ズゴック(SEED FREEDOM)

ズゴック
Z‘GOK
登場作品 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
型式番号 ZGMF-MM07
全高 19.64m
重量 113.98t
所属 ターミナル


【設定】

ターミナルの潜入・諜報作戦用モビルスーツ。
正体を隠す為に外装ユニットを装着した仮初の姿であり、外殻分で重量はデュエルガンダムアサルトシュラウドを超えるまで増加しているが、フォランテスの装備もあって地上で滑空出来る程の機動性と、ブラックナイトスコード シヴァと格闘戦で渡り合える程の運動性を有している。
外装の開発と装着はオーブのモルゲンレーテ社で行われたが、オーブの関与を公にしないためにザフト製全領域汎用機体の「ZGMF」の型式番号を持つ「謎のモビルスーツ」という体で運用される。
とはいえZGMFナンバーに相応しく水陸はもちろん宇宙での活動も可能で、さらにキャバリアーアイフリッドの装備によりミラージュコロイドの使用までも可能としている。

見た目はほぼシャア専用ズゴックで、違いとしては頭頂部のスリットからイージスガンダムジャスティスガンダム系の様な白いアンテナマストが生えているのが分かりやすい点で、他は腕の装甲、腰部と胸部ダクトの形状、モノアイの上側の盛り上がり、各部の白いラインくらいの微妙なもので、よく見比べないと分からない程度には良く似ている。

ザクグフなどのミレニアムシリーズとは異なり「元ネタの名前+別の単語」といった法則に当てはまらず「ズゴック」が正式名称。
さすがにそのままでは宇宙世紀のズゴックと被るため、オールスター作品等ではズゴック(SEED FREEDOM)と表記されることが多い。


【武装】

SAM-434 地対空ミサイル ジャーヘッド

頭部に搭載されたミサイルユニット。
ジャーヘッドは英語で瓶の蓋から転じて揶揄するスラングとして海兵隊員を意味する。

Q5M2 重粒子力線砲

両腕部に搭載されているビーム兵器。
名称からジンのM69 バルルス改特火重粒子砲の系列モデルの可能性がある。

YD-5M 対装甲斬牙爪

両腕部に装備された3枚の実体刃による格闘兵装。
使用時には赤熱化して敵機を焼き切る。

M2X32E フォランテス

背部に装備された飛行用ユニット。
ズゴックがキャバリアーアイフリッドと合体する際は分離してキャバリアーの後部に接続される。

AIM-1913D 自律誘導中距離空対空ミサイル スコルピオ

フォランテスのウイング基部に左右1基ずつ搭載されている4連装ミサイルランチャー。
スコルピオは英語でさそり座を意味する。

MA-M50E3F 高エネルギー長射程ビーム砲

フォランテスから頭部を囲む形で2門搭載されたビーム砲。

MA-R259 ビームライザー

フォランテスのウイングに搭載されたビーム兵器。
ガンモードで両翼端部からのビーム砲撃、スラッシャーモードでウイングに沿ってビームブレイドを発振する。
ウイング基部が回転可能なため、様々な角度への攻撃を可能としている。

AMGS-X18P キャバリアーアイフリッド

ターミナル、およびオーブ国防軍所属の支援機。
単独航行も可能だが基本的にはMSにドッキングして運用される。CE世界では一般的なバックパック系とは異なり、頭が見えなくなるまですっぽり被る方法で装着する。
機体の輸送とミラージュコロイドによる隠匿、兵員輸送、火力支援、ハッキング、無線操縦など様々な機能と役割を有する。
また、ストライカーパックのコネクタも付属しているため、追加で各種パックの装備も可能となっている。

複数機が生産されており、0号機が本機で、2号機がストライクルージュと共に運用された。
本機とドッキングした状態は『アメイジングズゴック』と呼ばれる。
また、2号機には3人の通信要員が乗り込んで各種指揮系統を司っており、さながら空飛ぶ空中指令室『エアフォース・ワン』のような運用がなされた。

「被る」というやや奇抜な見た目、多目的ではあるが最新鋭の準ワンオフ支援機としては地味めな設定などいまいちパッとしないが、最大の強味はその通信性能。
Nジャマーの影響で遠距離通信に著しい制限がかかるCE世界で、地球と月面の距離をモノともしないコンマ0秒のリモート操作を可能としている。
上記通信技術を利用すれば、MSや攻撃型潜水艦等を無人状態で長期間攻撃目標の近海や宙域等に待機させておき、必要なタイミングで投入することで奇襲やゲリラ・コマンド作戦を仕掛けて敵国を混乱に陥れるといった行動も可能になるため、AWACS機能や軍事施設、最新鋭の軍艦をハッキング可能な電子戦装備含め、本装備自体が高レベルな機密の塊と言える代物となっている。


