ばすてきは、テレビアニメ『けものフレンズ』第12.1話のタイトル。
概要
テレビアニメ『けものフレンズ』(アニメ1期)が最終回を迎えた翌週の5月4日に、YouTubeチャンネル「irodoriginal」にて突如動画が投稿された。
その動画のタイトルは『けものフレンズ 第12.1話「ばすてき」』であり、アニメ1期で描かれたストーリーと繋がるものであった。
当時はアニメ1期が終了し、けものフレンズ難民が大量発生していた時期であったため、このサプライズともいえる動画の投稿はけものフレンズファンやアニメ1期ファンを多いに喜ばせた。
しかし、この作品には様々な問題があるとされており、
たつきショックの原因とも言われている。
けものフレンズ12.1話「ばすてき」
ばすてきの問題点
たつき・
ヤオヨロズが製作したアニメ1期が大きな話題を呼び、KFP側もたつきの功績を認めているにも関わらず、アニメ2期にたつき・
ヤオヨロズが続投できなかった原因の一つとして『ばすてき』の存在が挙げられている。
情報共有がされていなかった
2017年4月15日の「「けものフレンズ」最終回見逃し上映会」昼の部でのトークで、サーバル役の尾崎由香、フェネック役の本宮佳奈、アライグマ役の小野早稀、ロイヤルペンギン役の佐々木未来、コウテイペンギン役の根本流風、ジェンツーペンギン役の田村響華、イワトビペンギン役の相羽あいな、フンボルトペンギン役の築田行子、たつき、福原慶匡、細谷伸之が登壇。
イベントの出演者が『ばすてき』について触れている。
細谷は製作することは
ヤオヨロズ側から聞いていたのだが、無声のgifアニメ程度の物が出来上がると思っていたのにアニメ本編と同等のクオリティでビックリしたという。
「ロイヤリティとるぞ」「権利関係の申し立てもできる」と細谷は冗談めかして発言はしているが、一歩間違えれば本当にトラブルに発展しかねない事態になっていた可能性がありえる。
福原は「『ばすてき』は商業作品ではなく、同人作品である」と発言。
たつきの発言によれば、作画監督と美術監督にもう1週間泊まってくれと頼んで作ったものらしい。
アフレコに参加した小野早稀、本宮佳奈は他のキャストにも話さずに秘密にしていたため、他のキャストもばすてきが公開されたときは大変驚いたという。
後の
たつきショックで、
「けものフレンズ」の映像化プロジェクトに関するご報告に「アニメーション制作を担当していただきましたヤオヨロズ株式会社には、関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用がありました。」という記述があることも踏まえると、『ばすてき』はこの関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用に当てはまる可能性が高いとされている。
イベントに参加した人物から書き起こされたレポートが複数あるので、ばすてきに言及しているものをピックアップして引用する。
- 凡用人型兵器(@bonyoh1)によるレポート(Twitterより)
凡用人型兵器 @bonyoh1
今日のけものフレンズ上映会ハイライト②
福原P「12.1話なんてのもありましたが」
たつき監督「オフィシャルで話せることはほぼ無いです」
テレ東細谷P「作るってことはなんとなく聞いてたけど、まぁ無声のgifアニメ程度の物かって思ってたら本編じゃん!って」
福原P「あれは同人です」
午後4:30 · 2017年4月15日·ツイタマ+ for Android
- mohno(@mohno)によるレポート(Twitterより)
mohno @mohno
返信先: @mohnoさん
福原P「12.1話について、話せることがあれば」
たつき監督「公に喋れることはほとんどないですね」
細谷P「やりたいとは聞いていたけど、音もなく、まあGIFアニメみたいなものかと思ったら……音声もあり、音響効果もあり、ダビングもされていて……何だコレと」
#けものフレンズ
午後11:09 · 2017年4月15日 東京 日野市から·Twitter Web Client
mohno @mohno
返信先: @mohnoさん
細谷P「ロイヤリティ取るぞ」(笑)
