ちょっとした悲劇
本日の更新はお休みとなります。
少しですが、こちらで
薬の魔物のSSを書かせていただきますね。
ネア
「…観光客は、今後もウィームに必要なものでしょうか?」
「ご主人様」
「私の楽しみにしていた焼き菓子を、通りがかりで見付け、大勢で押しかけて完売にするなど、許される事ではないのですよ?」
「帰りに、ザハでケーキを食べるかい?」
「ふぁい。私は、一月前から楽しみにしていたのに…」
ディノ
「…なくなった」
「ディノ?…さては、パンケーキの配分を間違えましたね?」
「うん…。ベーコンとクリームは食べられたのだけれど、シロップは使えなかったかな…」
「もう一枚小さめのパンケーキを焼いて、半分こにします?」
「焼いてくれるのかい?」
「ええ。まだ残っていますから!」
ノア
「え、このカーテンは僕じゃないよ?!」
「おや、こちらの絨毯はあなたなのに、カーテンは違うのですか?」
「
エーダリア、
ヒルドが僕を疑うんだけど…」
「同じ爪痕のように見えるが、違うのだな…」
「ネア、お兄ちゃんを助けて!」
「まぁ。こうして日頃の行いが己の首を絞めるのですね…」
エーダリア
「
エーダリア様?どうされましたか?」
「…いや。こちらの申請については、以前のものを…」
「どうやら、その引き出しに何かを隠されているようですが?」
「…っ。…その、休憩時間に、読み始めた魔術書を開いたのだが…」
「…成る程。挿絵の小鳥が逃げ出しましたか」
「すまない…」
ヒルド
「あなたは、どうして顔からいくのでしょうね」
「
ヒルド?こんな時間にどうし…トマトソースなのだな…」
「ええ。騎士達の夜食を盗み食いしようとしたのでしょう。いいですか、ネイ。その姿では、こうなる事くらい想像出来るでしょう」
「…洗うしかないな」
「ええ。浴室に連れて行きます」
ゼノーシュ
「
グラスト、僕のクッキー缶知らない?」
「ここにあった物なら触っていないが、なくなったのか?」
「…じゃあ、ほこりかも。テーブルの上に置いておくと、すぐに食べちゃうんだ。駄目だよって言ったのに…」
「それなら、同じ物を買いに行こうか。もうすぐ休憩だからな」
「いいの?」
ゼベル
「それで、真犯人を探しているんですね」
「うん。このカーテンなんだけど…」
「木の実の模様部分だけを引っ掻いていますので、恐らくココグリスだと思いますよ。窓の位置的に、庭園のこの辺りなら…ほら」
「わーお!真犯人だぞ」
「…お、奥さん!?う、浮気じゃない!?浮気じゃないよ!」
グレアム
「…ギード」
「あんたが、美味しかったと話していたからな。こちらが夜林檎で、この籠が朝霧の林檎だ」
「全部で七籠か…。貰った林檎を食べ切ったばかりだったんだが…いや、有難う」
「ああ。林檎なら食べ飽きる事はないからいいだろう」
「…そうだな。狼は特にそうかもしれないな…」
ウィリアム
「…もう、今日は何もする気がしないな。このまま寝るか…」
「まぁ。貰ったテントに来たら、寝起きの
ウィリアムさんがお皿をひっくり返した場面に遭遇しました…」
「晩餐だったのかな…」
「こちらの串焼き肉は三人前ありますので、声をかけてみますね!」
「…ネア?シルハーンも?」
アルテア
「ほお?それで、目を離した隙に起きたこの騒ぎは何だ?」
「あ、洗い掛けの狐さんが、あわあわのまま浴室から脱走したのでふ…」
「で、お前もこのざまか。何で同じくらい泡まみれなんだよ」
「…ぐぅ。転びました」
「ったく。お前達を洗い直して、これを片付けるのは俺なんだろうな…」
以上となります!
お付き合いいただき、有難うございました。
最終更新:2022年05月07日 15:46