【原作の活躍】

ファウンデーション王国のブラックナイツの罠とアグネス・ギーベンラートの裏切りにより窮地に陥ったキラ・ヤマトのライジングフリーダムガンダムのピンチを救うため、ギャンシュトロームのバックパックを破壊しつつ戦場に現れ、その後は限界時間までブラックナイトスコード シヴァと互角に格闘戦を繰り広げた。
宇宙に上がった後は宇宙要塞アルテミスに囚われたラクス・クラインを救出するため、かつてニコル・アマルフィブリッツガンダムで行った様に隙を突いてミラージュコロイドでアルテミスに潜入し、キャバリアーからキラやオーブ兵を送り込み、カガリ・ユラ・アスハのリモート操作による砲撃とメイリン・ホークによるハッキングで内部で暴れ回った。
要塞脱出後にラクスをミレニアムに届けた後はブラックナイトスコード シヴァが放つ短針からストライクフリーダムガンダム弐式を庇って爆散するが、その装甲の中に隠された真の姿を現す。


【搭乗者】

アスラン・ザラ

CV:石田彰

元ザフト軍だったオーブ軍一佐。
前プラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルのデスティニープランを阻止した後、国家間の情報伝達などを担う情報機関であるターミナルに出向しており、メイリンと組んでエージェントとして活動していた。

劇中より数日前から活動を開始しており、ブルーコスモス残党のミケーロ大佐を逮捕すべくコンパスに協力を要請したファウンデーションを調査するために潜入。
郊外のスラム街でデスティニープラン反対派を弾圧する姿を確認した他、メイリンと共に特殊なコーディネイターであるアコード、そしてその女王アウラの秘密を探っていた。

パイロットとしても相変わらずトップクラスの実力を保っており、擬装の重さで十全ではない上にパイロットスーツも無しにズゴックでアクロバティックな格闘戦を披露。
その技量の広さは視聴者の想像以上であり、さらに誰も想像していなかった機体&武装を使用するなど八面六臂の大立ち回りを見せた。
その上アコードたちの『人の思考を読む』能力も辿り着くほどの推理力も見せた。

【原作名台詞】

  • 「くだらない泣き言はやめろ!自分が自分がばっかりで彼女の気持ちなんか一つも考えてないだろお前は!もういい、そんなに戦うのが嫌ならそこでイジイジ腐ってろ!」
  • 「自分だけが戦ってるつもりか!」
    「ふざけるな!それで世界を一人で背負った気になって、思い通りにならなきゃ放り出すのか?大したヒーローだな!」
    「何で言わない、頼まない、誰かに!お前一人で何ができる!」
    • 現状を打破するためにラクスを奪還しようと考えるも、精神的に絶望するキラは『ラクスは僕を捨ててファウンデーションを選んだ』と絶叫を始めた。アスランはそんなキラを胸ぐらを掴んで殴り飛ばすほど修正し続ける。
      内容は完全にSEEDDestiny時代の自身に突き刺さるものとなっているが、その経験が活きている証とも言える。
      • 特に最後のセリフは「言葉にしなければ伝わらない」というSEEDシリーズの根幹に刺さる名台詞。

  • 「行こう、キラ。ラクスを助けよう。俺たちで」
    • 上記の殴り合い(石田氏曰く一方的に殴っていただけ)の後、『ラクスに会いたい』と本音を話したキラに手を差し伸べた。
      ちなみに最初の収録だと上映版よりも優しいどころか甘い声になっていて監督から『そんな声になるほどキラの事好きじゃない、SEEDで何をされたか思い出せ』と演技指導されたとか。


  • 「アスラン・ザラ、ズゴック出る!」
    • ミレニアムでの出撃シーンより。
      真面目なシーンだがアスランがあまりにそのままの名前で出撃したため極めてシュール。


【VS.シリーズの活躍】

EXVS2OB

第11弾追加機体のインフィニットジャスティスガンダム弐式の通常形態として登場。
時限強化としてキャバリアーアイフリッドを装着し、強力な射撃攻撃を行うことが可能。
なお、劇中とは異なり任意で弐式にパージ可能する一方通行換装となっている。

