概要
歴史
新秩序世界大戦の終結以降、新たに独立したブラッド・コミュニティ(非属星系・海賊艦隊)の拡大は国際社会の秩序を揺るがす一大事項として受け止められた。時の列強国として、該当領域の平定を支援するツォルマリア(主権企業連合体)は国際共立監視軍を設立。同じく戦勝国としての存在感を高めつつあった
オクシレイン大衆自由国との連携を深める形で戦後情勢の安定化に注力したのである。一方、初期星間戦争の歴史から、軍事的余力を失って久しい
ソルキア連合は中立を維持。
新秩序世界大戦の終結まで静観を保ちつつ、段階的な人道主義の普及へと転じた。そのため、戦後政策においては消極的にツォルマリアを支持し、国際秩序の回復を優先したのだとされる。ツォルマリア、オクシレイン間における交渉の過程は戦後世界の在り方を巡る新たな冷戦構造を生み出した。しかし、そのような対立も戦争行動そのものを文化とする
ギールラングの脅威によって緩和され、世界は同国の暴挙を阻止する方向に傾いたのだという。一連の総力戦に伴う国民感情の悪化は主たる大国間の妥協を促し、平和維持を目的とする
文明共立機構(パルディステル国際平和権利条約)の成立へと繋がった。現行の共立三原則に関しては、
黒丘諸国を筆頭に改革の試みが継続。最高評議会においては現状維持を掲げるツォルマリア、セトルラーム、その他の独裁国との調整に苦心しているのが現状とされる。
主要各国の事情
近古代から宇宙新暦時代の初期にかけて、大規模な星間戦争を経験。
後の大戦においてカルスナードを下し、イドゥニア戦域に介入した。
星間機構亡き後の長い復興の歴史は、ツォルマリア人類にとって大きな教訓となり、内政不干渉を基軸とする穏健な国際秩序の形成へと転じさせた。
旧植民地諸国に対しては過去の圧政に対する精算など、戦後数世紀にわたる復興支援を継続。同時に軍事的な睨みを効かせるなどして各国間の妥協を促してきた経緯がある。
そうした活動を快く思わない勢力も存在し、その筆頭格であるオクシレインとの交渉に長い時を要した。
近古代から宇宙新暦時代の初期にかけて、大規模な星間戦争を経験。
時の
星間機構を相手に完全なる勝利を遂げたが、一連の戦いによる損失は以後数千年にわたる復興を強いるもので、激動する世界情勢に対し長らく中立を保つ要因となっていた。
そのため、係るツォルマリアの独立以降は消極的に彼らの共立構想を支持。戦後秩序を巡るオクシレインとの調整に協力してきた歴史を持つ。
ソルキアの活動は一貫して慎重に徹するものであり、時の世界情勢を見据えつつ、徐々に人道主義の普及へと外交の軸を傾けていった。
過去大戦から続く一連の総力戦を教訓として民主主義の普及を掲げた。
ツォルマリアが掲げる世界共立構想に対しては多分に中心史観的な要素を帯びており、独裁国の横暴を容認するものであると反発。
オクシレイン全体として
文明統一機構(星間機構)に類する試みとして警戒心を尖らせていたものの、他国の和平協調意識に影響されると共に外交利益の故に妥結を決断することとなった。
しかし、あくまでも国是は民主主義であるために共立三原則に対しては一家言を持つ。
戦時中、数々の戦争犯罪を積み重ねたセトルラームは、その蛮行を国際社会から咎められ求心力を低下させていた。
また、連邦国内においても厭戦感情が蔓延。労働者のストライキが頻発し、難しい舵取りを迫られた時のフリートン独裁政権は後に搾取の対象と定める敵国の併合をもって体制基盤の回復を目論んだのである。
しかし、そうした試みも結果的には失敗。ザルドゥル元帥率いる国軍主流派の離反をもって
ヴァンス・フリートンは自ら辞任せざるをえない状況へと追い詰められた。
以上の過程において、国際情勢におけるセトルラーム政府の態度は徐々に軟化していき、オクシレインに対しては民主化を、ツォルマリアに対しては共立構想への協力を履行する形で国家主権の喪失を回避した。
過去大戦において数多くの侵略を重ねた。セトルラームとともに戦犯扱いされる。
多大な犠牲に伴う厭戦感情の高まりは帝国本土においても例外なく波及し、イドラム2世による自主的な体制改革を余儀なくされた。
そうした活動は時の国際社会から一定の理解を得られるものであり、外国勢力の干渉を最小限に抑えてきた経緯がある。
ツォルマリアが掲げる世界共立構想に全面的な賛意を示しつつ、再戦を目論むセトルラームの独走を牽制。国際外交において守りを固める路線に転じた。
パルディステル共立憲章
共立三原則
共立三原則の適用には一定の柔軟性が求められるものであり、時代によって実行の解釈が異なってくることに注意しなければならない。
また、時代の変化に応じて柔軟に進化し続ける必要も認められることから、常に精査の対象となるわけである。
主権擁護 - Vindication of Sovereignty
- 共立機構は、領域主権を擁護する全ての文明社会に対し、相互不可侵を保障する。
主権擁護の原則は、その体制が自らの領域内で絶対的な権力を持ち、異界(他文明)の干渉を受けないという概念である。この原則は、星間関係における基本的な枠組みとして機能し、集団間の相互作用において重要な役割を果たしてきた。主権擁護の原則は、特定の集団が自らの領域内で自由に法律を制定し、政策を決定し、統治する能力を持つことを認めている。これには、集団が異界からの不当な干渉や圧力に対して抵抗する権利を持つことの保障も含まれた。この原則は、国際法の中でも特に重要な位置を占めるものである。集団の独立性を守り、星間社会における平和と安定を促進するための基盤となるからだ。
