Aが求めるもの/悪魔のしっぽ ◆7pf62HiyTE
「ただいまー」
その声と共に帰宅した長い髪を背中で束ねた少女は早々に道着に着替え――
「破っ!!」
その一撃で重なった石ブロックを粉砕する。
「あー、調子いい」
と、
「まーたあかねはー。んなことばっかやってるからまともにモテないのよ」
そう声を掛ける少女がいた。
「よけーなお世話よ。あたしはおねーちゃんと違って男なんか大っきら……」
「……どうしたのよ? 何人の顔じろじろみているのよ」
「……う゛ーん……何か引っかかる様な。なびきおねえちゃんの声聞いていたら何か湧き上がる様な……」
「それ失礼だと思わない?」
そう、それは何ら変わらない――
そして何時もの様に学校へ――
校門前にユニフォームを纏った多くの男子が待ち構え――
「天道あかね!」
「学校にはいっちゃいかーん!!」
「君は狙われているんだーっ!!」
行く手を遮っていく――
「どいてっ、遅刻しちゃう!」
「待てい!」
「天道くんっ!!」
「力づくで止めてやる!」
「ほかのやつに倒されるくらいなら、ぼくの手にかかって…」
だが、その程度の相手に倒されるわけも――
「毎朝大変ねー、なびきの妹さん」
「あかねなら大丈夫だって」
その言葉通り、全て撃退し長い髪をたなびかせながら――
「あーもう毎朝毎朝、うっとおしいっ……男なんて……大っき……」
「まったく無粋な連中だな。みんな君に勝ったあかつきには、交際を申し込むつもりらしいが…」
「あ、九能先輩。おはようございます……というか……」
そうあかねに話しかけてきた男は――
二年E組九能帯刀、剣道部主将高校剣道界期待の超新星、人呼んで(?)風林館高校の蒼い雷――
「さて…天道あかねくん」
加えていた薔薇をあかねへと投げ渡し、
「お手合わせ願おうか」
「……九能先輩がその元凶なのよね……」
そう、
『あかねくんと交際したくば戦って勝て! それ以外の交際申し込みはぼくが許さん!!』
そう青年の主張を繰り出して来たからなのだ――だが御覧の通り毎朝毎朝この激闘の攻撃は繰り返されている、つまり交際希望の男子生徒軍団そして九能に対し――
「勝てちゃうのよねー、なぜか」
というわけでこの朝も完全敗北した九能は、
「5枚一組三千円」
「おうっ、なんたる猛々しさ。買おう」
クラスメイト(あかねの姉)からあかねの写真を購入したのであった。その変態性故に――
「九能は風林館高校最強の男だが」
「同時に最悪の変態だ」
男子生徒達はあかねを諦めず明日も挑むだろう。そう、これからもずっと――
「誰が変態だ!」
そしてまた九能もまた、あかね『だけ』を求め続けるだろう――
その一方――
「やあ、あかねちゃん」
「あ、若先生、こんにちわ」
「こんにちは」
小さい頃からケガをした時世話になっている骨接ぎの東風先生を前に言葉が出ない――そんなあかねをよそに、
「最近来ないね。ケガしてないの?」
「はい、だってケガするようなことしてないし…」
それは先程男子生徒軍団をぶちのめした少女とは思えない表情だった――そう、あかねは東風先生に――
だが――
「あ、そーだあかね。学校の帰りに…東風先生のとこに寄ってくんない? 借りっぱなしだった本。返して来てほしいんだけど」
他意の無い純粋な頼み事である。だがあかねにとってはある意味では都合の良い話であろう。しかし、
「かすみおねーちゃん自分で行きなよ。あたし、きょうはちょっと…」
「そお? じゃ、しょーがないわね」
そう断るあかねだった――もっとも結局、ちょっとしたケガをしてしまい向かってしまったわけだが――
「ごめんくださあい」
「(おねえちゃん)」
「やあっ、かすみさん、えっときょうは…」
東風先生の表情が明らかに変化している――
「あの、借りていた本と…あの、お口に合うかどうか…」
そう手作りクッキーの包みを出す――
「やあ、これはマスクですね。うん、口にぴったりだ」
それは包みです。
「いえ、そうじゃなくてね」
そして口に、
「おいしい」
「お皿です、それは」
食べられません。
「東風先生っていっつもおもしろいかたねえ」
「そお? おねえちゃんがいない時は、違うんだけどなあ。じゃ、あたし先に帰るね」
「どうしたのかしら、一緒に帰ればいいのに」
ちなみにこの時、接骨院に他の患者が来る事は無い。
「今、ヘタに踏み込んだら命にかかわる」
「東風先生も普段は名医なんだがなー」
そう、それぐらい東風先生はあかねの姉であるかすみを――それをあかねは理解している――
ずっと小さい頃から――
「それじゃあかねちゃん、お大事にね」
「東風先生さよーならー」
「あら、あかね」
「あ、かすみおねえちゃん」
「またケンカしたの? いつも妹がすみません、東風先生」
「はあ、まあ、その、なんです」
「(先生…)」
理解していたのだ、最初から――だが、
「あかねは本当に男の子みたいね」
「もっと女らしくしないと、東風先生に嫌われちゃうわよ」
「(髪をのばせば…あかねだっておねえちゃんみたいに…)」
そう、だからこそ髪を――
それでもその想いが報われる事は無い――
その長い髪をなびかせ――
「天道あかねが来たっ!!」
「天道あかねっ! おれと交際…」
