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世界は異界的な闇に覆われている。中空には黒い太陽がとどまる。※1
島の中心に聳えるグリフィン山の頂は地上より2700mの高さ。いまや山の麓には群れ集う無数の混沌が這いずりまわり、山のきわに触れ爆ぜる音が聞こえる。
巨人の眼の洞の中でたたずむのは、9人の男女。
アイアンホース、セラキア、ニナ、ライノカーク、ヴァナリオン
ヒルムの戦士ナンダー、メルキュール、ライノカークの僕タタル、
そしてジゼラの体躯を得たアラインマーヤ。
オーランスの呼びかけを聞いたセラキアは、仲間たちに請う。この島を救うために、すべてかけて立ち向かいたい、太陽を取り戻しに行きたい。でも私一人ではできない。みんな、私を助けてと。
セラキアの言葉に、ニナが、アイアンホースが、そして次々と、やがて全員が同意を示す。
セラキアは剣をかかげ神に探索行への祝福を祈り、そして一人一人が誓いをたてた※2
グリフィン山に向かう勢力は、セラキア達の他に少なくともトロウル、ドワーフ、ヴォタンク、そしてドドウロの軍勢がいるはずだった。少なくともドドウロ達より先手を打つため、ヴァナリオンの操作する巨人にみなを乗せたまま登山させることになった。
山頂付近の天空が、大地に平行に奇妙な鏡面を形成しているのをニナは見つけた。
アイアンホースの真実の目には、その鏡面より上で世界が解けていくように感じられた。
操作不能になった巨人より降りた一行は、山の他の斜面から聞こえてくる犬の吼え声や重い多数の足音に追われるように、鏡の中に飛び込んだ。
鏡の向こう側の空間で、一行は3つに分裂する。
1.神教に属するグループ:セラキア、アイアン、ナンダー、メルキュール、ネコ、ヴァナリオン1、アライン1※3
2.精霊に属するグループ:ニナ、ヴァナリオン2、アライン2
3.魔道に属するグループ:ライノカーク、タタル、ヴァナリオン3、アライン3
(精霊の道)
精霊界に近しい、無限大に広がる荒野。
彼方よりこの世の境界線が迫ってくる。境界線の向こうでは、世界は解け、飲み込まれた精霊が次々と食らわれていく。一方の背後の彼方には、黒い闇。
ニナは、精霊達を飲み込む世界の穴を塞ぎたいと思った。
「もし、私が戻ってこなかったら、あなたがカレルレンを助けて」と言い残し、彼女は単身境界線に立ち向かう。
カレルレン※4は精霊交信にしくじり、恐慌に襲われて背後の闇に向かって走り去り、そこで門を護る「悪なる男」と出会い、精霊戦闘で勝利する。カレルレンとアラインは、その先の門をくぐりぬける。
(魔道の道)
「一なる真理」からなる鉄壁の論理が崩壊しつつある空間。
タタルは話にしか聞いたことのない慰めの野のようだ、という。
アラインは女主人メガエラのようにも見える。
崩壊する世界の背後には死の世界へ続く扉がある。ライノカーク達はハルシオンから受け継いだ知識を駆使し、7枚の「真理の扉」を潜り抜ける。
(神教の道)
暗闇の広がる荒野。巨大な「悪意」が迫りくる。反対側には「地界」への入口。
「「光持ち帰りしものの探索者」たちがそうしたように、私達も地界へ向かいましょう。太陽を救うために」
セラキア達は、地階への門へ向かう。
門は凶悪なヘルハウンドが護り、近寄る生者を待ち受けていたが、「死者の外套」を着込んで忍び寄ったヴァナリオンが「眠りの呪歌」で眠らせる。フマクト信徒のアイアンホースが地界への門を開き、一行は進む。
それぞれの門をくぐりぬけ、ニナを除いた全員が合流する。
そこは黒一面の世界の中、行く先には一軒の館が見える。
館は腐敗と腐臭に満ち、弱弱しいぼうっとした明かりに包まれている。
