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名前に関する考察
主要なリスナーのネーミングとモチーフ
主要キャラクター(ネタ職人たち)にはモチーフとして動物が設定されているようで、モチーフの動物の名前がキャラクター名に含まれていたり、外見や小物などに反映したりすることがある。
ラジオネーム(RN)や人物名のネーミングについて、作品内でも作品外でも、あるいは作品内の理由(作品内のキャラがどうしてそのラジオネームを名乗ったか)でも作品外の理由(作者のヤマノエイ氏がどうしてそうネーミングしたか)でも、(おそらく)明らかにはされていない。
ここでは、そうしたモチーフやネーミングについての推測・憶測について記す。作中で明らかになった確定事項は、
登場人物 のページへ。
森にふくろう(森ふく)/梟森未明
モチーフとなる動物はフクロウ。その仲間(フクロウ科の鳥。ミミズクなど)も含んでいるようである。フクロウの仲間の中には、羽角(うかく)と呼ばれる、「耳」や「ツノ」のように見える羽毛をもつものがあるのだが、ミメイには羽角のような癖毛がある。超デフォルメ時にも、羽角が特徴として残されている。フクロウは夜行性であり、深夜ラジオを題材とする作品にふさわしい動物と言える。なお、フクロウは神話などでは知恵の象徴としてイメージされる動物であり、成績優秀なミメイと重なるかもしれない。
RN「森にふくろう 」は、作品内的にはシンプルに苗字をひねったのものと見ることができる(ひねった……と言うにはひねり切っていないところがミメイらしい)。メタ的には、ふくろうモチーフが先に立って名前とラジオネームが設定されたのではなかろうか。「森のふくろう」でないのは、上方に「森乃福郎」という落語家がいるからかもしれない。当代(2代目)の師匠に当たる初代森乃福郎(1935~1998)は、テレビのワイドショーやラジオ番組で司会を務めたほか、俳優・漫談など各方面で活躍した。バラエティ番組の司会を務めた芸人(落語家)の草分け的な一人である。
うなぎポテト(うなポテ)/水尾海月
モチーフとなる動物はクラゲ。髪型がクラゲを思わせ、後ろ髪が「足」(生物学的には「口腕」という)、ほつれ髪が触手のようなラインを描いている。極端にデフォルメした際には、クラゲのシルエットに表情を付けて描かれる。クラゲはすべてが夜行性というわけではないが、水族館などでは暗い環境下で展示されることが多い。海"月"という漢字表記もあり、「夜」のイメージと結びつきやすいかもしれない。
「うなぎポテト 」というラジオネームは、ことわざ(慣用句)「山の芋が鰻になる」に由来すると推測される。「山の芋が鰻になる」とは、「あるものが別なものに変化する」「起こるはずのないことが実際に起こる」あるいは「意外な出世をする」といった意味の喩え。ヤマノイモとウナギはまったく別物のようではあるが、細長く、ぬめりがあり、「精がつく」とされた食物という点では共通性がある。なんならヤマノイモは「山の鰻」とも言われる。
"potato" はジャガイモを指し、広くはサツマイモ(sweet potato)も含む。ヤマノイモは英語で "Japanese yam"。ヤマノイモとジャガイモは植物学的にはかなり隔たりがあるのだが、ここは日本語で「いも」と呼ばれるもののわかりやすさを優先していると思われる。
作品内的には、由来を聞かれたくらげがボケで返した回がある。くらげがなぜこのラジオネームをつけたのか、本当の由来についてはストーリーが用意されている気配がする。
ラジオネーム(と下の名前「海月」)は、本作のプロトタイプと言える作品『金曜ミッドナイト・トーキング』 (以下「金ミド」。別項参照)のヒロイン「瀬尾海月」から受け継がれている。「金ミド」の結末は、リスナー仲間で密かに好意を寄せる女子が実は……という「思いがけない変化(正体開示)」によってカタルシスが生じるため、そのプロットから「うなぎポテト」がネーミングされたのかもしれない。ご存知のように、同じ展開は本作#1 ラジオネーム うなぎポテト でもあるが、本作はそこからストーリーが始まることになる。
なお「うなぎポテト」略して「うなポテ」の名で、 うなぎ入りのポテトサラダを出している居酒屋・料理屋もある。
バトルえんとつ(バトえん)
「バトルえんぴつ」(スクウェア・エニックスの商標)、通称「バトエン」が元ネタと推測されている。1990年代に発売された。鉛筆を一種のサイコロ代わりにして、側面に書いてあるメッセージに従うことで「バトル」ができる。
バットばつ悪/赤羽ナツ
モチーフとなる動物はコウモリ。コウモリの翼型のアクセサリー、コウモリの耳のような髪型など、コウモリのモチーフがちりばめられている。
名前のほうには「コウモリらしさ」が見受けられないが… あえてこじつけて探そうとすれば「羽」(翼、あるいは飛膜という)がある。アカコウモリ(英語名 red bat, 学名 Lasiurus borealis)という種もいて、アメリカ大陸に生息しており、その関係か米国のカートゥーンやイラストにはコウモリを赤系統の色で描かれることがある模様。
RN「バットばつ悪 」は、サンリオのキャラクター「バッドばつ丸」のもじりと思われる。「バッドばつ丸」は、あまのじゃくなペンギンのキャラクター。
「バット(bat)」はモチーフのコウモリに対応。「ばつわる」は「ばつが悪い」という言い回しと「ばつまる」の語呂合わせだろうか。
えびのおすし/海老奈朱里
モチーフとなる動物はエビ。名字に「海老」が含まれ、名の「朱里」もシュリンプからか。おさげ髪がエビフライを思わせる。デフォルメされるとエビフライ状になる。
RN「えびのおすし 」は、子供向けの防犯標語「いかのおすし」をもじったものと推測される。
冷やし中華の鉄人/狩野虎乃
下の名前にトラを含む。
1990年代にフジテレビ系で放送されていた料理対決バラエティ番組『料理の鉄人』において、番組側で待ち受ける中華料理担当者「中華の鉄人」と、日本の町中華を代表し家庭でもおなじみの料理の一つ「冷やし中華」を合わせたものだろう。悠久の歴史に絢爛たる宮廷料理、広大な領域に花開く四川・広東など多彩な料理文化……それら中華料理すべてのグランドマスターといった趣の「中華の鉄人」に、三文字加えるだけでずいぶん落差が生じる。