同じ事を繰り返す――そんな日々の繰り返し――
「あーもう、うっとおしいっ……男なんて……大っき……」
夢というのは呪いと同じともいえる――
呪いを解くには夢を叶えるしかない――
だが、途中で夢を挫折した者は一生呪われたまま――
そう、何かの切欠が無い限りは――
例えば、クラシックギタリストの夢を絶たれた男が、同じ夢を持つ者に出逢える様な奇跡が起こるかの様に――
そういう出会いの奇跡が起こらない限り――あかねの呪いは解ける事は無いだろう――
だが、例え呪いであってもこれもまたあかねにとってかけがえの無いものに違いは無い――
なびきに九能、かすみと東風先生、彼等との日々もまたあかねにとっては大切なものなのだから――
Scene03. One Day , One Dream ~君がいない世界~
「ん……うん……」
そしてショートカットの少女は意識を取り戻す。
あかねは周囲を見回す、近くに池がある事からH-5にある池近くという事だろう。
「東風先生……」
どうやら夢を見ていた様だ、長い――そんなに昔でも無い気もしたが、遠い遠い昔の事の様に思える。
「確か……」
何故自分は意識を失っていたのだろうか? 記憶の意識をたぐり寄せる。
「そう、確かあの機……」
『機械』と言おうとしたが言葉として紡がれないでいた。
「……仮面ライダーをこわ……倒した後……」
それから先の記憶が無い。恐らくNちゃんの力を限界以上まで引き出した故に制御しきれず意識を失ったのだろう。
「ぐっ……」
全身を動かす――ダメージで上手く動か――と思いきやそれほど激痛は感じない。
「躰が軽い……どうしてかしら……」
あれだけの激闘だったのに何故負担が無く、むしろ調子が良くなっているのだろう。流石に不思議に感じるが、
「ううん……気にしちゃだめ……」
そう、そんな事は些細な事だ。時計を見る。もう少しで16時という所だろう。
「行かないと……」
そう言って近くに落ちているデイパックを拾う。
「あら?」
そんな中、近くに箱が落ちているのを確認する。仮面ライダー二号が持っていたものだったのか?
ともかく箱の中身を確かめる。中には説明書きもあったが……
「何よ……これの何処が……」
説明書きの内容と中身のギャップからあかねは失望していた。
ともかくその箱をデイパックに仕舞う。無用の長物とはいえ捨て置く理由は無いだろう。
『進め……貴様の求めるものの為に……』
「そうよ……行かないと……」
足を止めるわけにはいかない。あかねにはやらなければならない事があるのだ――
自身にとって大切な日常を守り、そこへ帰る為に――参加者達を壊し優勝しなければならないのだ――
『壊せ、貴様にとっては只の『機械』なのだろう……』
声に刃向かう事は無い。それはあかね自身が感じていた事なのだから――
「東風先生やかすみおねえちゃん達を……守らないと……」
そして森へと戻る、
「そう……あそこにはダグバの仲間がいる……それを壊さなきゃ……」
何の為にダグバを? それを考えようとしたが思考を振り切る。
考えるまでも無い、壊さなきゃ守れないからだ――
故に少女は進む。自分達の大切な日常を壊す『機械』を壊す為に――
『進め……闇黒皇帝の忠実なる……『壊れた機械人形』……ファウスト……』
自身もまた壊れた『機械』に成りはてている事に気付かぬまま――
さて、読者諸兄の中には今の彼女の状態について理解出来ていない所もあるだろう。
恐らく読者諸兄が感じている最大の疑問点はこの一点に尽きるだろう。
『今の天道あかねは
早乙女乱馬の事を忘れているのでは無いか?』
そう感じている方が多いだろう。何しろ、先程までは散々乱馬達を取り戻す為に戦っていながら、今の彼女の口から彼の名前が出る事は無い。
だがその答えはNoだ、あかねは乱馬の事を決して忘れてはいない。
そう、考えない様にしていないだけの話だ。
人の心の力を甘く見てはいけない。
プリキュアの光の力やダークメフィストの闇の力がどれだけのものであっても、それは良くも悪くも人の心を増幅するものでしかない。
言ってしまえば只の薬に過ぎないのだ。薬は所詮、元々持っている力を補佐する程度のもの。
どれだけ強い光が闇を浄化しようとしても、決して闇の力は消えない様に。
どれだけ深い闇が光を飲み込もうとしても、決して光の力は消えない様に。
人が持つ光と闇は決して消えないのだ。
例えプリキュアの力で浄化されようともあかねが自らの願いを諦めなかったのと同じ様に――
例え闇があかねを冒そうとも、一番大切なものだけは決して冒されはしないのだ。
あかねだってそこまでバカじゃない。
自分の行動が根本的に矛盾し破綻している事に薄々気付いていた。
『機械』だから壊したって問題無い?
例えそうでも、その『機械』である仮面ライダー二号が人々を守る為に戦っていた事は理解している。
それを壊す事で彼によって守られる筈だった人々を犠牲にした事に違いは無い。
しかし『機械』を壊しただけだと納得しないとあかね自身が元の日常に帰れなくなる。
だからこそそう納得させる事で、自身の行動を正当化しようとした。だが――
相手の正体も確かめず勝手に『機械』と断定し有無を言わさず壊したあかねはどうだろう?
