『カスJK沙都子と梨花の昆虫大戦争②』
♪国枝のテーマ
教室
国枝「あんさぁ……女の悲鳴って、もうソプラノの域だよな」
男子A「語彙がTikTokのコメント欄」
男子B「“うるせぇ”って言えよ」
国枝「通訳助かる〜。お前もう俺の字幕担当な?」
国枝「さっきもさ、安住のブ……いや自主規制。ちょっと“俺のペット”見せただけでギャーギャーよ?」
国枝「芸術理解できねぇ層っているよな!」
男子B「悲鳴あがるペットって何だよ」
男子A「見せたそう」
国枝「お、先読み王。お前ネスと一緒にスマブラ出ろ!」
国枝「見てくれよぉ〜俺の『みみりん』♡ 今日も機嫌わるかわい〜w」
男子A・B「」
周囲「」
クラス中「」
国枝が得意満面で取り出したのは、虫かごに入ったオオスズメバチ。
命名、『みみりん(笑)』
沙都子「いやぁあああああああああ!!!ガチ無理ガチ無理ガチ無理!!!」(演技ではないガチの悲鳴)
梨花「は?!は?!はぁ?!死ねよ!!いや死ねよ!!!」(暴言のようで正論)
周り「頭おかしい!!」「精神科案件!!!」「退学RTA始まった?!」
国枝「〜♪(悲鳴を聞いてオーケストラ指揮者ムーブ)」
男子A「お前マジで何のつもり?」
国枝「エンタメやけど?授業より有益」
男子B「自己評価だけNASDAQ」
男子A「つかマジ死ねよな!?」
国枝「え?」
男子A「マジ死ね!マジ自殺!!ふっざけんな!!とっとと親から虐待されろや!!」
国枝「あーはいはい。おもろ。ウケるわ」
国枝「……そんなにみみりん見たい?需要高〜w」(中身を開けようとする)
男子A「ごめんなさいごめんなさい!!!」
男子B「調子乗りました!!!すみません!!!」
沙都子「ほんとすみません!!何でもしますから許してくだひゃい!!!!」
みみりんという名の最悪マウント装置により、事実上クラスを掌握した国枝。
その後、調子に乗らない理由がなかった。
◆
先輩「よう国枝〜部費消えたんだけどお前知らね?」
国枝「知ってますよ?サユリ観たかったんで使いましたw おつりは捨てましたw」
(カゴをチラッ…チラッ…)
先輩「……あー……お、おう。お前が元気ならそれでいいわ……」
国枝「理解ある先輩助かる〜w」
◆
3組男子「てめぇ国枝!!俺の美喜の胸にてめぇ──」
国枝「どした?ん?ん?w」
(カゴをスッ……)
3組男子「…………あー、レバニラ食いてーなー今日」
国枝「鉄分大事だからね~~www」
◆
優子「……国枝くん、ちょっとさ──」
国枝「ほれぇっ!!!」(勢いだけでカゴ持ち上げ)
優子「ヒィッ!!!!!!!」
国枝「嘘ぴょ〜ん。本物は教室で〜すw」
優子「ぁ、ぁぁ…………はぁ、はぁ……」
国枝「委員長〜鼻血出てるわよ?wwww」
優子「ィッッ…………」
………
……
…
◆
放課後
優子「……マジさ、梨花ちゃまどうにかしてよ……」
梨花「自殺させりゃいいだけじゃん」
優子「あんな猿が屋上行けるわけないでしょうが!!!……ほんと笑い話じゃないんだって。お願い……」
梨花「……まぁ確かに目障り度はカンスト」
梨花様、ついに動く
梨花「おいガチャ歯」
沙都子「お?どしたどした〜?」
優子「…………(……w)」
梨花「あれ。例のカゴ」
沙都子「……」
梨花「どうにかして」
沙都子「どうにかって何」
梨花「存在ごと無効化。殺虫剤はあんたのドンキ香水使えばいいでしょ」
沙都子「はぁ??!!」