抜けないで二遊間→離脱しないで中継ぎ/城熊晋太郎
野球好きの人物であり、RNも野球に関連するネーミング。
「二遊間」は二塁手(セカンド)と遊撃手(ショート)の守備位置の間。内野の中でも間隔が広く、また打球がもっともよく飛んでくるとされており、二塁手と遊撃手の連携が重要な守備の要。鋭い打球がここを抜けるとセンター前ヒットとなる。彼の贔屓の球団は二遊間の守備が弱いらしく、祈るようなラジオネームだろうか。
#38 見てなね では、ラジオネームを「離脱しないで中継ぎ」に改めた。中継ぎ投手が離脱しがち、ということで、彼の贔屓球団は投手不足なのであろう…… 読者の中には特定の球団(たとえば自分の贔屓球団)を想像しちゃった人もいるとか。
苗字はシロクマ(ホッキョクグマ)。
球界で「晋太郎」というと、大阪桐蔭高校→阪神タイガース→MLB(アスレチックス、オリオールズなど)→横浜DeNAベイスターズの藤浪晋太郎投手が有名。
四畳半に8人
紙袋をかぶった謎の人物。ラジオネームの元ネタもよくわからない……お知恵を拝借したい。
「四畳半」は日本家屋でよくある間取りで、一人暮らし向きの「比較的狭い」、よく言えば「コンパクトな」部屋の代名詞でもある(1畳の大きさには関東と関西などの違いがある)。8人で過ごすのはかなり窮屈。
「立って半畳(起きて半畳)、寝て一畳」という言葉がある。どんな広い家に住もうとも、人間一人が一時に占めるのはせいぜい1畳である、よって、むやみに富を求めたり贅沢をしたりするものではない、という、身の丈に合った質素な暮らしを勧める教えである。ことわざの上では、立った状態の8人は四畳で十分に収まるが、寝ようとすると半畳余って4人あぶれる。なんともわりきれない中途半端な状態である。
恋のチューペット/鎌桐竜司
ラジオネームは「恋のキューピッド」のもじりだろうか。
「チューペット」はポリエチレン製の筒状容器に清涼飲料を詰めたもの。真ん中にくびれがある。夏場には冷凍庫で凍らせ、真ん中のくびれで切って2人で分けるなどする。好きな子と分けるという、小さな恋のシチュエーションもあるのだろうか。なお、「チューペット」は前田産業の登録商標であるが2009年に生産中止。類似の商品が各社から出ている。
モチーフとなる動物はカマキリ。カマキリの頭部を思わせる三角形の輪郭をしている。
「かまきりりゅうじ 」という名前は、工藤直子の詩集『のはらうた』に登場するカマキリのキャラクターと同姓同名。
『のはらうた』は国語の教科書にも掲載されることがあり、代表的な詩に「おれはかまきり」がある。この詩では、かまきりりゅうじが自分自身を力強く語り、「おれは げんきだぜ」と自信に満ちた姿を見せ、夏の暑さや生命力を象徴するような存在として描かれている。
『のはらうた』は、野原にいる生き物や自然のものたちが、それぞれ自分の言葉で詩を語るという形式の作品である。
超町長/猫田良介
苗字に猫を含む。
RNは「ちょう」を重ねた言葉遊び。彼が公務員であることから地方行政的なネタにしたともとれる。
携帯ゲーム『にゃんこ大戦争』には「超町長」という、蝶々?(蛾?)の姿をした敵キャラが登場する。説明文によれば「古代レピドプテラ地方に生息していた町長を超越したすごい町長さん。話が超長くてみんな超迷惑している。長時間におよぶ朝礼は夜遅くまで続く」という、「ちょう」を重ねた言葉遊び。『にゃんこ大戦争』の自キャラはにゃんこ(猫)である。
ノイズキャンセリングジャンキー(ノイキャン)/鷹山零時
苗字に鷹を含む動物ネーム。ネーミング含め、ミメイと対比的な設定であるという指摘がある(→登場人物#鷹山零時 参照)
「ノイズキャンセリング」は、イヤホンやヘッドホンなどで、ノイズ(周囲の雑音)を打ち消して低減させる技術。「余計なもの」を切り捨て効率を追究するという点であるとか、そのじつ高度な技を駆使している(周辺の音を瞬時に解析した上で逆位相の音波を発し、ぶつけることで双方の音を打ち消している)点とかで、キャラクターに似合ってるのかも。
グミはお菓子に入りますか?(グミおか)/綿貫もこも
「○○はお菓子に入りますか?」は、小学校の遠足などで「お菓子は○○円まで」といった制約が課されている場合に、「お菓子」というカテゴリに入るかどうか微妙なもの、例えばバナナが含まれるかを先生に尋ねる(あわよくばお菓子と別枠ということで持っていこうとする)セリフ。昔のアニメや漫画では、お調子者の男の子が発言する場面がよくあった気がする。
一般に「グミ」と呼ばれる「グミキャンディ」は立派なお菓子であろう。果実が食用となるグミ(胡頽子、茱萸)という植物もある…が、「もこもこグミ」という袋菓子を持って登場しているので、普通にグミキャンディが好物であってこちらでよいと思われる。
苗字の「わたぬき」に「たぬき」が隠れている。下の名前(もこも)は綿のもこもこしたイメージとの連想だろう。
髪型はロングヘア。全体はゆるく広がるようなシルエットで、毛先は大きく外側へ跳ね、いくつもの丸みのある束に分かれている。特に左右に広がった毛先は、ふさふさとしたたぬきのしっぽを思わせる形になっている。また、頭の上にはサングラスやメガネをかけているが、デフォルメされた際には、これがたぬきっぽいシルエットの耳の部分として描かれている。
ヘイトフルエイト/宮本英人
「ヘイトフル・エイト」はクエンティン・タランティーノ監督の映画(2015年公開、原題:The Hateful Eight)。舞台は南北戦争後間もない西部劇の世界。大雪でロッジに閉じ込められたワケアリの男女8人、そこで殺人事件が発生し……。軽快さと毒気とユーモアあふれる会話、そして過剰なまでのバイオレンスに満ちた、「タランティーノらしい」と評される作品。hatefulは「憎たらしい」「憎しみに満ちた」「忌まわしい」の意。くせの強すぎる悪人8人を指すとともに、彼らがぶつけ合う「憎悪」を表現している。
この作品には、ドラマさながらの制作経緯がある。タランティーノ監督が書き上げたばかりの脚本の草稿が外部に流出する事件が発生、信頼して草稿を渡した6人のうちの誰かに裏切られた形になった監督は、失意のうちに制作中止を発表する。一夜限りの朗読劇として上演することで気持ちに踏ん切りをつけるつもりが、この朗読劇が好評であり、脚本を書き直して制作することとなった。
