概要
当記事ではユピトルが有する諸星系と行政区分、主要都市についての記録を纏める。
主な領有惑星・衛星
本項で述べられる諸星系の中で、連星系を形成する恒星については番号を定めている。また、それぞれの周囲を公転する諸天体を別途カテゴライズした(例:a2の最も近い位置に存在するグランドルは2番星の第1惑星となる)。正式に領有する6星系のうち、最も発展しているのがエールミトナ星系で、現在も集中的な投資が行われている。近年、発達したテラフォーミング技術によって更なる居住領域の開拓を可能とした。しかし、国内外の防衛にリソースを割かれており、後回しにされているのが現状である。
エールミトナ星系
G型主系列星エールミトナ(黄色矮星)を中心に9つの惑星が公転する。現在、最も開発が進む中心星系であり、学園国力の実に75%を占めている。人口の8割以上がこの星系内に集中することから、段階的に移住させる計画が本格化した。首都星である第3惑星ロヴィンエルナは始祖来航の聖地とされており、数千年にも及ぶ長い歴史を誇る。次いで第4惑星ツォルマールに重要拠点が集中するが、
セクター・イドゥニア大戦の激動期に焦土と化した。近年、新たな開拓地として発展する第2惑星シェルドテラックは解放されたドロイド達の楽園となりつつあり、高度な自治権を確立している。遠古代に到達した超新星爆発の余波で、星系内空間の広い範囲に散光星雲が形成された。当該空域に点在するそれらの残骸は貴重なエネルギー源として重用されており、また、適合中継システムなど星系内のあらゆる交通機構にも組み込まれている。
▲第1惑星ユミルレンデル
公転周期は161.3日。恒星エールミトナから最も近い位置を公転する。岩石惑星。古くから採掘拠点として利用されてきた歴史があり、地下深層エリアにおいて広大な都市区画を有する。同時に隔離惑星として機能することから、
平和権利条約の締結以前は多くの政治犯が収容されていた。
文明共立機構が発足して以降は、より過酷なマルステイナの開発が推し進められ、隔離惑星としての地位を失う。そのため、三大学区による大規模な区画整備が実行された。共立公暦1000年現在は、余剰エネルギーの備蓄を担う発電惑星として重用される。
▲第2惑星シェルドテラック
公転周期は284.6日。共立公暦859年にテラフォーミングを開始。同885年に第1フェーズを完了した。岩石惑星。ユピトルが領有する居住惑星の中では最も早いペースで移民計画を推進している。製造後、新たに公民権を得た2型アンドロイドの受け入れ先として指定された。主星エールミトナと距離が近いために非常に高温であり、依然として不毛な砂海が広がるものの、多くの移民にとって快適な都市環境を実現している。また、環境制御を司るリズミカルパネル(令咏術式パネル)の改良から着実に緑化のペース(第2フェーズ)を速めた。
▲第3惑星ロヴィンエルナ(首都星)
公転周期325.1日。地球とよく似た環境を持つ。準海洋惑星であり、
武装赤軍の移民船が来航した頃には既に居住可能となっていた。中経度に広がる大海(中央洋、または内海)では肥沃な島々が点在し、古くから大陸間における貿易の要所(神バイオーム)として発展した。少し離れた位置に広がる、南北の大陸では豊富な鉱物資源が取れるため、宇宙船の強化装甲など様々な用途に応じて加工される。西側の四大陸においては不毛の黒原地帯が、東のナハルドーラ大陸は縦方向に伸びており、獰猛な肉食森林で覆われた。古代文明の名残で多数の地下都市が連結し、複雑な交通網を形成している。宙域外縁にて公転する3つの巨大ガス惑星が防波堤となっている関係から、隕石による破滅的な巨大生物の絶滅を免れてきた。そのため、害獣による被害が後を絶たず、度々地上軍による掃討が行われている。
▲衛星ユピトリー
第3惑星ロヴィンエルナの周囲を公転する。直径約3500kmの小さな衛星。今日のユピトルにおいては旧暦時代の遺跡を改装し、再利用する形で稼働している。
また、公共の巨大造船所を始め、多くの軍事コンビナートが建設された。
学園の生産体制を支える重要拠点の一つとなっており、当然のことながら物々しい数の
平和維持軍が駐留する。
地下に複数の都市区域を擁し、長い年月をかけて発展させた。
▲第4惑星ツォルマール
公転周期325.1日。首都星ロヴィンエルナに次ぐ規模の人口を擁する。旧暦時代における移民船団(武装赤軍移民船団)の入植から、多くの外惑星系人類が定着した。長い時をかけて徐々に惑星環境の改造を重ねてきた歴史を持ち、現在は首都星ロヴィンエルナに次ぐ主要惑星として栄える。その性質上、凶悪な動植物の類は存在せず、入植民による新たな楽園として発展した。共立公暦の半ばから海洋面積比率が50%を突破し、準海洋惑星にカテゴライズされる。
▲第5惑星セトルティラト
公転周期は446.2日。岩石惑星。外縁の大型惑星が飛来物を吸収し、防波堤となっている関係から、異様なまでの平らな光景が広がる。高低差は殆どなく、一面灰色の砂粒で覆われた。セラズロイ鉱石を始め、豊富な天然ガスハイドレートを含む。そのため、採掘基地の建設が進んだ。エネルギー問題を解決して久しい今日では学園系列企業によるテラフォーミングが進んでおり、僅かながら緑化している。この他、多くの学生部隊が駐留し、平和維持軍による演習も盛んとなった。以上の性質から、一般国民の入域を殆ど認めておらず、厳重な警戒区域として指定される。