ズゴックはBRやミサイルで固めた普通の汎用機形態。
ミサイルはそこそこ強く、振り向き降りテクの横特射→メインがあり、時限強化機の生時としては及第点だが十全の3000と比べられると流石にイマイチ。
格闘は無理に振りに行ける性能ではないが原作で初登場時にシヴァと打ち合ったシーンから多く採用されており、やたらとアクロバティックでカッコいい。更にはアスランがキラを殴っていたシーンからも採用されている。
またサーチ換えによってモノアイが動く。かわいい。

キャバリアーになると一転、
  • 太ビーム&BRを同時に飛ばす単発140超のメイン、
  • 横幅のあるサブのゲロビ、
  • ミラコロで急速接近して横滑りしながら強銃口のゲロビを撃つ特射、
  • 誘導が強い素直な後格ミサイル、
  • 足を止めず降りテクになる上に1発毎に再誘導&銃口がかかりやたらと弾も強く、MG系なのに途中で振り向き撃ちにならない射撃CS…
とかなりの爆撃キャラに大変貌する。
2発の太いビームで140超というのは実に恐ろしく、
  1. 残コスト500のコスオバはワンパン、
  2. ビームマントや耐久性バリアもワンパン
  3. もちろん弾速や誘導、太さも一級品
これを普通のBR感覚で出せる点で間違いなく最強のメイン射撃。
弾数も10発常時リロードとカテゴリ相応となっており、これと射CSで足を止めずに撒いているだけでも相手を倒せてしまう。

また、キャバリアー特格は強化を強制終了するものの、キャバリアーがやたらと曲がるビーム&ミサイルを連射しながら突撃していく。ファンネル属性なので緑ロックでも誘導するし振り向きメイン降りにも対応しているデメリット相応の超高性能武装となっている。
キャバリアー終了時はメイリンを労うアスランのセリフも収録されているなどなかなかに芸コマ。
残念ながらメイリンやカガリのボイスはない。


時限強化機の通常形態としては破格の攻撃性と最低限度以上はある自衛力、
強化中は文句なしで最強のメインやCS降りテクによる圧倒的な制圧性能…と
前々作や前作で流行したユニコーンガンダムを擁護不可能なレベルまでスペックアップさせたような概観。
似たような形態設計であるナラティブガンダムガンダムヴァーチェほど格闘寄り形態に頼らなければならない場面が少なく、ズゴックだけでほぼほぼゲームが成立する段違いのパワーを誇っている。

作品・機体・パイロット人気や時限強化機として分かりやすく壊れた機体パワーも相まってか、初日から使用率20%、勝率55%という戦績でアスラン機としては前作のジャスティスに続きまたしてもゲーム環境を破壊した。
「弐式の出番は短いという原作再現」と評する声も多い

案の定公式からも名指しされるほど環境を荒らしてしまったため、次のアプデでピンポイントに下方修正。
ズゴックの機動力が目に見えて落とされたが基盤が崩れるほどではなく、「強い通常時と段違いの時限強化」というコンセプトは変わらず、環境最強機体として名を馳せた。


機体モデリングについては、ズゴック・弐式共々DESTENY版インフィニットジャスティスと比べるとディテールが細かくない。
そしてBGMは残念ながらライジングフリーダムと同じ。
次回作以降でズゴックか弐式、どちらが活躍する時の曲が採用されるか気になるところ。

ちなみに体系は劇場版公開版に近いシャアズゴそっくりなずんぐりむっくりな体系になっている。


余談だが父親が重役という繋がりによるものか、グエルとの掛け合いがある。
ただ、かたや極度のタカ派なA級先般国家元首、かたや経営者としてはイマイチながら不器用な父親らしさもあった社長…と、似ているようで本質が正反対だったりする。

【勝利・敗北ポーズ】

勝利ポーズ

ズゴック:画面からやってきてクローを構える。原作でのシヴァとの戦闘中、お互い構えなおした際のポーズ。
ズゴック覚醒時:膝をついた状態からゆらぁっと立ち上がる。各部からスチームも出ている。
アメイング時:ミラージュコロイドを解除して火器を構える。アルテミス要塞で大暴れした時のポーズ。

敗北ポーズ

キャバリアーとドッキングして離脱。
原作でのシヴァ戦後キラを回収して離脱する時の再現。


【その他の活躍】

アーセナルベース

SEED FREEDOM編参戦と同時に登場。
一応大気圏内外問わず戦闘できる設定だが、元ネタ由来か水中戦適性が高いのが特徴。
バックパックはない。
ガンプラなどより先に出たのは開発スタッフがアスランが乗ることを予測したからだとか。