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映画『ヘイトフル・エイト』予告編(シネマトゥデイ)
VIDEO
プロトタイプ「金ミド」の「宮元」から名字(ただし漢字違い)とラジオネームと職業(芸人)を引き継いでいる。
本作ではタランティーノ監督の『キル・ビル』をネタにした回もあり、ヤマノエイ氏はタランティーノ好きなのかもしれない。タランティーノ作品は登場人物の会話が特徴的であり、「しゃべり」を磨く芸人に通じる…かも。制作過程の監督再起の物語は「宮元」の再起の物語と重なる…のかもしれない。
下の名前「英人」は本作で設定された。メタ的にはラジオネームからの命名、キャラクター的には本名から「エイト」を含むラジオネームをつけたという設定になろうか。
動物名が意識されているならば、名前に「エイ」が入っているが、キャラクターデザインや小物などに特に反映はされていないので、偶然の一致かもしれない。
その他のリスナーのネーミング
物語上メインではないリスナーたち。ネタを作る上でご友人などの協力を得たこともあるそうなので、特定の実在の方とひもづいているケースもあるかもしれない。
丸い犬
#1 ラジオネーム うなぎポテト で登場。「丸い犬」で画像検索すると、「ビション・フリーゼ」という小型愛玩犬種の画像が出てくる。「パウダー・パフ」と呼ばれる綿毛のたんぽぽのようにまん丸いトリミングをするのが定番だそうで、丸い。
コメット
えびフィレオ許さない
#1 ラジオネーム うなぎポテト で登場。「えびフィレオ」は日本マクドナルドの登録商標で、バンズでエビカツを挟んだサンドイッチである。2005年に季節メニューとして販売を開始、のちにレギュラー商品となった。「バーガー」とは「ハンバーガー」の略、すなわちハンバーグをパン(バンズ)で挟んだサンドイッチであるので、マクドナルドでは挽肉を挟んでいないものをバーガーと呼ばずに公式にはサンドイッチと呼称している(もっとも、メニューではおそらくわかりやすさを優先し、バンズで挟んだものを「バーガー」としてまとめている)。
マクドナルドには「フィレオフィッシュ 」というメニューもある(アメリカで1961年に登場し、日本でも1971年の進出当時から販売)。「フィレ」(フランス語のfilet)は、三枚におろして骨を抜いた魚の切り身のこと。商品化した際に、英語のofのようでもありフランス語風にも聞こえる(カフェオレ Cafe au lait とかのオ(au)感がある)造語として "Filet-O-Fish" が命名されたとのこと。すなわちフィレオフィッシュとは「フィレ・オブ・フィッシュ」「フィッシュのフィレ」である。……じゃあ「えびフィレオ」の「フィレオ」とは何なのかと、このリスナーはお怒りなのかもしれない。日本のマクドナルドでは、間に揚げ物をはさんだ「バーガー」のいくつかを「フィレオ」呼びする運用のようであり、えびフィレオに先行してチキンフィレオ(2003年季節メニューとして発売開始)が売り出されている。
バンズにエビカツを挟んだサンドイッチ(ややこしいので以下エビカツバーガーと呼ぶ)は、1977年にロッテリア(現ゼッテリア)で売り出された「エビバーガー」が世界初であると言われ、モスバーガーの「海老カツバーガー」(1999年に季節メニューとして発売)などが続いて日本で定着した。マクドナルドの「えびフィレオ」はエビカツバーガー界では後発なのであり、世界を支配する巨大資本マクドナルド帝国(の日本法人)が日本の各社の工夫を真似してきたとも取れる。「絶対許さない」宣言をしているこのリスナーは、先行他社のエビカツバーガーのファンなのかもしれない。
加熱式ビスケットマン
#2 面白いよね で登場。
「加熱式○○」という言葉としては「加熱式たばこ」があるだろうか。紙巻きたばこのように直接火を用いるのではなく、専用の器具で加熱し、蒸気を吸引するタイプのたばこ。
ビスケットマンは、ジンジャーブレッドマンなどとも呼ばれる、人の形のクッキーのことであろうか。
次こそアジフライ
マエストロ中村
猫に5万
#2 面白いよね で登場。ことわざ「猫に小判」のもじり。
昭和の頃は放し飼いにし、人間の残りご飯を餌として与えるといった、比較的ゆるい猫の飼い方もあったが、現代では交通事故や感染症のリスク軽減・寿命延伸のために完全室内飼いが環境省や自治体から推奨されている。ちゃんと飼おうとすると、キャットフード代やトイレ周りといった日常必要な消耗品に加え、ときどき発生する医療費などなどで、結構お金がかかる。
一寸先はゴミ
もつ鍋持つな
#5 お揃い で登場。「もつな」を繰り返す言葉遊び。「もつ鍋」は鍋料理の名前であって調理器具「鍋」の種類ではないので、普通は「持つ」とは言わない。
増えるもずく
#18 被った のリアクションメール紹介で登場。理研ビタミンの乾燥カットわかめ「ふえるわかめちゃん」のもじりだろう。
ボビーホワイトデー
#18 被った のリアクションメール紹介で登場。日本では千葉ロッテマリーンズの監督(1995, 2004-2009)を務めたことで知られる「ボビー・バレンタイン」のもじりだろう。
二個下の先輩
#26 2人の世界 で登場。大学であれば、3浪して入学するなどする(ほかに、社会人入学など、同世代と違うタイミングで学び直しを志す)と先輩が2歳下ということがあり得る。職場でも先輩が年下ということはあり得る。
公的には学年や職歴の上下を優先するべきだろうが、年齢の上下も気になって、ちょっと関係の取り方が難しいかもしれない。このリスナーが投稿したネタで「ヤツ」と呼ぶのは、この「2個下の先輩」かもしれない。
ひらめきのトリ
#29 おいしさは愛 で登場。ラーメンチェーン店「キラメキノトリ」のもじりだろうか。こういう大喜利ではひらめきが大事である。
とろめの木馬
#32 大丈夫 で登場。「トロイの木馬」のもじり。とろい(遅い)のではなく、とろめ(遅め)なので、ちょっとは速い模様。
二階建ての平屋
#35 梟森未明のラジオデイズ① で登場。「平屋」は1層(1階建て)の建築物を指すので矛盾した表現ではある。古い日本家屋では屋根裏部分が大きいこともあり、居住空間としてリフォームして「2階」として使う例もあるとか。
