インフィニットジャスティスガンダム弐式 INFINITE JUSTICE GUNDAM TYPE II |
登場作品 |
機動戦士ガンダムSEED FREEDOM |
型式番号 |
ZGMF-X191M2 |
全高 |
19.64m |
重量 |
78.07t |
所属 |
ターミナル |
【設定】
第二次連合・プラント大戦の終結後、
インフィニットジャスティスガンダムにオーブ連合首長国・モルゲンレーテ社が改修を施した機体。
改修はオーブ代表首長
カガリ・ユラ・アスハがモルゲンレーテのエリカ・シモンズに依頼したことで行われた。
改修後しばらくは新装備「AMGS-X18P
キャバリアーアイフリッド」の性能評価実験に使用されていたが、原型機のパイロットである
アスラン・ザラのターミナルへの出向に合わせ、
擬装した上でキャバリアー共々正規に運用される運びとなった。
カガリの依頼があったことから、元よりターミナルで運用することが決まっていた可能性がある。
一見すると本体は改修前と同じく見えるが、新装備のテスト運用を想定されていたストライクフリーダム弐式などに比べると、本機はアスランが実戦で使用することを想定して改修が施されている。
彼の能力を最大限引き出しつつ耐弾性や攻撃能力の最適化を行うため、コントロールシステムはもちろん、装甲形状と武装配置の大部分が変更されている。
トサカ状センサーマスト部は同じくトサカ状のビームサーベル発振器に変更されており、頭から刃を生やして突き刺して攻撃することができるようになった。
なお、この仕様変更により全高が1m弱増加している。
歴代ジャスティスのような頬部分に内蔵されていた二連装式の機関砲ではなくなり、フリーダム系列のようなこめかみに内蔵された単装式となった。
そのため、頬部分は制気口に変更された。
【武装】
MMI-GAU4 サジットゥスⅡ 20mm CIWS
原型機の頭部機関砲に代わり装備された頭部機関砲。
マイウス・ミリタリー・インダストリー社製であり、ジャスティスの頭部機関砲の直系後継モデルと思われるが、型式番号だけを見ればかなり先祖返りしている。
尤も改修において機関砲が旧型に変更されたのはストライクフリーダム弐式でも同様であり、採用実績のない旧型装備の性能評価実験をしていたものと思われる。
MMI-GAU17E ハーゲルアイゼン 20mm CIWS
原型機の胸部CIWSに代わって装備された胸部機関砲。
こちらもマイウス・ミリタリー・インダストリー社製で、「ハーゲル」「アイゼン」はドイツ語でそれぞれ「雹」「鉄」を意味する。
サジットゥスⅡと同じく型式番号が先祖返りしており、旧型装備となっている。
型番的にはカオス・
ガイア・アビスの「MMI-GAU1717 12.5mmCIWS」の近縁種と思われる。
MA-M03D ビームサーベル アクータラケルタ
シュペールラケルタに代わり装備されたビームサーベル。
引き続きマティウス・アーセナリー社製であり、型式番号を見るにシュペールラケルタの後継モデルと思われる。
「アクータ」はラテン語で「鋭い」を意味する。
ストライクフリーダム弐式と共通装備だがあちらとは形状が異なり、シュペールラケルタからビームの発振部の形状が変更された程度となっている。
また、基本的な機能はすべて引き継いでいるため柄頭同士を接続した形態「アンビデクストラス・ハルバード」も健在であり、劇中では終始この形態にて使用された。
MA-M1911 高エネルギービームライフル
改修前と同一の武装。
固有の携行装備だが、劇中ではビーム射撃の通用しないフェムテク装甲対策のため、代わりに「試製35式改レールガン」を装備した。
試製35式改レールガン
コンパス陣営が使用している手持ち式のレールガン。
ビーム射撃の通用しないフェムテク装甲対策に、ビームライフルの代わりとして装備した。
MMI-S1M7 トーニトゥルス ビーム重斬脚編集
グリフォンビームブレイドの実質上の後継にあたる、膝からつま先に設置されている近接格闘用ビームブレイド。
こちらもマイウス・ミリタリー・インダストリー社製であり、型式番号を見るに
イモータルジャスティスガンダムのカルキトラの前モデルと思われる。
トーニトゥルスはラテン語で「雷」を意味する。
グリフォンは本来大型ウイングに装備して突撃する武装であり、元々は脚部ビームサーベルとしての運用を想定した武装ではなかった。一方で本装備は「重斬脚」の名の通り、最初から脚部ビームサーベルとして開発されているため、原型機に比べてより洗練された形となる。
本機で行われた本装備の試験データを用い、イモータルジャスティスのカルキトラが開発されたと推測される。
