈りと供に十字をきると、僅かに顔をあげ、晴白の空を見上げた。
~珀白の寝台・編、完~
長い間ご愛読ありがとうございました。マグコ先生の次回作にご期待ください。
終了後の記者会見(トルシエ風)
――まずは感想を。
「いい仕事が出来て満足している。何事も形に残す事は、有意義な作業だ。」
――リプレイの際、会話の意図的な改ざんや、ジサクジエン疑惑があるが?
「(語気を強めて)最初から'リプレイもどき'と記載している。実際に多少の変更を行なったが、プレイヤーの残した遺産を第三者が読んでも、分かりやすくしようとした結果だ。ドキュメント番組を制作するのに、記録映像だけを垂れ流すディレクターはいない。」
――具体的な編集点は?
「文体を簡潔にすることを優先したので、判定作業は全てカットした。実際にはアナスパのルールも一部導入してみたし、多大な効果もあった。他には、ストーリーの進行に絡まないセリフは、カットした。理由は同上だ。これ以上の編集に関する質問は受け付けない。」
――『カナンは萌えキャラであった』とプレイヤーが発言しているが?
「主観と客観の捉え方を意識して頂きたい。プレイ中はコンディション不良の中、素晴らしい集中力を発揮していた。萌えを意識することは無かったと思う。要は、読み手の捉えかたの問題だ。試しに『カナンたん』を『カンナたん』に置き換えただけで、萌えを感じる人はゼロになると思う。そういうことだ。」
――続編はあるのか?
「意欲はあるが、同プレイヤー陣を揃えるのが困難なため、今回の続きという形では難しいだろう。しかし、大義を始めとする、'クラシック・レジェンド'、さらには現主力である'ゴールデン・エイジ'とで組み合わせてみたいメンバーと、やりたいシナリオは、二桁を超える。そのさいにはリプレイもどきも考えている。」
――夏ガッツ!でアナスパとルールブックを交換したが?
「例えるなら我々は血肉を持ったライオンと、水辺に写ったライオンだ。ライオンは水面に写った自分の姿をみて、より強くなろうと思う。それの繰り返しだ。」
――どちらが血肉を持ったライオンで、どちらが水辺に写ったライオンか?
「答える必要はない」
――最後に一言
「Tかやマグに続いて、うぃる版マグも成功を収めたことだろう。感謝の気持ちと、参加できなくてもどかしい思いだが、これからも広い意味で『形に残す』ことで還元していきたい。」
-共同通信―