人々の役に立つ『機械』だってある、にも関わらずそれを機械的に壊す――
それを行うあかねの方がよっぽど『機械』だろう。壊されるべき――
だからこそ考えない様にしていたのだ。それに気付いてしまったらもう本当に戻れなくなってしまうから――
乱馬の為、例えそうだとしてもそれを乱馬が求めるわけがないのだから――
しかしそんなメッキなどすぐに剥がれてしまう――
自身の罪などすぐに突きつけられる――
『天道あかね……お前の罪を数えろ……!』
彼女の罪は一体何か? ドーパントとなって彼女を信じる仲間達を泣かせた事か?
そう、それ以上に早乙女乱馬の願いを踏みにじっている事が最大の罪だ。
翔太郎だってあかねがそこに至った経緯は理解しているし自身にも責任がある事は理解している。それでも、いやその罪を数えたからこそあかねにその言葉を放ったのだ。
そう、翔太郎も――いや翔太郎だけじゃ無い、
佐倉杏子達は皆自分達の罪を数え、数え切れなくてもそれと向き合い乗り越え前に進もうとしている。
だからこそのその言葉だ――
しかし未だあかねはその罪を数えようとせず逃げている、
どれだけ逃げても再び突きつけられあかね自身を苦しめるとしても――
それはある意味呪いとも言える。その呪いを解く術は自らの罪と向き合うしかないが――その為には何かが必要だろう。
そう、東風先生への想いを振り切った時の様な切欠が――
気が付いた方も多いだろうが、あかねの夢の中での彼女の髪は長かった。
しかし、現実のあかねの髪は御覧の通り短い。
何故、夢の中でのあかねの髪は長かったのだろうか?
その答えはあかねの髪が短くなった理由にある。
あかねの髪は乱馬と
響良牙との対決の際に、良牙の放った鋭利な傘によって断ち切られている。
あかね自身当然のことながらショックであった
が、逆にこれが良い切欠となったのも事実である。
元々あかねが髪を伸ばしていたのは東風先生への想い、つまりは恋心によるものだ。
しかし東風先生の想いは昔も今もかすみに向いており、あかねの方に向くことは絶対にあり得ない。
あかねは最初から勝ち目のない戦いをしていたのだ、そしてそれはあかね自身理解している。それでも心の何処かで諦めきれなかったのだろう。
そう――それを断ち切る切欠となったのだ。偶発的に起こった断髪は――
つまり、乱馬と良牙がその呪いから解放したという事だ――
だが、夢の中でのあかねの髪は長かった――それが意味する事は?
そう、夢の世界では早乙女乱馬、そして彼と深い関係にある響良牙の存在は消えている。
いや、それどころか乱馬に深い関係のある人物全てが存在していないと言っても良い。
その世界では乱馬と良牙が存在しないわけなのでその対決によりあかねの髪が断ち切られる事は無い。
だからこそあかねの髪は長かったというわけだ。
繰り返すが別にあかねは乱馬の事を忘れているわけではない。むしろ今でも深く想っている。
だからこそ、その存在を考えない様にしているだけなのだ。それ故に彼女の思考から乱馬及び良牙の存在が消えているのだ。
先に説明した通り、人の心はそこまで弱いわけじゃない。大切なものはそうそう簡単に壊れたりはしないのだ。
それを守る為の措置といっても良いだろう。
そう、結局の所、どれだけ正当化してもあかねの罪は決して消えやしない。それだけ闇が深く浸食しているのだ。
それでも乱馬や良牙への想いは穢させない――それ故に、乱馬達への想いをかつて抱いた東風先生達への想いへと差し替えたのだ。
無論、それが許される事ではないし、只の逃避に過ぎないだろう――
だが、幾ら見て見ぬフリをしていても何れその罪は突きつけられる。
何かの切欠で乱馬や良牙の事を考えてしまい、その罪で苦しむ事になる。
そう、未だ良牙は健在、あかねは知らないが良牙は人の心を失った死人や、人の記憶や体を奪われた機械、彼等が人として足掻き続けた事を知っている。
良牙にとって彼等は『機械』であっても『人間』以外の何物でも無かった。そしてその生き様を受け継ぎ、同じ様に心を受け継いだ仲間達と共に進み続けている。
出会える可能性は決して高くは無い。だが決して低くも無い。何にせよその時が来ればもうあかねは逃げる事は出来ない。
その時が来ればもう無視は出来ないのだ。
その時に罪を数え、連鎖を切らない限り――
天道あかねに掛けられた呪いは解けず、決して救われる事は無い――
Scene04.EGO~eyes glazing over
「ようやく動き出したか……」
流石にあかねとの戦闘でのダメージもそれなりにあった故、黒岩は少し離れた所であかねの様子を確認しつつ躰を休めていた。
Rナスカを一蹴し完全勝利したメフィストは早々にトドメを刺そうとした。しかし、その直前――
「ぐっ……ダグバ……」
そう無意識下の内に呟いた言葉を耳にした瞬間、考えたのだ。
「事情は知らんがこの女……ダグバに恨みがあるらしい……恋人でも殺されたか……」
それに気が付いた時、メフィストの脳裏に1つ考えが浮かんだ。
どのみちこの女は死に体、だがこのまま捨て置くよりも利用した方が良いのではなかろうか?
