ステレオ放送

  • ステレオ放送とは
 音声多重放送の一種で、一般的には左右2chの音声信号での放送のことであるが、2ch以上のマルチサラウンドステレオ放送もある。
 番組表では○もしくは□の中にSもしくはスもしくは立と表示される。
 日本に於けるアナログ放送でのNTSCの拡張規格では、FM-FM方式により主音声と副音声が送信され、その2つの音声を利用して2chステレオ音声を実現している。

  • FMステレオ方式
①和差方式
 ステレオ放送では、既存の放送で既にモノラル放送が存在する場合、従来方式との互換性を保たなければならないことが重要であり、和差方式が一般的に用いられる。
 主信号を左右の和であるL+R信号とし、副信号としては可聴周波数よりも十分に高く設定した副搬送波を差信号のL-R信号で変調して副信号とする。
 主信号と副信号とを合成したコンポジット信号で放送の搬送波を変調する。
 モノラルの受信機しか有さない場合、主信号のL+R信号のみを再生すれば左右の偏らない放送を聞くことができ、従来方式との間で互換性を保つことができる。
 ステレオを再生する場合、主信号のL+Rと副信号のL-Rの両方を再生した後、それぞれの和と差を取れば、(L+R)+(L-R)=2L、(L+R)-(L-R)=2R、となり、左右の信号が再生される。
 FMステレオ放送の場合、副搬送波を振幅変調するか周波数変調するかにより方式が異なってくる。
②AM-FM方式
(和差方式)
 右・左の差信号で38kHzの副搬送波を平衡変調して副信号とする。
 その信号と19kHzのパイロット信号とを右・左の和信号に多重して放送の搬送波を変調する。
 ステレオを再生する場合は副信号を分離してL-R信号を再生し、主信号のL+R信号との間で和差を取ることにより、左右を分離する。
 FMステレオ受信機を用いればステレオを聞くことができ、ステレオに対応していないFM受信機では、右・左の和であるモノラル音声のみを再生するので互換性が保たれる。
 日本におけるFMステレオ方式である。
(スイッチング方式)
 38kHzのスイッチング信号により、左右の信号を切り替えてコンポジット信号を生成する。
 再生する場合はこの逆で、コンポジット信号を38kHzのスイッチング信号で同期を取って左右に分離する。
 原理上は同期検波と同じである。
 スイッチング方式により得たコンポジット信号を分析すると、L+Rの信号と、L-Rの包絡線で38kHzを変調したDSB波との合成であることがわかる。
 スイッチング方式で変調したコンポジット信号は和差方式でも再生することができる。
 和差方式によりコンポジット信号を生成する際に、副信号を特定のレベルに合わせればスイッチング方式のコンポジット信号と等価な信号が得られる。
 和差方式で変調したコンポジット信号をスイッチング方式で再生することも可能になる。
 実際にはスイッチング方式の回路の方が構成が簡単なため、FMステレオの再生はスイッチング方式またはスイッチング方式に準じる同期検波が使われる。
③FM-FM方式
 第二音声または差信号で副搬送波を周波数変調した信号とパイロット信号とを主信号または和信号に多重して周波数変調するもの。
 日本におけるテレビの音声多重放送(二か国語音声・ステレオ音声)方式である。
 ステレオの再生方法は和差方式である。
④FM-PM方式
⑤FMXステレオ方式

  • AMステレオ方式
①モトローラ方式AMステレオ,両立性直交振幅変調(C-QUAM; Compatible Quadrature Amplitude Modulation)
 和信号により搬送波を平衡変調した信号と、差信号に25Hzのパイロット信号を加えた信号で直交する搬送波を平衡変調した信号とを合成し、振幅制限したものを搬送波として、和信号で振幅変調するもの。
 日本におけるAMステレオ方式である。
③カーン方式AMステレオ,独立側波帯(ISB; Independent Sideband)
 USB、LSBそれぞれの側波帯を左右の音声信号としたものがカーン方式AMステレオである。
③ハリス方式(VCPM)
④マグナボックス方式(AM-PM)
⑤ベラー方式(AM-FM)


最終更新:2009年08月17日 01:47
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