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玲亜の色/七人の色 第一章「虹の根」
『イメージカラー』
正直、私に聞かれてもすぐには出てこない。
自分らしい色なんて...
自分らしい色なんて...
「う~ん…」
窓際の五列ある席の後ろから二番目の席で悩んでいる
黒板には「イメージカラー」と大きく書かれており
その下には「・自分らしい色」「・理由」
と書かれている
その下には「・自分らしい色」「・理由」
と書かれている
キーンコーンカーンコーン
「あっ、それでは終わってない人は明日までの宿題にしますので、みんなちゃんと考えてきてくださいね。」
「「は~い!」」
授業も終わり私達に自由な時間が返ってきた。
そんなクラスから聞こえてくる会話は先ほど宿題となったイメージカラーの話で持ち切りだった。
そんなクラスから聞こえてくる会話は先ほど宿題となったイメージカラーの話で持ち切りだった。
「余裕だな!俺は赤!」
「〇〇ちゃんは何色?」
「私はピンク!」
みんな自分のイメージカラーがあるみたい…
私なんて一つも浮かんでいないのに、もしかして浮かんでいないのは私だけ?…
私なんて一つも浮かんでいないのに、もしかして浮かんでいないのは私だけ?…
持ち帰る荷物を赤いランドセルへ入れて背負い
一人腕を組みをしながら下校しようとしているこの少女
一人腕を組みをしながら下校しようとしているこの少女
「イメージカラー、かぁ…。」
「虹富 玲亜」
小学三年生
これは彼女がまだ【女児小学生ズ】と出会う前の話である
「――――――――ただいま~」
玲亜の家は学校の校門から小学生が歩くスピードでも徒歩10分程の距離だ
スカートのポケットから家の鍵を取り出し
自宅の扉を開けると廊下の奥からスタスタと歩いてくるのに気付いた
「玲亜!おかえりなさい!」
「ただいまお母さん」
リビングからやってきたのは玲亜の母
夕食の準備をしていたのだろうか
エプロンをしている
「学校どうだった?」
「毎日聞かれても変わらな、あぁ~そういえば変わった宿題が出たくらいかな~」
私が学校から帰ってくると、お母さんは必ず学校で何があったかとか聞いてくる…
今日はたまたま話題があったけど毎日聞かれてもそんなに変わらないのになぁ…
今日はたまたま話題があったけど毎日聞かれてもそんなに変わらないのになぁ…
「お母さん、私の話の前に先に手洗いうがいしてこないと…」
「あっ、ごめん玲亜またお母さんったら、偉いわね。先に行ってらっしゃい!」
「ほーい」
危ない危ない、また玄関でランドセル背負ったまま学校の話をさせられるところだった…
玲亜は2階にある自身の部屋へ行きランドセルを降ろしたあと
1階の洗面所で手洗いうがいを済ませた
そしてリビングへ向かうと玲亜の母がご機嫌に鼻歌を交えながら夕食の準備を進めていた
1階の洗面所で手洗いうがいを済ませた
そしてリビングへ向かうと玲亜の母がご機嫌に鼻歌を交えながら夕食の準備を進めていた
「お母さんご機嫌だね」
「ん~?ちょっとね~玲亜もテーブルの上に置いてある今日のおやつを見ればわかるよ~?」
「おっと、お母さんハードルを上げたね?じゃあ今日のおやつはなんじゃらほい♪」
玲亜もご機嫌でテーブルに向かうと、テーブルの上には真っ赤な大きなイチゴを乗せたショートケーキが置かれていた
「ショートケーキ!?お母さんどうしたのこれ!」
思わず大きな声で驚いてしまった。私は近くのドーナツ屋さんのドーナツかなと予想していたのに、軽々と超えられてしまった。
「それが今日買い物に行った時に偶然今日からオープンしたケーキ屋さんを見つけちゃって…つい買っちゃった!」
「お母さん最の高だよ!頂きまーす!」
帰り道は今日の宿題のことで頭がいっぱいだったけど、
今はもうこのショートケーキしか考えられない!
うーん!どこから攻めようか迷う~!
今はもうこのショートケーキしか考えられない!
うーん!どこから攻めようか迷う~!
「それで?さっき言ってた変わった宿題ってどんなの?」
玲亜がショートケーキをどこから攻めようか悩んでいると、ひと段落した母が向かい側に座った
「ん?えっと…自分のイメージカラー?をみんなに教えるんだって」
「イメージカラーねぇ、玲亜のイメージカラーをみんなに教えて、どうしてその色なのか説明するってこと?」
お母さん、こういう時ズバリと当ててくるの凄い…
「そういうこと。周りのみんなは浮かんでいるみたいなんだけど、私1つも浮かばなくてさ。」
イメージカラーは浮かばずとも食べ始める箇所は決められた玲亜はイチゴを残し、先端から攻めることにしひと口頬張る
甘いクリームとふわふわの生地で最初から満足感に襲われてしまう
「しあわへ~♪」
「幸せまっしぐらな玲亜ちゃ~ん。この後宿題ちゃんとやるのよ~?」
全く、と少し呆れた様子で言い聞かせる
「ん~そう言われても私らしい色なんて分かんないもん。お母さんは何色だと思う?」
「そうねぇ…ここで言ったらあなたはきっとその色にしちゃうだろうから、そこはちゃんと自分で見つけなさい。」
「ぶ~」
これで宿題完了できると思ったのに…
こういう時お母さん真面目なんだから…
こういう時お母さん真面目なんだから…
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