初出:#24『これが資金ショートと言う物か?異世界の金融融資制度はどうなっているんだ?』
オムイの街生まれの女性。遥とは似た者同士、馬が合う。
Lv100を超えた実力ある元冒険者。
引き締まった身体に長い四肢はさぞやドレス映するだろうし、旅装のマントを巻きつけただけの粗末な格好でも充分に美しく、芝居や見世物の売りになろうと思わせる。きつい顔立ちだが丹精に造り込まれし芸術品を想わせる整った顔の造形で、見目だけならば貴族の令嬢淑女すら及ばぬ美貌。旅装のマントの中は身体に張り付くかのような薄く精緻な美女の彫像の如き甲冑、工芸品としても美術品としても値も付けられぬであろう美しさ。
構えも剣筋も素人のようだが一切の隙のない前傾した野獣のような姿勢は正統な剣技を学んだ者の技ではないのにその一閃が獣のごとく鋭く疾く、その一撃が魔物の様に激しく苛烈で残酷なまでに美しい。
少女時代
かつては病弱で、家も貧しく、寝たきりだった。とある冒険者のパーティーから出世払いだと言われて高級な茸をもらい、元気になった。痛めつけるように身体を鍛え抜き、狂ったように知識を求め、冒険者として誰かを助ける道を選んだ。かつて救ってくれたパーティーに加入し、みるみる頭角をあらわしていくと同時に、魔の森で茸を採っては貧しい人々に分け与える活動を続ける。ある日パーティーが壊滅し、瀕死の状態で偶然通りかかった冒険者に保護され、これまでに彼女に救われた人々が暮らす街に連れていかれる。街の住民は僅かな茸を持ち寄って恩返しできたものの、彼女が目覚めた頃には亡くなってしまっていた。
不自由になった身体をまた痛めつけるように鍛え、狂ったように危険な行商を始め、装備を含めすべてを売り払った金で店を構え、貧しい人に食糧や薬を分け与える活動を続ける。
お姉さん時代
自分だけが何度も救われ、自分は誰も救えなかったと自分が許せず、周囲の制止も聞かずにいつか魔の森に行けるように鍛え続け、装備を買い直し、準備を進めていた。しかし突如現れた黒マントの少年から。毎日利益をあげることを条件に大量の茸が卸されるようになり、装備は手放した。また教国との戦争に備えて完全回復茸を摂取し、古傷が治り全盛期の力を取り戻しつつある。これについて本人は完全回復茸の貴重性から遠慮していたのだが、その実力を見込んだ少年の独断によって普通の茸弁当に混ぜ込まれる形で食べさせられた。
行商や仕入れのため駆け回った経験で町や村の特産品も全て知りつくし、物流の経路も日数も把握していて、その功績から辺境の人々から信頼を得ていたうえで少年によって画期的な商品が続々と卸され、店舗は百貨店のように改装された。他にも、工場や工房と契約して辺境における主要産業のほとんどを取り扱い、各種インフラ工事や重工業においてもその売買には参入しているため商会としては辺境で最大規模となっている。ただしお姉さんは変わらず利益目的ではないし、得た利益はすぐ辺境のために還元するので結果的に辺境の富の流出を防いでいる。
古傷も治り、リハビリを兼ねて茸狩りに通うになると身体が引き締まり雰囲気も若返り精悍な顔つきに。
128日目:茸をばら撒き、ついに辺境の魔素病を駆逐している。
131日目:夜中、荷馬車で王都に向かう道中で盗賊に襲われるも、遥が作った商品に指一本触れさせないと蹂躙する。盗賊狩りの「鬼姫」として名が通っているらしい。
最終更新:2025年04月24日 11:11