ムスジクス

初出:#221『21人のジトに囲まれ怒られ9名のオタ莫迦付きで毎日食事は自炊で浪費するお金も無いんだよ?』

王弟。独身。
子どもの頃から礼儀正しく真面目で努力家であり、正直で素直すぎるあまり頭が固く融通が利かない。兄である王太子からは「いずれ山に向かって頭を下げろと言いかねない」と揶揄されていた。現国王が自由奔放な分、権威と礼儀と保守的な責任感を固めてつくったような堅物となっている。保守的思想からか女子供を下に見ている節がある。特にグヴァデーイのように誇りもない豚はとことん見下している。

メロトーサムのことをオムイ一族としての栄光も含め高く評価している。逆に自身のことは王族に生まれただけだと卑下している。そのため王位継承権を巡って混乱する国内情勢について、いっそメロトーサムが謀反を起こして王座を乗っ取ってほしいとさえ思ったほど。辺境にやってきたときにはげっそりと窶れ、目の下には隈をつくり、疲れ切った表情がへばりついている様子だった。王国と国民を思う気持ちしか取り柄がない無能な英雄であり、何をしても上手くいかないどころか悪化させてしまう莫迦だが、王家伝統の私財を売り払いながら辺境に援助し続けていた。

黒マントの少年について、その無礼な態度から迷宮の宝の力で調子に乗っているだけの生意気な小僧だと思っていたため辺境地平定軍に差し出すことが最善だとメロトーサムと言い争った。辺境側の意見が信じられず、少年によって洗脳されている可能性も検討していたほどだったが少年自身が賛成したので「白銀の甲冑」とともに第1王子に差し出す。一転。第1王子に交渉するつもりはなく罠に嵌められたと悟ると詫びつつ自ら盾となり少年を逃がそうとする姿を見せた。一方で少年は容易く第1王子軍を無力化してしまい、初めて彼の恐ろしさを感じ取った。

 作中では愚王と呼ばれることも多いが、その反面持たざる者なりの立ち振る舞いとして評価している人物も少なくない。シャリセレスの英雄譚において黒髪の軍師に翻弄されただけの哀れな王として描かれたことで国民からは同情とともに一定の信頼を取り戻した。

視点回

 #221,#239,#243,#256
最終更新:2024年04月15日 22:36