第49話:最後の戦い(後編)(08/7/21)
そこは灼熱の不毛の大地。セラキア達一行が高台の上から見下ろした砂漠の中に、太陽の神殿が聳える。砂漠の上に、12騎からなる騎兵の一団が陽炎のように影を落とし、神殿の門に至るのが見える。一団の先頭の人物は、「死せるあるじの対」「ヒルムの影」「うつつへの登り路」のドドウロと名乗り、門の中に消える。(*1)
僅差で出遅れたセラキア達はその後を追い、門番に名乗りを上げて中に入る。
ヒルムの間では、ドドウロが虚ろな眼で玉座に腰掛けるヒルム…フォルカットに熱弁を振るっている。
ドドウロ「フォルカット殿、我とともに戦いし者よ!御身を犠牲として地界に降りし者よ。
我は汝を助けるために降り来た!」
演説へ割り込むように、玉座の間にセラキア達一行が入ってくる。
ドドウロは一行を一瞥すると、嘲り表情を浮かべる。
ドドウロ「おう、これは古風な。愛されているようだな、フォルカット殿?」
ドドウロ「せっかくここまで来たのだ。お前達も我が介添えとなるがよい。」
相対する一行をその魔力を帯びた声で支配しようとするドドウロだが、一行はその力に抗する。
セラキア「そんなお誘いは無用よ。あんたの野望はここで潰えるの。」
ドドウロ「・・・ふふん。この場を横取りするつもりか。オーランス人のやり口は変わらんな!」(*2)
フォルカットはどちらを選ぶだろうか。
ドドウロとセラキアの舌戦が繰り広げられる。
セラキアが、彼と探索行を共にしてきたこれまでの功績、仲間達がこの島に為した功績を一つ一つ思い出させようとするのに対し、ドドウロはは一行を「信用できない輩」とあげつらう。(*3)
最後にドドウロがこういった。
ドドウロ「こいつらは〈外来者〉だ。この島の人間じゃない。海の向こうからやって来て、島に災厄をばら撒いた」
セラキアは言葉を返す。
セラキア「そういうお前は〈混沌〉だろう? これは〈風の剣〉、混沌を滅ぼすものだ。お前にこの剣を掴む勇気があるか?」
ドドウロは鼻で笑うと、造作もなく突き付けられた白い刀身を掴んだ。
その瞬間、はるか上の方より、おぞましい悲鳴のような叫喚が室内に響き渡った。(*4)
セラキア「見破ったぞ、お前はあの<悪魔>のしもべだな!」
ドドウロ「なんと、だまされていたのか。俺は!」言い繕うドドウロ。
アイアン「だまれ!」
ドドウロを取り巻いていた騎兵の姿が陽炎のように消え、彼の黒光りする鎧もその色を失った。
呆然とするドドウロ一人を残し、セラキアはフォルカットに向きなおる(*5)
セラキア「私たちは地獄に降り下るという試練を越え、自らの謝罪の心を示した。あなたは我らと共に戻り、この世界を正すか?」
フォルカット「よかろう。そのようにしよう」
セラキアとフォルカットが握手を交す。その瞬間異変が起こった。
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ニナは犬の群れと共に、精霊界をより深く、第7階層まで進む。
そこから先は精霊界が崩れ、その彼岸に虚無が広がる。
「境界の向こうにいるものよ、私の呼びかけに答えよ」ニナは叫ぶ。
アレグローシュが追いついてきて、提案する。
「わしの犬で精霊達を追い立てよう。君はそれらを縫いとめて、穴を塞げ。」
ニナが精霊を縫い合わせ、大きな幕を作り穴を塞ぐと、世界の崩壊は食い止められた。
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世界の底が抜けたような感触。
風の剣が突然砕け散り、フォルカットと握手していたセラキアの手から力が抜け、その場にくずおれた。(*6)
天井に赤黒いしみが徐々に広がる。
そこから垂れ下がった赤黒い塊は女性体のフィーンドと成り、一行に襲い掛かる。
バナリオンの〈精霊交信〉で意識を取り戻すセラキアだが、砕け散った破片を手に呆然とする。
セラキア「…こわれちゃった」
アイアン「しっかりしろ」
セラキア「…なにがあったの?」
アイアン「くびきが外れた。」
女性体フィーンドのチャームと、さらに続々現れる別形態のフィーンドに苦戦するが、(*7)
古代遺産のクランスを振るうアイアンホースが次々と撃破する。
4体のフィーンドを屠ると、やがて部屋の中央に<悪魔>の本体が降り下った(*8)
ちょうど同じころ、犬達を連れたニナとアレグローシュが界を越えて現れる。
カコデーモンはドドウロに呪いの言葉を吐き、八本ある腕で握りつぶす。
ドドウロの断末魔の祈りは届かず、カコデーモンの頭のてっぺんに無残な姿で突き刺さる。(*9)
