秘密
こちらでのお知らせが出来ておりませんでしたが、本日2/15の更新はお休みとなります。
代わりにこちらで、
薬の魔物のSSを書かせていただきますね。
ディノ
「ディノ、巣の中で音がしましたが、
ヒルドさんに追われている狐さんを秘密裏に匿ってはいませんね？」
「…ご主人様」
「狐さんは、ワッフルの入った袋を返さなければなりません」
「
ノアベルト、
ヒルドから何かを盗んできてしまったのかい？」
「尻尾をけばけばにして出頭してきましたね…」
ネア
「こなこな…」
「おや、もう宜しいのですか？」
「まだくれるのですか？」
「ええ。久し振りですので、もう少し如何ですか？」
「ふぁい！…むぐ。…どうして、
ヒルドさんのこなこなは、美味しいのでしょう」
「私だけという事であれば、ネア様の事を、大事に思っているからかもしれませんね」
ヒルド
「
ヒルドって、休日の寝起きは悪いよね…」
「…ネイ。あれ程、休日は勝手に部屋に入らないようにと言いませんでしたか？」
「
エーダリアがさ、見た事がない緑の紙袋を持っていたんだ。何かあげた？」
「いえ。となると、様子を見に行った方がいいのかもしれません」
「あ、それ裏起毛なんだ」
ノア
「…げ、
アルテアだ」
「何だ。妙な真似をしているんじゃないだろうな？」
「それさ、本来はここに住んでいる僕の台詞だからね」
「妙な事にあいつを巻き込むなよ」
「ありゃ。すごく懐いているぞ。騎士棟でボ…騎士達の鍛錬に付き合ってきただけだからさ」
「あの狐を見なかったか？」
「え…」
エーダリア
「まぁ、お買い物ですか？」
「実は、探していた魔術書が手に入ってな。先程、領民がたまたま庭から掘り起こされたと寄贈してくれたのだ」
「ちょっと経緯がおかしいのです」
「厄介な側面もあるが、とても希少な物でな…」
「あら、だから
ヒルドさんが立っているのです？」
「
ヒルド…」
オフェトリウス
「団長、最近やけに休みを取りますよね」
「最近、どうも首や肩が痛くてな。迷惑をかけてすまないな」
「辞めようとしてません？」
「はは、まさか」
「しかも、引っ越そうとしていません？」
「気のせいだろう。派手なだけの模様替えだよ。まだ暫くは王都にいるさ」
「暫くは…」
ヨシュア
「また、街を雨で流しておりませんでしたか？」
「ほぇ。あそこはいいんだよ。変な魔術師ばかりだから、流して遊ぶんだ」
「下流には、選択の魔物の農園があるのでは？」
「…
アルテアならいいや。下流にあるから仕方ないんだよ。…ふぇ。ネアには絶対に秘密にするんだ…」
「やれやれ…」
ウィリアム
「すまないな、ネア。秘密を共有させてしまった」
「串焼肉を買い過ぎてしまった時には、また私に言って下さいね」
「ああ。そうしよう。それと買い過ぎた食材もあるから、週末のどこかで少しだけ離宮にも来てくれるか？」
「むぐ！」
「今度は鱈と菜の花のパスタを作ろう。楽しみだな」
オフェトリウス2
「団長、遠回しに僕を貴族達に紹介し始めるのはやめて下さい。辞めさせませんよ？！」
「はは、ただの挨拶だよ。それと、有事の際の隠し通路の地図はここだな」
「辞める気満々だぞ…。兎に角、今年と来年は駄目ですからね？！僕も娘が産まれたばかりなんですから！」
「困ったな…」
ゼノーシュ
「これはね、秘密なの。
グラストには今度の週末に話すんだよ」
「わかった。秘密なんだな」
「…その日は出かけるから、予定を入れちゃ駄目だよ？」
「ああ。楽しみだな。砂風呂か」
「あ！やっぱり見てる！！」
「はは、すまない。実は見えてしまったんだ」
「もう、秘密だったのに！」
ダリル
「ウォルター、これは秘密の贈り物だから、例のヴェルリア貴族に届けるようにね」
「はい。足がつかないようにしますか？」
「いんや。贈り主が分かっていた方がいい趣向になるだろうさ。中身を見るんじゃないよ」
「ええ、勿論」
「送り届けたら、すぐにその土地から離れるように。いいね？」
アルテア
「…何だこれは？」
「黙秘します。乙女には、秘密があるものなのですよ」
「ほお？川沿いに新しく出来た、パイの専門店の袋に見えるが？」
「きのせいでふ！」
「これを食べたのなら、気紛れで持って来てやったパイはいらないな」
「ぎゃ！パイ様！」
「ふん。木苺のパイに夜砂糖とはな…」
イアン
「今年は、とっておきの祝福があるんだ。今度こそ刺されないぞ」
「はは、今度こそ、イアンも一緒に打ち上げに行こうな」
「傘見舞いが心配だが、まぁ、ウィームにはネア様がいるからな」
「あの方がいれば安泰さ。…ジッタの店の前に、またあの精霊がいるぞ」
「毎日買いに来ているんだな…」
以上となります。
お付き合いいただき、有難うございました！
おまけ
「ありゃ。
アルテアが凄く警戒していたのに、あの店のパイ食べちゃったの？」
「むぐ…」
「その為に、開店する今日にパイを持ってきたんじゃない？」
「…まぁ。その為だったのです？」
「そうそう。ネアをあの店に行かせない為に持って来たのは、秘密だったみたいだけどね」
「むむぅ…」
最終更新：2022年05月07日 15:28
世界観・設定
食