「それに、この力を試してみたい所でもあるからな……」
「う……あ……」
そう、黒岩は『闇』をあかねに注ぎこんだのだ――
聡明な読者諸兄は既におわかりだろう。
黒岩は手駒として――いや、闇黒皇帝の忠実な臣下としてあかねをファウストにしようとしたのだ。
そう、かつてのメフィスト
溝呂木眞也が自らの目的の為に孤門一輝の恋人である斎田リコを、この地においても
美樹さやかを傀儡としてファウストにした様に――
しかし同時に疑問に感じている方も多いだろう。
それが本当に可能かどうかだ。
さやかがファウストになった時、ファウスト化の条件として『骸である人間』が必要であった。
つまり死者で無ければファウストに出来ないという事だ。
だが、デスゲームの性質上、死者の蘇生は最大級のタブー、それ故に実質的に死者蘇生に限りなく近いファウスト化は基本的に不可能とされている。
では何故さやかはファウスト化出来たのか?
一応、さやか達魔法少女は魂がソウルジェムによって分離しているから、肉体的には死亡している故に可能だった――そう理由付けは成されている。
だが――果たして本当にそうだったのか? その時さやかは実質的に死亡していたのか?
そもそも魔法少女が肉体的に死亡しているという表現自体ある意味微妙な表現ではなかろうか? 確かに自身の身体の変貌にさやか自身ゾンビみたいだと言い放ったからそう考えるのも道理と言えば道理。
が、客観的に見れば普通の人間と躰の構造が違うだけの人間でしかないのではなかろうか?
そういう魔法少女しかいない世界にとってはそういう表現が的を得ても、特異な存在が数多く存在するこの状況下においてはそうは言い切れないのでは?
そう、本質的にはショッカーに改造された改造人間である仮面ライダーに近いと言えよう。
そもそもBADANに改造された
村雨良ことZXはその躰の殆どを機械にされており自らの記憶は別のメモリーキューブとして収められている。そういう観点で言えばZXは魔法少女と躰の構造は殆ど変わらない。
ある意味ではZXもまたゾンビと言えるのではないか? 実際、この地においても記憶が無い故に死人の様な表情をしていた。
また酵素の力で無理矢理躰を機能させている
大道克己といったNEVERも実質的には死人と変わらない。
こういう観点で言えば、NEVERや仮面ライダーも躰だけで言えばファウスト化の条件は満たしているとも言えよう。
さて、今一度さやかの状態について振り返ろう。
誤解されがちだが、さやかの躰はゾンビと表現されていても肉体機能は人間のそれと殆ど変わらない。
その特異性故に誤解している人も多いが魔法による回復力が無ければ回復力も人間と違いは殆ど無い。
これはその事実に気付くまで、さやか、
巴マミ、それに杏子が人間と殆ど同じ様に過ごしていた事からも明らかだ。
つまり、この地においてはさやかは死人の一種であるゾンビというよりはむしろ回復力の高い人間と言った方が正しい。
事実として、さやかが闇を注ぎ込まれた時、さやか自身の魔法の特性(回復特化)によりさやかのダメージは回復に向かっていた筈だ。それを死人と表現するのは些か勇み足とも言える。
長々と説明したがつまりはこういう事だ、ファウスト化する条件は――『死体、あるいはそれに近い状態にある生物』と解釈する事も可能かもしれない。
勿論、これ自体は元々の世界における条件とは違い、死者蘇生が不可能なこの地における特例かも知れないことを付記しておく。
では今のあかねに当てはめてみよう。
結論から述べれば、今のあかねの肉体の状態は非常に危険だ。
危険の伴うT2ガイアメモリの連続使用、それも常人では耐えきれないレベル3のRナスカを乱用している。
それが可能としたのは伝説の道着のお陰ではあるが、それでも彼女の肉体には致命的なダメージが蓄積されている。
ある意味、伝説の道着によって生かされている状態とも言えよう。
加えて、二号やガウザー、それにメフィストとの激闘によるダメージも甚大、それこそ一歩間違えればその生命力が尽きていても不思議は無い。
そう、今のあかねは先程黒岩が表現した通り死に体、ある意味ではゾンビに近い状態とも言える。
加えて、ガイアメモリによる毒素や黒岩の指摘もあり彼女の精神は限界を超えて摩耗しきり、その闇を広げている。
その観点で言えば限りなくファウストの素体としては都合が良すぎる存在だ。
それ故に、ファウストの力はあかねに注ぎ込まれた――そのお陰で結果としてあかねの体力はある程度回復している。
とはいえ、それで完全にファウストになったかどうかはまた別の話だ。前述の様に致命的な状態とは言え死亡しているわけではない。
完全に支配出来ているかどうかも不明瞭だ。黒岩の声は届いているが洗脳状態にあるわけではないし、当然ファウストへの変身が可能とも限らない。
ともかく今後については別にして、あかねの中にファウストが眠っている。今はそれだけ理解していただければ十分だ。
その闇の種子が芽吹くかどうかは別の話、このまま眠るだけかもしれないし、ファウストとして覚醒するかもしれない。
それはここから先の物語が示してくれるだろう。