フィーンドを倒し勢いに乗るアイアンホースはカコデーモンに打ちかかるが、なかなかダメージを与えることができない。(*10)
肝心の混沌を滅ぼす剣は残骸と成り果てている。
セラキアは神の助けを求め、祈りを捧げる(*11)。仲間達も呼応して自らの存在の一部を供犠に捧げる。(*12)
暗闇の中、天空からグリフィン山を見つめるイメージ。
島中から多くの悪魔と戦うものたちが呼び寄せられ、悪魔を絡めとる網を綯う。
への3号の率いるドワーフの一団は大砲を撃ち込み、ユルイエアを戦闘とするエルフの一団は無数の弓を射る。
バナリオンの〈精神結合〉で地上のヒルム信徒達の力を結集したフォルカットが、太陽の光束を悪魔に浴びせる。
悪魔の破壊的な力は脅威で、人々は次々つぶされていくが(*13)、続けざまに脳天に致命的な一撃を与えたアイアンホースの剣により、ついに悪魔は打ち倒された。(*14)
悪魔の残骸の前で、セラキアの呼びかけにより、共に戦った者達の誓いが行われる。(*15)
後からやってきた女王種トロウルの不吉な予言。
「切り落とされた虹色の泥が、いまこそ地上で形を取ろうとしているだろう」
カレルレンを通してエラップが地上の様子を伝える。
「空中から黒い太陽が溶け出し、地上に蛇のような獣のあぎとが島中を荒らしています」
地上に向かう一行。
島の北東端、始まりの地の東の海から太陽が上がる。
何十年も閉鎖されていた海はいまや外に向けて開かれている。
セラキアは助けてくれた仲間達に感謝の気持ちを込め、礼を言った。
断章1
ドドウロがフォルカットを説得する。
そこにセラキアが名乗り入り、これまでの貢献を示す。
セラキアはけんを差し出し「これは悪を燃やす剣。触れる事ができるか?」(77の01)
セラキアの言葉を受け、ドドウロは剣に手をふれる。
上の層でドドウロの背景にある存在が燃え上がる。
セラキア 「お前は世界を淵から齧り取る者。すなわち悪魔の僕だ!!」
ドドウロ 「何と言うことだ!私は騙されていたのか!!」
アイアンホース 「黙れ。嘘つきめ!」(真実検知)
ドドウロの騎兵が消えはじめ、鎧の色も色あせる(愚者の黄金=黄鉄鋼)
フォルカット 「(死んだ目でセラキアに向けて)オーランスよ、しょうがないから許してやろう」
断章2
風の剣が砕ける。
セラキア 「こわれちゃった…」
断章3
アイアンホースがドラゴンボーンのクランスを突き立てると、クランスは粉々に砕け、カコデーモンが吹き飛ぶ。
同時にドワーフの大砲もついに命中する。
かくして連合軍がカコデーモンを打ち倒す事に成功した。
セラキア 「大変な犠牲をはらい、ここに最悪な的は滅びました。
我らが戦い、皆で勝ったのです。
私達が次の世代を率いて行く誓いをしましょう」
セラキアの言葉を、語り手バナリオンが皆に伝える。(雄弁+精霊交信)
皆が「これで太陽が昇る」と言葉を交わす中、女王種トロールが現れる。
トロール 「すぐにここを去るがいい。
切り出された七色のドロは、今こそ地上で形を取らんとしている。」
トロールの警告を受けバナリオンは地上にいるエラップに語り掛ける。
エラップ 「寒さはやわらいだが、空中から黒い太陽が解け落ちた。
蛇のようなケダモノの顎が、島をむさぼっています。」
セラキアは共に旅を続けてきた仲間を振り返る。
セラキア 「とりあえず、何とかなりました。
自信は無かったけど、ありがとう。」
- お疲れさまです。これは大変でしたね。私のメモは未完成ですが、後日必ず。 -- (aza) 2008-11-14 09:53:41
- とりあえず注釈を注釈書式で入れ込んでみた。
主語が不明確なところがある(誰のセリフかとか)ので補足希望。 -- (なゆた) 2008-11-14 18:35:40 - ( ・∀・)つPOW獲得チャンスドゾー>セラキア -- (なゆた) 2008-11-14 18:37:16
- 「お美事、お美事に御座います」
…カコデーモン戦でアイアンホースがドドウロを「許容して」共に戦った件、自分で書くしかないのかな? -- (アイアンあホース) 2008-11-14 23:49:48 - おう、ぜひアイアン視点ログを書いてくださいよ!>アイアン
すごく読んででみたいです(もちろんお忙しいでしょうから無理はなさらず)
本ログは、粗筋を追うことを主旨としているので、本当は描き出したい各PCの行動を切ってしまっているところがありますが、ご容赦ください。
-- (ののの) 2008-11-15 01:06:08 - 「断章」を追加してみました。 -- (aza) 2009-08-30 22:11:29