■
中野区、高層ビル。鬼ヶ島下の渋谷区に隣接しながら聖杯戦争の余波の比較的少ない土地。
鏡世界から飛ばされた田中は、他の誰とも同じ地点にたどり着かず、ひとり離れた場所に落ちた。
目まぐるしく変動する状況に翻弄され続け疲弊の極みにあった体はこれ以上動くのを拒否し、ビルの淵にへばりついて遠巻きに戦線を観察するしかできない。
そして、見た。
蒼穹に大穴が空き、世界を覆う鉄格子が歪んだ特異点を。
その空から落ちてきた、赤い塔が立つ土地ごと漂白する白い魔王を。
「……ひひ」
感情の昂りが漏れ出した。
本当に掛け値なしに、この息苦しい世界全てを、無に還す。
薄汚い有象無象を蹴散らしていく様を眺め、田中は涙を流した。
素晴らしいものを見た。この景色を彼と共有できていると思うだけで、胸が熱く高鳴る。
灰色の街で田中の心だけが、青春の色を放っていた。
◆
港区を一望できる空の上では、地上の崩壊の規模をつぶさに見て取れた。
コンクリートに出来た、すり鉢状の蟻地獄。砂上の楼閣が砂に変わる。
地図の上から消しゴムでこすりつけたように、ごく簡単に文明が灰と化す。
物理的に世界が終わる様を、梨花は俯瞰する。
「……お礼は言っておくわ。ありがとう」
「気にすんな。今でもお前の人質の立場が変わったわけじゃねえ」
脇に抱えられた態勢で、眼帯の青年に感謝を告げておく。
平成を保とうとしているが、内心は動揺でいっぱいだ。
今の今までいた地下を見下ろす位置に来るのはどういうことか。前後での感覚が麻痺している。
飛行が可能な
リップとそのアーチャーに確保されてるところからして、あの崩壊の中、突っ込んできた彼女に掴まれて引き上げられたのだろうが。
「……どうして、私があそこにいると?」
「アーチャーにマーキングを打たせといた。お前を外に出す保険だよ」
隣で浮遊する……顔の半分の外装が剥げている機械仕掛けのアーチャーを横目で見やり、梨花は得心がいった。
重要な人質をあっさり沙都子に渡して外に歩かせたからには何かしら仕込みがあると予想してはいたが。
何処へ行こうが居場所を特定されているとは。なるほどこれなら一時の離反もすぐに回収される。
「妙な真似をするなよ。この距離ならアーチャーは心拍数や脳波まで読み取れる。
念話を使った際の反応は俺で実証してる。同じ反応が出たなら、俺はこの手を離すだけでいい」
梨花を抱えた腕を軽く上下してみせるのは、正しく揺さぶりなのだろう。
現位置から地面までの距離はざっと見ても25メートル以上。捨てられれば助かる助からないの次元じゃない。
高所からの転落死なんて、体験(ループ)の中で珍しくもないので、それで肝を冷やしたりはしない。
状況は掴めた。
戦いは一旦の幕を下ろし、自分は監禁から解き放たれ、鬼ヶ島は堕ちている。セイバーもなんとか健在。
方舟の安否や他の勢力図は掴めないが……そこまで把握できてれば、使い道は決まってる。
「お前の生殺与奪は俺が握ってる。このまま皮下のところに突き返したって構わねえ」
「虎の子の基地があんなとこで転がってるっていうのに? 今更戻っても皮下達に大目玉を食らうんじゃないかしら」
「同盟に対しての利敵行為は一切しちゃいない。逃げた人質を確保して連れ返したとなればむしろ待遇が上がるくらいさ」
「あら、あなたがあの皮下にそんな見上げた忠誠心があるとは思わなかったわ」
声色は低く。酷薄たっぷりに。
盤面を返せる手を握ってるのはこちらだと、魔女の笑みで見上げてみせる。
無差別に振り撒かれた被害。皮下も、きっと方舟も、そしてリップも等しく消耗を負っている。
でなければ今言った引き渡しを、梨花に説明するまでもなく行動に移していなくてはならない。
見切りをつけるか、もう少し投資しておくか。
傘下に加わっていた大勢力が陥落し、リップも迷っている。
ならばここで、新しい入口をちらつかせて誘導してみるのも、この男にとって悪い話ではない。
「私を売るならもっと値を高く吊り上げられるところがあるわよ。
セイバーだけじゃない、他にもっと多くのサーヴァントを操れるかもしれない船着き場にね」
「自首の間違いだろ。誘拐及び拷問、拉致監禁の共犯に温情かけるほどお花畑なのか? アイドルってのは。
『不貞』もそこまで茹だってなかったぞ」
「私の腕を切り落としたのは皮下だし、あなたはそれを令呪も含めて取り戻してくれた。結局使わされたけどね。
爆弾を取り付けられたりもしたけど、まだ直接危害を加えたわけじゃない。情状酌量の余地はあるでしょう? なんなら彼女たちに口利きしてあげましょうか?」
梨花に求められる役割が方舟陣営への牽制と圧力なら、例え進言通りになっても十分に果たしている。
人質の梨花が弁護に回ることで、諸々の情報や優位を握れる旨味も提示できる。
何より……次の止まり木を吟味していられるだけの余力が、まだこの主従には残っている。
きっとかなりの損害を負っている方舟に今ぶつけたくはないし……この未曾有の局面を超えても戦力をキープできている相手を、みすみす手放したくはない。
それがここまで生き延びたリップとアーチャーへの、梨花の評価だった。
「……本当にいい性格してるな。お前何歳だよ。実は『不老』でも持ってんのか?」
「あははー、これでも日々きちんと成長してるのですよ、にぱー☆」
「簡単に乗せられるかよ。何を言おうが、お前の生き死には俺が決められるのは変わらねえ」
はぐらかすように茶化しても、決まった回答はなし。
返事は保留。それでいい。すげなくあしらわれない程度には食い込んでると見た。
「渋るようなら、もうひとつ加点をお願いしようかしら。あなたも大層手を焼いていた、リンボとかいうサーヴァントのマスターと私の接点についてもね」
「あの崩落で生きてるってのか? アーチャーが見た限りサーヴァントは磔にされてた。逃げる手段なんか」
「生きてるわよ」
「あ?」
「あれぐらいで、沙都子が死ぬわけなないもの」
遊技盤がひっくり返され程度の波乱で、指し手は脱落したりはしない。あの村の部活に所属するとは、そういうことだ。
運命の賽子が回っている地表を、梨花は決然とした眼差しで眺めていた。
◆
『崩壊』は接触地点の港区から分け隔てなく、平等に広がっていった。
蟻の入る隙間も残さず、丹念に、徹底した破壊。
空を飛ばない限り逃げる場所のない掃討は、東京タワー擁する芝公園一帯でひとまず収まった。
「……何で、ですの」
所変わって薄汚れた路地裏。朝日も差し込まない、饐えた臭気のする物陰。
そこで、自己の保存が暫く保証されたと理解してから。
「何でこうなるんですかって、聞いてるんですの!!」
計画は完璧な筈だった。
盟主である海賊を戦線で好き放題に暴れ回れさせ、混沌と化した状況にリンボを投入し、霊脈を掠め取る。
護衛がいるのは想定済みであり、それがリンボが執心しつけ狙うフォーリナーに深く関わる人物と知れたのは僥倖ですらある。
陰陽師と術師殺しの戦いは、呪術戦で百戦錬磨のリンボが常に一手先を行き、霊脈奪取は目前かと思われた。
それを打ち破ったのは、唐突に召喚されたフォーリナーに、背後からリンボを串刺しにした方舟のアーチャー。
