場所・舞台は、軽視されがちだが、思いのほか重要である。ストーリーはキャラクタがいないと成立しないが、キャラクタだけで場所が設定されていないとキャラクタは活動できない。
FPSで、普段行けるはずのないマップの外に出ることができるというバグがあった。もちろんなんのオブジェクト(木や建物など)もなく、視線を動かすと残像が残るだけで、歩き続けると足場もなくなって延々と落ち続けるとういバグだった。最終的に自殺するか、死ぬのを待つか、その部屋から出るかしか対処法がなかった(
最下部に掲載)。
このバグと同様に、場所を設定しなければキャラはどうすることもできない。精神世界で内なる自分と対話したり他人と会話するというパターンもあるが(アニメエヴァのラスト2話など)、それですら「精神世界」という舞台設定がなされている。
ちなみにこの場所・舞台の描写を省いている多くは、設定を忘れているわけではなく、設定をしていることに気づいていないに過ぎないだろう。たとえば学校モノのゲームで、教室に入る度に逐一「机がいくつ並んでいて、そのどこそこに生徒が何人いて、その誰それが女子で、彼女には友達の誰々がどういう感情を抱いていて……」という描写をするのは無意味だから省くわけだが、教室のようなどこでも同じような舞台ではなく、公園など地域や季節によって植物の状態や気候や雰囲気が違う場所でも、細かい描写を省いて大雑把にただ「公園」とだけ説明することがままある。
これはマンガで云えば背景が真っ白であるようなもので、手抜きだと感じさせたり、どこのシーンを描いているのかわからなくさせたりする。
最終更新:2011年08月06日 10:30