平和協調 - Cooperation with Peaceful Coexistence
- 共立機構は、世界平和のために団結する全ての文明社会に対し、独立の権利を保障する。
平和協調の原則は、星間社会における紛争を平和的に解決し、勢力間の協力を促進するための理念である。この原則は、国際法や国際機関を通じて、文明が互いの主権を尊重し、対話と交渉によって問題を解決することを奨励した。平和協調は、
共立機構の活動の核心であり、紛争予防、紛争解決、平和構築のための国際的な枠組みとして機能する。この原則は、国際社会が直面する複雑な課題に対処するために、勢力間の連携と協力の重要性を強調した。また、平和協調の原則は、星間関係における紛争の予防と解決に向けた勢力間の協力を促進するための重要な枠組みであり、今後も星間関係において中心的な役割を果たすことが期待される。
内政不干渉 - Nonintervention on Domestic Matters
- 共立機構は、自らの体制に責任を持つ全ての文明社会に対し、内政の自由を保障する。
内政不干渉の原則は、集団が自らの内政において最高の権力を持ち、不当な干渉を受けないという国際法の基本原則である。これは、各国・関連組織が自らの政治体制、法律、政策、文化などを自由に決定し、実行する権利を保持していることを認めるものである。この原則は、集団主権の重要な側面を形成し、星間関係における平和と安定を維持するために不可欠とされた。しかし、人道的介入や基本権の保護など、特定の状況下でこの原則が相対化される場合も想定される。星間社会が直面する複雑な課題に対処するためには、集団勢力の責任ある統治が重要であり、内政不干渉の原則は、その基盤となることに期待された。
内事外交権
共立機構に加盟する各国は同じ加盟国に対して独自の経済制裁を化したり、取引の在り方を取り決める権利を持つ。
ただし、実質的な軍事行動などは禁止されており、相互不可侵を徹底しなければならない。
この一連の規定は、三原則のうち、主権擁護にあたるため、これを守らせるために
平和維持軍の創設が明記されている。
オブザーバー勢力
オブザーバー勢力とは、共立社会において主権を認められない被保護集団を指す。
三原則の履行能力をはじめ、特定勢力への従属が疑われるケースにおいて審査対象となり、賛成多数をもって指定可能とされた。
基本的には星間関係に耐え得る法制度の有無と、勢力情報の内容(中身)を問うものである。
また、その批准要件を満たすには国際通念上の承認を得なければならず、度々再審の議題に挙げられた。
主権の在り方を巡る議論
国際法と星間関係の観点から、従属勢力と見なされる集団の投票権を奪うことは、その集団の主権と構成員(民)の自決権に関わる重要な問題として受け止められる。共立時代においては、すべての勢力は平等であり、その主権を尊重する建前で一致しているからだ。従属勢力であっても、その集団が一定の合意に基づいて自立に足るものと認められる限り、国際的な議決において投票権を持つべきとの見方もある。しかし、実際には、国際政治においては力の不均衡が存在し、特定勢力の影響下にある集団が自らの意志を完全に表現できないケースも指摘された。そのような状況は、星間社会における共立と正義の原則に挑戦するものと見なされる。
「従属勢力」として見なされる集団の投票権を奪うことは、その集団の価値観を否定し、星間社会における該当集団の地位を低下させる行為となりかねない。そのため、国際的な議決を得る過程で、すべての集団が公正に扱われ、安全に意思表明できる体制を整えていくのが重要とされる。共立公暦1000年時点で、
共立機構の長を努める
メレザ・レクネールは、次の見解を示した。「力の不均衡を是正し、すべての勢力が平等に参加できるようなシステムを目指すべきです」。このようなアプローチは時に理想論として非難されることもあるが、持続可能な平和と協力を促進するために支持する動きも見られた。
従属勢力の定義
従属勢力とは、ある国や勢力が他のより強力な国や勢力に依存し、その影響下にある状態を指す。この関係は、政治的、経済的、軍事的な側面を持ち、従属する側は支配する側の意向に従う傾向が強いとされる。
従属勢力は、自らの意志よりも支配勢力の意向によって行動することが求められることがあり、その自立性は限定されることが特徴となる。
このような関係は、国際政治や歴史の文脈でしばしば指摘され、正規加盟(=議席保持)に関する共立機構(代表総議会)の審査条件とされた。
連合帝国全体の総意として外交権を縛られており、独立権の有無が疑われる。
指摘事項:「国際政治において、植民地やダミー国家を独立国家として偽装し、国際的な投票において多数を得ようとする大国の行動は、主権の概念と国際法の精神に反するものです」
補足事項として、連合帝国全体としての意思表明(議席保持・投票権)は一国単位として認められることに注意しなければならない。
外事外交権
外事外交権とは、共立圏外との外交に関して
文明共立機構最高評議会が担うことを明記している。
全ての加盟国は共立憲章の規定に反して当該文明に対する独自の外交接触を行ってはならず、自制しなければならない。
一方、この一連の規定は代表総議会の意思決定権を保障することから、最高評議会はこの決定に従って交渉を行う。
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最終更新:2025年03月25日 17:55