Duologue ◆7pf62HiyTE




The 4th movement 明堂院いつき×東せつな



 正直な所、ここで別行動を取った事が正しいのかいつき――キュアサンシャインにはわからなかった。
 手分けした方が広い市街地を捜索するのに都合が良い、だが単独行動が無茶である事に違いは無い。
 もし、単独行動している所でいきなりノーザあるいはダークプリキュアクラスの強敵と遭遇したらどうなる?
 単身で負けるつもりは全く無いが――余りにも分が悪すぎる。
 それを見越してスーパー1は無理をするなと言ったのだろう。



 だが――今回に限ってはある意味正解だったのかも知れない――



 市街地を散策していると血痕を見つけた。何時かは不明だがこの近辺で戦いがあった事は確実、
 負傷者がいるのならば助けなければならない、故にすぐさま血痕を辿った。
 そしてある一点で血だまりの跡と共に血痕は途絶えた。
 その後、すぐ近くを散策し――


「せつな……」


 建物の中に東せつなの死体が安置されているのを見つけた――


 せつなは美希や祈里達と同じプリキュア、当然いつきとも仲間である。勿論、美希達ほど親しくはないがいつきにとっては大事な仲間である事に違いは無い。
 出来れば生きている内に出会いたかった、それ故にこの形で再会した事は非常に悲しい――
 美希がこの場にいなかった事はある意味幸いだったのかも知れない。後1時間前後で始まる次の放送で名前を呼ばれるのは確実故に知る事は間違いない。
 それでもこうやって目の当たりにするよりはある程度ショックも軽減出来るだろう。
 恐らくせつなが力尽きたのは血だまりのあった場所。親切な参加者が彼女の死体がこれ以上荒らされない様にここに移してくれたのだろう。
 ならば今自分がせつなにしてやれる事は何もない――いや、せつなは間違いなく、人々を幸せにする事を望む、それを叶える事は自分達の望みでもある。ならば足を止めず先へ進む事だ――



 だが――1点だけ気になった事があった。



「ねぇ、せつな……」


 それは死に顔を見てから感じていた疑問――


「『君』はどうしてそんなに安らかな顔で死ねたの――」


 いつきとせつなは同じプリキュアではあるが若干違うプリキュアである。
 せつな達はスイーツ王国の伝説に伝わる戦士プリキュアであり、
 いつき達はこころの大樹を守る伝説の戦士プリキュアである。
 同じプリキュアではあるがその出所には若干の違いがある。
 だが――実の所、いつきとせつなにはこれとは別の共通点がある。
 それは――両名とも元々いたメンバーに対し新たに加わった戦士であるという事だ。
 奇しくもブラックホールとの戦いでプリキュア達が3つのチームに分かれた時はせつなといつきは共に新たに加わったプリキュアが比較的多く集まっているチームで共に戦ったのだ。
 その関係もあってかキュアサンシャインこといつきはせつなにはある種の想いがあったのだろう――

 とはいえ、同じ追加の戦士と言える両名だが当然と言えば当然のことではあるがプリキュアになったいきさつは全く違う。
 新たにやって来た精霊であるポプリに選ばれた以外は比較的普通(?)の少女だったいつき、
 一方せつなは元々管理国家であるラビリンスの幹部イース(こちらが本名)として総統メビウスの意志の元、当初は人々を不幸にしていた。その為当然プリキュアとも敵対していた。
 桃園ラブとの出会い等紆余曲折を経てプリキュアとなりラビリンスと袂を分かって今度は人々を幸せにする為に戦ったが――
 当然の事ながら彼女はイースとして人々を不幸にし続けた事について罪悪感を持っていた。ある意味では贖罪だったのかも知れない。

 せつながそれでどれだけ苦しんでいたのか――それは恐らくいつきには知り得ない話だろう。
 無論、イースとしてしでかした事は客観的に言えば決して許されるわけではない。
 だが、生活に関する全てそして寿命までも管理されているラビリンスで生まれ育った事情を考えるならばある程度仕方ないと言える部分はある。
 何より、人々を幸せにする為とはいえ祖国とも言えるかつての同志と戦う事を選んだのだ、それもまたある意味では辛い選択だったのだろう。

 結局の所――せつな自身は幸せだったのだろうか? 犯した罪にずっと苦しみ続けていたのではなかろうか?



