『亀裂』
更新日:2020/08/08 Sat 00:28:17
目次
「のじゃロリ猫ちゃん!」
愛歩は急いで窓を開けた。
「おう愛歩。オウマがトキに行ってたようじゃな」
のじゃロリ猫は軽く言う。
「のじゃロリ猫ちゃんは、知ってたの?その、オウマがトキが出来た原因とか…」
「本当はわしからお主に伝えようと思っとたんだが、メローナのやつ、柄にもなく焦ったようじゃの」
愛歩はショックを受けた。
「のじゃちゃんは何とも思わないの?親と引き離された子を見て」
「そうじゃの~、何とも思わん訳じゃないが、あいつらはもうどうにも出来んのじゃ、下手に動かすと逆に精神崩壊するぞ」
どうしようもなかったのかと、愛歩は唇を噛んだ。
その様子にのじゃロリ猫は慰めるように囁いた。
「お主にとって大切なのはなんじゃ?大石早生が戻る事か?大石夫妻を悲しませないことじゃないか?」
愛歩はまたもや言葉につまる。暫くしてから漸く認めた。
「うん、メローナにもそう言われた」
愛歩は悔しくて歯噛みする。
「私のした事は、無意味だったのかな」
「それは違うぞ。お主の考えは立派じゃ。わしには親と言う存在はないが、好きなものの為に行動することは称賛に値するぞ」
愛歩は俯いた。もうどうすればいいか分からない。
「のじゃロリ猫ちゃんは…」
気が付いたら勝手に言葉が出ていた。
「どうして私の味方をするの?」
のじゃロリ猫の耳がその言葉にピクリと動いた。
「……どうしてとは?」
「怖いよ…何か理由があるんじゃないの?」
愛歩はのじゃロリ猫の目をまっすぐ見れなかった。
「のじゃロリ猫ちゃん。私のおばあちゃんと友達だったんだよね?」
「お主、どこでそれを……」
のじゃロリ猫は驚いていた。
「答えて!」
「うむ、確かにわしは才花と面識がある」
愛歩は確信に触れた。
「おばあちゃんを…食べたの?」
のじゃロリ猫は目をしばたかせ、薄く笑う。
「なぜそう思うた?」
「ちょっと前、梟の怪物……だもんロリ梟だっけ?に言われたんだ。のじゃちゃんのアナザーが私を食べたがってるのは、のじゃロリ猫ちゃんが私と同じ能力を……鐘明家の能力を持っているからだって」
「うむ…それは……」
「私のような貴重な符号、アナザー達に使われたくなくないから守っていたの?」
愛歩の言葉に、のじゃロリ猫はかける言葉を失った。
「やっぱりそうなんだ」
なんと言おうか考えていたのじゃロリ猫を見て、愛歩は早とちりした。
「ごめん、今日はもう帰って」
「おい愛歩、話をーーー」
のじゃロリ猫の言葉を聞かず、窓とカーテンを締めた。
愛歩は再びベッドに戻り、何をすればいいのか分からなくて、なにも信じられなくなって泣いたのだった。
愛歩は急いで窓を開けた。
「おう愛歩。オウマがトキに行ってたようじゃな」
のじゃロリ猫は軽く言う。
「のじゃロリ猫ちゃんは、知ってたの?その、オウマがトキが出来た原因とか…」
「本当はわしからお主に伝えようと思っとたんだが、メローナのやつ、柄にもなく焦ったようじゃの」
愛歩はショックを受けた。
「のじゃちゃんは何とも思わないの?親と引き離された子を見て」
「そうじゃの~、何とも思わん訳じゃないが、あいつらはもうどうにも出来んのじゃ、下手に動かすと逆に精神崩壊するぞ」
どうしようもなかったのかと、愛歩は唇を噛んだ。
その様子にのじゃロリ猫は慰めるように囁いた。
「お主にとって大切なのはなんじゃ?大石早生が戻る事か?大石夫妻を悲しませないことじゃないか?」
愛歩はまたもや言葉につまる。暫くしてから漸く認めた。
「うん、メローナにもそう言われた」
愛歩は悔しくて歯噛みする。
「私のした事は、無意味だったのかな」
「それは違うぞ。お主の考えは立派じゃ。わしには親と言う存在はないが、好きなものの為に行動することは称賛に値するぞ」
愛歩は俯いた。もうどうすればいいか分からない。
「のじゃロリ猫ちゃんは…」
気が付いたら勝手に言葉が出ていた。
「どうして私の味方をするの?」
のじゃロリ猫の耳がその言葉にピクリと動いた。
「……どうしてとは?」
「怖いよ…何か理由があるんじゃないの?」
愛歩はのじゃロリ猫の目をまっすぐ見れなかった。
「のじゃロリ猫ちゃん。私のおばあちゃんと友達だったんだよね?」
「お主、どこでそれを……」
のじゃロリ猫は驚いていた。
「答えて!」
「うむ、確かにわしは才花と面識がある」
愛歩は確信に触れた。
「おばあちゃんを…食べたの?」
のじゃロリ猫は目をしばたかせ、薄く笑う。
「なぜそう思うた?」
「ちょっと前、梟の怪物……だもんロリ梟だっけ?に言われたんだ。のじゃちゃんのアナザーが私を食べたがってるのは、のじゃロリ猫ちゃんが私と同じ能力を……鐘明家の能力を持っているからだって」
「うむ…それは……」
「私のような貴重な符号、アナザー達に使われたくなくないから守っていたの?」
愛歩の言葉に、のじゃロリ猫はかける言葉を失った。
「やっぱりそうなんだ」
なんと言おうか考えていたのじゃロリ猫を見て、愛歩は早とちりした。
「ごめん、今日はもう帰って」
「おい愛歩、話をーーー」
のじゃロリ猫の言葉を聞かず、窓とカーテンを締めた。
愛歩は再びベッドに戻り、何をすればいいのか分からなくて、なにも信じられなくなって泣いたのだった。