はじめに
「戦略コンサルタント」という職種があるくらい、物事を始める上での戦略というのは何においてもめちゃくちゃ重要です。
ここでは、戦略の立て方と、実際の事例を紹介していきます。
こういう小難しい話が頭に入ってこない人は、YouTubeの番組に「令和の虎」というのがありますから、先にこれを見て、なにかを始めるにあたっての事前準備やどれだけ物事を深く考えているかがいかに重要かを知り、その上でこのページに戻ってきてください。
「転用力」を活かそう
あなたがビジネスマンとして今後なにか成功していきたいというのであれば、常に「転用」させることを意識してください。よく分からない人は「メモの魔力」という本がおすすめです。
- ビジネス本を読んで、他の事例を抽象化して自分のビジネスに具体的に落とし込んでみる。
- 自分とは異なるジャンルのビジネスをやっている人でも、その人の方法論を抽象化し、自分のビジネスに落とし込む。
要するに、人から聞いたものを当事者意識を持って受け取り、落とし込めるかがすべてです。これができないと、せっかく有益な情報や有益な本に出会ってもモノにできずに終わります。
事業設計のフレームワーク
起業したが1年以内に倒産する、みたいな事例はいくらでもあります。彼らは、何が問題なのでしょうか?――実は、「根本の設計が間違っている」のです。具体的には、
- 競合の存在を無視し、(競合をリサーチせずに)
- 消費者のニーズを深く分析せずに、(何が求められているのかもよくわかっていないままに)
- 自分のやりたいことを先行させてしまっている
のです。これではビジネスではなく「趣味」です。僕自身、「令和の虎」で沢山のビジネスプランを見てきましたが、思考が浅く、ビジネスになっていないものがほとんどでした。
そこで、事業を始める前の設計を大切にしてみてください。
簡単に言うならば、あなたが現時点でできることを積み重ねていった結果、どんな未来が見えてきそうか論理的に考えて「想像」してください。想像できないことは実現できませんし、想像できるのであればあとは物理的な行動を量こなしていくのみです。
事業設計の際には、「目的」「目標」「戦略」「戦術」の順に考えます。
①目的
ほとんどの人がここを考えません。例えば、会社の売上とか、自分の収入とか。そういう次元で目的を述べる人がいますが、それは「目標」です。目的と言うのは、「承認欲求を満たされたい」「周りからもっと注目されたい」「あいつにぎゃふんと言わせたい」「あいつを見返したい」とかそういう次元のもので、自分の欲求が最もストレートに表れる内容を設定してください。自分本位でいいのです。自分軸が定まっているかがここに出ます。ここでしっかり目的が言える人は価値観が定まっている証拠です。露骨過ぎて人に言えないという人でも、しっかり頭では考えておくべきです。あくまで、あなたが人生の幸福度を高めるためにビジネスをやるわけですから、目的思考を大切にしましょう。
自分軸が定まっておらず、目的が言えない人は、まずはいろんな人と対面で関わってみたり、それが無理でも本を沢山読んだりして、世の中のいろんな人の価値観をまずは知りましょう。そうする中であなた自身の価値観が形成されていきます。
②目標
ここは「今は実現できていないが、今度行動を積み重ねることによって到達できる、実現可能性の高いもの」を考えます。ここで大事なのは具体的な数字・数値を入れることです。そして、ギリギリ達成できるかどうか、をラインに設定してください。そうすることで頑張れますし、ビジネスをする意味があります。
③戦略(What)
戦略とは、具体的に「何をする」のかです。
- 商品を誰(どんな層)をターゲットにして、
- どんな商品をつくるか
を考えてください。
④戦術(How)
売り方を考えます。
- 営業方法:SNSを使う、口コミで呼ぶなど
- 価格設定:いくらで販売する
- 業務:人をどう活用していくか
事業設計例
以下は、実際に自分が考えた事業設計例です。
①目的(自分軸)
- まずは教育関係者に対して貢献していくなかで信頼をつくる
- そこで得た人脈を背景に、有志を募って塾経営を行う
- 受験生の支持も獲得していき、YouTubeとコンサルティングによる二大収入を安定させる
- 安定資産を形成し、経営者の地位を確立させていき、心に余裕をつくり、時間的自由を手にする
- その中で好きなことをしていき経験値を高め、さらにそれを仕事に活かすという好循環を作って行く中で幸福度を高めていく
②目標
- 金銭的コストゼロ(つまり売上がそのまま利益になる)でまずは月10万をつくる
- はじめは無料だが、顧客が50人を超えた段階で有料化に踏み切る。
- 先行者特典で、元からいた人には1人あたり月2000円のサブスクリプションを組む。
→30人参加すれば6万円。