梨花「大丈夫。刺されてもよく揉めば治るって。アナフィラキシー療法ってやつ?知らんけどさぁ」
沙都子「ざけんな!!!絶対やだ!!!!お前がやれよバカ!!!!」
梨花「……あーあー。そう出る?」
梨花「『あのこと』、バラすよ?」
沙都子「チャレンジこそが人生だよね〜……!」(震える手でカゴへ)
優子「……いや、どんな弱み握ったの?」
梨花「え? さぁ? 適当に言ってみただけ。思い当たる何かがあんじゃないの?」
優子「……さとっちバカすぎる……」
◆
翌日
国枝「おはちるわ〜」
国枝「あ」
机の上。
無惨にバラされた“みみりん”。
アタマ、ムネ、ハラ(分類が雑)にコンパスがブスブス。
メモ『お裾分けです……。😂』
梨花「いじめかな?」ヒソヒソ
沙都子「ハチミツ臭しそう」ヒソヒソ
クスクス
国枝「……」
国枝「……この、この俺様をよくも……」
国枝「きぃっもちわりぃんだよ!!!!!!」
国枝大激怒。
素手でそれらを掴んで窓に投げ飛ばす。
梨花「うお!?すげっ!!」
沙都子「陽キャ過ぎんだろ?!」
国枝「出てこい!!!出てこいや犯人!!!このユーモラス国枝様に喧嘩売るとか命知らずか!!!」
男子A「国枝!!大変だ!!」
国枝「ぁああん!?今それどころじゃねぇんだよ!!!」
男子A「他クラスがお前の真似してんぞ!!!」
国枝「……は?」
1組、3組〜5組もまた、国枝に対抗してスズメバチをクラスで飼育し出したのだ。
嗚呼、みらい高(偏差値21)の戦禍。
偏差値21による意味のない軍拡競争──
“みらい高冷戦時代”
静かに開幕。
◆
ブォン、ブンブン……
3組男子「あ、国枝さんこんちゃっす!w」
4組男子「俺らのハチ“毒抜き”なんでw 安心して触れ合ってくだせぇw」
5組男子「あれ?国枝ちゃん具合悪いん?wどした?俺らのハム太郎みる?w刺されたら癒されるよ?www」
国枝「……」
男子A「……」
男子B「なんてか、つれぇわ」
男子A「何が」
男子B「わかんねぇけど。本能寺の変な気持ち」
男子B「……イミフだけどな」
三人「…………」
国枝「……俺の」
男子A「え?」
国枝「俺の親父は2500万だぞ……国会議員だぞ……領収書含めたら5000万超えなんだぞ……」
男子B「……おいって」
国枝「テメェらの“ただ金持ってるだけの親”とは違ぇ……市民から選ばれた人間だ……」
国枝「……パクリ罪、許さねぇ……許さねぇ」
国枝「俺の底力見せつけてやるッ……」
翌日。
2組の教室前。
ヘラクレスオオカブト10匹入り巨大ケース。
カサカサ……
女子A「キモイキモイキモイキモイ!!!!」
女子B「ムリムリムリムリ!!!!帰る帰る帰る!!!!」
男子A「でっか!!!!」
男子B「画ヂカラ強すぎ!!!!」
国枝、仁王立ち。
国枝「これが俺様の“財テク”ってわけよォ〜〜〜〜wwww」
男子A「さすが国枝様!!!!」
男子B「生態系トップ層!!!!」
国枝「これが『格』ってやつよ。蜂?あれ前座」
沙都子「ムシキング過ぎる……」
梨花「お前もお前でなんで語彙が平成?」
梨花「てか素朴な疑問なんだけど、餌どうすんだろ」
3組男子「……」
4組男子「……」
国枝「あるぇ?どちた?ぼっくんのムシがうらやまちかった?w」
3組男子「……行こうぜ」
国枝「くやちかったらお前らも買えば?たった25万じゃんw」
国枝「あ、もちかちて、お金ないのかしら?w」