ナンダーはそれが「わが神の囚われし館だ」と感じた。
館の外郭門を護る門番に、セラキアは「通せ、私はお前の主に会いに来た者だ」と宣言し、一行は中に入る。腐った土壌に覆われた中庭、錆ついた本館の門を抜け、やがて大広間に至る。
そこは、死して腐った火の神々の宴会の場。倦怠感と腐臭と熱気がじんわりを広がる。死せる神々が嘲り笑う中、一行は広間の中央を進む。玉座の周りには無数の縛り首の死体、そして玉座にはけだるい嘲りの薄笑いを浮かべた
ヒルムが座っている。彼の足は太い鎖で縛られている。
(アイアンは鎖が真の石であることを看破する)
セラキアは神話に沿ってヒルムとの和解を試みるが、埒が明かない。
相手の存在の真偽を疑ったアイアンホースは、ナンダーにヒルムであれば必ず知っている筈のことを質問してみるように薦める。
ナンダーは生粋の戦士であり、司祭がやるような問答には微妙に自信がなかったが、天啓と周囲の助力により※5、正しく問い続け、やがて相手の答えに矛盾が生じた。
生じた綻びを機会に、アイアンの真眼が館の幻影を見破った。
館の幻影が消えると、そこは地下の洞の中だった。
洞の中央には沼、その中に一行は足を踏み込んでいた。沼の中央には天井から白い棘のような真の石が突き刺さり、恐らく沼の直下に<悪魔>本体を捕らえている。
そして、縛り首の死体は無数のドラゴンスネイルと化した。
一行は防御円陣を組みドラゴンスネイルの群れを迎え撃つ。
沼の泥を隠れて這いずり、どこからともなく突き刺してくる悪魔の触手の攻撃もあって苦戦するが、ヴァナリオンが<精霊交信>で近傍にいた女王種トロウルの一団を呼び寄せ、彼らの助力を得てドラゴンスネイルを撃退する。
トロウルから、この場所の位階から悪魔本体を叩くのは難しいだろうという助言と、彼らが現れた深い地底からの出口をたどり、本物と思しきヒルムの館に至る道を教えられた一行は、さらに地底深く潜っていく。
以下次号。
~~~
※1…経験チェックのつく技能の成功率は1/5。
※2…各PCごとにひとつ技能を選択してロール(1/5) ヴァナリオン、タタル、ナンダーを除き成功。
※3…ヴァナリオンとアラインは複数のグループに存在。
※4…この世界では、カコデーモンの記憶阻害が無効となり、ヴァナリオンはカレルレンの記憶を「取り戻していた」
※5…ナンダーの素のカルト知識に、このクエストのために準備した改変ポイントのうち16ポイントを使って95%に。
20020413/
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20090913/
キャラクター/
マスターメモ/
断章/
用語集/
用語集/アイテム_TABLE/
用語集/オクレス_TABLE/
用語集/サールト_TABLE/
用語集/ザール_TABLE/
用語集/ニディク_TABLE/
用語集/ブルーソウル_TABLE/
用語集/戦士の港_TABLE/
用語集/異邦人_TABLE/
用語集/荒野_TABLE/
設定情報/
設定情報/オクレスの権力構造とクルーニの生態/
設定情報/オラオラデの話/
設定情報/サールト/
設定情報/ニディク/
設定情報/ペリル墜落/
設定情報/入植地「ウィンディリーブス」の構成員リスト
第48話:最後の戦い(前編)
世界は異界的な闇に覆われている。中空には黒い太陽がとどまる。※1
島の中心に聳えるグリフィン山の頂は地上より2700mの高さ。いまや山の麓には群れ集う無数の混沌が這いずりまわり、山のきわに触れ爆ぜる音が聞こえる。
巨人の眼の洞の中でたたずむのは、9人の男女。
