カシヲ「わはは、っぱ異世界転生最高だよなー」
宇宙のカット
カシヲ「いやー宇宙を調査してもう一ヶ月か。
すっかり足腰が訛っちゃったなぁ。
あー、皆とワイワイ踊りたいなぁ……ん!?」
目の前にワームホールを発見する。
カシヲ「あれはもしや、ワームホール!?」
宇宙船が赤く点滅する。
カシヲ「そ、操縦桿が効かない!?す、吸い込まれる…!!」
ワームホールに吸い込まれる演出(画面がまわる)。
カシヲ「うわああああああああ!!!」
ズガガガガガガ、ドドドドドーン!(SE)
暗転
煙を上げて森に突き刺さってる宇宙船。
カシヲがエリトラのバグみたいに倒れている。
~一週間後~
カシヲの家の前・昼
カシヲ「いやーこういう生活も案外悪くないなー!!」
立派な家を建築して、満喫しているカシヲ。
そこにお姫様登場。
姫「きゃー!」
カシヲ「ん?なんだなんだ?」
ゾンビに追われている女の子を発見する。
姫「こんなところにどうして人が!!」
カシヲ「よく言われます」
姫「森にゾンビが出たんです!貴方も逃げて!」
カシヲ「なんだと……」
そういって姫を背後に移動させ、ゾンビの前に立ちふさがるカシヲ。
姫「危険です!あのゾンビは……!」
シュピーーーーン
ゾンビの断末魔
カシヲ「え?今何か言いましたか?」
姫「す、すごい……貴方は一体……」
カシヲ「僕は、(溜め)ただの迷子ですよ」
姫「……フフ、おもしろい人」
カシヲ「……ハハッ、ハハハハ」
姫「ウフフフフ」
~暗転~
カシヲの家で事情を説明してもらう
姫「凄い建築のセンス!本当にこの家はカシヲ様が建てられたのですか?」
カシヲ「えぇ、僕がぁ(ため)建てましたよ」
姫「す、すごい……!」
カシヲ「ところでさっきのゾンビは一体?」
姫「あのゾンビはただのゾンビではありません。
あれは我が国の勇者の成れの果てなのです……」
カシヲ「そうだったのですか……。
しかし、なぜ女性一人でこんな森の奥まで?」
姫「じつは私は病床の父のために、この森にある聖なる泉へ、
バケツで聖水を汲みに来ていたのですが、」
カシヲ「バ、バケツで」
姫「その途中であのゾンビに襲われてしまい……」
カシヲ「なるほど、そうだったんですね」
姫「もうダメかと思いましたが、カシヲ様に助けていただきました。
本当にありがとうございました。」
カシヲ「いえいえ、ご無事で本当に良かった。」
姫「この御恩は一生忘れません。ではまたどこかで……」
出ていこうとする姫。
カシヲ「森は危険です、安全な所までお送りましょう」
姫「そんな……ありがとうございます。」
場面転換
森を抜けると街道に出る。
街道を歩くと都の明かりが見える。
カシヲ「森の近くにこんな大きな街があるなんて」
場面転換して街の入り口
そして入口をくぐる。
姫「ようこそ私達の街へ」
カシヲの目線→空撮の街を一望するカット
カシヲ「すごいやぁ」
大通りを歩く二人。
姫「命を助けていただいたうえに、わざわざ送ってもいただけるなんて何と
お礼を言ったらいいか……そうだ!どうか我が家でお礼をさせて下さい」
カシヲ「いえいえ、とんでもない。気にしないでください。」
姫「どうかお願いします、このままだと私の気が収まりません」
カシヲ「いやぁ……」
姫「そこをなんとか!」
カシヲ「じゃあ、ちょっとだけ……」
姫「ありがとうございます!」
王城の前に到着
姫「さぁ、行きましょう」
カシヲ「えっ」
姫「早く早く!」
カシヲ「えぇぇ!?」
場面転換で一気に王様
王「カシヲよ、よくぞ我が娘を助けてくれた」
カシヲ「ええぇぇぇ!?」
王「ゴホゴホゴホ!」
姫「お父様!」
カシヲ「お父さ、国王陛下!」
姫「さぁ、聖水をバケツで一気に!」
カシヲ「バケツで」
王「ごくごく、ぐへぇ」
姫「ダメ!全然良くならない!」
カシヲ「ちょっと失礼!」
王の症状を見て、それがフグ毒であることを瞬時に見抜くカシヲ。
カシヲ「(ハッ!これはフグの猛毒に違いない)
聖水なんかじゃダメだ。
誰か!ミルクを!ありったけのミルクを!!」
大臣「無礼者!貴様のような平民の分際で!下がれ!
