自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

033 第26話 祝賀パーティー (修正箇所)

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1482年 6月10日 ノーフォーク

第23任務部隊司令官であるレイ・ノイス少将は、出港していく第26任務部隊の艦艇を見つめていた。

「艦長、TF26の空母がイラストリアスしかおらんな。未だに改装作業が終わっていないのかね?」
「ええ、そのようですな。」

艦長のジョン・リーブス大佐が答えた。

「ハーミズは、去年の11月から改装作業に入っていますが、予定では速力、搭載機数が増加されるよう
です。ですが、なにぶん大手術ですから、半年程度では出られません。」
「元々、船体が小さい上に色々と問題を抱えているからな。15機程度の搭載機数を30機近くまでに
増やすのは、悪い案ではないが、短い時間では出来ない仕事だ。」
「資材、人材はかなり回されているようですが、急場には間に合わんでしょう。」
「まあ、私としては、このワスプが復帰できた事で満足だがね。」

ノイス少将は、飛行甲板に視線を移した。
今から半年以上前の11月12日、ノイスが眺めている飛行甲板は、あちこちがまくれ上がり、格納庫の内部が見渡せた。
速力は半分以下に落ち、一時は放棄も検討されたが、ワスプは乗員の努力のお陰で母港に帰って来た。
それから、ワスプは本格的な修理及び改装を施された。
脆弱性を指摘された防御は、ヨークタウン級並みに強化され、以前と比べて格段に打たれ強くなった。
また、機関も旧式のものから、エセックス級空母に搭載する予定の最新式のものに換え、
航試運転では32.2ノットの最高速力を発揮している。
対空火力も強化され、従来の28ミリ4連装機銃4基はそのままだが、12.7ミリ機銃は20ミリ機銃32丁に変えられ、
近接防御力も上昇した。
その反面、搭載機数は最大84機から76機に減少している。航空戦は数が命の現代では痛いものであるが、致し方ないことである。

「搭載機数は減ったが、前よりは逞しくなったワスプだ。新しい作戦が決定すれば、前の憂さ晴らしは十分に出来るよ。」
「それに、第26任務部隊も加わりますからな。この陣容で、侵攻してくるマオンドに当たれば、次ぎこそは息の根を止められます。」
「そうだな。第26任務部隊の頭痛の種だったハーミズも、今は改装でドックから出られないから、行動力も
大幅に向上しただろう。これなら、マオンドの侵攻を十分に防げる。少なくとも、前のように心細い数の航空機で、
敵の大船団に当たる事はもう無いだろう。」

ワスプの復活により、大西洋艦隊の空母戦力は充実している。
空母はレンジャー、ワスプ、ホーネット、イラストリアスの計4隻。
搭載機数は合計で294機であり、竜母を持たぬマオンド艦隊には大きな脅威となるだろう。

「とは言っても、当のマオンドは一向にレーフェイル大陸に引っ込んだままですな。」
「引っ込んだままなら、こちらが出て行くまでさ。とは言え、防御の姿勢を取る今の時点では
そんな事はあり得ないだろうが。」

ノイス少将は何気ない口調で呟いただけだが、1週間後に開かれた会議で、彼は驚く事になる。
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