アイアンホース、セラキア、ニナ、ライノカーク、ヴァナリオン
ヒルムの戦士ナンダー、メルキュール、ライノカークの僕タタル、
そしてジゼラの体躯を得たアラインマーヤ。
オーランスの呼びかけを聞いたセラキアは、仲間たちに請う。この島を救うために、すべてかけて立ち向かいたい、太陽を取り戻しに行きたい。でも私一人ではできない。みんな、私を助けてと。
セラキアの言葉に、ニナが、アイアンホースが、そして次々と、やがて全員が同意を示す。
セラキアは剣をかかげ神に探索行への祝福を祈り、そして一人一人が誓いをたてた※2
グリフィン山に向かう勢力は、セラキア達の他に少なくともトロウル、ドワーフ、ヴォタンク、そしてドドウロの軍勢がいるはずだった。少なくともドドウロ達より先手を打つため、ヴァナリオンの操作する巨人にみなを乗せたまま登山させることになった。
山頂付近の天空が、大地に平行に奇妙な鏡面を形成しているのをニナは見つけた。
アイアンホースの真実の目には、その鏡面より上で世界が解けていくように感じられた。
操作不能になった巨人より降りた一行は、山の他の斜面から聞こえてくる犬の吼え声や重い多数の足音に追われるように、鏡の中に飛び込んだ。
鏡の向こう側の空間で、一行は3つに分裂する。
1.神教に属するグループ:セラキア、アイアン、ナンダー、メルキュール、ネコ、ヴァナリオン1、アライン1※3
2.精霊に属するグループ:ニナ、ヴァナリオン2、アライン2
3.魔道に属するグループ:ライノカーク、タタル、ヴァナリオン3、アライン3
(精霊の道)
精霊界に近しい、無限大に広がる荒野。
彼方よりこの世の境界線が迫ってくる。境界線の向こうでは、世界は解け、飲み込まれた精霊が次々と食らわれていく。一方の背後の彼方には、黒い闇。
ニナは、精霊達を飲み込む世界の穴を塞ぎたいと思った。
「もし、私が戻ってこなかったら、あなたがカレルレンを助けて」と言い残し、彼女は単身境界線に立ち向かう。
カレルレン※4は精霊交信にしくじり、恐慌に襲われて背後の闇に向かって走り去り、そこで門を護る「悪なる男」と出会い、精霊戦闘で勝利する。カレルレンとアラインは、その先の門をくぐりぬける。
(魔道の道)
「一なる真理」からなる鉄壁の論理が崩壊しつつある空間。
タタルは話にしか聞いたことのない慰めの野のようだ、という。
アラインは女主人メガエラのようにも見える。
崩壊する世界の背後には死の世界へ続く扉がある。ライノカーク達はハルシオンから受け継いだ知識を駆使し、7枚の「真理の扉」を潜り抜ける。
(神教の道)
暗闇の広がる荒野。巨大な「悪意」が迫りくる。反対側には「地界」への入口。
「「光持ち帰りしものの探索者」たちがそうしたように、私達も地界へ向かいましょう。太陽を救うために」
セラキア達は、地階への門へ向かう。
門は凶悪なヘルハウンドが護り、近寄る生者を待ち受けていたが、「死者の外套」を着込んで忍び寄ったヴァナリオンが「眠りの呪歌」で眠らせる。フマクト信徒のアイアンホースが地界への門を開き、一行は進む。
それぞれの門をくぐりぬけ、ニナを除いた全員が合流する。
そこは黒一面の世界の中、行く先には一軒の館が見える。
館は腐敗と腐臭に満ち、弱弱しいぼうっとした明かりに包まれている。
ナンダーはそれが「わが神の囚われし館だ」と感じた。
館の外郭門を護る門番に、セラキアは「通せ、私はお前の主に会いに来た者だ」と宣言し、一行は中に入る。腐った土壌に覆われた中庭、錆ついた本館の門を抜け、やがて大広間に至る。
そこは、死して腐った火の神々の宴会の場。倦怠感と腐臭と熱気がじんわりを広がる。死せる神々が嘲り笑う中、一行は広間の中央を進む。玉座の周りには無数の縛り首の死体、そして玉座にはけだるい嘲りの薄笑いを浮かべた