友達いなさそうなくせに!」
姫「黙りなさい!友達がいなさそうなのは今関係ありません!
彼は私の恩人です、この方の言う通りにミルクを!!」
兵士「ミルクを持ってまいりました!」
姫「ありがとうございます!さぁお父様、ミルクを!」
王「ごくごく」
王様が元気になる(SEと光の演出で)
王「体が楽になった……!」
カシヲ「更にこちらもどうぞ」
王「これは……?」
カシヲ「え?あぁ、これは治癒ポーションというもので、
体力を回復してくれるんです。」
王「面妖な……ごくごく」
王「お、おぉ……!力がみなぎってくるぞ!」
姫「お父様!!」
王「カシヲよ、娘だけではなく私の命まで救ってくれるとは、礼を言うぞ。」
カシヲ「いえ、お元気になられたようで本当に良かった」
姫「カシヲ様、本当にありがとうございます!」
カシヲ「こちらこそ、僕の言葉を信じてくださったからです姫様。
あと友達はいます。」
姫「我々親子を救っていただき、
本当に何とお礼を申し上げればいいか……。
友達がいないことは恥ずかしいことではありませんよ。」
このやり取りのバックで大臣が柱の影でグギギってしている。
場面転換
カシヲ「本当に良いんですか?僕なんかが王宮に泊まってしまって」
姫「もちろんです!さ、こちらへ!」
部屋の前の扉
姫「ここです!」
扉を開くとりっぱな内装のファビュラスな部屋がある
カシヲ「わぁ、ファビュラス」
姫「ここのデッキから見える星空がステキなんです!」
カシヲ「わぁ、それは是非拝見したいなぁ」
場面転換デッキへ
カシヲ「わぁ、すごいやぁ」
姫「あ、そうだ!喉乾いていますよね、水を持ってきます!」
カシヲ「あぁ、いえお気遣いなく」
姫いなくなる
ここで更に場面転換、大臣のシーン
大臣「グギギ……何者だ、あの白いやつ……
もう少しで上手くいくところだったのに……」
場面転換・姫が水をバケツで持ってくる
姫「お待たせいたしました!」
カシヲ「バ、バケツで。」
姫「え?何かいけませんでしたか?」
カシヲ「あぁ、いえ、ガラスの瓶くらいで良かったのですが」
姫「ガラスの……瓶?」
カシヲ「(ん?姫はガラスの瓶を知らないのか?)」
姫「申し訳ありません。私は今までバケツ一筋だったもので……」
カシヲ「一筋で……」
姫「カシヲ様は卓越した知識に、見慣れぬ剣、それにその格好。
どこの国からいらしたんですか?お顔も白いし。」
カシヲ「お顔は生まれつきです。
私は、この星空よりもはるか遠いところからやってきたのです。」
姫「?」
カシヲ「はは、すみません。忘れて下さい。」
姫「うふふ、カシヲ様は面白い方なんですね」
カシヲ「結構学校とかではクラスの中心にいたタイプです」
姫「やっぱり」
カシヲ・姫「はははははは」
兵士「ぎゃーーーーーー!!!」
姫「何事でしょうか!」
カシヲ「わかりません!僕が見てくるので、姫様はここにいてください!」
そういって姫をおいて部屋を出ようとすると後ろで姫の悲鳴が姫だけにな。
魔物「クククク!姫様は頂いていくぞ!返してほしくば
この城の大広間に来るがいい!!」
カシヲ「待て!!!」
そのまま姫様が連れて行かれる。
カシヲは急いで大広間へ
カシヲ「くっ!急がないと!」
場面転換・大広間
そこにはレッドストーン回路が張り巡らされた罠ゾーンだった!
魔物「よく来たな白いの!」
カシヲ「姫様を返せ!!」
魔物「おーっと、良いのか?この部屋には罠が張り巡らされている。
不用意に動けば、お姫様ごとこの大広間は大爆発だ。」
カシヲ「くっ、卑怯者め……」
カシヲ「(この張り巡らされた回路、おそらくそのほとんどがダミー。
どれか一つだけが本物、しかし不用意に動いてしまえば、回路を
誘発させ、爆発を起こさせかねない。考えろ、考えるんだカシヲ!)」
魔物「へーへっへっへ!お前が来なけりゃ俺様がここでぇ
姫様をじーーーーっくりなぶり殺しにしてやるだけだぜぇ?」
姫様「カシヲ様!私の事は放って、この魔物を倒してください!」
カシヲ「くっ……(どうにかしてこの回路を無効化できれば姫様を
救えるのに……姫様を……)」
ひらめくカシヲ
カシヲ「(はっ!そうだ!)姫様、もう喉が渇いて限界です。
今際の際に水をいただけないでしょうか?」
魔物「へーっへっへっへ!なんだぁ?もう諦めたのかぁ?