- 新しく参加した人は月5000円で入会させる。これを8人集まれば月10万が達成される算段である。
- 既存顧客が新しい顧客を紹介した場合は、初月費用の半額である2500円をバックするなどして、参加者が増えやすい仕組みをつくる。
- 月10万を超えたくらいで、おそらく自分一人では業務が回らなくなるので、他の人の力を借りることにする。
③戦略
- ターゲット:明日の教材/板書案/説得案のほしい教育関係者(主に小中学部の塾講師)
※「説得」とは、授業の冒頭で生徒に語るアツい話のこと
例:塾の学校別定期テスト対策で使える、定期テスト予想問題
→質の高い問題をつくるのはもちろんのこと、解答・解説も充実させる。
- はじめは、自分の指導経験の活かせる中学国語・社会・英語に限定。
- 少しずつ範囲を広げ、理系科目や高校の科目など、さまざまなニーズに対応していく。
④戦術
- Twitterでの名前は「現場教材のジュンク堂」
- キャッチフレーズは「朝起きたら教材ができてる」
- 塾講師を大量にフォローし、知名度をまずは上げる。(頭の中を制する)
- 初期は無料でサービス提供することによって、差別化を図る(商品の場所を制する)
- 公式LINEを登録し、必要項目を入力した瞬間すぐに発注できるようにする。
必要項目は、対象学年/科目/単元名/生徒像(レベル)/形式/分量/提示可能資料/その他作成条件
提示可能資料とは、例えば定期テスト対策用教材で言うなら、その学校の該当範囲のノート、プリント、その先生の過去問など。
例:中3/国語/『握手』/○○中学校の生徒/記述3割、客観式問題7割/30分で解ける分量/教科書本文、過去問/50分授業で、30分で解かせて残り20分で解説したい。漢字の出題は不要。80点満点で作成。B42枚で表紙もつけて冊子にしたい。解答用紙もつけたい。解説が終わらない可能性もあるので、解答・解説もつける。
- 24時までに発注を受けたら、作成可否を24時半までに返答し、作成可なら翌12時までに完成させる。
- 作成スピードの速さと内容の質を体感してもらうことで満足度を上げる。(商品の使用体験を制する)
- Googleドキュメントもしくはスプレッドシートで作成し、その完成URLをその人に送る。
- 有料化したら、有料会員のグループLINEを作成して、作成した教材はすべて共有。コミュニティ内の情報共有も活発化させ、結束を強めていき、ブランド力も上げてよりいっそう集客していく。
- 教材をつくるのみならず、翌日の授業をどうするか、どうやって面白い授業をつくるか、どう盛り上げるか、などについても情報交換・情報共有できる場をつくっていく。
- 参考にすべきは、TOSSランド。
コンテンツ事業における「戦略」のフレームワーク
以下は、実際に僕が「教育系のWebメディアをつくりたい」と考え、BusinessPlaceの姉妹サイトである
StudyPlaceを開発する際に練った戦略内容です。
どんなコンテンツをやる人であれ、転用できるような内容になっていますので、ぜひ使ってみてください。
このように順序立ててロジカルに考えていく作業がとても大切で、こういうことを考えずに短絡的思考、いきあたりばったり、場当たり的、見切り発車では成果は半減してしまいます。
「低品質のものでもいいからまずは走り出すべきだ」という見切り発車的な考えの人が世の中沢山いますが、それは空中で落ちながらパラシュートを組み立てているのと一緒です。100%準備してから、とまでは言いませんが、是非、頭を使って、戦略的にまずは考えてみるということを徹底してみください。
①市場調査とターゲット層の分析:
- 受験生のニーズや現在市場にある類似のメディアの調査。
- どの科目やトピックが特に需要があるかの分析。
例)ヨビノリ、ただよびなど
※いきなり全科目は無理。年単位で中長期的に実現するものと考えるべし。
②コンテンツの計画:
(・必要なら専門家や教育者との連携や契約。)
③ウェブサイトの開発:
- インターフェースの設計、デザイン。
- ウェブサイトの設計と開発、実装。
※マネタイズを目指す場合、wikiのようなシステムは最終的には向かない。独自開発もかなりコストがかかるので、wordpressなどがよい。
④コンテンツの作成:
- 各記事の制作。
- 記事の品質管理と校正。
- SEOへの対応。
⑤テストとフィードバック:
- ユーザーフィードバックの収集と分析。
- 必要に応じてコンテンツやサイトの改善。
⑥マーケティング:
- SNS、オンライン広告、学校や塾との提携などを利用した宣伝。
- ターゲット層に合わせたマーケティング戦略の策定。
⑦運営・更新:
- 定期的なコンテンツの更新と新しい教材の追加。
- UI/UXの改善と技術的なサポート。
具体的な作業項目の策定