「せいぜいこの俺の為に働いて貰うぞ……我が忠実なる配下よ……」
黒岩は考えた。この後自身はガドルにダグバ、そしてウルトラマンとの戦いが控えている。
メフィストの力は絶大だが、それでガドルやダグバに届くかは不明瞭。更に戦力を増強する必要がある。
だからこそ、ダグバに対し恨みを持つあかねを自身の配下に選んだのだ。
とはいえ最初から全てを狙っていたわけではない。
あかねの精神をここまでえぐる事が出来たのは黒岩が元々世知辛い人間社会で生きるダークザイドのカウンセリングをしていて経験からだ。
カウンセリングという事は相手の心を理解した上でそれを助けるというもの、つまりあかねに行った事はそれの逆ベクトルの行動だ。
あかねの心を理解した上でその矛盾を突きつけ精神にダメージを与える。別に壊す事に悦楽を感じているわけではないが、手段としては有用だと感じていた。
そしてたまたま戦力として使えるから配下にした、それだけの話だ。
「そう……ガドルもダグバもウルトラマンも通過点に過ぎない……この力を以て大黒岩帝国を作り上げる……この闇黒皇帝がな……そしてこの手に総てを手に入れる!!」
そう、ウルトラマンの光の力も欲していたが、黒岩にとってはそれも過程に過ぎない。
よくよく考えて見れば、ガドル戦の前後の辺りの記憶がいまいち曖昧だがそんな事は俗事に過ぎない。
重要なのは野望を果たす為に進み続けることだ。それ以外は通過点でしかない。
そんな黒岩にとって真に敵としている者は只1人――
此処にはいない宿命のライバルへと宣言する。恐らくはそのノーテンキラキラぶりで変わらず人に迷惑を掛けつつ光り輝く道を進んでいるのだろう。
途中でのたれ死んでいるのならば所詮それまでの存在、思い出として記憶には留めておくが気にする必要は無い。
なんにせよ、奴が光で自分が闇なのは最初から決まっていた。
闇と光は表裏一体、互いが引き合うのは当然の理だ、
「知っているか! 貴様が光の道を進み続けるならば俺は闇の道を行く、そしていずれ真の闇黒皇帝となり、貴様との雌雄決するであろう、そしてその瞬間が真の大黒岩帝国建国の日だ!
その日は何れ全宇宙世界における祝日となり人々が祝うであろう、その時を待っていろ!!」
【1日目 午後】
【H-4/池沿い】
【
黒岩省吾@超光戦士シャンゼリオン】
[状態]:頭部・腹部を中心に全身に裂傷(ラーム吸収や闇の力によりある程度回復)、凪のラーム吸収、メフィストの闇を継承
[装備]:ダークエボルバー@ウルトラマンネクサス、デリンジャー(2/2)
[道具]:支給品一式、ランダム支給品0~1
[思考]
基本:闇黒皇帝として総てを手に入れ大黒岩帝国を建国する。
0:壊れた機械人形ファウスト(あかね)を配下にしガドル及びダグバ戦に備える。
1:宿命のライバル涼村暁との決着をつける。まぁどうせアイツは変わらずバカやっているだろう。死んでいたらそれまで、気にする必要は無い。
2:人間でもダークザイドでもない存在を一応警戒?
3:元の世界に帰って地盤を固めたら、ラビリンスやブラックホールの力を手に入れる。
4:
桃園ラブに関しては、再び自分の前に現れるのなら闇黒皇帝として利用する。
5:ネクサスの力を得る。だがそれは通過点に過ぎない。
[備考]
※参戦時期は東京都知事になってから東京国皇帝となるまでのどこか。
※NEVER、砂漠の使徒、テッカマンはダークザイドと同等又はそれ以上の生命力の持主と推測しています。(ラブ達の戦いを見て確信を深めました)
※ラブからプリキュアやラビリンス、ブラックホール、魔法少女や魔女などについて話を聞きました 。
※暁は違う時間から連れて来られたことを知りました。
※テッカマン同士の戦いによる爆発を目にしました。
※
第二回放送のなぞなぞの答えを知りました。
※森林でのガドルの放送を聞きました。
※
西条凪のラームを吸収しました。吐き出したり、死亡したりすれば凪にラームが還ります。
※ダークメフィストの力を継承し、ダークメフィストツヴァイとなりました。そのため、ウルトラマンネクサスの光への執着心も生まれています。溝呂木が使ったような生身での特殊能力も使えるようです。
※メフィストの力を継承した時の記憶が若干欠落しています。その為、石堀の正体を失念しています。
※あかねにファウストの力を植え付けました。(本当の意味で死亡しているわけではないので)彼女が真にファウスト化出来たかは現状不明ですが、現段階でも推定1エリア程度ならば声を届かせる事は可能です(但し、洗脳が出来るとは限りません)。
それに伴い、現状あかね以外の参加者をファウスト化させる事(闇化能力発動)は不可能です。但し黒岩はまだそのことに気付いていません。
Scene05.闇黒皇帝
さて――御覧の通り、あかねも黒岩も目先のガドル戦へと向かっていた。
その時刻は16時から数分前、近い内に新たな戦いが繰り広げられる可能性はそう低くはない。
とはいえ、今はまだそれを語るべき時では無い。焦ることは無い、長い物語だ、じっくりと紡いでいこうではないか。
