己の葛藤に反応した
万仙陣によって顕象されたもう一人の自分との戦い。
夢を見続けようとする静乃と夢から覚めようとする静乃。
相州戦神館學園万仙陣の
崑崙宮殿において、夢から覚めようとする静乃が発した台詞。
「本を閉じた後は寂しい。物語に思いを馳せて、ふと我に返れば広がっているのは荒野かもしれない。
だけど、胸に点る熱く切なく愛しい何か」
きっとそれこそが、たとえどれだけ離れていようと彼我を繋ぐ絆の輝き。
ヒーローに憧れて、悪党に憤慨しながらも楽しんで、
思いもしない展開に驚いたり突っ込んだり、泣いたり笑ったりしながら物語に入り込むこと。
「彼らと駆けた記憶は遥か、手の届かない遠いものだったとしても」
「胸に残った熱は真実――それを感じている限り、私(おまえ)も彼らの仲間なんだ!」
「憧れて、夢に見て、胸に生まれた想いは真実。その熱さえ信じられたら、もうそれで充分だろう?」
「そこにあった。真は確かにあったんだ。
彼らと繋がって仲間になれたし、本を閉じたからといって色褪せるようなものじゃない。
それを信じず、妄想に逃げて、なあ……どこに絆があるというんだよ。
せっかく築いた宝物を、自ら捨てようとしているのはおまえじゃないか。
おまえの行きたがっている所にこそ、何も無い。無いんだよ、静乃……」
だからせめて、この痛みを誇りに変えていきたいと願う。
永遠になくならない苦しさは、それもまた真に違いないのだから。
彼らと繋がった現実があるからこそ、胸が疼くのだと強く思える。
物語という夢を経験し、かつその果てに悟る
読者が得るものは人生の無常、真理、そしてそれに立ち向かう勇気
すなわち無形の輝きであり、その誇りこそが強さ
前作にて夢を捨て去った
柊四四八の結論を、より身近に感じられるようにして、至った場面。
飽いていれば良い、飢えていれば良いという境地へと至るための強さは、
その真逆、
かつて満たされていたという、
愛する刹那から生じるのである。
関連項目
- ∴「何を言ってるんだこの塵は。永劫俺で満ちている事いればそれでいいじゃないか」 -- 名無しさん (2016-03-11 10:56:09)
- いい解説だ -- 名無しさん (2016-03-11 11:00:23)
- 二次創作部分での痛さで隠れ気味だけど、しーちゃんも普通にかっこよかったんだよね。 -- 名無しさん (2016-03-11 11:28:05)
- ある意味、いい読者の代表(英雄)かもしれない -- 名無しさん (2016-03-11 13:24:52)
- 思うんだが、正田卿はメタな話が好きなのかね? -- 名無しさん (2016-03-11 13:52:55)
- メタというか特に万仙陣はファンのこと考えながら書いた感が伝わってくる。ほんといい意味で期待に応えいい意味で期待を裏切った。・・・けど明けの明星は卑怯だろwwwww -- 名無しさん (2016-03-11 14:54:41)
- ここのシーンは南天浄化シーンと並んで大好きだわ。 -- 名無しさん (2016-03-11 17:38:01)
- 覇吐も似たようなこと言ってたな -- 名無しさん (2016-03-11 18:23:55)
- 神咒はそれを上手く説明できなかったからなぁ。戦神館では、上手くまとめることができた -- 名無しさん (2016-03-11 18:28:07)
- 万仙陣、発売当初はこれまでにないくらいメタな皮肉だらけの、言っちゃ悪いけどちょっとくどいお話になるんじゃないかと不安だったな 上でも言われてるけど、本当にいい意味で期待に応えていい意味で期待を裏切った作品だった -- 名無しさん (2016-03-12 14:02:25)
- メタを題材にした作品は全体的に皮肉まみれや露悪的になる傾向が強いからな。過去の正田卿作品も少々クドくなりぎみなとこもあったし -- 名無しさん (2016-03-12 15:55:26)
- 個人的に一番メタっぽいなと思うのが永劫回帰。セーブ&ロードと√分岐を技にしたらこうなるのかと思ったよ -- 名無しさん (2016-03-12 16:12:04)