張り合いのないやつだなぁ、いいぜぇ?俺ぁ優しいんだ!
最後に水くらいたーーーーっぷり飲ませてやっからよぉ!」
姫「カシヲ様……」
魔物「ほらぁ!姫様水持ってんだろぉ?くれてやんなぁ、へへへへhw」
カシヲ「姫様、お願いします。水を。」
姫「はい……」
姫が水入りバケツを投げてカシヲに渡す。
魔物「さぁ、冥土の土産にぐいっといっちまいなぁ」
カシヲ「いや、どうやら冥土に行くのはお前のほうが先みたいだ」
魔物「あぁ!?なーに言ってやがんだぁてめぇ!」
カシヲ「こういう、ことさ!!」
バケツの水をぶちまけるカシヲ。
水によって回線が全て消えちゃう。
魔物「な、ななななななななにぃ!?」
魔物、焦って姫様を投げ飛ばす
姫様「きゃー!」
魔物「てめぇ!人間のくせに小癪な真似を!!」
しゅぴーーーーーん
魔物「俺が自らの手で貴様をやつ、ざ、ききききき……ぐあああああああ」
ボゥーン
カシヲ「大丈夫ですか、姫様!」
姫様「カシヲ様、ありがとうございます!」
カシヲ「姫様のバケツがなければ私は負けていたでしょう。」
姫様「ではバケツに感謝しなくてはいけませんね……」
カシヲ「ただこれで祝杯をあげるには少々大きすぎますね」
姫様「うふふ」
カシヲ「ははは」
姫様・カシヲ「ははははははは」
場面転換・夜明け
城バックに日の出を写して玉座のシーンへ
王「本当にありがとうカシヲ。」
カシヲ「当然のことをしたまでです」
王「実はの、最近この都周辺に魔物がうろつくようになっての。
それが日を増すごとに増えていっているようなのじゃ。」
王「そこでカシヲに折り入っての頼みなのじゃが、
どうかこの原因を突き止めてくれないだろうか。」
カシヲ「ですが、僕はこの国のことを全くといっていいほど知りません。
そんな僕がお役に立てるでしょうか?」
王「何を言う!お主は既に我ら親子を三度も救ってくれたではないか。
それに我が国の勇者の魂を弔ってくれたのもお主だ。
これはきっと運命に違いない。頼まれてはくれぬか?」
カシヲ「わかりました、がんばります!」
場面転換・街
街の商業地区で飲み物を買っている人を見ているカシヲ。
街人「はいよ!牛乳一杯お待ちどうさん!」
街人「ありがとう!ぷはー新鮮でうまいねぇ!
しかしこんなに飲みきれるかなぁ……」
カシヲ「(姫もバケツで水を扱っていたな……
もしかして、この世界にはガラス瓶がないのか?)」
冒険者ギルドの前に行くカシヲ
カシヲ「ここが冒険者ギルド、か」
がやがや
冒険者「ふんっ」
足を引っ掛けられる
カシヲ「……お行儀の悪い足だな」
冒険者「あぁん!?」
即決闘
あれ俺展開
工房へ向かうカシヲ
カシヲ「ここをこうして、クラフトすればっと……ほら」
ガラス瓶をクラフトする。
職人「こりゃすげぇ!便利すぎるぜカシヲの旦那ァ!