 死ねば救われる? 死ねば全て許される?
 馬鹿な、それだけは絶対に違う、死など救済でも何でもない。
 死ねばそれで終わり、その意志は誰かが受け継ぐとしてもそれは受け継いだ者の物語でしかなく、死者自身の物語はそれで終わり、先など何も無い。
 犯した罪が許されるという事も決して無い――

 死に際に殺した者達が自分を許してくれたヴィジョンを見たとしてもそれは死者自身の自分勝手な妄想、つまりは幻想でしか無い。只の自己満足だ。それの何処が許しだ? そんなのは只の唾棄すべき逃避だ。



 さて――少々脱線した部分はあるが何故せつなは安らかだったのだろうか?
 死ねば許されるなんて事をせつなが考えるわけもない――


「せつな……もしかして最期に誰かを助けられたの……」


 恐らく――せつなはキュアパッションとして戦いながら人々を幸せにしようとした――
 そして最期に安らかな顔をしていたという事は――
 最期に誰かを助け――幸せにする事が出来たのかもしれない――

 もしかしたら、彼女の持っていたリンクルンは誰かに託したのかもしれない、
 自分の代わりに人々を幸せにしてくれる事を願って――


「わかったわ……せつな……貴方の願い……貴方が守ろうとした人々の幸せは……今度は私が……私達が守る……私達の光で照らして見せるから……だから安らかに……」


 故にもう振り返らない――幸せを望むせつなが何時までも俯いている事なんて望まないのだから――


「こんな事頼むのもおかしな話だけど……向こうでえりか達と仲良く……幸せに……」


 それが――せつなに対する最後の願いだ――



 そんな中、今更ながらに1つ気になる事があった――



 確証は無いが来海えりかを殺したのは月影ゆりだ――
 あの場で見たゆりの表情、放送前に遭遇したえりかの魂から託された願い、加えて参加者が異なる時間軸から連れてこられている状況――
 それら全てが最悪の推測を裏付ける情況証拠だ――
 とはいえそれ自体は今更気にする事は無い。推測が外れならばそれで良し、当たりならばえりかの願い通りにして自身にとっても望み通りであるゆりを止めれば良いだけの話だ。

 そう、キュアサンシャインが気にしているのはそこではない。
 ここにダークプリキュアの存在が絡んだ場合大きな問題となるのだ。
 推測通りならばゆりの時間軸は『月影博士の死の後、つぼみの説得を受ける前』だろう。つまりそのタイミングの場合、ダークプリキュアの正体も知っている筈なのだ。

 更に加ええりかの魂と遭遇した場所の辺りでダークプリキュアと遭遇した事実――
 恐らくえりかが埋葬されているのはあの辺り、更にえりかを殺したのがゆりならば――
 あの近くにゆりがいた可能性は非常に高い事になる。
 そしてダークプリキュアの元々の目的はゆりの変身するキュアムーンライトとの決着、誰よりもゆりとの遭遇を最優先にする筈だ。

 そう、光と闇、姉と妹、ゆりとダークプリキュアが遭遇する可能性が非常に高いのだ――


 その遭遇がどの様なものとなるか――それは予測不可能だ。
 唯々戦いとなる――そんな可能性もあるだろう――
 だが一方でダークプリキュアがゆりから全ての真実を聞いてしまう可能性も否定は出来ない。
 全てを知ったダークプリキュアはどうする?
 全てを知ってもなおキュアムーンライトとの戦いを望むのか? それとも人々を悲しませる為にその力を振るい戦う事をを止めるのか?
 あるいは全てを知り、自身の新たな願いを果たす為に戦うのか? 人々を守る為? それとも願いを叶える為に優勝を目指すか?