後にバックパック付きも登場。


【余談】

元々はアスラン機はアッガイが候補だったそうだが、ビルドシリーズでアッガイが散々ネタにされたため後にズゴックに変更されることとなった。*1
そこからちゃんとギミック含めて立体化できるデザインが大河原氏によって構想されていたが、正体が察せられる造形だったため監督から「立体化とか無視して完璧なズゴックにしてください」というオファーがあり、氏の最後の抵抗でアンテナが出てきたとのこと。足の裏には弐式の足裏も見えている。

しかし、そもそもズゴックと隠者弐式(というか人間型そのもの)の間には致命的なレベルで骨格が異なり、特に肩周りをズゴックで被せようとすると隠者側が異様な姿勢になってしまう。シヴァとの格闘戦にはまず耐えられないと考察されている。

キラの絶体絶命のピンチにギリギリで駆けつけるという熱い展開で登場……したのだがその殆どシャアズゴにそっくりな見た目、登場時のBGM「援軍」が「颯爽たるシャア」を彷彿とさせる曲調、シャアズゴの様にスローモーションで立ち上がる……など真面目な場面とネタ要素がぶつかり合い多くの観客を混乱させた。
丁度直前のアークエンジェルが沈むシーンまでが両澤氏が書いていたシーンのため『これまでSEED、ここからFREEDOM』とネタにされることも。

ガチとしても、ネタ要素込みでも人気を博しており、公式からも把握されており動員130万人突破記念として『ラクスのピンクハロがサザエさんOPのように2つに分かれ中から本機が赤い残像を出し「援軍」を流しながらゆらぁっと共に立ち上がり「満員御礼」の垂れ幕を掲げる』という動画をXでアップし、後に更にそこからジャスティス弐式が出てきて、さらにいまいち嬉しそうな顔をしていないアスランが垂れ幕を持って現れる、主題歌『FREEDOM』のMVで「あの感動をもう一度見たくて」の歌詞のところに本機のシーンが出てくる、本機、ジャスティス弐式、アスラン、カガリと出てくるマトリョーシカが発売されるなど様々なネタを披露している。

劇場版公開記念SEEDシリーズ人気投票ではアスラン機としては最高順位を記録*2
ナビゲーターとして登場していたアスラン曰く『俺の機体の中で一番人気なのはズゴックなのか……』と意外そうにしていた。

登場シーンは劇場公開版からディスク版で書き直されており、並べるとディスク版の方は細身になっており、劇場版ほどシャアズゴそのままな見た目ではないので残念がるファンもいた。
背景などを書き直した結果ズゴックも書き直された、とのこと。

ちなみにキャバリアーアイフリッドとの合体形態の名称「アメイジングズゴック」も、以前に「ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲」にもメイジン・カワグチが使用する同名の改造ガンプラが登場しているが、こちらは現状名称は分けられていない。

ガンプラ

どこぞのドムのように完全再現は不可能と思われていたが、なんとHGで立体化。我らがバンダイの変態技術、ここに極まれり。
当然劇中のような完全収納こそ無理だったが、内部フレームにはジャスティス弐式の上半身も内蔵されており、組み上げれば見えなくなるパーツにもジャスティス弐式の意匠が見え隠れする仕様となっておりバンダイの本気を感じさせる。
別売りの弐式を内部フレームの代わりに仕込むことも可能になっている他、ストライクフリーダムを庇い大破する寸前のシーン再現用の頭頂部破損パーツも付属、BD修正版のようにジャスティス弐式のツインアイが見えるようになる。

体系はディスク版に近いちょっとスリムな体系。

当初は立体化の予定はなかった(監督もアレは無理みたいな発言をしていた)が、映画の試写会を見てガンプラ担当の人が『これは出さないとまずい』と慌てて立案されたとのこと。

ちなみに発売日とOB参戦が同じ週という偶然。
オプションパーツとしてキャバリアーも同時発売され、どちらも一瞬で店頭から消えた。
また、キャバリアー側に各種ジョイントパーツが付属し、ズゴックにストライクフリーダムのウイングなど様々なバックパックを付けられるようになる。
キャバリアーも劇中でも実際に合体していたストライクルージュだけでなく、干渉しなければ様々な機体に付けられる。残念ながら宇宙世紀の方のズゴックは無改造では付けられない。
もちろんウィンダムにも付けて元ネタのドラグナーっぽい姿にする事も出来る。残念ながら本家のHGドラグナーの方には付属の台座を使ってそれっぽく被せるしかできない。


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最終更新:2025年04月09日 11:29
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*1 ちなみに、双葉社から発売されているMOOK『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM メカニック&ワールド』で「アッガイ(SEED FREEDOM)」ともいうべき機体のデザイン案が掲載されている。

*2 一人で複数投票可能なのでどこまで人気かは不明だが