世田谷では一蹴されたアイドルの走狗は逆襲を敢行し、リンボに致命的な傷を負わせた。
「どうして私から逃げるんですか梨花……! 私は何も間違ってない……悪いことなんてなにもしていませんのに……!」
手元から離れてしまった親友に泣訴する。
こんなことは間違ってる。本物の自分が負けて、偽物しかないアイドルが勝つなんて。
自分は正しいことをしてきた。目的を定め、手段を講じ、常に努力を欠かさなかった。
雛見沢の日常を繰り返すのは正しいことなのだ。
愛する仲間。美しい景色。血と臓物の絶えない殺し殺されで回る惨劇だとしても、思い出は少しも穢れたりはしない。
沙都子は本気で信じている。
方舟陣営に在籍するアイドルが、彼女なりにも信念と願いを抱いて聖杯に臨んでいる事を、頑なに認めない。
アイドルを舐めているから死ぬのではない。
アイドルを舐めることを辞めれば、この沙都子は死ぬのだ。
「あれだけいけしゃあしゃあと息巻いておきながらこの始末……この不手際、どう責任を取るおつもりですの?」
沸騰する鬱憤は従者へと注がれる。
沙都子の手の甲にある令呪は、一画減っていた。
地面に縫い付けられ身動きが取れないリンボに自分を救出させるには、令呪の強権による後押しがなくてはならなかった。
何の成果もなしに、こちらが損害を被ったでは憤るのも自然だ。
アーチャーが語った、ビッグ・マムの陥落。鏡世界が使えなくなっている事実からも信じざるを得ない。
「はい? 責任?」
そんなマスターの憤懣を知ってか知らずか、口に血糊をつけたリンボはなんとも間の抜けた返事で答えたのだった。
上半身だけの浮遊は器用な霊体化をしてるのではなく、その胴から下は実際に無くなっている。地面を貫通して抜けない杭を、半身を千切って脱出した結果だ。
これだけ惨状の有り様で、まさか本当に懲りていないのか。
余裕のない沙都子にはそれがこちらを嘲る挑発に思えてならない。
今度こそ手を切らねばならないのではと、さらなる令呪の使用も視野に入れていた思考が───目の前に差し出された物体に止められた。
「不始末、責任、はて、そのような追求をされても拙僧とんと覚えがありませぬ。
何故ならばこれこの通り。ほうら───」
脈動する赤い心臓のようであった。
生き物から引き抜いたばかりの新鮮な臓物。実体験をした沙都子にはそれが分かる。
後付けで魔の素養を得ても知識のない沙都子には、それが何であるかまでは判別できない。
「龍脈の塊、ここに納めてに御座いまする」
「な───あの状況でそんな事をしていましたの!?」
「ええ、まあ。拙僧は一流ですので。
修羅殿に途中で阻まれ、何やら上から良からぬものが落ちてきて地脈を傷つけられてしまいましたので、丸ごとそっくりとはいきませんでしたが」
何という抜け目のなさか。
呪詛宝具と崩落に目を奪われ対処に追われた連中を後目にして、リンボは本来の役目を密かにこなしていたのだ。
ひとりでに震える赤塊は地脈で眠っていた龍の心臓だ。
「これがあれば……」
余裕を取り戻してきた顔の口が三日月に歪む。
手札は切れたが、当初の目的は達成できた。むしろビッグ・マムが落ちた事は分け前の交渉の手間が省けて都合がいい。
いずれ障害になる味方を敵がわざわざ苦労して削ってくれたのだから、総合的にはプラスにも見れる。
勝負は最後の指し手が物を言う。
不利な状況が続いても戦局を変えられる逆転の切り札を加える事は、今後の戦略の幅を飛躍的に増やせる。
魔女と陰陽師の悪運は尽きず。復讐の序曲は密やかに奏でられる。
自分の計画に泥を塗ったアイドルをどう追い落としてやるか算段をつける沙都子はリンボを見ていない。
アイドルでなくとも、そのサーヴァントに手酷い奇襲を食らったからには、同じ陣営に報復の手を進ませるのだろうと疑わない。
「はい。そうです。これがあれば」
だから沙都子は、リンボの次の行動に気づかない。
その麗貌が浮かべた表情の色を見れば、警戒を抱いて制止の声をかけたかもしれないのに。
意味があったかはさておき。
「我が本願も、これで漸く始められます」
ぞぶり。
とても軽快な音が、自分の腹の中でした。
「───────?」
何だろうと、他人事のように沙都子は思った。
その感触はもう身近にありすぎて、過去の情景なのか今起きた出来事なのかが曖昧になってしまっていた。
目線を下に下ろせば、先程までリンボの掌で蠢いていた龍脈の欠片がなくなっている。
掴んでいた指は服の上から沙都子の腹に沈んでいた。
「はい、ではここで隠し味」
逆の手も同じく腹に触れる。
べえと広げた舌の上に転がる、透明な触手の先端を沙都子の体内に出血もなく納める。
「え、げぇ、あぎぃぃおいゆぁぁああああああああああ!?」
瞬間───100年の輪廻の体験でも味わった事のない猛烈な灼熱感が沙都子を襲った。
「リ、リリリリン、ンボボボボボボボ」
「おっと危ない、自害の令呪を禁ずる仕込みをして正解でしたね。マスターも中々に目敏いものです」
呪的加工で潜り込ませたエーテル塊と異界に繋がる神の破片の融合反応。
それを実験室でフラスコに薬品を落とす研究者の面持ちでリンボはしげしげと見つめる。
刹那、快楽、快楽の三重螺旋を掻き回す、外法の術師。
「おや、その目、もしや誤解されておられる?
純真なるマスターを騙し、悪辣な儀式の生贄に奉ずるものと?
違います。逆ですよ。逆。これはあなたの願いを支え、擁立し、叶える為の手段です」
塵を殺したいのでしょう?
世界が欲しいのでしょう?
愛を求めるのでしょう?
「あなたを─────神にして差し上げましょう」
ならば、そう成ってしまえばいいのです。
「彼女らに示してやりましょうぞ。地獄の底にも、咲く沙羅(はな)はあるのだと───!」
半身なき肉体で、
蘆屋道満は喝采を上げる。
溢れ出る魔力により遂げられる再生と再臨にかかる刻、およそ6時間。
これより先、地獄の曼荼羅が咲き乱れる。
人体の軛を外れた肉塊の中で掠れた悲鳴は、誰の耳にも聞き届けられはしなかった。
◆
通算二回目となる東京漂白にも、新宿区内は静けさを保っていた。
当然のことながらそれは平穏を意味せず、逃げ惑う人が誰一人としていないという事である。
廃都の駅前ロータリーに置かれたベンチに腰かける
松坂さとうを童磨が見つけられたのは、そうした閑散が区内をくまなく包んでいたためだった。
「やあさとうちゃん。無事でよかったよ。迎えに来るのが遅くなってごめんね。
これでも必死に探したんだぜ? 俺は探知系が苦手だからさ、君の臭いや気配を頼りに足を使って駆けずり回ったんだ」
鏡世界での血戦で負った重傷は既に完治し、平時通りのにこやかさで語りかける。
さとうは背後の童磨の声が聞こえているのかないのか沈黙している。
無反応をさとうなりの感情の発露と解釈して、つらつらと弁明を付け加える。
怒られるのは慣れているのだ。叱責や癇癪の矛先を向けられるのも上弦の常だったものだと、薄っすら記憶している。
「あれ、怒ってるのかい? まあそれも仕方ない。今回ばかりは俺も追求は免れそうもない。
黒死牟殿はともかく、まさか
猗窩座殿にすらしてやられるなんてね。いやはや彼に一体どんな変化があったのか。やっと女の子の肉でも食べたのかな?