 全てを知ったダークプリキュア、彼女がどうするのかが読み切れないのだ――

 あの戦いの後、キュアサンシャインはダークプリキュアの心の闇を照らすと誓った――だがそれは次に会った時も変わらずキュアムーンライトとの決着に固執しているならばの話だ。
 だが、全てを知り自身の新たな願いを叶える為に優勝を目指すのであれば――ゆりの場合と違い、元々人々を悲しませる側にいたダークプリキュアにそれを躊躇する理由は全く無い――そうそう簡単に説得などできないだろう。

 いや、それでもだ、それでも救うのだ――方法はわからない、糸口も見つからない、可能かどうかもわからない、だからといって諦めるつもりはない――


 自身の名であるキュアサンシャイン――


 太陽の光は全てを照らす――


 闇夜に月が輝くのも太陽の光が反射するから――


 故に――


「必ず照らして見せる……私の光で闇夜とそこに浮かぶ月を……キュアサンシャイン、この名に懸けて……!!」


 ゆりもダークプリキュアも救う事を改めて誓うのだ――





 さて――かくして沖一也、蒼乃美希、明堂院いつき、3名の死者との対面、あるいは対話は終わった――
 もっとも、死者が何かを語る事が無い以上、これは対話(Duologue)というよりは独白(Monologue)というのが適当であろう。
 何より彼等は死者の事を考えることよりも今生きている者達を救う事を考えている――
 死者に対しては少し想いを馳せる程度で良いのだ――

 土は土に、灰は灰に、塵は塵に――
 最初に言った通り――死者が土、あるいは灰か塵に帰るだけ――
 最後に礼儀を果たせばそれで良いのだ――


 物語は死者の為のものではない――


 物語は常に今生きている者達の為のものなのだ――


 そう、これまで語った物語はこれから語られる彼女達の物語の布石に過ぎないのだ――









The 5th movement 沖一也×ン・ダグバ・ゼバ



 放送まであとどれぐらいだろうか――スーパー1はあの後誰とも遭遇する事無く市街地を散策していた――
 そんな時だった、ある方向から轟音が響いてくるのが聞こえたのが――
 戦いの音なのは明白、故にスーパー1は走る――
 距離は大分離れてはいるものの急げばそう時間はかからない――


 だが――不意に足を止めてしまった――


 スーパー1のスペックの高さ、そして沖自身の格闘家としての経験から研ぎ澄まされた感覚のお陰で早々に気付いてしまったのだ――
 数百メートル先に1人の白服の青年が何事も無かったかの様に座っているのが見えたのだ――
 青年が座っている――勿論、それだけならば別に大した問題では無い。


 だが――急がなければならない状況でスーパー1自身が足を思わず止めてしまう程――
 それだけのプレッシャーをあの白服の青年は放っていたのだ――
 間違いない、あの男はこの殺し合いに乗っている――
 それどころか自身がこれまで戦ったドグマあるいはジンドグマのあらゆる怪人よりもずっと強い――そう感じさせるものを感じたのだ――


 そう、勝てるかどうかすらわからない程の――最強最悪の敵と遭遇したのだ――



 ある意味では不運であり、ある意味では幸運だったのかも知れない――
 もし、いつき達が一緒なら下手すれば戦いで彼女達を死なせていたかも知れなかったから――

 問題はどうするべきか? 戦って厳しい以上は当初の取り決め通り無理をせず離脱すべきかも知れない。
 しかし、このまま危険人物を野放しにするわけにもいかない。
 それどころかあの青年が警察署に向かう可能性もある――それならなおの事放置するわけにはいかないだろう。
 そもそもこのまま離脱出来るかどうかすらわからない、この距離でもあの青年が此方に気付いている可能性は多分にある、そうなれば戦いは避けられない――


 恐らく戦いとなれば文字通り生きるか死ぬかの死闘となるだろう。


 人々を守る為ならば自身が死んでも構わない――
 だが、今自分の手には首輪のサンプルがある――


 知る事は決して無いが目の前の青年が殺した人物の首輪が――


 これを届けなければそれこそ黒焦げになった参加者の死が無駄になってしまう。それは許されない、
 更に、自身の持つ貴重な技術力が必要になるかも知れない――それならばなおの事死ぬ事は出来ない――



