交渉と調整
ノア
「うん。それも分かるよ。でもさ、長年使ってきて愛着がある物なんだよね。ほら、どんな物も大事に使う方がいいと思わないかい?」
「却下です。狐さんが噛み滅したハンカチは、容赦なくぽいしますよ」
「
ヒルド、僕の妹が冷たい…」
「そもそも、それは私の物ですからね」
「ごめんなさい…」
ヒルド
「いいですか、魔術書を読むのは夜明け前迄とします。夜明けの光が差す前迄には、寝台に入って下さい」
「分かった。夜明け前迄には、必ず寝台に入るようにする」
「午後からの執務では、少々目を酷使する書類が重なります。くれぐれもご注意下さい」
「そ、それは、明日でもいい物では…」
グレアム
「そちらの野良は捨ててくるだけで構わないだろう。こちらは俺が始末しておいた。あの精霊は記憶を消しておいてくれ」
「相変わらず忙しそうだ。統括の仕事なのか?」
「いや、会の仕事でな。優秀な人材が多いんだが、すぐに野良を消したがるからな…」
「だから、絶望の声がするんだな…」
ウィリアム
「ネア、大浴場に湯が入ったのなら、俺も連れて行ってくれないか?ここの住人じゃないからな。一人で行くには気が引けてな」
「まぁ、それなら一緒に行きましょう!」
「助かるよ。お礼に今度、砂風呂に連れて行くからな」
「はい!」
「わーお。腹黒いぞ…」
「ウィリアムなんて…」
エーダリア
「い、いいか?三個は無理だ。失くしたら困るだろう?」
「エーダリア様が困っているのです?」
「銀狐の散歩なのだが、ボールを三個も持ってゆくと聞かないのだ。…チーズボールは駄目だ。この前、庭でココグリスに取られてしまっただろう?」
「むぅ。頑固狐さんです」
「はぁ…」
ゼノーシュ
「
グラスト、僕ね、こっちの手なら空いてるよ?」
「それなら、手を繋ぐか?」
「うん!僕、グラストと手を繋ぐの大好き!そうしたら、帰りに広場の串焼きの屋台に寄ってもはぐれないよね?」
「はは、広場に寄りたいんだな。昼食はそこで摂ろうか」
「わぁ、いいの?グラスト大好き!」
ディノ
「これは捨てないかな」
「包装紙ですよ?」
「この冊子に挟んでおけば、残しておいてもいいのだろう?君と買ったものだからね」
「むむぅ。では、こちらの紐は流石に捨てましょうね」
「ネアが虐待する…」
「袋の中のお菓子のお砂糖がついてしまっているでしょう?」
「捨てないかな…」
ヨシュア
「今日は、偉大な僕に付き合うべきだと思うよ!」
「目的と時間を示していただかないと、何とも言えませんね」
「ほぇ、イーザに、カップケーキを買うんだよ」
「ふむ。それならお付き合いしましょうか。ウィームのお店ですか?」
「ネアが買ったことのある店だよ。薔薇のクリームなんだ」
ネア
「むぐふる!」
「言えてないからな」
「この美味しいパイは、もう一切れ受けれる事にします」
「残念ながら一切れ迄だ」
「ぎゅ?そのお皿には、まだ沢山残っているではないですか?パイとは、焼き立てをいただいてこそなのですよ?」
「ほお?腰がどうなってもいいんだな?」
「ぎゅわ…」
アルテア
「おい、こっちに来い。顔用のクリームが殆ど減ってないだろうが」
「ぐるる!」
「そうか。大人しく手入れされるなら、紅茶ゼリーを用意してやるつもりだったが、いらないんだな」
「仕方ありません。お膝に座ればいいのですか?」
「っ、おかしな乗り方をするな!」
「我が儘なのです」
以上となります!
お付き合いいただき、有難うございました。
最終更新:2022年05月07日 12:23