- 万仙陣もかなりクドイ部類なんだが大尉と阿片オジサンが全力で笑わせに来たからな。説教もするがユーモアもある大先生=14歳神か -- 名無しさん (2016-03-12 17:25:54)
- 「万仙陣は単なる絆の全否定だ」 この台詞と合わせて好きなシーンだ -- 名無しさん (2016-03-14 13:27:28)
- 正田 -- 名無しさん (2016-03-14 18:11:59)
- 訂正、正田卿はやっぱり一本目で学習して二本目でしっかりまとめておもしろくするよな -- 名無しさん (2016-03-14 18:13:03)
- ↑1本目から面白くしてほしいんだけどな -- 名無しさん (2016-03-14 18:16:20)
- いいじゃないか、一回目も二回目も駄目な作品作るよりは -- 名無しさん (2016-03-14 18:19:50)
- 着実に話が上手くなってるのは凄いと思うが。新作出すごとに評価が下がり、まるで成長してない・あの頃の栄光はと、出来て当然と言われることが大抵出来ないことが多い業界なら尚更 -- 名無しさん (2016-03-14 18:43:07)
- 八命陣だしてから約一年後に万仙陣だっけ?本来は八命陣で出す要素を万仙陣に分割して加筆したとどこぞで言われてただけど実際どうなんやろう -- 名無しさん (2016-03-14 19:04:18)
- ↑2俗に言うエロゲライター十傑集も最近見ない奴がいるしな -- 名無しさん (2016-03-14 20:09:02)
- なんというかヒットする→ファンが好きそうな展開を沢山入れて次の作品作るが狙いすぎて白けるが基本のエロゲ界で14歳神はちゃんとファンサービスもして面白い作品に仕上がるからね。八命陣だって詠唱とか残念部分はあっても面白いところも沢山あったしね。 -- 名無しさん (2016-03-15 02:07:48)
- というかな、後に出た二次創作ネタを続編やファンディスクでブチ込むヤツとかは大抵コケる。正田卿はそれをしなかっただけ -- 名無しさん (2016-03-15 11:03:25)
- だが壁ドンネタは出す。(ドラマCDを聞きながら) -- 名無しさん (2016-03-15 13:16:18)
- ↑3 ファンサービスといえば、最近の遊戯王はそのパターンより悲惨な状態になってるな。ファンが喜ぶ展開どころかファンがブチキレて大炎上してる -- 名無しさん (2016-03-15 16:42:03)
- ↑希望を与えられ(過去作からキャラの登場、シンクロ竜と対決か!?という期待)、そして奪われる(話の展開とか色々)という、Ⅳ的な意味のファンサービスだったんだよ… -- 名無しさん (2016-03-15 16:52:32)
- 甘粕の人間賛歌も四四八の人間賛歌もダメダメやね。過去キャラという驚異や過去キャラというお手本がいたら勇気は生まれない。新地にこそ勇気は生まれる -- 名無しさん (2016-03-15 17:29:43)
- ↑2 失望しました、Ⅳのファン辞めて那可ちゃんのファンになって辞めます -- 名無しさん (2016-03-15 17:51:09)
- ↑2四四八と甘粕自体が過去キャラ(Dies)に頼らないで生まれたキャラで、静乃と信明が先達から学んで、自分なりの答えを見つけ出したのが勇気じゃないと? -- 名無しさん (2016-03-15 18:27:10)
- 大切なのは前人未到であること。逆十字の二代目は駄目でしたね -- 名無しさん (2016-03-15 18:32:46)
- ↑ 継承の概念をいったい何だと… 前人未踏の偉業も全て、積み重ねの果てにあるものだろうに。しかも征志郎は盧生に切られた後、もう一人見つけるという初代を超える偉業も成し遂げているというのに… -- 名無しさん (2016-03-15 18:46:57)
- セージを超えれてんの三代目だろ?というか初代の最大の功績、邯鄲法を完成させたに比べれば劣るだろ -- 名無しさん (2016-03-15 18:58:20)