 いや、そんな細かい理屈なんて関係無い――


 仮面ライダースーパー1、沖一也が死ぬ事が出来ないのはそんな理屈では無い、もっと根源的な理由なのだ――


 脳裏にはこれまで出会った全ての人々の姿が浮かぶ――


「そう……俺は……俺はまだ……人類が未来をつかむ姿を見ていない……」


 急降下し燃え尽きようとするスペースシャトルを支える為に外に出る際に死にに行くのかと言われた時に返した言葉と殆ど同じ言葉を呟く――


 その時が来るまでスーパー1は戦い続けるのだ――


 そして強く拳を握る――


『己も拳士ならばその力、己が拳の為にあるのではないか?』


 殺し合いに巻き込まれる少し前に問われた言葉が不意に浮かぶ――だが答えはその時も今も変わらない――


「そう……俺は人の夢の為に生まれた……この拳、この命はその為のものだ……!」


 放送まで後10分を切った――


 人の夢の為に戦う『人間』は、自身の笑顔の為に戦う『怪物』へと向き直る――


「俺は――!!」


【1日目/昼】
【H-9/市街地】

【沖一也@仮面ライダーSPIRITS】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(小)、強い決意、仮面ライダースーパー1に変身中
[装備]:不明
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1~3、首輪(祈里)
[思考]
基本:殺し合いを防ぎ、加頭を倒す
0:白服の青年(ダグバ)に対処する? あるいは離脱する? そしてこのまま捜索を続ける? それとも警察署に戻る?
1:本郷猛の遺志を継いで、仮面ライダーとして人類を護る。
2:後で孤門やアインハルトと警察署で落ち合い、情報交換会議をする。また首輪の解析も行う。
3:この命に代えてもいつきとアインハルトを守り、スバルを絶対に助けてみせる。
4:先輩ライダーを捜す
5:鎧の男(バラゴ)は許さない。だが生存しているのか…?
6:仮面ライダーZXか…
7:アクマロは何としてでも倒す。
8:ダークプリキュアについてはいつきに任せる。
[備考]
※参戦時期は第1部最終話(3巻終了後)終了直後です。
※一文字からBADANや村雨についての説明を簡単に聞きました
※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました
※18時に市街地で一文字と合流する話になっています。
※ノーザが死んだ理由は本郷猛と相打ちになったかアクマロが裏切ったか、そのどちらかの可能性を推測しています。









The 6th movement 蒼乃美希×天道あかね



 一方、市街地の轟音を市街地を散策していたキュアベリーも聞いていた。
 当然の事だが彼女も最初は轟音が響いた方向へと走る。


 だが――


「!? あれは……赤い……鳥!?」


 赤い鳥みたいなものが飛び去っていくのが見えた。
 それが何かはわからない、だが轟音の響いた方向からやって来たそれは全く真逆の方向へと飛び去っていく――それも高速で。
 キュアベリーは進行方向を変えその赤い鳥――いや翼を広げた赤い怪人が飛び去っていく方向へと向かう――


 その動きは速くキュアベリーの全力をもってしても差が広がっていく程、
 怪人が乱雑な動きをしてくれたお陰で何とか見失わずに済んだのがある意味では幸いだ。


「何なのよ……あれは一体……」


 そして気が付いたら森の中へと入っていく。赤い怪人はそこで速度を落とした様に見えたが視界を遮る木々のお陰で肝心の怪人の姿を見失ってしまった。


「はぁ……はぁ……」


 気が付けば市街地からも離れてしまっていた。元々市街地を探索する手筈だったのに流石に行き過ぎだ。
 更に言えば戦闘にはならなかったがあの赤い怪人は相当な戦闘力を持っている。
 市街地からも離れたしスーパー1との約束もある、放送まで10分程度である事を踏まえても市街地あるいは警察署に戻った方が得策だろう。
 とはいえ、割と森の深い部分まで入ってしまった為、戻ったとしても森を抜けた所で放送を迎える事になるだろう――