ドキドキ縄文土器
ガス代払いたくない
文学部倒置法専攻
#36 梟森未明のラジオデイズ② で登場。大学の所属専攻っぽい名前。最近は大学の教育組織の再編がよく行われるため、「文学部」という名称自体、ちょっと伝統的な感じがする。伝統的な組織図では、学部の下に学科(文学科や哲学科や史学科、地理学科や教育学科など)が置かれ、学科の下に各専攻が置かれる。専攻に教員が一人あるいは複数人配置されて所属する学生を指導する。
文学部の学生はみんな文学をやってる(小説を書いてる)というのは誤解である。
「倒置法」とは文章の中の言葉の順序をわざと入れ替えることで印象を強める技法。それに特化した専攻というのはない。
今夜も秋ナス
#42 えらいこっちゃ で登場。「秋茄子を嫁に食わすな」から連想されたものだろうか。「秋茄子は嫁に食わすな」は、秋茄子のおいしさや嫁姑関係を題材にした、昔ながらのことわざ。秋茄子が非常においしいため、姑が嫁に食べさせるのを惜しんだという意味のほか、体を冷やす茄子を食べさせないよう妊娠中の嫁を気遣ったという解釈もある。いずれにしても、「秋茄子」はこのことわざを通じて「嫁」と強く結び付いている。
ここからはかなり深読みになるが、「今夜も秋ナス」には、本来「嫁に食わすな」とされる秋茄子を、嫁である投稿者が今夜も食べているという意味が込められている可能性がある。特に「今夜も」の「も」からは、普段から秋茄子を食べている様子や、それを食べさせてくれる夫の存在、さらには夫婦円満な家庭まで連想することができる。
投稿者は普通のお便り のメール内で「大瀬良君の同級生です」と名乗り、大瀬良が文化祭実行委員ではなかったことに加え、可愛い女子と一緒に準備をしたくて、頼まれてもいないのに荷物運びや設営を手伝っていたという具体的な過去まで知っている。また、小山が妻子持ちであることは、#26 2人の世界 でのトークで、大瀬良に子供がいることは#47 好きだな・・・ で明かされており、大瀬良にも妻がいると考えられる。これらを踏まえると、投稿者は高校時代から大瀬良を知る小山か大瀬良の妻であり、ラジオネームでそれとなく匂わせているのかもしれない。
狛井 素直は「月ミド」リスナーになるのか
狛井 素直 は、
#43 進化する日々 で登場した、「南高校」生徒会副会長を務める高校1年生。春から生徒会に入り、クラスでは体育祭で選手を任されるなど、周囲から何かと頼りにされている様子。
生徒会長のミメイを「何でもできる完璧な先輩」と強く尊敬しており、自身も彼のような存在になろうと努力している人物である。
ここまでは、ミメイに憧れる真面目な後輩として描かれている狛井。しかし、本作におけるこれまでの命名傾向を踏まえると、彼にはもう一つ別の役割が用意されている可能性がある。注目したいのは、名字に含まれる「狛」の字である。
「狛」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、神社の参道や社殿の前などに置かれる狛犬だろう。名字に直接「犬」の字が入っているわけではないものの、「狛」一文字だけでも十分に犬を連想させる。実際、作中のデフォルメ表現でも狛井は犬のような姿で描かれており、犬をモチーフとした人物と見てよさそうである。
同じような例として、コウモリをモチーフとする
赤羽ナツ がいる。ナツの本名にも「蝙蝠」という言葉がそのまま入っているわけではなく、「羽」の字からそれとなく連想させる程度に留められている。その一方で、ツインの角お団子のような髪型や、コウモリの羽を思わせるピアス、さらに英語でコウモリを意味する「bat」に由来すると思われるラジオネーム「バットバツ悪」など、複数の要素によってモチーフが示されている。
このように、本作では生き物の名前をそのまま本名に入れるのではなく、漢字の一部や外見、デフォルメ表現、ラジオネームなどを組み合わせてモチーフを表す場合がある。狛井も「犬」の字こそ入っていないが、名字の「狛」と犬型のデフォルメがそろっており、生き物にまつわる命名としては十分に当てはまる。
そして本作では、こうした生き物をモチーフとする人物が「月ミド」のリスナーとして登場する傾向がある。現時点で、狛井が月ミドを聴いていることや、ラジオネームを持っていることは明らかになっていないが、この命名傾向を踏まえると、いずれ彼もリスナー側の人物として加わるのではないかと考えたくなる。
もっとも、以前から月ミドリスナーだった可能性は、今のところあまり高くなさそうだ。ミメイがラジオの大喜利に投稿していると知った際、狛井は「意外な趣味っすね…」と反応している。少なくとも、尊敬する先輩にそのような一面があることは知らなかったようであり、自身が熱心なリスナーであれば、番組や投稿についてもう少し具体的な反応を見せても不思議ではない。
もちろん、ミメイが大喜利をしていることに驚いただけとも取れるが、すでに常連投稿者だったという可能性は低そうである。
むしろ自然なのは、
#43 進化する日々 でミメイの投稿について知ったことをきっかけに、これから月ミドを聴き始める展開である。狛井はミメイを「何でもできる完璧な先輩」として強く尊敬している。そのミメイが三年間も投稿を続け、何度メールが没になっても諦めずに挑戦していると知れば、彼の聴いている番組に興味を持っても不思議ではない。
最初は「梟森先輩が聴いている番組だから」という理由で月ミドに触れ、やがて番組そのものを気に入り、自分でもメールを送るようになる。そうした流れなら、狛井が今後リスナーとして加わる展開にも無理なくつながるだろう。
もちろん、「狛」という名字や犬型のデフォルメは、単に動物モチーフを示しているだけで、月ミドリスナーになることとは無関係かもしれない。それでも、生き物にまつわる名前を持ち、デフォルメも犬であり、さらに月ミドリスナーのミメイを強く尊敬し、その投稿活動まで知っている。ここまで要素が重なると、今後の展開を期待したくなる。
狛井がこのままミメイを慕う後輩として登場するだけなのか。それともミメイをきっかけに月ミドを聴き始め、新たなリスナーとしてくらげやミメイたちの輪へ加わるのか。現時点では推測にすぎないが、その可能性を考えるだけの材料はそろっている。
場所に関する考察
「南町」は南千住だった?