福原P「これは同人です」
「冗談で13話待機とかやってるじゃないですか。そしたら何か上がったというので、え、ほんとに?という感じだった」
#けものフレンズ
午後11:09 · 2017年4月15日 東京 日野市から·Twitter Web Client
mohno @mohno
返信先: @mohnoさん
たつき監督「作画監督さんと美術監督さんにもう一週間泊まってくれと頼んで作った」
福原P「みんな10年来のチームなので信頼関係でやってるんです。昔の動画とか発掘されてましたね」
たつき監督「あれは黒歴史。けものフレンズはあの辺で蓄えたものをかなり使った」
#けものフレンズ
午後11:09 · 2017年4月15日 東京 日野市から·Twitter Web Client
mohno @mohno
返信先: @mohnoさん
たつき監督「12.2話の前にやることがある。版権系の宿題がたまってる。要らんことやってるから」
福原P「CGの息抜きにCG作る人。休んでないよね。体細いから食べてないように見えるけど、食べるけど体に付かない」
#けものフレンズ
(事前に集めた質問コーナーは略^_^;)
午後11:10 · 2017年4月15日 東京 日野市から·Twitter Web Client
・12.1話について
たつき監督から現段階で話せることがないとのこと
細谷Pは福原Pから「たつきがなんかやりたいらしいよ」とは聞いていたが内容までは聞いておら
ず当日まで知らなくて「せいぜいGIF画像かなんかちょろっとアップするぐらいだろ~」って思
ってたら12.1話がアップされて本気でひっくり返った模様
細谷P「なんだよあれ…声までついてるし「しゃべった!?」って本気でビックリした…あんなの
いつ撮ったんだよ…たつきこわい…」
細谷P「あれこっちの許可取ってないからね!?なんなら権利関係の申し立てできるからね!?
w」
福原P「あれは商用じゃないから、同人です」
12話の制作が終わった後、たつき監督がアニメーターは解放して作画監督と美術監督にだけ
「もう1週間残ってくれ」と頼んで密かに作ったのが12.1話
作監と美監がたつき監督と十年来の付き合いがあるからこそ出来たたつき監督の我が儘で生ま
れた作品
小野早稀さん本宮佳奈さんも12.1話の存在を他のキャストにも話さずに秘密にしていたので細
谷PもPPPメンバーもみんな当日の25:35になって初めて知ってひっくり返ったらしい}
アフレコ収録の謎
ばすてきは短編アニメであり、当然ながら声優がアフレコした音声が収録されている。
ここで問題となるのが、「いつアフレコ収録をしたのか」「声優のギャラは誰から貰えるのか」である。
たつき/irodori @irodori7
あっ、12.2話は無いですよ!みなさんもほどよく寝てください笑 命と口座を燃やし続けるボケもやりたかったんですけど、先にけものフレンズ本線の表紙やら何やらからやりますね。おかげ様でそちらも圧死しそうなほどいただいております、ありがとうございます
午後7:17 · 2017年4月11日·Twitter Web Client
たつき曰く、「命と口座を燃やした」と語っている。
これが真実なら、たつきがポケットマネーで渡したということになるが、事務所を通さずに声優に報酬を支払うのは闇営業となり、事務所では厳格に取り締まられることとなる。
そのため、わざわざ声優に闇営業をさせたのか疑念が残る。
事務所の許可を得て行った場合、『ばすてき』は
ヤオヨロズ公認の作品となるのでたつきが勝手に制作したという前提が崩れる。
これらの辻褄を考えると、たつきが独自で作ったとするには設定として無理が生じる。
福原慶匡はTwitterでイカちくにゃん(@squid_friends)の「たつき監督の私財で制作したものか」という質問に「いやいや笑」と回答している。
このやりとりから、たつきと福原とで認識の相違が生じていることがわかる。
エンタメ情報をつぶやく福原慶匡(8millionの代表) @fukuhara_ystd
返信先: @squid_friends
いやいや笑
午後8:12 · 2017年4月15日·Twitter for iPhone
一次創作か二次創作か?