けれども、俺達はこうして生きている。まずはその事を喜ぼうじゃないか」
「キャスター」
「お、やっと話しかけてくれたね」
「他に言うこと、ある?」
「んん……?」
顔は向けずとも声を返してくれた事に喜色満面になる童磨は、次に投げられた質問に首を捻った。
意図は掴めないが、聞かれたものには答えようと、伝え忘れた事項がないか指先を直接脳に突き入れて捏ねくり回してみる。
「ん、ん、んー……謝罪はしたし弁明もした。はてさて他に何があるか…………ああ、そうか、賠償だね?
あのお方も成果を挙げられない部下には厳しかった気がするからなぁ。上に立つ者というのは辛いね」
「そう、分かった」
「いいってことさ、君と僕の仲じゃないか。よしまずは右目をくり抜いてお詫びの気持ちを」
「キャスター」
宣言。
「『死んで』」
落下。
「おや?」
自分の視点が地面に触れるまで低くなった事態を、童磨はすぐに飲み込めなかった。
呑気に『これはなんだろう?』などと考えて、停止する。
隣で人一人分の重量のある物質が倒れる音がして、眼玉だけ動かして見たそれが童磨自身の頸から上の体であるのを見て、そこで初めて『自分で自分の首を落とした』というのを呑み込んだ。
意思も覚悟も完全に無視した上で童磨の肉体から随意を奪ったもの。
それが叶うだけの強度は、令呪の他に有り得ない。
「これはどういうことだい、さとうちゃん?」
自分に命令を下す事ができる唯一の人物……マスターであるさとうを、頸だけになった顔で見上げた。
「本当に分かってないんだね。自分がなんで殺されるのか」
童磨を見下ろすさとうの目は、空洞だった。
無関心、無駄、これ以上の交流を無意味と悟った相手にさとうが向けてきた、無味無臭の視線。
「あなた、しょーこちゃんを食べたでしょ」
「あー……なるほどね」
さとうの告げる理由を聞いて、童磨は得心が言ったように頸のないまま頷いた。
「仇討ちかい? 親友の」
童磨をはじめ上弦の鬼が返り討ちにしてきた剣士の集団。
その殆どが自分らを指して叫んだ言葉が、今さとうが発した言葉で重なり合う。
親しい人を奪われた怒りを糧に、勝てるわけのない相手に戦いを挑む。
かつては頭の悪い人間の、憐れむべき行為としか見ていなかったが、死を味わった後の童磨ならその意味も分かるというものだ。
「そんなんじゃないよ。だいたい殺したのはあなたじゃないし」
けれどさとうは、童磨の挙げた理由をあっさりと否定する。
「同盟相手を勝手に食べたのを黙ってた挙げ句、それで負ける相棒なんて、必要ないでしょ」
これはただの損得。
使えない相手を切るという利益からの切り捨てでしかないと。
警戒を解くため自害が済むまでは身を隠していたのか、誰かが近づく足音がする。
わざわざ童磨の視界が届く範囲で止まった金髪の少年は、さとうと違って刺々しい視線でいる。
「そうか。君の手引きかい、雷霆の君。酷いなあ皆で俺を騙すなんて」
「ボクが進言したわけじゃない。この判断は彼女が選んだ意思だ」
アーチャークラス由来の高い単独行動スキルの恩恵で、ガンヴォルトは単体でも限界を保っていられる。
そして隣にはサーヴァントを捨てたばかりのマスター。知らぬ間に結ばれていた図式が見えてきた。既に遅きに失していたが。
「あーあ、ここでなら俺が得た愛の正しさを皆に見せられると思ったのになあ……」
崩壊が始まる。
大部分の体の方が先に塵に帰っていき、意識が残った頭部が遅々としながらひび割れる。
この死からは逃れられない。最初の時に痛感している童磨はここで生存する意思を投げ出した。
「まあいいか。死んでしまうのはしょうがない。頸を斬られたなら消えるしかないし」
「それだけ? 何かないの?」
「ん? 遺言を聞いてくれるのかい? 優しいねぇさとうちゃんは」
消えかけながらも執着をまるで見せない童磨に何を感じたのか。
苦いものを口に入れてしまったたみたいに、さとうは唇を固く結んだ。
「そうだ。折角だから聞いておこうか。
ねぇ───しょーこちゃんが死んで、君は本当に怒っていないのかい?」
心臓を収めた瓶を突き刺し、砕くような問いかけがされた。
「───」
「君の愛は『しおちゃん』ただ1人に向けられるもの。それを邪魔する者は誰であろうと排除する。
でも怒りという感情は、愛しい人を失った時、奪った相手に抱く感情だろう?
死体とはいえしょーこちゃんを食べた俺に怒るってことは……さとうちゃんはしょーこちゃんも愛していた事にならないかい?
」
松坂さとうの愛は破綻している。
広くない枠組みの中で繰り返し指摘された心の在り方。
思いの出力の仕方が極端過ぎて、周囲のみならず自分と愛する人さえ傷つけてしまう。
思いだけは間違いじゃない。綺麗でまっすぐな愛であるとも。
「 駄目だぜ浮気は。俺の父親も酷い女狂いでさ、信者の女を取っ替え引っ替えした挙げ句母親に刺し殺されたんだ
愛は大切で、無二のものであるべきだ。君には『しおちゃん』さえいればいい……そうなんだろ?」
ではその愛が、ひとつの行き先に集約されず、どこかで枝分かれしているとしたら───。
純化という、さとうの愛が肯定される唯一の防波堤に孔を穿つ疵となる。
お前の言う愛は、心の虚ろにたまたま形の合った破片を拾っただけの、ただの代償行為だと。
童磨の問いは他意のない興味本位だ。
死なば諸共の精神で自害を強いた主を道連れにしようという気概は持ち得ない。
他人がうろつく世界に関心が持てないモノが、鮮やかな色彩の情動を感じ、それさえも化学式で解かれる肉体反応でしかないと突きつけられて、何を抱くのか。
彼は知りたいのだ。
「……そうだよ。私の愛はしおちゃんだけにあげるもの」
「うんうん。じゃあしょーこちゃんは……」
「でもねキャスター」
童磨を見る、松坂さとうの目は。
もう砂の色をしてなかった。
「友達にあげる愛と、それ以上の人にあげる愛は違うんだよ。
そんな事も分からないまま生きてきたんだね」
「─────?」
胡蝶しのぶが見せた、烈火の憤怒ではなく。
栗花落カナヲの見せた、哀れみの同情ではなく。
甘くはない。少ししょっぱい、澄んだ色。
「だから、せめて最期くらいは見送ってあげる。
冷たくて誰にも触れられない氷が解けていくのを、あなたのマスターだった人として」
人間に憐れまれるのはこれで三度目。どちらも感じ入るものはなかったのに、今は不思議な浮遊感がある。
「あれ?」
脳が溶けゆく間際に浮かぶのは、最愛の女の顔。
こんなにも死が間近にあるのに、彼女は声も聞かせてくれない。
かつて童磨は言った。自分とさとうは同じだと。
共有できない疎外感を解消してくれる誰かに愛を受けた。
なら彼女が死ぬ時、そこに愛する『しお』は傍にいてくれないのか。もしそうなら、どうしてさとうはこんな目で自分を見る。
今の童磨の気持ちを、さとうは理解しているのだろうか?