※本項は、作中の台詞や背景、実在する駅・施設の位置関係をもとにした舞台考察である。南町のモデルが公式に明言されたものではなく、推測や個人的な解釈を含む。実在の場所について確認できる情報と、作中との対応についての推測は、分けて参照されたい。
これまでにも、駅の北口、隣駅の大型商業施設、川沿いの公園、東西ラジオまでの移動時間など、街の位置を考える手掛かりは少しずつ登場している。
これらを現実の首都圏と照らし合わせたとき、候補の一つに挙がるのが、東京都荒川区の南千住周辺 である。
もちろん、どちらにも「南」が付く、というだけの話ではない。
注目したいのは、駅や路線、隣駅の商業地、水辺の環境といった条件を、南千住とその周辺でまとめて説明できる点である。
ただし、街の地理的なモデルと、個々の場面に描かれた背景のモデルが、同じ場所とは限らない。
また、隣駅の商業施設や練習に訪れた河川敷まで、すべて自宅のすぐ近くにあると考える必要もない。
本項では、南町の日常の生活圏、そこから訪れる場所、それぞれの背景のモデル を分けながら、南千住説を検討する。
南町周辺で分かっていること
まず、作中の台詞や行動から確認できる情報を整理する。
ミメイの家は「2丁目」にある一戸建て(#1 )
くらげはマンションの4階に住んでいる(#16 )
2人の家は徒歩でも行き来できる距離にあり、自転車を使う場面もある
自転車での移動には約10分かかる(#16 )
くらげの家から少し歩いた場所に、たびたび登場する公園がある(#1 )
公園にはベンチ、ブランコ、パーゴラ状の休憩場所、バスケットボールのゴールが描かれている(#6 、#12 )
最寄り駅として「駅(北口)」が登場する(#9 )
隣駅には「デカいショッピングモール」がある(#13 )
花火の上がる夏祭りのあと、2人が歩いて帰っている(#27 )
また、帰宅場面からは、駅から2人の家へ向かう方角が同じであることや、川べりの公園沿いと思われる道を通ると遠回りになることが読み取れる(
#5 )。
学校や商店、公園の間には、次のような移動も描かれている。
登場話
描かれた移動の流れ
#6
学校→公園→ミメイ家
#7
コンビニ「24mart」→「高元商店」前の横断歩道→公園
#16
ミメイ家→「高元商店」前の横断歩道→くらげ家
※矢印は場面内の移動順を整理したものであり、実際の方角や一直線の配置を示すものではない。
これらから、2人の生活圏には、駅、公園、商店、一戸建て、マンションなどがあり、その間を徒歩や自転車で行き来していることが分かる。
ただし、こうした環境は南千住だけに見られるものではない。街の候補を絞るには、鉄道路線や周辺施設など、もう少し具体的な条件との照合が必要となる。
南千住が候補になる理由
南千住説を考えるうえで、まず注目したいのが最寄り駅と隣駅の関係である。
東京メトロ日比谷線の南千住駅には「北口」があり、一駅隣は北千住駅である。
北千住駅周辺には、ルミネ北千住や北千住マルイなどの大型商業施設があるため、「北口のある最寄り駅」と「隣駅の大きな商業地」という組み合わせは成立する。
さらに、同じ日比谷線で銀座方面へ乗り換えずに向かうことができ、南千住駅の東側には隅田川と汐入公園がある。
作中の手掛かり
南千住周辺で対応する条件
現時点での見方
最寄り駅に「北口」がある
日比谷線南千住駅に北口がある
出口の呼称が一致する
隣駅に大型商業施設がある
隣駅の北千住に大型商業施設がある
位置関係は説明できるが、外観の一致ではない
乗り換え場面なく都心へ移動する
日比谷線で銀座方面へ直通できる
描かれた移動と整合する
川べりの公園沿いを通る場面がある
駅の東側に隅田川・汐入公園がある
周辺環境の候補となるが、帰宅経路は未特定
どれも単独で南千住を特定するものではない。
それでも、駅の出口、隣駅、利用路線、水辺の環境を一つの地域で説明できる点は、候補として検討する理由になる。
東西ラジオへの移動経路
#9 悪い子 では、南高校から東西ラジオまで「電車と徒歩で40分」と説明されている。
この移動場面には、所要時間以外にも手掛かりがある。
街の駅から電車に乗っている
途中で乗り換える場面は描かれていない
降車前に「右側のドアが開きます」と車内放送が流れる
「地下鉄」と表示された出口から地上へ出る
地上へ出たあと、東西ラジオまで「10分くらい」と話している
最後の台詞は、駅を出て雨に気付いたあとのものである。
したがって、ここでいう約10分は、駅構内の移動を含む時間ではなく、地上の出口から先の徒歩時間 と読むのが自然である。
社屋のモデル
東西ラジオの社屋については、東京都千代田区有楽町にあるニッポン放送本社ビルをモデルとする見方がある。
そこで、有楽町1丁目周辺を目的地と仮定し、南千住からの経路を比較する。
ただし、外観を参考にしていても、作中で同じ場所に建っているとは限らない。以下は、東西ラジオがニッポン放送本社と同じ付近にあると仮定した場合 の考察である。
乗り換え描写が無い
南千住駅からは、日比谷線で東銀座・銀座・日比谷の各駅へ、乗り換えずに向かうことができる。
この経路は、作中で途中の乗り換え場面が描かれていないことと整合する。
移動の省略があり得るため、乗り換えなしと確定することはできない。
それでも、日比谷線の直通経路なら、描かれていない乗り換えを仮定せずに、街の駅から都心の地下鉄駅までの移動を説明できる。
南千住説では、最寄り駅の北口、隣駅の大型商業地、都心への移動を、同じ日比谷線の利用でまとめて説明できる ことになる。
「右側のドア」が開く駅
日比谷線で南千住から中目黒方面へ向かう場合、東銀座駅と銀座駅では右側のドアが開く。一方、日比谷駅では左側のドアが開く。
降車駅・路線
ドアが開く側
作中の放送との対応
東銀座駅・日比谷線
右側
一致する
銀座駅・日比谷線
右側
一致する
日比谷駅・日比谷線
左側
一致しない
日比谷駅・千代田線
右側
一致する
作中の放送を実在駅の構造に対応する手掛かりとして扱うなら、日比谷線では東銀座駅と銀座駅が候補に残る 。
ニッポン放送への近さでは日比谷駅が便利だが、日比谷線で降りた場合はドアの向きが合わない。
反対に、銀座駅でも右側が開くため、この放送を理由に東銀座駅だけへ絞ることもできない。
