人物・キャラクタについて

 キャラクタは、云わずもがな物語の要である。キャラものと云われる分野が発生するほど、物語の重きを占める。そしてオリジナリティあふれ感情豊かなキャラクタを描けることは、制作者の悲願でもある。

 さて、では優秀なキャラクタを創造する方法とは、どういうものだろうか?

 答えがあるなら、教えてほしい。僕にはわからない。


類型

 キャラクタの原形として、人物類型が挙げられる。神話や寓話などからよく用いられるキャラクタの属性・性格を抽出したもので、ユングが発案したアーキタイプ(トリックスター・アニマ・アニムス・グレートワイズマンなど)や、ジョン・リーというカナダの心理学者が発案した恋愛タイプによる分類(アガペ・エロス・マニア・プラグマほか)などがある。それらに則ってキャラを考案するのもいい。


記号

 もうひとつの方法として、記号を用いるというものが挙げられる。記号とはこの場合、世のなかにある様々な物語の種々のキャラクタたちから、抜き出された要素のことを云う。云い換えるなら、具体から抽出された抽象を云う。例を挙げるなら、ヒーロー・探偵・犯罪者・語り部などの物語における役柄や職種などから始まり、ツンデレ・メガネっ娘・メイドというアニメやラノベに代表される萌え属性などにも拡がる。
 この記号という言葉は、ときに批判的な意味合いを含む。「キャラクタが記号的だ」と云うときには、そのキャラクタが作者の想定によって創られたという作為が見え見えで、物語のなかで生きていない、という揶揄を含むことがある。


無個性という個性

 ときおりオリジナリティのあるキャラクタをつくる場合に、個性を考えるあまり、また考えるのを放棄して、「無個性も個性のうち」と云うことがある。これはある種の真実を含んではいるが、物語において成功することは少ない。
 たとえば学園モノの主人公男子に、この無個性という属性を附与する場合、「無個性にすることで、特別な思想をもたせず、誰にでもなれる」つまり「観賞者が主人公を追体験できる」という理論である場合がある。例として「かまいたちの夜」の「透」や「涼宮ハルヒの憂鬱」の「キョン」、「ゼロの使い魔」の「平賀才人」などが挙げられる。







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最終更新:2011年08月06日 08:22
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