童磨を見るさとうを、どう見ればいい?
心臓を脈打つ熱さとは違う、誰かとの共感。
それを理解することなく、笑顔の演技をやめたまま。地獄より現世に舞い戻った悪鬼は再び地獄へと送り返された。
「……やっぱり、よく分からないなぁ。
人の、愛ってやつは」
【童磨@鬼滅の刃 消滅】
■
空に散った蓮の氷花は、朝日に晒されて霜のように溶けてなくなった。
さとうと共に葬送を終えたガンヴォルトも、改めて口を開いた。
「……けじめを言うならば、ボクの手で彼は討つべきだったんだけれど」
「そうしたらあいつはすぐに逃げるでしょ。確実に死なせるなら私がやるのが一番だったよ」
取引と自害に消費させられ、残り一画になった令呪を撫でる。
「本当にいいの? アーチャー」
「ボクはマスターの……しょうこの遺志(ココロ)を遵守するだけだよ。覚悟を問うなら、それは君の方になる」
拾い上げた記録……ミラーピースを掴み、アーチャーは問う。
まだ、勝利を願う心はあるか。
体験した本物の「戦争」を経て、さとうを支えてきたものは簡単に壊された。言い訳の余地もない負けだ。
しょうこを殺され、自分のサーヴァントを捨てた。この戦いでさとうが得たものは何もない。
信じてきた愛、しおとの幸福の為なら全てが許されるという全能感は、ナイフ一本も防げない何の役にも立たない幼い幻だと否定された。
どれだけ凶行に及ぼうと日常の延長上の人生しか過ごしてないさとうに、感じたことのない挫折と、敗北感を植え付けられた。
「やるよ。私は」
砂糖漬けの城は砂上の楼閣だった。
幸せを約束する箱庭は藁の家より簡単に壊された。
さとうの愛を、聖杯戦争は保証してくれない。
戦う力なんて、いの一番から持ち合わせていなかった
「だって私は……こんなになってもまだ、しおちゃんに会いたいんだもの」
失って失って。身も心も傷だらけになって。
なのに───胸にある暖かさは、消えていない。
だったらそれが真実だ。立ち上がって、歩き出すぐらいの力にはなってくれる。
「……なら、契約は成立だ。
君の愛(ココロ)と、君の友達の声援(ネガイ)に誓って、ボクは守護を司る雷霆となる。
もう二度と、この腕から大切なものを取り零させない」
そして、戦うチカラは此処に。
友達から手渡された一丁の銃を握りしめる。
「もらうよ、しょーこちゃん。それと…………ありがとう」
壊れた世界の片隅で、一組とマスターとサーヴァントが静かに契約を交わし合った。
◆
「今のうちに、伝えておきたい事がある」
みんなで話し合って、ホテルで出かける準備をしていた時。
縁壱さんはそう言って、セイバーさんについていこうとするわたしを呼び止めました。
セイバーさん……黒死牟さんと双子の弟の、縁壱さん。
冷たくてしんとした黒死牟さんとは違って、日向の中にいるみたいにあったかい穏やかさを持ったひと。
「ありがとう」
そう、感謝の言葉を、わたしに送るのでした。
「君が兄上の心を取り戻してくれた。私では取り戻せなかった願いを、君が叶えてくれた。
鬼狩りとして、兄上の弟として私がすべきだった不始末を拭わせたこと……恥を承知で礼を言いたい」
「そんな……わたしなんか……」
「ここからの戦いは、必ず生き残れるという保証はない。その前にどうしても伝えたかった」
「あ……」
摩美々ちゃんたち……方舟という名前の、みんなでどうにか戦わずにすむ方法を考える人たちから聞いた、これからについて。
その人たちが大事なお話をするために、とても大変な役目を、縁壱さんは背負っていると聞きました。
生きられるかもわからないって、自分でそう言ってるのに。残った時間を、わたしにありがとうを言う時間に、使ってくれた。
「いいえ………………。
わたしじゃ……ないんです…………」
「……?」
それはとても嬉しいけれど。
ひとつだけ、縁壱さんにも教えてあげたいことが、できました。
眩しくて、大きくて、ちょっとだけ、ゆらゆらとしている縁壱さんに。
何もできてないなんてこと、ないですよって。
「きっと……黒死牟さんの心を持っていたのは……縁壱さんです……」
「……私が?」
「はい……」
「心は……ひとりだけだと、どこにも生まれないから……」
わたし以外に誰もいない世界。
家族にお友達、
プロデューサーさん、アンティーカのみんな、283プロのみんな、はづきさん、社長さん、お仕事をするひとたちがいなかったら。
ひとりが寂しいと思うことも、それを悲しいと感じることもないのなら。
「隣に誰かがいて……笑って、泣いて、たくさん話をして……。
何かを考えたり……誰かを思ったりするとき……そこに心が……生まれて……」
我思う、故に我あり。
みんなを思うことがなければ、それを思うわたしはいない。
「黒死牟さんは……縁壱さんがいるといつも苦しそうで……。
でもずっと縁壱さんを見ていて……わたしの知らない黒死牟さんを……縁壱さんも見ていて……」
わたしと黒死牟さんの時間は、ほんの少しだけしかありません。
聖杯に呼ばれて、わたしの前に来てくれてから一緒にいてくれた一ヶ月。
たくさんのことを聞いたけれど、答えてくれたことはあまり多くなくて。
はっきりとした心を貰えたのは、「嫌いだ」っていう、一言だけ。
教えてくれたのが嬉しいのが半分と、やっぱり嫌われるのは悲しいのが半分。
頑張ってもわたしではこれが精一杯の、彼の心。
黒死牟さんが鬼になったこと。縁壱さんが鬼を退治する人であること。
お二人の思い出は、いいものではないかもしれません。辛いこと、苦しいことばかりなのかもしれません。
すれ違って、分かり合えず、離れ離れのままの物語。
それだけじゃないって、わたしは思います。
思うだけの、わたしだけの物語だとしても。
一緒に暮らして、お互いに触れ合って、いないもの扱いしないでずっと見てきていたなら。
そこに物語はあって、心は生まれて、育っているんだって、伝えたいんです。
「思い出が……記憶が……それを憶えている人の中で……心になるから……。