千代田線の日比谷駅でも右側が開くが、南千住駅から千代田線へは直通していない。南千住を出発駅とするなら、途中の乗り換えを考える必要がある。
出発駅自体を別の駅とする案については、「北口」や「隣駅の大型商業施設」など、ほかの条件も改めて照合する必要がある。
地上から徒歩約10分という条件
ニッポン放送の公式案内では、本社までの徒歩時間は次のように示されている。
駅・出口
本社までの徒歩時間
日比谷駅A8出口
1分
有楽町駅B1出口
1分
銀座駅C4出口
5分
これらの出口を使う場合、作中の「10分くらい」という説明とは差がある。
ただし、これは特定の出口からの所要時間であり、同じ駅のどこから地上へ出ても同じ時間になるわけではない。
銀座駅の出入口は広い範囲に分かれている。そのため、C4出口から徒歩5分という案内だけで、銀座駅からの徒歩約10分を否定することはできない。
一方、「別の出口なら10分かかるはず」というだけでは一致を確認したことにもならず、出口と歩行経路の特定が必要となる。
東銀座駅についても、徒歩時間を検討する候補にはなるが、より目的地に近い銀座駅や日比谷駅まで乗らず、そこで降りたと判断できる描写はない。
現段階では、徒歩時間だけを根拠に降車駅を決めることは難しい。
学校から約40分で到着できるか
調査時点の時刻表・乗換案内では、南千住駅から日比谷線で東銀座駅まで約20~21分、銀座駅まで約22~23分の例が確認できる。
想定する降車駅
南千住駅からの乗車時間の例
作中の地上徒歩約10分を加えた時間
東銀座駅
約20~21分
約30~31分
銀座駅
約22~23分
約32~33分
ここに、学校から南千住駅までの徒歩、駅構内の移動、電車の待ち時間が加わる。
学校が駅に近く、待ち時間などが短ければ、全体が約40分となる余地はある。一方、学校から駅までの徒歩が長ければ、その分だけ時間は増える。
ただし、作中の「40分」や「10分くらい」は概算と考えられる。
差し引いた数分を厳密な制限として学校の位置を決めるのではなく、乗車時間が約20分台となり、残りを徒歩などに充てる経路として成立する可能性がある と捉えるのがよいだろう。
なお、現在の時刻表との比較は、作中の年代や利用列車を特定するものではない。
駅の出口について
作中の出入口には、レンガ状の目地がある壁や柱、「地下鉄」の看板、雨を避けられる上部の構造が描かれている。
歩道から数段上がった踊り場の奥に、地下へ続く階段があるようにも見える。
これらは背景モデルを探す手掛かりになるが、駅名や出口番号は読み取れず、一致する実在の出入口は特定できていない。
壁の模様だけでなく、階段の向きや歩道との高低差、看板、周囲の建物も照合する必要がある。
また、銀座駅と東銀座駅の周辺には地下通路のつながりがあるため、出入口のモデルが分かっても、降車駅まで一意に決まるとは限らない。
電車を降りた駅と、地上へ出た場所は分けて考える必要がある 。
以上から、南千住駅から日比谷線で東銀座駅または銀座駅へ向かう直通経路は、乗り換え描写のなさと降車側の条件に整合する。
ただし、利用した出口や地上の徒歩経路は未特定であり、すべての条件が一致した経路とまではいえない。
隣駅の「デカいショッピングモール」
南千住説に当てはめるなら、日比谷線で一駅隣の北千住駅周辺が、商業地としての候補となる。
ただし、北千住に大型商業施設があることと、作中に描かれた施設が北千住の建物に一致することは、別の話である。
背景の街並みについては、神奈川県川崎市の複合商業施設「ラ・チッタデッラ」 に似ているという見方がある。
ラ・チッタデッラは、イタリアのヒルタウンをモチーフにした施設であり、北千住の商業施設とは異なる外観を持つ。
南千住説を前提に両者を整理するなら、
比較するもの
候補
隣駅に大きな商業地があるという位置関係
北千住駅周辺
場面に描かれた街並みの参考資料
川崎のラ・チッタデッラ
という組み合わせが考えられる。
ただし、これは位置関係と外観を別々の地域から取り入れたという仮説であり、そのような制作方法が確認されたわけではない。
背景が川崎に似ている点は、複数地域を参考にした可能性を示す一方、南千住説だけではそのまま説明できない点としても残しておきたい。
なお、「隣駅」であることから分かるのは駅の位置関係までである。その場所が作中の行政上も南町の外にあるかどうかは、明らかになっていない。
川沿いの公園と、いつもの公園
南千住駅の東側には隅田川が流れ、その沿岸には都立汐入公園がある。
公式案内では南千住駅から徒歩12分とされており、駅と住宅地、水辺の公園が近接する環境は、南町周辺を考えるうえで参考になる。
#5 お揃い の、川べりの公園沿いと思われる道を通ると帰宅が遠回りになるという描写も、駅から川側へ回り込む経路を想定すれば説明できる可能性がある。
ただし、2人の家の位置が不明なため、実際の地図上で帰宅経路を再現できたわけではない。
また、川沿いの環境が似ているからといって、2人がよく利用する公園まで汐入公園と同一視することはできない。
いつもの公園にはブランコやバスケットボールのゴールなどが描かれているが、設備や配置が一致する実在の公園は特定できていない。
ここでは、
川沿いの環境の候補として、隅田川・汐入公園周辺を考える
いつもの公園の具体的なモデルは、別に検討する
という分け方が必要となる。
さらに、
#43 進化する日々 では、くらげが近所に練習できる広さの公園がないため、河川敷へ出かけている。
実在の汐入公園には広場や園路があるため、くらげの家をそのすぐ近くに置くなら、この説明との関係も考えなければならない。
もっとも、公園の面積が広いことと、リレーの練習に適した場所が身近にあることは同じではない。
この台詞だけで南千住説を否定することもできないが、「広い公園が近くにある」という点を無条件に一致材料とするのも避けたい。
歩いて帰れる夏祭り
#27 私のせいで では、花火の上がる夏祭りのあと、ミメイとくらげが歩いて帰っている。
会場には浴衣姿の人々や複数の屋台が描かれ、多くの来場者でにぎわっている。
南千住周辺で花火を考えるなら、隅田川花火大会が候補の一つとなる。