ところで、メフィストとなった黒岩とRナスカとの戦いは描かれていないことに気づいているだろうか。
とはいえそれは仕方が無い。当の本人であるあかねはその事を覚えていないのだから。黒岩以外覚えては――
否、目撃者はいた。
『Formidable enemy terrible darkness emperor Mephisto ...(闇黒皇帝メフィスト、恐ろしい強敵だ……)』
そう、あかねの懐で身を潜めていた
フェイト・テスタロッサのデバイスバルディッシュが大体の事を把握していた。
といってもそこまで語れる内容はない。
何しろ、Rナスカになったまでは良かったが――
結局その段階で意識は途切れ暴走状態に陥ったのだ。
暴走状態とはいえ既にボロボロの状態、その攻撃に精細さはなく、一方的にメフィストの攻撃を食らい続け倒されただけの至極単純な話だ。
そして、そのままファウストの力が注ぎ込まれるのを目撃した(この表現も少々おかしな気もする)というわけだ。
勿論何をしたかまでは知らない。ただ、あかねがこの戦いを覚えていない事から魔法の類いを使い記憶操作を行っただろうと推測していた。
その後の動きが何処か虚ろになったのもその影響かもしれない。
本来ならばバルディッシュ自身も何かすべきだったかも知れないが武器としての機能が破壊されている以上、どうする事も出来ない。
いや、例え何か出来てもあかねに力を貸す事だけは絶対になかった。というか戦いに巻き込まれてこのまま破壊されても良かった所だ。
実の所、人間の心を持たないインテリジェンスデバイスでしかないバルディッシュにしては少々おかしな話だが……元々良い印象を持っていなかったあかねに対し嫌悪感を抱いていたのだ。
その理由は至極単純、あかねが他の参加者全てを『機械』と断じて平然と破壊しようとしたからだ。
一応、気まぐれにバルディッシュも一度だけ確認するかの様に声を掛けたのだ。しかしあかねは全くそれを気にも留めなかった。
お陰でバルディッシュは完全にあかねを敵と断定した。
そうだろう、あかねは躰の構造が人間と違うというだけで『壊しても構わない機械』と考えたのだ。
バルディッシュの周囲には人間とは言えない者が多い。
自身を作り上げた山猫をベースにした
プレシア・テスタロッサの使い魔リニス、
犬をベースにした使い魔でフェイトの相棒とも言えるアルフ、
しかしバルディッシュ及びフェイトにとってはかけがえの無い家族ともいえるべき存在だ、人間ではないとしてもだ。
そんなバルディッシュが他者を『機械』と断じて自身の行動を正当化しようとするあかねを許せないと思うのはそうおかしな話じゃ無い。
大体、あかねはフェイトと
ユーノ・スクライアの無残な死体を見ている筈だろう、それの何処が機械だ?
黒岩が言っていたがどんなバカだってそれを機械という奴はいない筈だ(実際、後々そのバカこと涼村暁がちゃんと埋葬している、勿論機械だと思ったりはしていない)。
どれだけバカな事を言っているのだと、それはひょっとしてギャグで言っているのかと思う。
事情があるのは理解はしているがここまで意固地になって自身を正当化するのに怒りを覚えていた。
主と声が似たプリキュアに言わせれば『堪忍袋の緒が切れました』といっても良いだろう。
それぐらいブチキレテいたと言っても良い。ある意味黒岩の言葉で若干溜飲が下がったとも言える(ただ、その黒岩が危険人物なので喜んで良いのかは微妙)
とはいえバルディッシュの感情問題はどうでも良い。正直状況は良くは無い。
果たして左翔太郎と佐倉杏子は無事なのだろうか? 杏子は乗っていたわけなのだから敵対しているかも知れない。
そう思うとどうして良いかわからない所だ。
そもそも現状から動けない以上どうにもならないのだが――それは今更言っても仕方が無い。
そんな中、バルディッシュはあかねが先程見つけたものがどうにも気にかかったのだ――
そう、それは先の戦いであかねが黒岩のデイパックを落としたときに零れ落ちたもの。
黒岩もそれは気付いていたが自身にとっては不要なもの故に別段気にも留めなかったものだ(だからこそデイパックは回収したがそれは回収していないのだ)。
そして、あかねにとっても無用の長物――
いや、おおよそ殆ど総ての参加者にとっては無用のもの、つまり役に立たない道具だ。
だが――恐らく、この地においてこの道具こそ相応しいものはないとも言える。
では、その道具が何かを公開しよう。
それは『evil tail』、直訳すると悪魔の詩で寓話の題名やアイテム名に昔から使われていた言葉。
そしてそれはミュージアムの元締にして園咲家当主園咲琉兵衛が行おうとしたガイアインパクトにとって必要な重要な道具という事だ。
ちなみに説明書きには『園咲琉兵衛がガイアインパクトに必要としていた大事な道具』としか書かれていない。
だがその正体は――
1本の刷毛――文字の入った――
確かに誰が見ても無用の長物だ、期待外れの代物と言っても良い、黒岩もあかねも失望しただろう。
その文字を見てもだからどうしたとしか言いようが無い。
では、果たして本当にそうなのだろうか?