MX2002 ビームキャリーシールド
改修前と同一の武装。
ビームシールド発生器を備えたVPS装甲製の実体シールドであり、ビームブーメランとアンカーが内蔵されている複合兵装。
MA-F2002 スピッツェシュヴァート ビームホーン
原型機の頭部センサーに代わって搭載されたビームサーベル。
「スピッツェシュヴァート」はドイツ語で「尖った剣」を意味する。
こちらもマティウス・アーセナリー社製。
センサーマストから長身のビームサーベルを展開して対象を斬り付ける。
サーベル発振時や切断時、これまでのビームサーベル系装備では見られなかった電磁エフェクトが発生していた事から、ひと際強力な装備に仕上がっていると考えられる。
根本のセンサー部分との接続部に前後方向の可動域が存在しており、頭部を動かすことなくビームサーベルを前後に振り抜くことができる。
M2X32E フォランテス
オオトリの発展型にあたる超高速戦闘対応型ウイング。
キャバリアーアイフリッドにも接続可能な汎用性の高いバックパックであり、本機では「ファトゥム-01」に代わる形で運用される。
オオトリと同じくモルゲンレーテ社製だが、搭載しているビーム兵装はマティウス・アーセナリー社製である。
基本構造としては、主翼となるX状の空力推進翼と支援戦闘機形態をオオトリから、エンジンブロックに接続した主翼と2連装ビーム砲はファトゥム-01から継承している。
本体との接続形式もオオトリから継承しており、機首を前方に倒すことによって接続用コネクタが露出する構造となっている。
また、フライヤー形態(ハイマットモード)と飛行形態に相当する形態を取ることもできる。
一方、オオトリもファトゥム-01も主翼にもスラスターを内蔵していたが、本バックパックではオミットされている。
本バックパックからの新機構として、主翼の根元にジェットエンジンが追加され、そのジェットエンジンとエンジンブロックが接続している。
さらにこの接続部には回転軸が備わっており、ジェットエンジンと主翼を前後方向に360度回転させることができる。
これにより、推進ベクトルの角度を自由自在に変更となったことに加えて左右を独立して可動させることもできるため、主推進器の方向が固定されていたファトゥム系列よりも多彩で小回りの利く機動性・運動性を獲得した。
主翼には水平に重ねた状態「ガンモード」と、X状に展開した「スラッシャーモード」が存在し、必要に応じて使い分ける。
ファトゥム系列と異なり、本体と同じ赤系統で統一されておらずグレーとなっており、フェイズシフト装甲も施されていない。
さらに、これまでのリフターと比べると特殊な形状をしているためか、ジャスティスを乗せて運行することも難しい。
先述の通りオオトリの発展形であるため、ストライカーパックの意匠が強まった結果と考えられ、リフターというよりは最初から純粋なバックパックとして設計したと思われる。
なお、ジャスティス=リフターに乗って飛ぶというイメージが強いためか、劇中ではその役目をキャバリアーアイフリッドが務めた。
本体がキャバリアーアイフリッドと接続する際は干渉を避けるために本体から分離してキャバリアーアイフリッドの後方に接続される。
【原作の活躍】
劇中終盤の最終決戦ではブラックナイトスコードシヴァの短針投射システムによる攻撃からストライクフリーダム弐式を庇って
外装が大破。
それをパージして飛び上がる形で姿を現し、キャバリアーから射出されたフォランテスを接続。ヴァリアブルフェイズシフト装甲を展開し、ビームサーベルを連結して起動、フォランテスをスラッシャーモードにすると同時にビームホーンを除く全ビームサーベルを展開、シヴァに斬りかかり後退させる。
ラクス・クラインの乗るプラウドディフェンダーの到着を確認すると、ドッキングの邪魔をさせないようシヴァを足止めしてストライクフリーダム弐式がマイティー
ストライクフリーダムガンダムへ強化するのに貢献する。
そのままシヴァの相手を引き受け、ビームサーベル・ビームブーメラン・ビーム重斬脚・シールドと豊富な武装を駆使して互角の格闘戦を繰り広げる。
シヴァのビームブレイドをビーム重斬脚で抑え込んだ後、距離を置いたところでシヴァのパイロットであるシュラ・サーペンタインに読心能力を使用されるが、そのカウンターとして
『愛』故のカガリ・ユラ・アスハの妄想でシュラを惑わせる。
シュラが激昂して突っ込んできたところを左に避けようと動くが、アスランはこれを読まれることを想定しており、一瞬で地球にいる
ストライクルージュからのリモート操作に切り替えた。