ヒルムが座っている。彼の足は太い鎖で縛られている。
(アイアンは鎖が真の石であることを看破する)
セラキアは神話に沿ってヒルムとの和解を試みるが、埒が明かない。
相手の存在の真偽を疑ったアイアンホースは、ナンダーにヒルムであれば必ず知っている筈のことを質問してみるように薦める。
ナンダーは生粋の戦士であり、司祭がやるような問答には微妙に自信がなかったが、天啓と周囲の助力により※5、正しく問い続け、やがて相手の答えに矛盾が生じた。
生じた綻びを機会に、アイアンの真眼が館の幻影を見破った。
館の幻影が消えると、そこは地下の洞の中だった。
洞の中央には沼、その中に一行は足を踏み込んでいた。沼の中央には天井から白い棘のような真の石が突き刺さり、恐らく沼の直下に<悪魔>本体を捕らえている。
そして、縛り首の死体は無数のドラゴンスネイルと化した。
一行は防御円陣を組みドラゴンスネイルの群れを迎え撃つ。
沼の泥を隠れて這いずり、どこからともなく突き刺してくる悪魔の触手の攻撃もあって苦戦するが、ヴァナリオンが<精霊交信>で近傍にいた女王種トロウルの一団を呼び寄せ、彼らの助力を得てドラゴンスネイルを撃退する。
トロウルから、この場所の位階から悪魔本体を叩くのは難しいだろうという助言と、彼らが現れた深い地底からの出口をたどり、本物と思しきヒルムの館に至る道を教えられた一行は、さらに地底深く潜っていく。
以下次号。
~~~
※1…経験チェックのつく技能の成功率は1/5。
※2…各PCごとにひとつ技能を選択してロール(1/5) ヴァナリオン、タタル、ナンダーを除き成功。
※3…ヴァナリオンとアラインは複数のグループに存在。
※4…この世界では、カコデーモンの記憶阻害が無効となり、ヴァナリオンはカレルレンの記憶を「取り戻していた」
※5…ナンダーの素のカルト知識に、このクエストのために準備した改変ポイントのうち16ポイントを使って95%に。
- やー、なんかえらい生々しいヒーロークエストやってんなぁ、と恥ずかしくなるなあ。
プレイ中は世界に足がついてるから感じないんだけど。 -- (なゆた) 2008-10-16 08:00:36 - 後編に期待age
因みに「判ってて、そのつもりで」のキャラクター言動(と、いうつもりのプレイヤーの選択のつもり)でした。
あとマスターなゆた、「セラキアへのPowチェック」の御褒美は無し? -- (アイアンホース) 2008-10-16 20:22:06 - 島はいいんじゃねえかという気がしないでもない。POWチェックじゃなくて3D6の相手に対するPOW突破ロールと思ってるんだけど、盟約持ちはPOW可変なんだよなあwどうすべ。 -- (なゆた) 2008-10-16 23:40:25
- >島はいいんじゃねえかという気がしないでもない
え?!
そうなの?島話のみ参加してる人間の立場っていったい… -- (アイアンホース) 2008-10-16 23:44:01 - 「POW可変・・・なにそれたべもの?」 -- (せらきあ) 2008-10-16 23:55:03
- いや、POWチェック欲しいならあげるんだけどねw
ちなみに「経験によるPOW上昇ロールはチェック時のPOWによる」というルールにしよう。
実プレイ上それで問題でないし。 -- (なゆた) 2008-10-17 01:05:27 - POW可変できるPCの場合、POWチェックが入った時点のPOW現在地で判定、プレイ終了段階でPOWが下がっていても関係ないということですね。 -- (ののの) 2008-10-17 01:30:54