戦略が決まれば、あとはそれに基づいて毎日の作業を充実させるのみです。ここからは「頑張る」ことが大切になってきますが、多くの人は「頑張ってもいまいち結果が出ない」状況に陥ります。だからこそ戦略的にここまで考えてきたのです。
以下に載せたのは、実際に僕がやろうとしている作業の全体像です。
すべて網羅的にリストアップし、それぞれに要する時間を計算しました。
英語
1. 読解に必要な英文法の解説
2. 英熟語の小テスト
3. 英文法四択問題の全網羅
4. 精読素材の提示、解説
5. 整序英作文の解説
6. 英作文用暗記フレーズ
7. 長文問題の解説
▶︎1-6はそれぞれ1日ずつ、7は1題につき1~2時間
▶︎トータル110時間
数学
(数式は打ちにくいので、あまり更新したくない)
1. 問題チャレンジ→入試の過去問などから週1回程度出題
2. 共通テスト数学、東大数学の過去問解説→WordでつくってPDF化
▶︎1は週1回30分程度、2は大問1題につき1~2時間
▶︎トータル40時間(2のみで換算)
現代文
1. 高校の教科書のいい作品をチョイスして内容解説→スキーマ養成講座的なノリ
2. 共通テスト、東大現代文の過去問解説(2000年以降全て)
3. 文学史解説
▶︎1は1作品につき1~2時間、2は既にやったものであれば大問1題につき1時間、3は2~3日あれば完成
▶︎トータル145時間
古文と漢文
1. 重要作品の解説(+背景知識の解説)
2. 古文文法、漢文句法の解説
3. 共通テスト、東大古典の過去問解説
▶︎1は1作品につき1~2時間、2は2日あれば完成、3は大問1題につき1~2時間
▶︎トータル90時間
小論文
1. 方法論をまとめる
2. 過去問解説
▶︎1は2時間あれば完成、2は1題につき2~3時間
▶︎トータル32時間
物理
1. 基礎の解説
2. 共通テスト過去問の解説
▶︎1は1単元半日、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル235時間
化学
▶︎1は1単元半日、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル235時間
生物
▶︎1は1単元半日、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル235時間
地学
▶︎1は1単元半日、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル235時間
地理
▶︎1は1単元1時間、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル40時間
世界史
▶︎1は1単元1時間、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル40時間
日本史
▶︎1は1単元1~2時間、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル70時間
現代社会(公共)
▶︎1は1単元1~2時間、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル70時間
倫理
▶︎1は1単元1時間、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル40時間
政治経済
▶︎1は1単元1時間、2は大問1題につき1時間
▶︎トータル40時間
全科目トータル
110 40 145 90 32 235 235 235 235 40 40 70 70 40 40
▶︎1657時間
=110日と7時間
=約3ヶ月と20日
※トータル時間の計算ルール
- 1日あたり15時間は作業できると仮定
- 1~2時間、と書いたものは2時間想定で、Maxでとった
- 過去問は大問10題分やると仮定
- 一科目の単元数は30と仮定
一日のルーティーン業務
上記のように自分のやるべき作業を網羅的に確定したら、あとはチリツモで成果を出すのみです。具体的には、毎日の固定業務を作っておき、脳死で実行できることが重要です。
以下のルーティーン一覧は、あくまで僕の実践例です。
- 【10分】公式LINEの当日配信内容最終確認
- 【20分】公式LINEの作成(500字×2本)
- 【1時間】StudyPlaceの更新
- 【1時間】BusinessPlaceの更新
- 【2分】アクセス数チェック
- 【5分】メールチェック(Yahoo!、Gmail)
- 【2分】YouTubeの通知チェック
- 【30分】LINE対応
- 【1分】掲示板チェック
- 【10分】Twitterでの集客、営業
- 【10分】ツイート更新
〜週1で実施〜
最終更新:2023年12月17日 11:06