武蔵野鉄道クモハ400型電車
武蔵野鉄道モハ150(後のクモハ150)型電車は、昭和25年に短距離距離輸送向けに登場した一般型電車である。
概要
当時の武蔵野鉄道は一部車両の性能が低い、乗客過剰などの要因によりダイヤ乱れが目立っていた。そのため自社戦前型でも特にパワーウエイトレシオの低いクモハ150型の電動機を出力の大きな国鉄標準のMT40に乗せ変え、発生した電動機をより短い車体の運輸省規格型の新造に流用した。これにより誕生したのがクモハ400型およびクハ450型である。また17mクラスの国電(戦災国電・木造国電鋼体化改造車)編入車も含まれる。運輸省規格型の車および鋼体化改造車は3ドア片開きロングシートのごく一般的な構造であった。台車は新造のDT17系・TR48系のほかDT10・TR11系も多くみられた。
運用
輸送力が比較的小さいため、各駅停車ないし増結中心の運用であった。閑散時間帯は単独で優等運用につくこともあった。また、上毛電気鉄道や中央関東鉄道に乗り入れる運用にもよく使われた。
更新改造
戦災国電は戦前からの車体を使用していたため老朽化が目立っていた。そのため一足早く昭和38年から7000系(初代)への改造が進んだ。その他の車両も昭和44年までに7000系に更新され、形式消滅した。
検測車への改造
更新工事に伴って余剰となった車体を流用して、電気検測車スヤ480型と信号検測車マヤ490型が1両ずつ武蔵野車輌製造で製作された。書類上は新造扱いである。台車に関しては国鉄のTR50相当のものが新造された。検測列車の運行の範囲は武蔵野鉄道・中央関東鉄道の全線(電気検測は非電化区間は対象外)であった。運行に際しては武蔵野鉄道ないし中央関東鉄道の機関車が牽引する形で実施されていた。国鉄マヤ34型と併結して軌道検測も同時に行うことも多く見られた。昭和60年に大規模な更新工事が行われ、車体の補修や機器類の入れ替えが行われた。
平成16年に20000系ベースの総合検測車が登場したことに伴い、同年に廃車になった。
各型式
モハ150型(クモハ150型)
片運転台の制御電動車。
片運転台の制御電動車。
クハ250型
片運転台の制御車。
片運転台の制御車。