【初出】
VII巻
能力は「あらゆる因果を切り離す」とも言われる、特定現象の切り離し及び遮断。また、所有者の意志のまま自在に動いたり分解し、
ベルペオルはこれを足場にして移動も行っていた。
この鎖による「特定現象の切り離し」は目に見えず触れないモノを遮断することが可能で、
ヘカテーと『
大命詩篇』の共振や、
両界の狭間との繋がりも遮断可能だった。
能力を使用する時は、鎖そのものが一巡して結節したり、鎖の一部を切り離して作った輪で囲んだりするが、鎖の一つ一つにも遮断能力はあった。
「封印」として使うことも可能で、『炎髪灼眼の討ち手』
シャナの
フレイムヘイズとしての異能や周囲との絆を封じて人間並みの力にしたり、鎖の輪の一つ一つに数体の“
燐子”を封じ、その部分を砕くことで必要に応じて解き放つことも可能だった。
鎖を砕くことに躊躇いが無い様子から、この鎖は砕けても復元可能であるようだ。
御崎市決戦の直前に、鎖の環を四方に飛ばし同市を覆う
封絶に同調させて、内部の人間たちの“
存在の力”への干渉を防ぐことで、人々が「壊される」ことはあっても喰らわれることはないようにした。また、能力を封じられた者は、空腹や疲労を感じなくなる。
尋常の力では傷つけることすらできず、
自在法であっても干渉を許さないとされてきたが、
シャナの求めに応じて一時的に復活した“
天目一個”によって、その核である大太刀『
贄殿遮那』で断ち切られ、その一部が消失した。
また、
両界の狭間へ落ちつつあった
サブラクは、ベルペオルが自らの手首に絡み付かせた細い鎖状の『タルタロス』を、
メアの形見である粗末な短剣で自身の手首を切断して外した。
XXI巻では、前述の御崎市を覆う巨大な封絶内部に対して使用した直後に、
吉田一美の所持する『
ヒラルダ』の封絶内で動く以外の機能を封じるために『タルタロス』の一部が一美の首にかけられたが、御崎市決戦の最中に一美の求めに応じた
シャナが『贄殿遮那』で断ち切り、またも一部が消失した。
使い手の
ベルペオルが前線に出る機会が少ない故に活躍の機会に恵まれず、ヘカテーの『
トライゴン』同様、具体的な能力の多くが『灼眼のシャナノ全テ 完』まで明かされなかった謎多き宝具だった。
【
アニメ版】
原作より出番が多く、第一期では、
ベルペオルがスケ番やチンピラのように、鎖を手で持って振り回して攻撃する場面が見られた。
第二期では、鎖の形状の力の塊のような物を生み出し、ブレスレットのように擬装しヘカテーの「偽りの器」
近衛史菜を“
紅世”の因果から切り離してフレイムヘイズたちの目を欺いたり、『
存在の泉』から得た“
存在の力”を何ヶ月も
フレイムヘイズたちに知られずに、御崎市地下に隠匿していたなど、その遮断特性の描写が顕著になっていた。
また、その際には『タルタロス』そのものは使われず、鎖の形をした力の結晶のような物が大量に配置され、砕け散り消滅すると同時に遮断が解けた。
アニメ第3期では、原作通りに使用された。
【由来・元ネタ】
元ネタはギリシア神話の暗黒の世界(地獄又は奈落そのもの)を意味する、タルタロス(Tartaros)だと思われる。 ギリシア神話に複数ある地獄の中でも、オリュンポスの神々に敵対したような最悪の罪人が堕とされる、もっとも救いのない地獄である。
タルタロスの周囲は青銅の囲いに取り巻かれ、その外側を夜(ニュクス)が三重に取り巻き、誰も逃げ出すことができないという。
最終更新:2025年06月09日 07:48