- というか二人目見つけられたに関しては、残された時間と運の良さだろ。セージは邯鄲法に辿り着いて試行錯誤するのに時間割いてるし、スタートラインが違うだろ -- 名無しさん (2016-03-15 19:04:26)
- そもそも邯鄲法は物部が最初に研究してて、セージはその残ったデータを参考に完成させたんであって完全独力じゃないんですが・・・ -- 名無しさん (2016-03-15 19:05:28)
- ↑3 その理屈(成し遂げたこと単体の凄さ)でいえば、三代目が成し遂げたことって言ってしまえば「病気を治した」だろ。摩訶不思議な外法の完成が、病気根治より偉業な訳ないよな?(もちろん、こっちは三代目は初代二代を超えたと思ってる。その基準で言えば、だ)…っていうか、それ四四八の思想(「「分かりやすく目に見えなければ~」)の全否定だから… -- 名無しさん (2016-03-15 19:12:06)
- ↑ ん?南天の成した事がセージの邯鄲法に劣るとは言ってないぞ?二代目に対しての発言だったんだが -- 名無しさん (2016-03-15 19:19:15)
- というかセージ(逆十字)自身から見たら完治>>邯鄲法だしなぁ。外野が功績がああだこうだのいっても「完治せねば意味がないだろうが!」でしょうがない気がするが。 -- 名無しさん (2016-03-15 19:31:47)
- ↑2 だから、結局その人にとってどうなのか、それだけだろ?他者から見て前人未踏だどうだというのは、所詮はカッスの思想に賛同し、「分かりやすく目に見えなければ無いも同じで価値もないだと……笑わせるなよ」という四四八の言葉を叩きつけられる側の人間じゃん。もちろん輝かしい偉業は凄いけど、だからって劣っているとは言えないだろ? -- 名無しさん (2016-03-15 19:46:08)
- 別に大尉は前人未踏を目指せとは言ってないけど。大尉を倒すには前人未踏の何かをやらなければならなかっただけで -- 名無しさん (2016-03-15 20:54:34)
- あれは倒すというより、認めさせるだろ -- 名無しさん (2016-03-15 21:12:42)
- 甘粕事件の直後に、仮に水希がいきなり死んで448がニートになったら、甘粕もブチ切れるだろうな。判るか覇吐? -- 名無しさん (2016-03-15 21:16:07)
- ↑(ぶっちゃけ求道神にもなれてない覇吐に波旬への行動を起こせって無理なものがあるぞ) -- 名無しさん (2016-03-15 21:23:33)
- 大切な人がいきなり死んだらショック受けるだろ、最終的には波旬倒してるし覇吐がそこまで言われる理由が分からん -- 名無しさん (2016-03-15 21:43:39)
- ↑4 作中vs征志郎のとこではっきり言われてたろ、偉大な初代に二代が劣るという鎌倉市民の考えは、継承の概念を否定し、脅威がなければ人は輝かないという甘粕の思想に賛同するものだ、って -- 名無しさん (2016-03-15 21:54:05)
- だが三代目はセーフ! -- 名無しさん (2016-03-15 22:11:09)
- 初代のおかげで邯鄲法が開発され2代目がアヘンおじさんを見つけその子孫のおかげでノブが3代目を救った、なんだやっぱ逆十字架っていい一族やん! -- 名無しさん (2016-03-16 02:01:39)
- 大切な人達がいきなり単なる夢でしたとされた静乃は、摩のおかげで一日で立ち直った。摩ってめっちゃ良い奴だなぁ(白目) -- 名無しさん (2016-03-16 07:01:38)
- ↑3 南天はセージにとっての未踏、悲願で有る病気の完治が出来てるからね -- 名無しさん (2016-03-16 09:31:39)
- 結局万仙陣が一番って事だね(スパー -- 名無しさん (2016-03-16 18:13:32)
- 今、『俺たちに翼はない』やってるんだが、あっちでも、似たような主張があったな。『例え、夢物語だとしても思いを現実に持ち帰るなら、それは無意味な逃避ではなく探索だ』ってやつ。 -- 名無しさん (2017-03-10 20:21:53)
最終更新:2017年03月10日 20:54