縁壱さんの中に……黒死牟さんの心は……いっぱい……いっぱい……あるんだよって……」
時間は、いつも見ているから。
良いことも悪いことも平等に、針を刻んでいる。
英雄。サーヴァント。生きてることが、物語になった人たちは。
みんな、みんな、誰かの祈る心で、形作られている。
「……そうか。私は既に、兄上の心を預かっていたのか」
「あ、ご、ごめんなさい……! ご兄弟のことに、わたしなんかが……」
「いや。構わない。そうであったなら……私も嬉しい」
わたしの言葉を否定せず、縁壱さんは笑ってくれました。
夕方の公園で遊んだ記憶を思い返す、子供みたいなきらきらした笑顔で。
「なら……私の心も、預かってもらえるだろうか」
そう言って、懐から手作りの巾着袋を、わたしに差し出すのでした。
■
世田谷区の荒野を銀の髪が流れる。
走る。
走る。
息を切らして、汗を肌に張り付かせ、必死になって両足を動かす。
助けてくれたアーチャーに無理を言って、バイクでここまで連れてきてもらった。
世田谷区と呼ばれていた街は、もう街といえる場所ではなくなっていた。
木々も家も電柱も、屹立していた構造物はまったいらにされて、埋め立てがされる前の平野に戻されている。
地面は地盤ごとひっくり返って、裂け目と割れ目ででこぼこだらけで。
バイクで通れる道はないので、礼を言って自分の足でそこを目指す。
体力はレッスンで段々ついてきていても、何度も足を取られ、何度も躓いて膝をつきそうになる。
体力の消耗は何倍にもなってのしかかり、筋肉と肺を痛めつけていく。
少し、休んでからでいい。そこにいるのは分かってるんだから急ぐ必要なんてない。
至極もっともな誘惑を、克(つよ)い心で振り払った。
「セイバーさん……!」
そして、辿り着いた少女は、彼を見た。
ボロボロになった着物が風にはためく。
侍の姿をしたサーヴァントは、霧子に背を向けて立っている。
鬼が浴びればたちまち燃え上がって灰になる太陽に向かって、顔を上げて。
火傷も、灰も起こさずに。厳粛な夜の光ではなく、燦々と降り注ぐ日の光の下で、黒死牟は立っている。
霧子からでは、浮かべている表情は窺えないが。
そうなんじゃないかと思って、声をかける。
「ないて……いますか…………?」
泣いて。
哭いて。
亡いて。
無いて。
光を浴びる背中は小さく、ひどく翳って見える気がした。
体の半分に等しい、大事なものが欠けてしまっている。
代わりに……新しい大切なものをもらっていたとしても。
「何故だ」
セイバーの声がした。
背後にいる霧子を、意識した言葉で。
「何故……縁壱は死んだ……」
「……!」
「何故……私に喰われる事を望み……後を託した……。
私は生きている……今の私に何かの価値があるというのか……結局……奴の影さえ踏めず……また生き永らえた私に……」
「何故……朝の空とは……こんなにも蒼いのか」
「何故……陽の光が……こんなにも……鬱陶しいのか……」
「お前になら……この答えが……分かるのか……………………幽谷」
「──────────────────────────」
手作りの笛が入った袋をぎゅっと握る。
進み続けていた行き先を見失ってしまって、途方に暮れる迷子のような。
そんな黒死牟の声を聞いて、霧子はひとつを知った。
長い長い、ずっと見ていた誰かの夢が、ここで終わったのだと。
(プロデューサーさん……摩美々ちゃん……真乃ちゃん……にちかちゃん……)
霧子は、思う。
(梨花ちゃん……鳥子さん……アビーちゃん……田中さん……)
願いを抱える人達を思い。
(おでんさん……縁壱さん……)
願いを託した人達を思い。
(……界聖杯さん)
願いを生み出す、物語を、思う。
(あなたの願いは……なんですか……。あなたの物語は……そこにありますか……)
願望器を前にして問うべきカタチを、思っていた。
【継国縁壱@鬼滅の刃 消滅】
◆
【ライダー(カイドウ)@ONE PIECE 生死不明】
【皮下真@夜桜さんちの大作戦 生死不明】
【紙越空魚@裏世界ピクニック 生死不明】
【アサシン(伏黒甚爾)@呪術廻戦 生死不明】
【仁科鳥子@裏世界ピクニック 生死不明】
【フォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ)@Fate/Grand Order 生死不明】
【プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ 生死不明】
【猗窩座@鬼滅の刃 生死不明】
───────さあ、ここが終線(DEAD LINE)だ。
◆
【世田谷区跡地/二日目・朝】
【
幽谷霧子@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:健康、お日さま
[令呪]:残り二画
[装備]:包帯
[道具]:咲耶の遺書、携帯(破損)、包帯・医薬品(おでん縁壱から分けて貰った)、手作りの笛
[所持金]:アイドルとしての蓄えあり。TVにも出る機会の多い売れっ子なのでそこそこある。
[思考・状況]
基本方針:もういない人と、まだ生きている人と、『生きたい人』の願いに向き合いながら、生き残る。
0:……
1:プロデューサーさんの、お祈りを……聞きたい……
2:摩美々ちゃんに……会いに行きます……。
3:色んな世界のお話を、セイバーさんに聞かせたいな……。
4:梨花ちゃんを……見つけないと……。
5:界聖杯さんの……願いは……。
6:摩美々ちゃんと一緒に、咲耶さんのことを……恋鐘ちゃんや結華ちゃんに伝えてあげたいな……
[備考]
※皮下医院の病院寮で暮らしています。
※"SHHisがW.I.N.G.に優勝した世界"からの参戦です。いわゆる公式に近い。
はづきさんは健在ですし、プロデューサーも現役です。
【セイバー(黒死牟)@鬼滅の刃】
[状態]:武装色習得、融陽、陽光克服、???