『ばすてき』をたつきによる二次創作と見る風潮がある。
福原慶匡が細谷伸之とトークを行った2017年4月15日の「けものフレンズ」最終回見逃し上映会 昼の部では、福原が『ばすてき』を商業作品ではなく同人作品だと答える場面があった。
『ばすてき』を問題視する意見に対してよく言われるのが、「けものフレンズは二次創作はOKなので、たつき監督が二次創作するのは問題ない」というもの。
吉崎観音もTwitterで12.1話への反応を見せており、けものフレンズというコンテンツがファンサイドの二次創作に対して許容的であることから、たつきの製作した『ばすてき』に問題性がないと考える者は多い。
しかし、『ばすてき』はアニメ本放送と同じCGモデルやオリジナルキャストの収録音声などの一次素材を使用しており、一般的な二次創作とは大きく異なる手法で作られたものである。一般的な二次創作は、創作者が自らイラストや音声などを製作し作品を作るものとなり、アニメやゲーム本編の3DCGモデルや音声・楽曲などの一次素材を用いることは著作権などの問題に抵触する。
たつき率いる
ヤオヨロズの製作チームが作ったCGモデルでも、けものフレンズの公式コンテンツで使用された一次素材はたつきが許可なく自由に使える物ではなく、けものフレンズの著作権利を管理する会社の所有物である。また、たつきは『けものフレンズテレビアニメ』の監督を務めた公式側の人間であるため、ファンとして二次創作を行える立場にある人物ではない。
よって、『ばすてき』をたつきの個人製作による二次創作作品として扱うには無理が生じる。
なぜ削除されなかったのか?
仮に、素材等を上層部の許可を得ずに
ヤオヨロズの独自の判断で制作したとなるとコンプライアンス的な問題やルール違反となり得る。
そのため、問題があると判断されたのであれば『ばすてき』が削除されるはずである。
しかし、『ばすてき』は削除されず現在も閲覧が可能である。
なぜ『ばすてき』が削除されなかったのかは今でも真相ははっきりとしておらず、削除されなかったことから問題性がない、
たつきショックにたつきの責任は一切無いと判断する者もいるため、今でも『ばすてき』の問題性が界隈で争点となりやすい。
また、削除するかどうかは権利者の自由であるため、ルール違反と削除されないという両立はできるという考えもできる。
上記のようにけものフレンズのファンからは受け入れられている現状を踏まえると、いきなり削除するのではなく後に承諾したという形をとらざるを得なかったのではないかと憶測ができる。
仮にこれらの推測が事実であれば、KFP・製作委員会からたつきへの注意喚起や警告が来ることになるのは想像に難くない。
ケムリクサ 12.1話
テレビアニメ『けものフレンズ』の終了後、2019年に放映されたテレビアニメ『
ケムリクサ』において、テレビ放映が終了して1週間後に短編アニメ『
ケムリクサ 12.1話』をTwitter、YouTube、ニコニコ動画で公開している。
ばすてきと同じ手法であり、『
ケムリクサ 12.1話』は
ヤオヨロズも最初から了承してやっているものと考えられる。
このことから、『ばすてき』も
ヤオヨロズ主導である可能性が唱えられている。
主張
『ばすてき』の無料公開はKFPのけものフレンズの広報戦略とは考え難く予想外のものだったと推測されている。
『ばすてき』で使用されたCGモデル、機材、声優はアニメ1期本編でも使用された著作物であり、たつき個人が勝手に使用できるものではなく、そしてそれを管理している
ヤオヨロズの責任問題と考えられる。
結果的に『けものフレンズ』の宣伝となり、けものフレンズファンが満足できる作品となったが、今後も同じをされてしまうと企業としても問題である。
また、コミティアで頒布された同人誌『きょうびのいろどり』の件もあり、それらを是正するために会議を行ったと考えられる。
ヤオヨロズに情報共有の正常化を求めるも、
ヤオヨロズは条件を飲まず辞退。
これが
たつきショックへと続いたものだと考えられている。
関連項目
外部リンク
最終更新:2023年06月24日 14:17