 だが――あの赤い怪人を放置して良いものかという懸念はある。


 言ってしまえば危険人物を野放しにしてしまうということだ、それが良くない事は誰にでもわかる事だろう。
 市街地の中では祈里どころかせつなもラブの姿も無かった。もしかしたらこの場所を目指して森の中を進んでいる可能性もある。
 そうなればあの赤い怪人と遭遇し戦闘となる可能性もあるだろう――
 ラブ達の場合無茶をしかねない――幸い赤い怪人の速度は落ちてくれた、このまま追跡すれば追いつける可能性はある。


 いや、もしかしたら――キュアベリー自身どうしても放っておけなかったからだったのかも知れない――


 無論、気付いているわけではない――
 その赤い怪人の正体が乱馬の最愛の人物にして、乱馬を最も愛した人物である事に――
 ただ何となく何かを感じていたのだろう――
 勿論、その正体とその真意を知ったならばキュアベリーは彼女を止める事だろう、殺し合いに乗った所で乱馬はそれを望みはしないと――


 キュアベリーの言葉は完璧に正しい。だが、完璧に正しいだけじゃ彼女には届かない――
 そもそも正論などキュアベリーは知らないだろうがアインハルト等々の皆が既に彼女にぶつけている、届いていないからこそのこの結果だ――
 その正論が届いていたならば彼女が自意識を無くした赤い怪人の姿になんてなるわけないのだから――


 とはいえそれは実際に対峙してからの話だ、今それを語った所でそれは机上の空論に過ぎない。
 重要なのは今どうするか、選択肢は提示されている――
 完璧を目指す事を信条としているのがキュアベリーこと蒼乃美希ではあるが――
 この場においては完璧に正しい選択肢など存在しない――
 どちらも正解であり、同時にどちらも不正解なのだ――


「私は――!!」


【H-7/森】

【蒼乃美希@フレッシュプリキュア!】
[状態]:健康、キュアベリーに変身中
[装備]:リンクルン(ベリー)@フレッシュプリキュア!
[道具]:支給品一式、シンヤのマイクロレコーダー@宇宙の騎士テッカマンブレード、ランダム支給品1~2
[思考]
基本:こんな馬鹿げた戦いに乗るつもりはない。
0:赤い怪人(あかね)を追跡する? それとも市街地あるいは警察署に戻る?
1:後で孤門やアインハルトと警察署で落ち合い、情報交換会議をする。
2:プリキュアのみんな(特にラブが) やアインハルトが心配。
3:相羽タカヤ、相羽シンヤと出会えたらマイクロレコーダーを渡す。
[備考]
※プリキュアオールスターズDX3冒頭で、ファッションショーを見ているシーンからの参戦です。
※その為、ブラックホールに関する出来事は知りませんが、いつきから聞きました。
※正体こそ気付いていないものの赤い怪人ことRナスカ・ドーパント(あかね)に何かを感じています。








The 7th movement 明堂院いつき×佐倉杏子



 キュアサンシャインは走る、轟音の響いた方向へと――
 のんびりしていたつもりはなかったが、あれからまたしても戦いが起こってしまったのだろう。
 これでは死んでいった者達に顔向け出来やしない――
 とはいえ今後悔しても仕方がないだろう。今は一刻も早く現場へと駆けつけるのだ――
 あの轟音はキュアベリーやスーパー1にも聞こえている筈、ならばそこに行けば彼等とも合流が出来る筈だ――
 だが、その場所に危険人物がやってくる可能性がある。気が付いたら炎に包まれ焼かれていたとか頭から食われていたとかそんな話も十分に考えられる。
 急ぐことには違いは無い、だが冷静さは決して欠いてはならないのだ――