[装備]:虚哭神去
[道具]:
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:不明
0:何故……。
1:私は、お前達が嫌いだ……。
[備考]
※鬼同士の情報共有の要領でマスターと感覚を共有できます。交感には互いの同意が必要です。
記憶・精神の共有は黒死牟の方から拒否しています。
※武装色の覇気を習得しました。
※陽光を克服しました。他にも複数の変化が現れている可能性があります。
【アーチャー(メロウリンク・アリティ)@機甲猟兵メロウリンク】
[状態]:全身にダメージ(中・ただし致命傷は一切ない)、疲労(中)、アルターエゴ・リンボへの復讐心(了)
[装備]:対ATライフル(パイルバンカーカスタム)、照準スコープなど周辺装備
[道具]:圧力鍋爆弾(数個)、火炎瓶(数個)、ワイヤー、スモーク花火、工具、ウィリアムの懐中時計(破損)
[所持金]:なし
[思考・状況]基本方針:マスターの意志を尊重しつつ、生き残らせる。
0:復讐は果たした。が……
1:
田中摩美々は任された。
2:幽谷霧子を方舟へ先導する。しかしあのサーヴァントは……
3:武装が心もとない。手榴弾や対AT地雷が欲しい。ハイペリオン、使えそうだな……
[備考]※圧力鍋爆弾、火炎瓶などは現地のホームセンターなどで入手できる材料を使用したものですが、アーチャーのスキル『機甲猟兵』により、サーヴァントにも普通の人間と同様に通用します。また、アーチャーが持ち運ぶことができる分量に限り、霊体化で隠すことができます。
アシュレイ・ホライゾンの宝具(ハイペリオン)を利用した罠や武装を勘案しています。
※田中摩美々と再契約を結びました。
【セイバー(
宮本武蔵)@Fate/Grand Order】
[状態]:ダメージ(大)、霊骸汚染(中)、魔力充実、 令呪『リップと、そのサーヴァントの命令に従いなさい』、第三再臨、右眼失明
[装備]:計5振りの刀(数本破損)
[道具]:
[所持金]:
[思考・状況]基本方針:マスターである
古手梨花の意向を優先。強い奴を見たら鯉口チャキチャキ
0:は?(零の剣キャンセル)
1:梨花を助ける。そのために、方舟に与する
2:宿業、両断なく解放、か。
3:アシュレイ・ホライゾンの中にいるヘリオスの存在を認識しました。武蔵ちゃん「アレ斬りたいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ。でもアレだしたらダメな奴なのでは????」
4:アルターエゴ・リンボ(蘆屋道満)は斬る。今度こそは逃さない。
※鬼ヶ島にいる古手梨花との念話は機能していません。
【港区・東京タワー跡/二日目・朝】
【
死柄木弔@僕のヒーローアカデミア】
[状態]:継承、サーヴァント消滅、肉体の齟齬
[令呪]:全損
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数万円程度
[思考・状況]基本方針:界聖杯を手に入れ、全てをブッ壊す力を得る。
0:ここにもいたんだね、ヒーロー。
1:これで心スッキリだ。
2:勝つのは連合(俺達)だ。
3:四皇を殺す。方舟も殺す
[備考]
※個性の出力が大きく上昇しました。
※ライダー(シャーロット・リンリン)の心臓を喰らい、龍脈の力を継承しました。
全能力値が格段に上昇し、更に本来所持していない異能を複数使用可能となっています。
イメージとしてはヒロアカ原作におけるマスターピース状態、AFOとの融合形態が近いです。
それ以外の能力について継承が行われているかどうかは後の話の扱いに準拠します。
※ソルソルの実の能力を継承しました。
・炎のホーミーズを使役しています。見た目は荼毘@僕のヒーローアカデミアをモデルに形成されています。
※細胞の急激な変化に肉体が追いつかず不具合が出ています。馴れるにはもう少し時間が必要です。
【港区上空/二日目・朝】
【ライダー(アシュレイ・ホライゾン)@シルヴァリオトリニティ】
[状態]:全身にダメージ(大)、疲労(大)
[装備]:アダマンタイト製の刀@シルヴァリオトリニティ
[道具]:七草にちかのスマートフォン(プロデューサーの誘拐現場および自宅を撮影したデータを保存)、ウィリアムの予備端末(Mとの連絡先、風野灯織&八宮めぐるの連絡先)、WとMとの通話録音記録、『閻魔』、『天羽々斬』
[所持金]:
[思考・状況]基本方針:にちかを元の居場所に戻す。
0:また重い責務を背負ってしまったな。捨てる気はないけど。
1:今度こそ、P、梨花の元へ向かう。梨花ちゃんのセイバーを治療できるか試みたい
2:界奏による界聖杯改変に必要な情報(場所及びそれを可能とする能力の情報)を得る。
3:情報収集のため他主従とは積極的に接触したい。が、危険と隣り合わせのため慎重に行動する。
4:大和の世界、まさか新西暦と繋がってたりしてないよな?
5:界奏での解決が見込めない場合、全員の合意の元優勝者を決め、生きている全てのマスターを生還させる。
願いを諦めきれない者には、その世界に移動し可能な限りの問題解決に尽力する。
[備考]
宝具『天地宇宙の航海記、描かれるは灰と光の境界線(Calling Sphere Bringer)』は、にちかがマスターの場合令呪三画を使用することでようやく短時間の行使が可能と推測しています。
アルターエゴ(蘆屋道満)の式神と接触、その存在を知りました。
割れた子供達(グラス・チルドレン)の概要について聞きました。
七草にちか(騎)に対して、彼女の原型は
NPCなのではないかという仮説を立てました。真実については後続にお任せします。
星辰光「月照恋歌、渚に雨の降る如く・銀奏之型(Mk-Rain Artemis)」を発現しました。
宝具『初歩的なことだ、友よ』について聞きました。他にもWから情報を得ているかどうかは後続に任せます。
ヘリオスの現界及び再度の表出化は不可能です。奇跡はもう二度と起こりません。
【
峰津院大和@デビルサバイバー2】
[状態]:頭痛(中、暫く持続します)、ダメージ(大)、魔術使用不能(既に回復)
[令呪]:残り一画
[装備]:『霊脈の槍』
[道具]:悪魔召喚の媒体となる道具
[所持金]:超莫大
[思考・状況]
基本方針:界聖杯の入手。全てを殺し尽くすつもり
0:私の負け……か。
1: ……我々はこの場で出会った。それが全てだ。
2:ロールは峰津院財閥の現当主です。財閥に所属する構成員NPCや、各種コネクションを用いて、様々な特権を行使出来ます
3:グラスチルドレンと交戦しており、その際に輝村照のアジトの一つを捕捉しています。また、この際に、ライダー(シャーロット・リンリン)の能力の一端にアタリを付けています
4:峰津院財閥に何らかの形でアクションを起こしている存在を認知しています。現状彼らに対する殺意は極めて高いです
5:東京都内に自らの魔術能力を利用した霊的陣地をいくつか所有しています。数、場所については後続の書き手様にお任せします。現在判明している場所は、中央区・築地本願寺です
6:白瀨咲耶、
神戸あさひと不審者(プリミホッシー)については後回し。炎上の裏に隠れている人物を優先する。
【備考】
※皮下医院地下の鬼ヶ島の存在を認識しました。
※押さえていた霊地は全て
ベルゼバブにより消費され枯渇しました。
【杉並区(中野区付近・杉並区立蚕糸の森公園)/二日目・朝】
【七草にちか(騎)@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:精神的負担(大/ちょっとずつ持ち直してる)、決意、全身に軽度の打撲と擦過傷
[令呪]:残り二画
[装備]:
[道具]:
[所持金]:高校生程度
[思考・状況]基本方針:283プロに帰ってアイドルの夢の続きを追う。
0:あっよかったライダーさん……! は? 峰津院大和を連れて来る? は?
