ノルフェルト王国国王とその妃の第一子として生まれる。他に兄弟が生まれなかったため、唯一の王位継承者としてノルフェルト中から大切に育てられるが、当の本人は虚弱体質で、医者には長生きできないだろうと言われていた。喘息を患ったり些細なことで発熱したりしていたため、7歳ごろまでは一年の半分以上をベッドの上で過ごし、王城からほとんど出られずに育つことになる。
7歳を過ぎた頃から徐々に発熱する回数は減っていくが、体が弱いことには変わらず、武芸も学問もなかなか身につかない。周囲はあえて何も言わずに見守ることにしていたが、唯一の王位継承者としての圧力を全身で感じ取ってしまっていたために、常に萎縮した状態。
当時はまだ
レーヴ家の当主がエリーサベタ女王であり、エリーサベタ女王に傾倒していた父王が元気溌剌なエリーサベタ女王の孫である8兄弟たちと親しく交わるようシモンをけしかけ、8歳ごろから少しずつ
エーデマルクへ連れ出すようになる。しかし、全員が健康体でそれぞれが各方面に才能を発揮して自由に過ごしているレーヴ兄弟を前に、精神的に完敗。挙句の果てに、
グスタヴや
マックスといった年の近い王子たちが二大やんちゃ王子で暴れん坊将軍だったため、
グスタヴや
マックスは一緒に遊んでいただけのつもりだったが、シモンとしては何となくいじめられていたような記憶が残り、これでもかというほど仲が悪くなった。唯一シモンにも穏やかに接していたのが長子の
テレサで、テレサの細やかな気遣いに淡い初恋をする。
エリーサベタ女王が退位し、息子のグスタヴ1世が即位すると、グスタヴ1世がノルフェルトに不利な政策を次々と打ち出してきたため、エーデマルクとノルフェルトの仲が急速に冷え込む。シモンがエーデマルクの宮殿へ赴くこともなくなる。
13歳の時、ノルフェルトとエーデマルクが一触即発の状況に陥る。この時エーデマルク議会が内戦を危惧して和平を模索、レーヴ姉妹のうちの誰かをシモンに嫁がせることを提案。グスタヴ1世はこれ幸いとばかりに優秀な長女を追い出そうと考え、
テレサを当時交際していた恋人から引き離し、6歳もの年の差を無視して強引に婚約させる。余談だが、この時第一候補だったのは1歳しか年の違わない
ハンナだった、
ハンナの気の強さではシモンをフルボッコにしかねないと思った周囲が総出で止めた上
ハンナの王位継承権が低かったので廃案になったが、今となっては誰もがこういう結果を迎えて良かったと思っている。
成長期を迎えてどうにか安定した体調を保てるようになり、18歳の時ノルフェルト王として即位。同時に、契約どおり
テレサを妃として迎える。当初は、
テレサには別の恋人がいたことやエーデマルク議会に決められた政略結婚であることを思うと、初恋の相手であり今でも憧れの存在であったからこそなおのこと、
テレサに対して遠慮がちに振る舞っていた。しかし、
テレサの方が自らシモンに歩み寄り、強がってはいるが本当は繊細なシモンの性格を見抜いて、シモンを支え、寄り添うようになる。あっと言う間に
テレサにのめり込む。こうしてノルフェルト全体が
テレサに乗っ取られていくが、彼女がノルフェルトを悪いように扱うわけでもないので、見て見ぬふりどころか、現在半分政治を委ねてしまっている状態。
同時期、
スオラ内戦が勃発する。
テレサが手を出さないように言うので、沈黙を保つ。
19歳の時、
テレサが一人目の娘を出産。目の中に入れても痛くないと思うほど可愛がる。エーデマルクは内戦でめちゃくちゃだったが、ノルフェルトはロスバリ家の存続決定を心から喜んでお祭り状態になる。平和。
20歳の時、グスタヴ1世が死に、
ヘンリクがエーデマルク王に即位する。
テレサは弟を案じてエーデマルクに里帰りをしたがったが、ちょうどその時2人目の妊娠が分かったので、母子の安全を考えて戻らないよう懇願。さすがに子供の命には代えられないと思った
テレサは了承。エーデマルクの宮殿がどんどん荒廃していくが、翌年またもや健康な王女が生まれたので、ノルフェルトの民が歓喜で沸く。お祭り状態になる。平和。
生まれたての第二王女を連れて
テレサがエーデマルクの宮殿に駆けつけ、エーデマルクの惨状を
テレサからの手紙で知ったシモンは、一瞬この隙にエーデマルクへ攻め入りスオラとノルフェルトでエーデマルクを挟み撃ちにして連合王国の覇権を握ろうかとも考えたが、
テレサの嘆願に負け、ノルフェルト議会を抑えてさらに不動の態度を続ける。のちに、エーデマルクが潰えればスオラを裏で操っているビス連やエーデマルク本体を狙っている
クォーテラに連合王国全体が破壊されかねないと悟り、連合王国の大局を考えてエーデマルクの支援を決意。
グスタヴ2世が即位し、娘と
グスタヴ2世を連れて帰還した
テレサにエーデマルクへの資金援助を懇願されるが、シモンは渋るふりを見せながらも心の中では快諾。
グスタヴがシモンに頭を下げたのもちょっと気分が良かったらしいが、そういうことを言うとまた
テレサに叱られるので我慢。
テレサをノルフェルトに返してもらうことを条件にエーデマルクへの援助を続け、
スオラ内戦の終結を見る。
現在、2人の娘たちを溺愛しつつ、
テレサの日々大きくなっていくお腹を眺めて、3人目はそろそろ男の子が出てきてもいいな、などと能天気なことを考えながらノルフェルトの王城で暮らしている。平和。