汐入公園では実際に同大会の観覧に関する案内が出されており、南千住周辺から花火を楽しめることは確認できる。
ただし、花火を観覧できる場所と、打ち上げ場所や祭り会場は同じではない 。
汐入公園から花火が見えることだけで、作中の夏祭り会場が汐入公園だと判断することはできない。
また、花火が大きく描かれていることは、会場の臨場感を表す演出とも考えられる。コマの中での大きさから、打ち上げ地点までの距離を正確に求めることは難しい。
屋台の配置や周囲の建物についても、実在の会場との一致は確認できていない。
この場面から確実に読み取れるのは、少なくとも帰路に徒歩を選んでいることまでである。
帰宅にかかった時間や会場の正確な位置は不明であり、隅田川花火大会との対応は、周辺環境から考えられる一案にとどまる。
南高校はどこにあるのか
このため、南高校は2人の生活圏とつながる場所にあると考えられる。
南千住説を採るなら、南千住駅を利用できる範囲に学校を想定することになるが、具体的な位置や実在校のモデルまでは分からない。
東西ラジオまで約40分という情報も、学校の位置を考える材料にはなる。
ただし、降車駅や出口、待ち時間が未確定である以上、それを逆算して実在の高校を一校に絞ることはできない。
現段階では、
南高校は南町またはその近隣にあると考えられる架空の高校であり、具体的な所在地や実在校のモデルは未特定である。
と整理するのが妥当だろう。
#43 進化する日々 では、くらげが広い河川敷でリレーの練習をしている。
この場所については、南千住の東側を流れる隅田川よりも、北千住周辺の荒川河川敷に近いのではないか、という見方ができる。
背景の特徴
作中の河川敷には、次のような要素が描かれている。
運動できる広い河川敷
高く続く堤防
堤防上の長い舗装路
河川敷へ下りる階段
ランニングや運動をしている人々
堤防の街側に並ぶ住宅や中層建築
遠方の高層建築群
近くに架かる大きな橋
汐入公園周辺は、公園と遊歩道、住宅地がまとまった水辺である。
一方、
#43 では、広い河川敷と堤防、その背後の街並みが目立つ。背景の印象を比べると、北千住周辺の荒川を候補に挙げたくなる。
実際、北千住周辺の荒川河川敷には千住新橋野球場などの運動施設があり、広い河川敷を運動に利用する環境がある。
ただし、堤防や階段、橋、住宅街といった要素は、ほかの河川敷にも見られる。
現時点では、橋の形や高層建築の並びなどを実景と照合して、場所を一点に絞り込めたわけではない。
海老奈の台詞が示す位置関係
河川敷でくらげと出会った海老奈は、
「学校この辺じゃないでしょ」
と話している。
この台詞からは、海老奈が、その河川敷付近をくらげの学校がある地域とは捉えていないことが読み取れる。
くらげは練習場所を求めて訪れ、海老奈は学校から塾へ向かう途中、自転車で通りかかっている。
人物・場所
河川敷との関係
くらげ
近所に適した練習場所がなく、河川敷を訪れる
海老奈
学校から塾へ向かう途中、自転車で通りかかる
ミメイ
狛井との練習後、くらげと合流する
南高校
海老奈の認識では、河川敷付近にある学校ではない
南町
河川敷までの距離や方角、町の境界との関係は不明
ここで注意したいのは、学校の近くではないことと、南町の外にあることは同じではない という点である。
学校と自宅が同じ場所にあるわけではなく、作中の「南町」がどこまでの範囲を指すのかも分からない。
したがって、この台詞から「河川敷は南町の外にある」「自宅からかなり遠い」とまでは断定できない。
分かるのは、くらげが練習のために訪れられ、海老奈の通学・通塾経路とも接点がある場所だということまでである。
南千住説に当てはめるなら
南町を南千住周辺と仮定すると、くらげが北千住方面へ移動し、荒川河川敷で練習していたという位置関係は考えられる。
南千住周辺の水辺をすべて隅田川に当てはめるのではなく、目的に応じて別の河川敷を訪れたと見る案である。
ただし、作中では河川敷までの交通手段や所要時間は明らかになっていない。
また、
#43 の最後に2人が並んで歩く場面からも、進行方向や帰宅経路は特定できない。
現時点で考えられる候補は、次のように整理できる。
候補
考察上の位置付け
北千住周辺の荒川河川敷
広い河川敷と堤防、街並みの印象から挙げられる候補
南千住・汐入公園周辺の隅田川
南千住説との地理的なつながりはあるが、背景の印象には違いがある
多摩川など別地域の河川敷
一般的な景観の特徴だけでは除外できない
複数の場所を参考にした架空の河川敷
可能性はあるが、制作上の裏付けはない
したがって、北千住周辺の荒川は背景モデルの候補の一つだが、場所は未特定 というのが現段階での結論となる。
なお、「南町が南千住なら河川敷は荒川」と仮定したうえで、「河川敷が荒川だから南町は南千住」と結論付けると、同じ仮定を繰り返すことになる。
南千住説をさらに補強するには、橋や建物など、河川敷の側にも独立した一致点がほしいところである。
南千住説に合う点と、残る疑問
ここまでの比較をまとめると、南千住説の中でも、確認できた対応と推測の部分には違いがある。
項目
確認できた対応・考えられること
未解決の点
最寄り駅の北口
日比谷線南千住駅に北口がある
駅舎や周囲の外観は未特定
隣駅の商業施設
北千住駅周辺に大型商業施設がある
作中の施設との外観の一致は未確認
東西ラジオへの移動
日比谷線で東銀座・銀座へ直通でき、右側のドアが開く
出口、地上徒歩約10分、学校からの全所要時間は未確定
川沿いの環境
隅田川・汐入公園がある
2人の家と帰宅経路は再現できていない
いつもの公園
住宅地の公園という環境は想定できる
設備や配置が一致する公園は未特定
夏祭りと花火
汐入公園から隅田川花火大会を観覧できる
作中の祭り会場や屋台との対応は未確認
南高校
南千住駅を利用する学校を想定する余地はある
所在地・実在校のモデルは未特定
#43 の河川敷
北千住周辺の荒川が景観上の候補となる
具体的な場所と移動経路は未特定
このほか、「高元商店」や「24mart」のモデル、2人の家の配置も分かっていない。
ミメイの家が「2丁目」にあることについても、地名が同じではない以上、現実の南千住二丁目にそのまま当てはめる根拠にはならない。