1:アイドルに、なります。……だから、まずはあの人に会って、それを伝えて、止めます。
2:殺したり戦ったりは、したくないなぁ……
3:ライダーの案は良いと思う。
4:梨花ちゃん達、無事……って思っていいのかな。
[備考]聖杯戦争におけるロールは七草はづきの妹であり、彼女とは同居している設定となります。
【田中摩美々@アイドルマスター シャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(中)、ところどころ服が焦げてる
[令呪]:残り一画
[装備]:なし
[道具]:白瀬咲耶の遺言(コピー)
[所持金]:現代の東京を散財しても不自由しない程度(拠出金:田中家の財力)
[思考・状況]基本方針:叶わないのなら、せめて、共犯者に。
0:そこまでやれって……言ってないんですけど……っ。
1:悲しみを増やさないよう、気を付ける。
2:プロデューサーと改めて話がしたい。
3:アサシンさんの方針を支持する。
4:咲耶を殺した人達を許したくない。でも、本当に許せないのはこの世界。
[備考]プロデューサー@アイドルマスターシャイニーカラーズ と同じ世界から参戦しています
※アーチャー(
メロウリンク=アリティ)と再契約を結びました。
【
櫻木真乃@アイドルマスターシャイニーカラーズ】
[状態]:疲労(中)、精神的疲労(大/ちょっとずつ持ち直してる)、深い悲しみ、強い決意、サーヴァント喪失
[令呪]:喪失
[装備]:なし
[道具]:予備の携帯端末
[所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入)
[思考・状況]基本方針:どんなことがあっても、ひかるちゃんに胸を張っていられる私でいたい。
0:――ひかるちゃん。私、もうちょっと頑張ってみるね。
1:優しい人達に寄り添いたい。そのために強くありたい。
2:あさひくんとプロデューサーさんとも、いつかは向き合いたい。
3:アイさんたちがひかるちゃんや摩美々ちゃんを傷つけるつもりなら、絶対に戦う。
[備考]※
星野アイ、アヴェンジャー(
デッドプール)と連絡先を交換しました。
※プロデューサー、田中摩美々@アイドルマスターシャイニーカラーズと同じ世界から参戦しています。
【中央区上空/二日目・朝】
【リップ@アンデッドアンラック】
[状態]:健康、魔力消費(小)
[令呪]:残り二画
[装備]:走刃脚、医療用メス数本、峰津院大和の名刺
[道具]:ヘルズクーポン(紙片)
[所持金]:数万円
[思考・状況]
基本方針:聖杯の力で“あの日”をやり直す。
0:さあ、どう動く。
1:シュヴィに魂喰いをさせる気はない。
2:283プロを警戒。もし本当に聖杯戦争を破綻させかねない勢力なら皮下や大和と連携して殲滅に動く。
3:古手梨花を利用する。いざとなれば使いつぶす。
4:敵主従の排除。同盟などは状況を鑑みて判断。
5:地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)の量産について皮下の意見を伺う。
6:同盟は瓦解した。関わる必要はないが皮下との連絡は繋げておく。
[備考]
※『ヘルズ・クーポン@忍者と極道』の製造方法を知りましたが、物資の都合から大量生産や完璧な再現は難しいと判断しました。
また『ガムテープの殺し屋達(グラス・チルドレン)』が一定の規模を持った集団であり、ヘルズ・クーポンの確保において同様の状況に置かれていることを推測しました。
※ロールは非合法の薬物を売る元医者となっています。医者時代は“記憶”として知覚しています。皮下医院も何度か訪れていたことになっていますが、
皮下真とは殆ど交流していないようです。
【アーチャー(
シュヴィ・ドーラ)@ノーゲーム・ノーライフ】
[状態]:頭部損傷、右目破損、『謡精の歌』
[装備]:機凱種としての武装
[道具]:なし
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:叶うなら、もう一度リクに会いたい。
0:うた、が、きこえる?
1:戦場を監視し、状況の変化に即応できるようにしておく。
2:マスターが心配。殺しはしたくないけと、彼が裏で暗躍していることにも薄々気づいている。
3:フォーリナー(アビゲイル)への恐怖。
4:皮下真とそのサーヴァント(
カイドウ)達に警戒。
5:峰津院大和とそのサーヴァント(ベルゼバブ)を警戒。特に、大和の方が危険かも知れない
6:セイバー(宮本武蔵)を逃してしまったことに負い目。
※聖杯へのアクセスは現在干渉不可能となっています。
※梨花から奪った令呪一画分の魔力により、修復機能の向上させ損傷を治癒しました。
※『蒼き雷霆』とのせめぎ合いの影響で、ガンヴォルトの記憶が一部流入しました。
※歌が聞こえました。
【古手梨花@ひぐらしのなく頃に業】
[状態]:疲労及び失血(大)、右腕に不治(アンリペア)、決意
[令呪]:全損
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数万円程度
[思考・状況]
基本方針:生還を目指す。もし無ければ…
0:リップと交渉。方舟との仲介役を務める。
1:沙都子を完膚なきまでに負かして連れ帰る。
2:白瀬咲耶との最後の約束を果たす。
3:ライダー(アシュレイ・ホライゾン)達と組む。
4:咲耶を襲ったかもしれない主従を警戒、もし好戦的な相手なら打倒しておきたい。
5:櫻木真乃とアーチャーについては保留。現状では同盟を組むことはできない。
6:戦う事を、恐れはしないわ。
【品川区/二日目・朝】
【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に業】
[状態]:『異界の巫女』
[令呪]:残り二画
[装備]:トカレフ@現実
[道具]:トカレフの予備弾薬、地獄への回数券
[所持金]:十数万円(極道の屋敷を襲撃した際に奪ったもの)
[思考・状況]
基本方針:理想のカケラに辿り着くため界聖杯を手に入れる。
0:?????????????
1:脱出の道は潰えた。願うのは聖杯の獲得による、梨花への完全勝利のみ。
2:皮下達との折り合いは適度に付けたい。
3:ライダー(カイドウ)を打倒する手段を探し、いざという時確実に排除できる体制を整えたい
4:ずる賢い蜘蛛。厄介ですけど、所詮虫は虫。ですわよ?
[備考]
※龍脈の欠片、アビゲイルの触手を呪的加工して埋め込まれました。何が起こるは未知数。
【アルタ―エゴ・リンボ(蘆屋道満/本体)@Fate/Grand Order】
[状態]:気分さらに高揚、魔力消費(中)、ダメージ(大)、下半身両断、霊基再臨中
[装備]:なし
[道具]:
[所持金]:なし
[思考・状況]
基本方針:この東京に新たな地獄を具現させる。
0:では、大盤振る舞いにて。
1:沙都子を神に戴き、窮極の地獄界曼荼羅の実行開始。
【渋谷区/二日目・朝】
【
神戸しお@ハッピーシュガーライフ】
[状態]:疲労(中)
[令呪]:残り二画
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数千円程度
[思考・状況]
基本方針:さとちゃんとの、永遠のハッピーシュガーライフを目指す。
1:やったねとむらくん。
2:アイさんととは仲良くしたい。でも呼び方がまぎらわしいかも。どうしようねえ。
3:とむらくんとえむさん(モリアーティ)についてはとりあえず信用。えむさんといっしょにいれば賢くなれそう。
4:最後に戦うのは。とむらくんたちがいいな。
5:れーじゅなくなっちゃった。だれかからわけてもらえないかなぁ。