『That is ...name(アレは……名前)』
書かれていた文字は『冴子、らいと、わかな、琉兵衛、文音』、それを見た瞬間、バルディッシュは理解したのだ。
そう、そこには園咲家の家族の名前が刻まれていたのだ。冴子は参加者の一人、そして『らいと』が冴子の弟来人ことフィリップを示しているのは翔太郎達との会話で耳にしている。
故にそこに刻まれているのは園咲家の家族という事を看破したのだ。
実は、ガドルに襲撃される少し前、こんなトークもしていたのだ。
『けどよ、家族なのはともかくとして兄ちゃん達の敵なんだろ、本当に信用できるのかよ?』
『私は信じてもいいと思う……』
『フェイト……そうだね、僕もそう思うよ』
『家族総出でドーパントだっけ、そんな怪物にしている連中なんて本当に信用……大体フィリップの兄ちゃんだって利用されていたんじゃねぇのかよ。大事な家族だったらそんな風に……』
『ま、杏子の言う通りだな……だが、冴子や琉兵衛、それに若菜姫……そしてシュラウド……フィリップの母親も心の何処かで家族仲良く暮らしたかったって思うぜ』
『なんなんだそのシュラウドって珍妙な名前は……いや別に本名聞く気ねぇけど』
『でも杏子、やっぱり家族だったら本当は……』
『まぁいいけど、せいぜい寝首をかかれない様にしとけよ』
『ああ、判っているそんなヘマをする気はねぇよ』
そんなやり取りがあったのだ。恐らくあの時シュラウドと呼ばれていたのが文音の事だろう。
冷静に考えて見れば何を考えてシュラウドと名乗ったのか(事情はともかく何故シュラウドという意味で)理解に苦しむがそれは別の問題だ。
重要なのは園咲家の家族の名前が刻まれた『evil tail』は何なのかだ。何故それがガイアインパクトにとって大事なものなのだろうか?
まず、悪魔の尻尾という名前の性質上、それがまじないの品の類という事は推測出来る。では一体何をまじなったのだろうか?
推測するに――それはそこに描かれた家族が無事である事ではなかろうか?
となれば何故それが必要となるのか?
詳しい事は不明瞭だがガイアインパクトはミュージアムにとって最重要案件だったのだろう。何としてでも果たさねばならない――例えて言うならプレシア・テスタロッサがジュエルシードを何としてでも集めようとしたのと同じ様に――
そう思考した瞬間、『evil tail』が何かを理解したのだ。
理由はどうあれ琉兵衛はガイアインパクトを成そうとしていた。だが、その過程で家族はバラバラになってしまった――
それでも琉兵衛は止められなかった、家族すらも平然と犠牲にしてしまう怪物となってしまうのを――
だからこそ『evil tail』が必要だったのだ。家族が仲良く暮らしていた時、人間だった時の感情を忘れない為に――
きっとそれは誤魔化しに過ぎない。だが、誤魔化しでもなんでもそれが最後の良心であったのは間違い無い――
何の力も無い、まやかし程度の力を持たないそれを求めたのがその証拠なのだから――
恐らくそれが支給されたのは、例え過酷な状況故に修羅の道を歩む事になったとしても――
それを見て、人間だった感情、最初の頃の感情を忘れないで欲しいという主催側からのささやかな救いだったのかも知れない。
だが余りにも皮肉な話だ。
人間から怪物へと変貌していく黒岩やあかねは全く『evil tail』の意味を理解出来なかったのに、
只の機械でしか無いバルディッシュが(断片的に情報を得ていたとはいえ)その意味を理解したのだから――
願わくば――出来うるならば――バルディッシュは翔太郎及びフィリップの力になりたいと思う――
そう――重なったのだ、彼等とフェイトが――
成果が上がらぬ故に娘であるにも関わらず辛い仕打ちを行ったプレシア、それに憤るアルフだったがフェイトは応えたのだ。
『ヒドイことじゃないよ、母さんは私の為を想って……』
『想ってるもんか、そんなこと! あんなのタダの八つ当たりだ!』
『違うよ……だって親子だもん……ジュエルシードはきっと母さんにとって凄く大事なものなんだ……ずっと不幸で哀しんできた母さんが……私、何とかして喜ばせてあげたいの……』
そう、真意はともかくプレシアの所行は母親のそれではなく怪物と言っても良い、だがフェイトはそんな彼女を信じ続けたのだ。
きっとそれと同じなのだ――園咲家とそれを信じるフィリップとその相棒の姿は――
恐らくフェイトもそれを願う筈、故に彼等の力になる事が自身の残された仕事だと――
だがそれが果たせる可能性は限りなく低い、状況が上手く動かなければどうにもならない。
だから今は祈り、願うしかない――例え儚くとも――
『Wish them luck , Left and Right , Detective of one with two people ... (左と右、2人で1人の探偵、彼等にご武運を……)』
その祈りが届く様に――1人の男がが悪魔のしっぽに家族の幸福を願ったかの様に――
『これはね外国で見つけた魔よけ、悪魔の尻尾だ。これに自分の名前を書いて……家族全員で祈ればずっとずっとみんな一緒だ』
【H-4/森】
【天道あかね@らんま1/2】