また、一戸建てとマンションがあり、徒歩や自転車で公園や駅へ行けるという環境は、首都圏のほかの地域にも見られる。
共通点の数だけでなく、その地域をほかの候補と区別できる一致点かどうか も考える必要がある。
街の位置と、背景モデルを分けて考える
本項で挙げた場所は、南町との関係によって次のように整理できる。
作中の場所
南町や2人との関係
モデル・位置関係の候補
ミメイとくらげの家、最寄り駅
日常の生活圏
南千住駅周辺
いつもの公園、「高元商店」、「24mart」
徒歩や自転車で行き来する場所
具体的なモデルは不明
川べりの公園沿いの道
帰宅時に通ることのできる場所
隅田川・汐入公園周辺など
南高校
通学先。公園や最寄り駅との移動が描かれる
具体的な所在地・モデルは不明
隣駅の大型商業施設
買い物などに出かける場所
位置関係は北千住、背景はラ・チッタデッラという組み合わせも考えられる
花火の上がる夏祭り
祭りのあとに歩いて帰る場所
隅田川花火大会や周辺の催しなどが候補
#43 の河川敷
練習のために訪れる場所
北千住周辺の荒川など
東西ラジオ
学校から電車と徒歩で向かう目的地
社屋の外観はニッポン放送本社が候補
この整理は、作中の町の境界を示すものではない。
隣駅の施設や河川敷について、「普段の生活圏から移動して訪れる場所」と「行政上の南町の外」を同一視しないことが重要である。
また、背景モデルが別地域に見える場合、地理的な位置関係と外観を別々に参考にした可能性はある。
ただし、合わない部分をすべて「複数地域を組み合わせたから」と説明してしまうと、どの候補でも成立する考察になってしまう。
背景の組み合わせは一つの可能性として残しつつ、南千住説では説明できていない点も明示しておきたい。
結論
南千住周辺は、南町の地理的なモデルとして検討する価値のある候補である。
特に、日比谷線南千住駅の北口、一駅隣の北千住の商業地、銀座方面への直通経路という組み合わせは、作中の複数の情報と整合する。
東西ラジオへの移動についても、東銀座駅または銀座駅で降りる案なら、乗り換え描写のなさと「右側のドアが開きます」という放送を説明できる。
一方、駅の出口や徒歩約10分の経路は特定できておらず、南高校から約40分という条件まで一致したわけではない。
公園、夏祭り、河川敷についても、周辺環境や景観から候補を挙げられる段階であり、場所を確定する一致点は不足している。
以上を踏まえると、本項の仮説は次のようになる。
南町の駅や生活圏の地理的な土台に、南千住周辺が参考にされているのではないか。個々の場面の背景には別地域の風景も使われている可能性があるが、その対応関係はまだ特定できていない。
南町は南千住だったのか。
まだ答えを出すには早い。ただ、駅の北口から隣駅、都心へ向かう路線まで、まとめて説明できる部分はある。
現段階では、南千住は有力な候補の一つ。ただし、ほかの候補との比較や、背景の具体的な照合が必要 と結ぶのがよさそうである。
PVの公園は砧町公園?
※本項では、コミックス第5巻発売記念PVに登場する公園について、映像内の遊具や設備、周辺環境などをもとに撮影地を考察する。公式に撮影場所が明言されたものではなく、以下には推測が含まれるため、あくまで一説として参照されたい。
PVでは実写の風景にミメイやくらげのイラストを重ねる演出が用いられており、その舞台として夜の公園がたびたび登場する。
では、この公園はどこなのだろうか。
映像に映る遊具や設備を実在する公園と見比べていくと、東京都世田谷区砧三丁目にある「砧町公園(きぬたまちこうえん)」 がかなり有力な候補として浮かび上がる。
砧町公園は世田谷区砧3丁目10番8号に位置する、面積約1,530平方メートルの公園。
園内にはブランコ、滑り台、砂場、地球儀型の回転遊具、パーゴラなどが設置されており、遊具同士も比較的ゆったりとした間隔で配置されている。
PVと砧町公園を見比べると、主に以下のような共通点が確認できる。
赤・黄・青を基調とした地球儀型の回転遊具
黄色い小型の滑り台
青系の支柱を持つブランコ
長方形の砂場
砂場を覆うように設置されたパーゴラ
木製の背もたれ付きベンチ
園内を囲む生垣
大きな樹木と、そのすぐ外側に住宅が並ぶ周辺環境
遊具同士がある程度離れて配置された園内の広さ
中でも目を引くのが、砂場とパーゴラの組み合わせ である。
PVでは、低い縁で囲まれた長方形の砂場の上に、細い柱で支えられた大型のパーゴラが設置されている。
砧町公園にも非常によく似た構造の砂場とパーゴラがあり、その周辺の園路や生垣の配置についても共通点がみられる。
また、PVに映る地球儀型遊具、滑り台、ブランコなどは、一か所にぎゅっと集められているわけではなく、ある程度距離を置いて配置されている。
約1,530平方メートルの広さを持つ砧町公園も同様に、遊具が比較的ゆったりと置かれている。
遊具一つだけなら似た公園はいくらでもありそうだが、砂場、パーゴラ、回転遊具、ブランコ、滑り台、ベンチ、周辺の住宅街まで複数の特徴が一致している 。
さらに、それぞれの遊具や設備の位置関係、園内の広さもPVの映像とよく似ており、砧町公園を撮影地とみる根拠はかなり多い。
以上の点から、PVに登場する公園は砧町公園で撮影された可能性がかなり高い と考えられる。
ただし、ここで一つ注意しておきたい。
仮にPVの撮影地が砧町公園であったとしても、作中に登場する「いつもの公園」のモデルまで砧町公園であるとは限らない 。
PV制作にあたって、作品の雰囲気に合う公園をロケ地として選んだだけという可能性も十分にあるため、「PVの撮影地」と「漫画本編の舞台モデル」はひとまず分けて考えるべきだろう。
とはいえ、PVではミメイとくらげが公園のベンチに座るなど、作中の日常を現実の風景に重ねるような演出が行われている。
砧町公園が撮影地として選ばれたこと自体、作中の「南町」や「いつもの公園」のイメージを考える上では、なかなか興味深い手掛かりである。
今後、漫画本編に描かれた公園の遊具や園内配置、周辺道路などと砧町公園を照らし合わせていけば、モデルとなった場所であるかについても、さらに検証できるかもしれない。
最終更新:2026年10月06日 00:46