【穢体(えたい)】

胎生・卵生・湿生・化生によって世に生まれる含生のものたち(生物)は生きてゆくために、神々とは異なる清らかではない行動を取らざるを得ないことが発生するため、肉体そのものが穢体であるともされる。穢れは泥とも表現され、「生死の泥」とも称される。


【罪垢(ざいく)】

肉体や魂が黒気の過多によって穢れること。「垢の穢」(あかのよごれ)とも称される。盆血受肉の際に、人間の肉体に罪垢が多いか少ないかはあまり妖怪たちにとって問題にはならない。むしろ罪垢が多いことは、人間の側が魔物・妖怪の身に堕とされる際のおもりとなって作用をして来る。

罪垢は、穢体のように生まれたときから存在する避けられぬものではなく、個々人が意思によって導き出してしまった三毒(瞋・貪・痴)に基づく。そのため「垢の穢」は「三毒の泥」(無明三毒の泥)とも言われる。生死の泥にさらに三毒の泥がうわぬりされることにより、穢れが増してゆくわけである。

 生死の泥   穢体   赤忌・黒忌 
 三毒の泥   垢の穢   黒気 

含生のものたちではない植物や万草たちは、その体に生死の泥や垢の穢がないとされる。 特に蓮は、泥に生じるも泥に染まらず育ち咲くところから清浄なものとされる。

最終更新:2023年12月17日 01:32