6:ばいばい、お兄ちゃん。
【ライダー(
デンジ/■■■)@チェンソーマン】
[状態]:令呪の効果によってチェンソーマン化中、血まみれ
[装備]:なし
[道具]:なし
[所持金]:数万円(しおよりも多い)
[思考・状況]
基本方針:サーヴァントとしての仕事をする。聖杯が手に入ったら女と美味い食い物に囲まれて幸せになりたい。
0:ヴァ(見てたよ、の意)
1:死柄木とジジイ(モリアーティ)は現状信用していない。特に後者。とはいえ前者もいけ好かない。
2:星野アイめちゃくちゃ可愛いじゃん……でも怖い……(割とよくある)
3:あの怪物ババア(シャーロット・リンリン)には二度と会いたくなかった。マジで思い出したくもなかった。
……なかったんだけどな~~~~~~~~~~~~~~~……ハア~~~~……
[備考]
※令呪一画で命令することで霊基を変質させ、チェンソーマンに代わることが可能です。
※元のデンジに戻るタイミングはしおの一存ですが、一度の令呪で一時間程の変身が可能なようです。
【星野アイ@推しの子】
[状態]:疲労(小)、サーヴァント消失
[令呪]:残り三画
[装備]:拳銃
[道具]:ヘルズクーポン(複数)
[所持金]:当面、生活できる程度の貯金はあり(アイドルとしての収入)
[思考・状況]基本方針:子どもたちが待っている家に帰る。
0:私は生きるよ、殺島さん。
1:…やっぱりまだ当分は連合(こっち)だなぁ……。
2:じきに迎えに来るデトネラットのNPCと共に戦線から離脱する。
3:敵連合の一員として行動。ただし信用はしない。
[備考]
※櫻木真乃、
紙越空魚、M(
ジェームズ・モリアーティ)との連絡先を交換しています。
※グラス・チルドレンの情報をM側に伝えました。
【中野区/二日目・朝】
【田中一@オッドタクシー】
[状態]:サーヴァント喪失、半身に火傷痕(回復済)、地獄への渇望、絶頂
[令呪]:残り三画
[装備]:なし
[道具]:スマートフォン(私用)、ナイフ、拳銃(6発、予備弾薬なし)、蘆屋道満の護符×3
[所持金]:数千円程度
[思考・状況]基本方針:『田中革命』。
0:ああ────────。
1:死柄木弔に従う。彼の夢に俺の道を託す。
2:敵は皆殺し。どんな手段も厭わない。
3:SNSは随時チェック。地道だけど、気の遠くなるような作業には慣れてる。
4:リンボに鞍替えして地獄界曼荼羅を実現させたかったけど、今は敵連合にいたい。
5:峰津院大和のことは、保留。その危険度は理解した。
6:星野アイ、めちゃくちゃかわいいな……
[備考]
※界聖杯東京の境界を認識しました。景色は変わらずに続いているものの、どれだけ進もうと永遠に「23区外へと辿り着けない」ようになっています。
※アルターエゴ(蘆屋道満)から護符を受け取りました。使い捨てですが身を守るのに使えます。
【新宿区/二日目・朝】
【松坂さとう@ハッピーシュガーライフ】
[状態]:疲労(中)、苦い味、全身にダメージ(小)、GVと再契約
[令呪]:残り3画
[装備]:なし
[道具]:最低限の荷物
[所持金]:数千円程度
[思考・状況]
基本方針:しおちゃんと、永遠のハッピーシュガーライフを。
0:……ばいばい、しょーこちゃん。
1:しおちゃんに会う。そこにきっと、答えが待ってる。
2:どんな手を使ってでも勝ち残る。
3:もし、しおちゃんと出会ったら―――。
4:神戸あさひは邪魔なので早めに殺したい。
[備考]
※
飛騨しょうこと連絡先を交換しました。
※キャスター(童磨)からの連絡によってバーサーカー(
鬼舞辻無惨)の消滅を知りました。
※松坂さとうの叔母が命を落としたことを悟りました。
※ガンヴォルト(オルタ)と再契約しました。
【アーチャー(ガンヴォルト(オルタ))@蒼き雷霆ガンヴォルト爪】
[状態]:疲労(中)、クードス蓄積(現在7騎分)、さとうと再契約、令呪の縛り
[装備]:ダートリーダー
[道具]:なし
[所持金]:札束
[思考・状況]
基本方針:彼女“シアン”の声を、もう一度聞きたい。
1:さとうを護るという、しょうこ(マスター)の願いを護る。今度こそ、必ず。
2:ライダー(カイドウ)への非常に強い危機感。
[備考]
※予選期間中にキャスター(童磨)と交戦しています。また予選期間中に童磨を含む2騎との交戦(OP『
SWEET HURT』参照)を経験したことでクードスが蓄積されています
※"自身のマスター及び敵連合の人員に生命の危機が及ばない、並びに
伏黒甚爾が主従に危害を加えない範疇"という条件で、甚爾へ協力する令呪を課されました。
※松坂さとうと再契約しました。
※シュヴィ・ドーラとの接触で星杯大戦の記憶が一部流れ込んでいます。
※新宿区に落ちてたミラーピースを回収してます。
【全体の備考】
※港区。東京タワー一帯(最低でも芝公園周辺)が『崩壊』しました。
※世田谷区が完全に崩壊しました。
※渋谷区上空に浮遊していた鬼ヶ島が墜落しました。地上の住人は全滅です。
百獣海賊団の先遣隊はチェンソーマンに皆殺しにされました。『大看板』の安否は不明です。
※東京都上空でのベルゼバブの攻撃と消滅により『特異点(fate/グラブル/新西暦)』に近い現象が発生する可能性があります。
【ベルゼバブのマテリアルが更新されました】
『混沌招来・赤き地に響き轟け我が威名( Chaos Matter Red Horizon Beelzebub )』
ランク:A+ 種別:対人(自身)・対摂理宝具 レンジ:0(対人)、999 最大補足:1~1000(上限なし)
───分解したケイオスマターを呼吸術、覇気、星辰光、ベルゼバブはこの地で得た各能力で自身の肉体の一部に再構成。
ケイオスマターの概念侵食、不死腐食効果範囲をベルゼバブ自身に再設定された、混沌の具象。
サーヴァントの法則に反した、あまりに無理やりな急造であった為、使用時は肉体への反動───
新西暦で言うところの基準値と発動値の差が激しすぎるのだが、ベルゼバブは当然無視している。ランクが一時的に下降してしまったのもその影響である。
赫怒の救世主ヘリオスを参考に、彼を討ち滅ぼすべく造られた宝具。
基礎出力、不死勢も大幅に上昇しているが───比翼なき身は極晃星に至る事は、絶対に無い。
【黒死牟のマテリアルが更新されました】
焦瞼:B → 融陽:A
太極に繋がる陰陽。
同じ胎から産まれた双子の、再会の証。
妄執は晴れ、太陽と月は隣り合って空に座す。
「よお」
「ああ」
「何となくな、すぐに来る気がしてたぜ」
「待っていたのか。すまないな」
「気にすんじゃねえよ、俺が好きで待ってたんだ」
「もう、いいのか?」
「ああ、十分だ。残すもの、託すものは全て渡した。これほど穏やかな最期を迎えるとは、思ってもみなかった」
「……いいツラしてんじゃねえか。ぶすっとしてた前よりずっと男前だぜ」
「お前の方は……言うまでもないな」
「ああ。あの頭でっかちの坊主がどうなるかだけは気がかりだが……どうにかなるだろ」
「あ"~~~~しっかし疲れたぜえ……! こんなに体動かしたのいつぶりだろうなあ?
ちょうどひと仕事終えたところだ、煮えた油なんか入ってねえ釜風呂に浸かりながら一杯やりてえなあ!」
「……強くはないが、付き合おう」
「マジかよノリよくなったなあお前! よっしゃどうせ死んでるししこたま呑むか……ああ、ちょっと待て。その前に寄るとこあったわ」
「そうか。私もだ」
「じゃ、先そっち行くとすっか。終わったらまたここな」
「分かった。ではまた」
「ああ、じゃあな」
『ただいま』
『はい────おかえりなさい、あなた』
時系列順
投下順
最終更新:2023年06月03日 21:48