国枝「じゃ裏技教えてあげるわよ?200円ある?」
3組男子「……」
国枝「セリアで虫かご買って網振れば“庶民虫”ゲットできるわよ?wwww」
3組男子「……今に見てろよ、裏金ドラ息子が」
国枝「はぁ〜〜〜〜〜ひw(生理中のルビーちゃんwww)」
◆
三日後
女子A「いやぁあああああああああああああああ!!!!」
女子B「殺人事件かと思った……いや無理無理無理無理!!!!」
沙都子「無理無理無理無理!!!!世界が虫寄りすぎる!!!!」
梨花「どう森のフクロウいる店やろもう」
一階廊下は地獄。
- 1組前→ハナムグリとカナブン10匹、雑にケース入り。
- 3組前→ガ7匹、なんか粉っぽい。
- 4組前→便所コオロギとアブラムシ。
- 5組前→なんかキモい謎虫(デカイ)。
カサ、カサ……
国枝「カリスマは常に追従者に困らされる……」
優子「いや死ねや!!!テメェが責任持って自決しろや!!!!(号泣)」
………
……
…
◆
最近、やたら自習。
黒板には「職員会議のため自習」
また自習。
また自習。
また自習。
沙都子「……いや会議、必要?」
梨花「虫の専門家でも呼んでる説w」
しかし皮肉なものである
あれからみらい高周辺の本屋では昆虫図鑑が消えた。
wikipediaの『昆虫の一覧』が急激にアクセスアップした。
虫の生育を知るため、映画など見れるはずのない人種たちが、スターシップ・トゥルーパーズやスパイダーマンを鑑賞した。
研究する者まで現れた。
男子A「これ蛹期間どれくらい?」
男子B「越冬ってなんだろ」
女子C「寄生ってなんだろ」
みながみな、『知識』を求めたのである。
国枝「なんか最近廊下臭くね?」
男子A「……」
国枝「ほら、あのかごの……」
男子B「見るな」
国枝「は?」
男子B「タブー」
男子A「触れたら負け」
国枝「……」
無論、誰も餌やりなどしないのだが。
こんな平穏が、いつまでも続くと思っていた。
それが、甘かった。
ある日……。
◆
梨花「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!」
沙都子「あああああ死ね死ねキモイキモイキモイキモイ無理ぃぃぃ!!!!」
優子「え?!梨花まで!?ど、どうし──」
優子「ひ────」
5組前
そこに、あの“謎虫”。
死んだと思われていた。いや、死んでいたらどれほどマシだったか。
そいつは――ケース内で、なんかめちゃくちゃキッショい繭みたいな塊を、ゴソゴソゴソゴソと量産していた。
優子「」
梨花「ぁぁ……ぁぁ……」
沙都子「」
三人、完全フリーズ。
脳内ブルースクリーン。
優子「……おいら、カルシファー。へへへ〜似てるでしょ?」
沙都子「わぁにてるにてる!すんごぉい!!」
梨花「さとこちゃん今の何!?夢グループの社長!?!?」
雑過ぎる現実逃避。
ゴソ……ゴソ……
ベニィチョォオオ……
そのとき。
国枝「わ、わ、わ、笑い飯〜♬」
国枝「……あ?」
全員「あ……」
カサカサ……
ィィイインビビィ……
国枝「うわきめぇ!!!!ぶっ殺す!!!!」
沙都子・梨花「あ」
ドゴォン!!!
短絡なお猿さん、カゴを全力キック──。
バリィン!!!
割れるガラス──。
飛び散る中身──。
悲鳴──。
青春──。
開戦である。
カスJK沙都子と梨花の昆虫大戦争②
終
(※臨時休校になりました)
最終更新:2026年02月26日 21:19