[状態]:ファウストの力注入による闇の浸食(進行中)、肉体内部に吐血する程のダメージ(回復中)、ダメージ(大・回復中)、疲労(大)、精神的疲労(大)、胸骨骨折、
とても強い後悔、とても強い悲しみ、ガイアメモリによる精神汚染(進行中)、伝説の道着装着中、自己矛盾による思考の差し替え
[装備]:伝説の道着@らんま1/2、T2ナスカメモリ@仮面ライダーW、バルディッシュ(待機状態、破損中)@魔法少女リリカルなのは
[道具]:支給品一式、女嫌香アップリケ@らんま1/2、斎田リコの絵(グシャグシャに丸められてます)@ウルトラマンネクサス、evil tail@仮面ライダーW
[思考]
基本:"東風先生達との日常を守る”ために”機械を破壊し”、ゲームに優勝する
0:森を進みガドルやダグバとの戦いに備える。
1:ダグバと遭遇した時は倒す。
[備考]
※参戦時期は37巻で呪泉郷へ訪れるよりは前、少なくとも伝説の道着絡みの話終了後(32巻終了後)以降です。
※伝説の道着を着た上でドーパントに変身した場合、潜在能力を引き出された状態となっています。また、伝説の道着を解除した場合、全裸になります。
また同時にドーパント変身による肉体にかかる負担は最小限に抑える事が出来ます。但し、レベル3(Rナスカ)並のパワーによってかかる負荷は抑えきれません。
※Rナスカへの変身により肉体内部に致命的なダメージを受けています。伝説の道着無しでのドーパントへの変身、また道着ありであっても長時間のRナスカへの変身は命に関わります。
※ガイアメモリでの変身によって自我を失う事にも気づきました。
※第二回放送を聞き逃しています。 但し、バルディッシュのお陰で禁止エリアは把握できました。
※バルディッシュが明確に機能している事に気付いていません。
※殺害した一文字が機械の身体であった事から、強い混乱とともに、周囲の人間が全て機械なのではないかと思い始めています。メモリの毒素によるものという可能性も高いです。
※黒岩によりダークファウストの意思を植えつけえられました。但し、(死亡しているわけではないので)現状ファウスト化するとは限りません。
あかねがファウストの力を受ける事が出来たのは肉体的なダメージが甚大だった事によるものです。なお、これらはファウストの力で回復に向かっています。
完全にファウスト化したとは限らない為、現状黒岩の声が聞こえても洗脳状態に陥るとは限りません。
※二号との戦い~メフィスト戦の記憶が欠落しています。その為、その間の出来事を把握していません。但し、黒岩に指摘された(あかね自身が『機械』そのものである事)だけは薄々記憶しています。
※様々な要因から乱馬や良牙の事を思考しない様になっています。但し記憶を失っているわけではないので、何かの切欠で思考する事になるでしょう。
【バルディッシュについて】
※ガドルとの戦いで破壊されたのは刀身部分です。その為、武器としての使用は不可能です。具体的にはスタンバイフォーム(待機状態)以外はほぼ使用不可能という解釈で構いません。
※現段階で魔法のサポートがどれだけ出来るかは不明です。勿論、リンカーコア所持者でなければ使用はまず不可能です。但し対話によるサポートは可能です。
※周囲の状況をずっと把握しています。その為、放送の内容も把握しています。
※自己修復機能により自己修復は一応進行中ですが魔力によるブーストが無ければ使用出来るレベルまでへの回復はまず厳しいでしょう。
※バルディッシュはフェイトの最期の願いを叶える為、翔太郎及び杏子の力になる事を目的としています。また、家族を信じたいフィリップ及び翔太郎の心情を理解した事で彼等に協力したい意志はより強くなりました。
但し、マスターであるフェイトが死亡している為、現状このまま何も出来ずに破壊されても構わないと考えています。
※(フェイトを含めた参加者を機械扱い、機械を平然と壊す思考をする)あかねに嫌悪感を抱いています。その為、彼女に協力する意志は全く無く、むしろ敵対したいと考えています。
【支給品紹介】
evil tail@仮面ライダーW
黒岩省吾に支給、
園咲琉兵衛がガイアインパクトの為に必要としたもの、説明書きにはこれだけ書かれている。
但しその正体は琉兵衛が外国で見つけた魔除け悪魔の尻尾と呼ばれる刷毛、
琉兵衛によると自分の名前を書いて家族全員で祈ればずっと一緒という話で、園咲家5人(琉兵衛、文音(シュラウド)、冴子、若菜来人(フィリップ))の名前が書かれている。
実質問題、何の力も持たない只の刷毛でしかないが、家族を犠牲にし続けてきた恐怖の名を持つドーパントである琉兵衛は自身の変貌を恐れ、幸せだった頃の家族の象徴であるこの刷毛を求めていた。
ある意味では怪物に変貌していく恐怖の帝王に残った最後の人間の心の象徴だったのかもしれない。
ちなみに、翔太郎は琉兵衛ことテラー・ドーパントの力で恐慌に陥り戦行動不能状態に陥り、琉兵衛の手に落ちたフィリップの言葉を聞いても動けなかったが、これを見た事でその謎を確かめる為に園咲家に向かう程度に行動力を取り戻している。
Scene06.悪魔のしっぽ
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最終更新:2014年04月03日 13:27