これによりシュラの読んだ思考とは別の行動で裏をかき、右手に持っていたビームサーベルを左手に持ち替えてリアスカートにマウントしていたレールガンを構え3発連射、シヴァの右腕を肩関節付近で破壊する。
再びアスランの操縦に切り替え、レールガンを投棄し再びビームサーベルを構える。
シヴァのビームブレイドをビーム重斬脚で弾くも、ビームサーベルの攻撃にビームシールド展開が間に合わずシールドを弾き飛ばされる。
さらにこちらがビームサーベルを振り下ろしたところを狙われて右肘関節を切断され右前腕とビームサーベルを失う。
だが、アスランは全く怯むことなくSEEDを発動、ここまで隠していた頭部のビームホーンを展開し、シヴァの胴体をコクピットハッチの上から両断し勝利を収めた。
なお、右腕の破損に関してはアスランにしては大振りな攻撃だったため、わざと右腕を破壊させて懐に潜り込む、まさに肉を切らせて骨を断つ策だったと思われる。
シヴァ撃破後はキャバリアーに乗ってレクイエムへ向かい、ゼウスシルエット装備の
デスティニーガンダムSpecⅡとミーティア装備の
インパルスガンダムSpecⅡと合流。ミーティアの収束火線砲、ゼウスシルエットのミサイル、キャバリアーのビーム砲と同時に高エネルギー長射程ビーム砲とミサイルを発射し、レクイエムを防衛していたファウンデーション軍を攻撃。
インパルスSpecⅡと共にデスティニーSpecⅡによるレクイエム破壊を見届けると、両機と同時に離脱した。
戦闘後、キャバリアーとドッキングしシヴァに弾き飛ばされたシールドを回収してからオーブへ降下(マイティーストライクフリーダムとは別行動だがほぼ同時に到着)。
ストライクルージュと並走しながらオノゴロ島の海岸に着陸し、キャバリアー共々アスランとカガリの暫しの談笑の場となった。
【搭乗者】
アスラン・ザラ
CV:石田彰
オーブ軍一佐にしてCE最強の男。
キラを修正した後、共にミレニアムに乗り込み仲間たちと共に宇宙に上がる。
宇宙要塞アルテミスでのラクス救出の際には、キラたち救出チームをアルテミスに侵入させるために、囮として
ストライクフリーダム弐式に乗り、シュラ操るシヴァと再戦し、作戦の時間を稼いだ。
最終決戦ではシヴァの短針砲からキラを
ズゴックで庇い、真の姿である本機で反撃に転じる。
そして、シュラの読心対策としてシュラ曰く
「破廉恥」な妄想と地球からのリモート操縦を交えつつ、その果てにインフィニットジャスティスの片腕を切り落とされシュラから「やはり俺の方が上だ!」と勝利を確信されるも、回避不能な体勢になったのを確認し「強さは力じゃない! 生きる意志だ!」と言い放つと共にSEEDを発動。
決めの一手として使わずに温存していた頭部センサーのビームブレードでシュラごとシヴァを真っ二つに両断。見事勝利をつかみ取った。
SEEDでの最終決戦時にカガリから言われた「生きるほうが戦いだ!」という言葉がアスランの核になっていることがよく分かる。
その後はキャバリアーと合流してミーティア装備のインパルスSpecⅡやデュエルブリッツと共に、ゼウスシルエット装備のデスティニーSpecⅡのレクイエム破壊を援護した。
全てが終わった後は、地球へと帰還した後、カガリとの通信で互いが贈りあった「ハウメアの守り石」と「指輪」を見せ合い、笑い合った。
SEED時代、DESTINY時代は政治や周囲に翻弄されて迷いまくりの模索道だったアスランだが、本作では所属も任務も明確に確立しており、さらにメイリンという相性が良いパートナーもいたためか終始安定した役回りだった。
親友や仲間達が陰謀にハメられて核で焼かれそうになる、第2の母国オーブもレクイエムの標的にされるなど、ファウンデーションに対してはブチギレて然るべき状態でも狼狽えず、むしろ生来の理知的な思考や拳で修正する熱意と彼らしからぬ理路整然とした説得でキラを立ち上がらせるなど、元祖主人公の1人として果たしている。
その後の最終決戦での破廉恥な活躍は上述した通りで、『メンタルが安定していて準備万端なアスランは非常に強い』と視聴者から再評価されることとなった。
【原作名台詞】
- アスラン「心を読めるんじゃなかったのか? 使えないな」
シュラ「殺す!」- ストフリ弐式搭乗時。キラの狙いに気付きアルテミス要塞に戻ろうとするシュラのシヴァをストフリ弐式のドラグーンで阻み、上記の台詞でシュラを挑発させる。
結果、役割至上主義のシュラはアスランの挑発に乗ってしまい、要塞に戻ろうとせずアスランを討とうと躍起になる。
本シリーズではニュータイプ相手の勝利台詞にも採用されている。
- アスラン「カガリ…」
シュラ「うおああああああ!?!?」- 心を読む力を持つシュラに対して、アスランは裸のカガリを妄想することでシュラを戸惑わせようとする。