「はぁ……はぁ……」


 建物の上を飛び回りながらいつきは急ぐ――周囲の様子も確認出来るから一石二鳥とも言える。
 そしてようやく4人の参加者が集っている場所まで百メートル程度の所まで近づいた。
 だが油断してはいけない、何時敵の奇襲があるかも知れないのだ。周辺の警戒だけは決して怠らない――
 幸か不幸か他に近づいている参加者は見られない。油断は禁物だがひとまず安堵して視線を4人に――


「え!? どういうこと!?」


 浮かび上がるのは驚愕と疑問――そう、その場にいる筈の無い人物が2人もいたのだ――


「どうしてアインハルトと梅盛さんがいるの……?」


 4人の内1人は帽子とスーツ姿の男性、1人はパーカーを来た少女、ここまでは別に良い。
 だが重要なのは――残り2人がアインハルトと源太だった事なのだ。
 何故警察署で自分達を待っている筈の2人がここにいるのか?
 警察署で何かが起こったのか? ヴィヴィオ達残りの4人はどうなったのか?


「いや、それは直接聞けば……」


 とはいえ、それは直接アインハルトと源太から聞けば良い事だ。気を取り直し周囲の警戒を怠らず近づいて――



「!? ちょっと待って……あれは……」


 そんな中――パーカーを着た少女が持っている物に見逃せないものがあったのだ――


「祈里のリンクルン!?」


 彼女の手(正確には彼女が持っている腕が掴んでいる)には祈里のリンクルンがあったのだ――
 流石に動揺は隠せない。だが1つだけ確実に言える、祈里が持っている筈のリンクルンが全く別の少女が持っているという事は――


「という事は……祈里はもう……!!」


 キュアサンシャインは気付かない、その少女がそれとは別にせつなから彼女のリンクルンを託されている事を――
 そしてせつなの願いに応える為に祈里のリンクルンを取り戻した事を――
 ショックはあっても警戒を怠ってはいけない、周辺に注意を配りつつ足を進めていく――


『『『『指輪が喋ったぁ!?!?!?!?』』』』


 その最中、彼等はまだキュアサンシャインの接近に気付いてはいない――
 その一方、祈里の死の可能性が高い事にショックを受けつつも足を進めるキュアサンシャインは――


「私は――!!」


【H-8/市街地】

【明堂院いつき@ハートキャッチプリキュア!】
[状態]:疲労(小)、ダメージ(中)、罪悪感と決意、キュアサンシャインに変身中
[装備]:プリキュアの種&シャイニーパフューム@ハートキャッチプリキュア!
[道具]:支給品一式、ランダム支給品1、ふうとくんキーホルダー@仮面ライダーW、霧彦のスカーフ@仮面ライダーW、須藤兄妹の絵@仮面ライダーW、霧彦の書置き、春眠香の説明書
[思考]
基本:殺し合いを止め、皆で助かる方法を探す
0:色々疑問はあるけど周辺の警戒を怠らずアインハルト達4人と接触する、パーカーの少女(杏子)が祈里のリンクルンを持っているという事は祈里は……
1:沖一也、アインハルトと共に行動して、今度こそみんなを守り抜く。
2:後で孤門やアインハルトと警察署で落ち合い、情報交換会議をする。
3:仲間を捜す
4:ゆりが殺し合いに乗っている場合、何とかして彼女を止める。
5:スバルさんをアクマロの手から何としてでも助けたい。
6:ダークプリキュアを説得し、救ってあげたい
[備考]
※参戦時期は砂漠の使徒との決戦終了後、エピローグ前。但しDX3の出来事は経験しています。
※主催陣にブラックホールあるいはそれに匹敵・凌駕する存在がいると考えています。
※OP会場でゆりの姿を確認しその様子から彼女が殺し合いに乗っている可能性に気付いています。
※参加者の時間軸の差異に気付いています。
※えりかの死地で何かを感じました。

[全体備考]
※中学校にある道具はいつきが回収しましたが春眠香@らんま1/2のみ未回収です。
※乱馬の死体はH-9にある建物内部に移されました。


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最終更新:2014年05月20日 21:56