▲第6惑星トールシルス
公転周期は6.8年。巨大ガス惑星。第8惑星ゲフレイバールに次ぐ規模の質量を持ち、隕石などの脅威から内側を守る重要な防波堤となった。主に水素やヘリウム、微量のメタンなどから成り立ち、分厚い大気で覆われるが、
セクター・イドゥニア大戦に由来する工業船の自己修復の過程で大量のガラス片が散らばり、幾層もの巨大な輪を形成している。更に時が進む中で、それらの残骸に更なる反応が加えられた結果、今日、見られる暗い赤茶色の雲を帯びるようになった。その性質上、惑星上層においてすら毒性の風が吹き荒れるため、開発を後回しにしてきた経緯がある。共立公暦1000年現時点においては、複数のサルベージプラントが周回し、一部職員が駐在するものの、その環境難度の高さから未だ具体的な開発計画の目処は立っていない。
▲第7惑星グロノスーラ
公転周期は13.9年。巨大ガス惑星。主に水素やヘリウム、微量のメタンなどから構成される。また、ほぼ同程度の硫化水素を含み、白に近い黄色の大気を纏った。他のガス惑星と同じく、過酷な環境であることには違いないものの、惑星上層から低軌道に位置する空域では比較的安全な航行を可能とし、中継ステーションを始め、複数の防衛要塞が周回している。主に外からの飛来物に対する防波堤の一つとしても成り立つため、安全保障上、重要な防衛目標とされて更なる軍事化を遂げた。
▲第8惑星ゲフレイバール
公転周期は33.8年。エールミトナ星系においては中心星に次ぐ規模の質量を持つ。巨大ガス惑星。水素やヘリウムを主成分とする分厚い大気に覆われ、微量のメタンを含む。また、ほぼ同程度の水(エタノール等)が存在し、表層にアンモニア、フェノールフタレインを含むことからワインレッドの色を帯びた。そのため、一部からアルコール惑星の異名で親しまれており、実際に分離システムを備えた複数の自動工場が設置されるなど、ユピトルの醸造史に大きな影響を及ぼしている。空域戦略上、平和維持軍の拠点としても重視された。
公転周期は80.1年。旧暦時代に成立したセトルラームの政策で多くの犯罪者が移送された。巨大監獄惑星。全域が分厚い氷で覆われ、手に負えないキメラ生物の隔離実験場としても利用される。また、上空に7基の空中要塞が存在し、更に学徒艦隊隷下の星系軍が駐留することから実質脱出不可能とされた。共立公暦950年。学生理事会による行政改革の中でジベルス連合管区が成立。監守長と主任受刑者が協力する究極のディストピアが形成される。更に時代が下ると、権力基盤を固めた系列企業によって更なる開発が進められた。
ネルトヴィンリル星系
F型主系列星n1(ネルトヴィンリル1)と2つの赤色矮星(n2.n3)、K型主系列星(n4)からなる。4連星系。複雑な軌道を描く不思議星系の一つであり、居住に適さないが、宇宙新暦1500年代当時、政治的プレゼンスの誇示に躍起になっていたセトルラーム政府の威信をかけて開発が進んだ。その後は帝国艦隊との戦いで疲弊し、長らく荒廃していたが、同4500年代初頭にセトルラーム艦隊が帰還すると中継拠点としての価値を見出され、急速に復興が進んだ。4600年代に勃発した独立戦争においてユピトリー艦隊がこの宙域を奪還し、更なる要塞化を遂げている。共立公暦1000年現在は、全土が平和維持軍によって守られる。
▲4番星第1惑星ブラムスティ
ネルトヴィンリル星系において最も開発が進む。n4の周囲に付随する唯一の天体であり、岩石惑星に分類される。
他の星系同様、度々帝国遠征軍の脅威に晒されたが、最も被害の程度が深刻で長らく停滞の極みにあった。現在はガルグ・ヴェルノー及びセドルナの二大学区によって治められる。
ジェクステルナ星系
K型主系列星(橙色矮星)に分類されるジェクステルナを中心に五つの惑星が公転する。第2惑星を除く全ての天体が不毛なガス惑星であり、長らくスペースコロニーのみの開発に留まっていた。共立公暦831年。テオトラ研究協定に基づいて本格化したテラフォーミング計画においてアルソレイムの緑化を加速させた。同888年にフリートン財閥が生化学拠点を設置してからは急速に人口を増やし、エールミトナに次ぐ規模の主要星系となった。共立公暦1000年現在は全土に平和維持軍が駐留している。
▲第2惑星アルソレイム
共立公暦29年に復興を遂げた。ハビタブルゾーンから僅かに離れた内側を公転する。岩石惑星。ガス惑星に見紛うほどの分厚い大気を持ち、極めて高温であることから長きに渡って放置されていた。同797年。テオトラ研究協定の成立から技術革新が進むと、テラフォーミング計画を本格化。同831年。エールミトナの奇跡と称される高度成長期において、第1フェーズ(部分緑化)を完了する。その後、第2フェーズへ移行し、大気中に大量のリズミカルミサイル(生物凍化律動弾)を爆散させた。更なる光合成の促進を経て888年に全土のテラフォーミングを完了。共立公暦1000年現在はツォルマールに次ぐ主要惑星となっており、多数の自動コンビナートが集中する高度の生産拠点として栄える。
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最終更新:2025年03月03日 17:32