結果的にシュラは激怒してしまい、冷静さを欠かせる事に成功し本命のリモート操作を隠し通すことに成功した。
- 「本当に使えないな!」
破廉恥な妄想やリモートで完全に翻弄し、さらに言葉でも挑発してシュラの優位性を徹底的にこき下す。
- あまりに荒唐無稽なやり方とはいえチートじみた読心能力の弱点を突くと同時に、これだけの対策を用意していることを見せつけることで、「どんな能力も活かす人次第だ」というアスランの考え方も見て取れる。
- もちろん劇中ではそこまで語ってはおらず、事後談のボイスドラマで語られたのみである。
生来の口下手がこんなところで活かされようとは…
- 「強さは力じゃない、生きる意志だ!」
- シュラのシヴァにビームホーンを叩き込む際の台詞。
第2次ヤキン攻防戦でカガリから言われた「生きる方が戦いだ」という言葉が、今なおアスランの根源にあることが分かる。
【VS.シリーズの活躍】
EXVS2OB
第11弾追加機体として参戦。コストは隠者同様3000。
最初はズゴックの状態で出撃し、任意のタイミングで隠者弐式に換装可能という
ナラティブガンダムのような機体特性となっている。
ズゴックの詳細は
ズゴックのページに譲るとして、こちらの形態は隠者からサーフィンを取り払った代わりに機動力を更に強化したような格闘寄り万能機。
ブメリフターメイン、アンカー、格闘連撃といったアスラン機伝統のモーションの他、ウイングからビームを一斉射するフルバースト風のゲロビも仕込んでおり、受けに関しては隠者と同等以上。
ただ、サーフィンのような始動択や2500時代の変形がないため、攻めに関しては単純な機動力とそれなりに伸びる各種格闘で勝負を挑まないとならない甘えが許されない厳しい形態で本機の出番がないのが望ましいところ。
とはいえ封印するのは勿体ないので負け筋を潰すために脱げる判断ができるようにもしたい。
そういう面では一方換装のヴァーチェにおけるナドレにも近いか。
こちらの覚醒技はカガリのリモート操作も織り交ぜた連撃で、最後にビームホーンを食らわせる。
残念ながらカガリのボイスはない。
原作ではフェムテク装甲対策にビームライフルを持たずレールガンを装備していたが本作ではビームライフルがメイン装備でレールガンは覚醒技のリモート操作のシーンでのみ使用される。
モデリングは無印インフィニットジャスティスと異なりメタルROBOT魂やMGなどの高級フィギュアやガンプラがまだ出ていないので並ぶとあちらほどディテールが細かくない。
機体選択時には原作で言われなかった「アスラン・ザラ、インフィニットジャスティス弐式、出る!」と言ってくれる。
ちなみに映像公開された大型大会ではとあるミスで空気が冷えていたがアスランの声そして本機の映像が出た瞬間に大いに盛り上がった。
やはりネタ的な意味でもアスラン・ザラが最強か。
【勝利・敗北ポーズ】
勝利ポーズ
ズゴックが爆発し、中から隠者弐式が登場しサーベルを構える。
原作の登場シーンの再現。
敗北ポーズ
ズゴックと共通でズゴックがキャバリアーとドッキングして離脱。
【その他の活躍】
ガンプラ
HG弐式が登場。そしてOB解禁と同じ週にズゴックが販売。
ズゴックの中には弐式の胴体が収まっている。
勿論色分けは簡易的な感じで可動もしないが中にHG弐式の胴体を入れたりもできる。
【余談】
ガンダムファンからは前機体に肖り「弐ンジャ(ニンジャ)」、「隠者弐式」「インジャ弐式」の愛称で呼称されたりネットでのコメントで記入する際に用いられていることがある。
トサカのビームホーンは、重田智曰く「『シルバー仮面ジャイアント』のナイフ型武器「シルバージャック」」とのこと。
オーブに撤退してきたキラ達がオノゴロ島地下でかつての愛機達と再会するシーンでは、ストフリとデスティニーが名前を呼ばれた関係でインパルスが少し目立たず、初見では「ストフリ、運命と来たら3機目は隠者である」と勘違いした人が多かった。
そういった理由もあって、ズゴック→隠者のパージで驚いた人も多かった模様。
劇中の描写のように何かとスケベな印象が強い「破廉恥」という言葉だが、時代の流れと共に俗なニュアンスが根付いていったためで最初は単に「恥知らず」という意味しかなかった(特に倫理人道に反する行いを指す場合に使われる)。
ちなみに『
Zガンダム』では本来の意味で使われている。
序盤でブレックス・フォーラが「カミーユと
ガンダムMk-IIを引き渡さなければカミーユの母の身柄は保証しない」というティターンズの脅迫に対して、「なんと破廉恥な」と怒りを露わにしているシーンがある。
最終更新:2025年04月24日 08:10