早速色んな店に配ってくるよ!!」
レッドストーン回路をカチカチするカシヲ
町人「すげぇ!こりゃあ便利だ!」
カシヲ「こうする事で、色んなものが自動化出来ますよ」
町人「すげぇよカシヲさん!あんたぁ救世主だ!」
カシヲ「(レッドストーン回路も知らないのか……)」
ポーション作成
カシヲ「これをこうしてこうすると、こう!」
研究者「すごい!」
カシヲ「これが治癒ポーションで、組み合わせることで様々な効果を
持たせられますよ。」
姫様「すごいですね!是非私にも教えて下さい!」
街を歩いているシーンで
街人「賢者様!!あとでこっち寄ってよ!」
街人子供「けんじゃさまー!僕けんじゃさまのファンですー!」
街人「おいおい、俺だってファンだぜ?」
街人「ってことは賢者様のファン達ってことで、俺たちファンズだな!」
街人「はは!そりゃあいい!俺たちはカシヲ様のファンズだ!」
カシヲ「はは、やれやれ」
カシヲ「(この世界も、悪くない、かもな……)」
遺跡
カシヲ「調査の結果、どうやらこの辺りの魔物の目撃情報が多いようだな」
カシヲ「確かに尋常ならざる気配を感じる……行くか」
そのまま最深部へ
カシヲ「これは……一体……」
禍々しい儀式の跡を発見するカシヲ。
そこで一冊の書物を見つける。
ー書物の文章ー
この世界の平穏を維持するため、
”核心の革新(アップデート)”を封印する。
世界の進化は止まるが、人類が魔物に滅ぼされるくらいならば、
私は停滞を選ぼう。
最後の核となる封印は、この世界の人間では解除することは出来ない。
世界に革新の歪みが起こらなければ、決して解けることはないだろう。
カシヲ「革新の歪み……」
カシヲ「魔物が再び現れたのは……僕のせいだ」
急いで王城へ向かう。
魔物に兵士たちがやられている。
カシヲ「こ、これは一体……!」
兵士「カシヲ様、だ、大臣が、魔物を引き連れて反乱を……!」
カシヲ「な、なんだって!?」
それを払い除けながら玉座に向かうカシヲ。
玉座のカット
王様「大臣よ、一体何が目的だ……」
大臣「クックック、この国ですよ王。
私がこの国の次の王となる。
いや、魔物すらを束ねる真の王、魔王に!!」
王様「バカなことを……」
カシヲ到着
大臣「ガハハハ!遅かったなぁ賢者様ぁ!
いやぁ?お前こそ世界を滅ぼす原因、愚者そのものよ!」
王様「一体どういうことじゃカシヲ!」
カシヲ「くっ!」
大臣「ガハハ!バカなお前らに説明してやろう!
こいつは別世界から来た人間!え?お前人間か?ロボ?に、人間か。
そしてコイツこそが、魔物が現れた原因なのよ!」
王様「う、嘘をつくな!カシヲは我々を幾度となく助けてくれたではないか!」
大臣「ガーッハッハッハ!カシヲどうだ!真実をお前から告げてやれ!」
カシヲ「僕が……この世界に来てしまったから……
僕のせいで魔物が生まれているんです……」
王様「そ、そんな……」
大臣「クックック、いかにこの俺様といえど、最後の封印だけは解くことが
出来なかった。お前のおかげでこうして王城を制圧することが出来た!
感謝するぞカシヲよ!ガーッハッハッハ!」
姫様「カシヲ様は何も悪くありません!!」
カシヲ「!」
姫様「カシヲ様は私達に進歩する素晴らしさを教えてくださいました。
確かに前に進まない事は、時に安寧をもたらすことでしょう。
しかし、私達は共に前に進んで生きていきたいのです!
前に進む勇気をカシヲ様は私達に教えてくれました!!
カシヲ様こそが私達の勇者なのです!!」
王様「私達に必要なのは平和な停滞ではなく、勇気ある革新だったのだ。
カシヲよ、愚者は我々のほうだ……すまない」
大臣「素晴らしい演説だ王よ。涙が止まらない……笑いすぎて涙が止まらねぇ!ひゃはははは!」
カシヲ「違う……」
大臣「あぁ?なんだぁ?」
カシヲ「真の愚者は……お前だッ!!」
シュピーン!
大臣「ガーハハハハ!甘いわ!馬鹿め!」
カシヲ「姫様!!」
姫様「聖水アタック!!」
ゴンッ!
大臣「!?」
カシヲ「はぁあぁぁぁ!!」
ズバーーーー!!
大臣「ぎいやあああああああああ!!」
大臣消滅。
(カシヲの振り返りナレーション)
そこからこの国は大きく変わった。
自動化による農作物の収穫効率の強化。
ポーションによる医療の改善。
レッドストーン回路で様々な事が大きく進歩した。
魔物のいない世界ではなくなってしまったが、
国民の笑顔はあの頃よりも華やかになっていた。
(ここらへんから演説に切り替わる)
これからも僕たち手と手を取り合い、一歩ずつ前に進んでいこう。
その先にはきっと素晴らしい景色が僕たちを待っているだろう。
拍手喝采
姫様「カシヲ様は元の世界に戻ってしまわれる のですか?」
民衆のほうを見ながら
カシヲ「いえ、今の僕にはあの世界よりも大切なファンズという
宝物が出来ましたから……だから、帰りませんよ」
背中越しに姫様「よかった……」
カシヲが振り返る。
王様と姫様がファンズ服を着ている。
カシヲため息交じりに笑って
カシヲ「やれやれ……w」
このまま上にあがって広場全体写してエンディング
完
最終更新:2020年12月08日 23:50