- ステレオ(stereo)/ステレオフォニック(stereophonic)
左右2つのスピーカで音声を再生する方式のこと。
広義には、ステレオフォニック再生のための音声信号を集音、録音、伝送、通信、放送、加工する技術全般、またはステレオフォニック再生のための音響再生装置(ステレオセット)を指す。
ステレオフォニック再生はモノフォニック再生に比較して、音像定位や音場感が加わり、再生音の臨場感が増す効果がある。
臨場感が増す理由として、人間が元々左右の耳に入る音の位相差および音量差などを利用して音源の方向を把握している点が挙げられる。
2つのスピーカと聴取者頭部が一辺3メートルの正三角形に位置する配置が最も望ましいとされている。
- モノフォニック再生,ステレオフォニック再生,ダイオティック再生
①ステレオフォニック再生
典型的には、聴取者の水平方向前方左右30度の位置に一対の
スピーカーを配して、2チャンネルの音声を再生する。
②モノフォニック再生
前方正面の1つのスピーカーから、1チャンネルの音声を再生する。
③ダイオティック再生
1チャンネルの音声をステレオフォニック用の2つのスピーカーから同時に再生する。
2つのマイクロフォンでシミュレーションする方式として2チャンネル音声伝送が考案されたが、当初はステレオフォニックではなく、バイノーラルであった。
①バイノーラル再生
2つのマイクロフォンを両耳の位置に備えた擬似頭部を用いて集音した2チャンネル音声を左右の耳にあてがった1対のイヤーフォンで聴取する。
現在に至るまで、バイノーラル録音はドイツで研究が盛んであり、HATS(ヘッド・アンド・トルソー・シミュレータ : ダミーヘッドに肩部や胴体も加えたシステム)も性能を高め、
サラウンド以上の臨場感が得られるケースも出てきている。
②モノラル(モノーラル)再生
左右どちらか一方の耳で1つのイヤーフォンで聴取する。
音源が普通のステレオ録音の場合、通常のステレオ装置ではステレオフォニック再生、ヘッドフォンステレオではバイフォニック再生を行っていることになる。
モノ録音の場合、普通のステレオ装置ではダイオティック再生(厳密にはモノフォニックにはならない)、片耳イヤフォンではモノラル再生を行っていることになる。
①ステレオフォニック(stereophonic)
左右2個のマイクロフォンで収録した音を独立して伝達し、それぞれを左右2個のスピーカーで再生すること。
②バイフォニック(biphonic)
ステレオフォニック方式で録音したものを左右2個のイヤフォンで再生すること 。
③バイノーラル(binaural)
左右2個のマイクロフォンを持つダミーヘッドで収録した音を独立して伝達し、それぞれを左右2個のイヤフォンで再生すること。
④モノフォニック(monophonic)
1個のマイクロフォンで収録した音を1個のスピーカーで再生すること。
⑤モノラル/モノーラル(monaural)
1個のマイクロフォンで収録した音を1個の(つまり片耳用の)イヤフォンで再生すること。
⑥ダイオティック(dionic)
1個のマイクロフォンで収録した音をステレオフォニック用の2つのスピーカーから同時に再生する。
録音については、左右1対のマイクロフォンで集音してそのまま2チャンネルの音声とする方式と、個々の楽器や歌手に個別のマイクをあてがい、オーディオミキサーで2チャンネルの音声にまとめる方式がある。
現在のほとんどのCDはステレオフォニック再生用として収録されているが、前者の方式で録音されたものはクラシック音楽などの一部であり、大半は後者の方式で録音されている。
①ワンポイントステレオ録音
クラシック音楽など自然な音響再生を好む聴衆向けに、原理通り2個のマイクロフォン(ペアマイクまたはステレオマイクを用いる)を用いて収録する方法。
②マルチマイク録音
各楽器、パート別に多数のマイクロフォンを配置し、マルチトラックレコーダを用いて多チャンネル録音を行い、後で各チャンネルの音楽的バランスをとりつつ2チャンネル(あるいは伝送媒体の規定するチャンネル数)にトラックダウンする方法。
音像の位置はパンポットを用いた左右の音量差のみで決めることが普通である。
単一のスピーカーとは限らないが、ステレオ音源に対比して単一の信号音源を出力する方式。
スピーカが単一又は複数にかかわらない。
ステレオ録音の音源の再生では、左右の和信号の再生をしないと片方だけの信号になるため和信号の再生が一般的である。
左右の和信号を得るのはワンポイントステレオマイクによる録音やマルチマイクによる録音では問題がないが、間隔をあけたペアマイクによる収録では位相差に伴う櫛形フィルタ効果が問題になる。
3つ以上のスピーカーを使って音を出すサラウンドサウンドは、通常はスピーカーのうち2つが前方左右に配されており、ステレオの一種である。
DVDなど新しい記録メディアでは、多チャンネル記録によってサラウンド効果を出せるよう、最初から規格化されている。
最終更新:2009年08月17日 01:28